二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第19話 紫電 ( No.24 )
日時: 2017/09/09 23:40
名前: kuzan (ID: 59.keTmN)

バーサーカーの登場、それはアサシンにとって予想外のことだった。
バーサーカーの目の前にいるその女は今まさに自分が標的としている女、ミヤ・アリベータだった。
なぜバーサーカーが彼女に話しかけに行ったのか、彼は検討もつかなかった。皮肉でも言いに行ったのか、はたまたただの世間話なのか、アサシンには話している内容なんてわからないだろう。しかしこの状況ではバーサーカーの邪魔が入る予想が容易に行えた。

「こりゃちと、まずい状況になったな。
恐らくだが、奴はオレに気がついてる。
だからこそあのカフェから動かないんだろう。さらに、あの女は一刻でも早く戦線に復帰したいはずだ。
…バーサーカーを使って何をしでかすつもりだ、あのヤロウ。」

ポツリ、とアサシンはミヤとバーサーカーを見る。
そして気に食わないように舌打ちをし

「…んまァ、うちのマスターに危機が迫ってンのは間違いねェだろうな。
そうなれば、今から奴らが向かいそうな場所といえば…アルト教会か。」

とアサシンが言うと同時に2人はカフェの席から立ち上がり、人通りの少ない方へと歩いていった。
そう、その方角はとある丘の上にあるアルト教会が建っている場所でもある。

「こりゃ、ヤベェな。バーサーカーのヤロウは戦闘に慣れてる様子が伺えた。戦闘中の格好からして日本の英霊か…なら、ブシって奴だろうな。恐らくだが…。」

そう呟くアサシンはミヤを今殺すことは諦め、アルト教会のある丘へと先回りして向かう。
その丘には木々が生えており、なおかつ人の目も気になることはない。
戦闘をするならこの場所が適切な自分のフィールドだろう、とアサシンは考える。

「…どっからでもかかってこいや…
狂戦士さんよォ!!」

そして、アサシンは丘の途中の林道の木の上で待機した。
口ではどこからでもかかってこい、と言っているもの、自分は暗殺者で相手は歴戦を超えてきたサーヴァントなのだ。
ならば、不意打ちで決めるのが一番効率がいいだろうと彼は考える。

「…きやがったな、バーサーカー、んで女…!
我こそは“山の翁”ハサン・サッバーハが1人、紫電のハサン。さぁ、我が技、その身で受けるがいい…
妄想電身ザバーニーヤ』ァ!」

アサシンがそう叫んだ瞬時、辺り一帯に青い電撃が走る。
バチリ、バチリと音を鳴らしながらその電撃はアサシンの気持ちと共鳴するように鳴る。
そしてその電圧は人を感電死させるほど強いものとなっていた。
そしてその電圧を一箇所にまとめた後、真上からバーサーカーとミヤに向けて落とす。
完璧で強力な一撃であり、防ぎようはないだろう、とアサシンは考えた。
そしてその雷撃は紫電の一線となり、敵の命を狙うべく、放出された。