二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 第23話 幼い大人 ( No.29 )
- 日時: 2017/10/20 15:40
- 名前: kuzan (ID: f5yb.dIk)
「…どうする、セイバー。」
騒ぎがある程度おさまった後、2人は街の公園のベンチに座っていた。
そこは静かな場所でもあり、山の方が見やすいため、そこを選んだ。山からは煙が立ち上っている。
新杯教会はこれを煙草のポイ捨てによる火災ということで処理したようだ。
「…どうすると言われても、あとはルーラーに任せればいいだろ。私の出る幕は無いさ。」
と少し不機嫌そうに答える。
そんな顔を見た蓮は少し笑みを浮かべ
「…もしかして活躍したかった?」
と聞く。するとセイバーは珍しく慌てた様子で
「そ、そんな分けないだろう!全く…」
と、目を瞑り、少し頬を赤色に染めていう。
「…さて、果たしてどうかな…?」
と公園の入口の方をふと見る。そして次に自分の腕時計を見て
「…セイバー、今は、6時くらい、だよな?」
と確認をとる。
セイバーは少し顔を顰め
「はぁ…?
君のその時計が時間を示してるだろう?
6時で間違いないはずだ。」
と不機嫌な声色で言う。そして蓮は「そうだよな…」と呟き、もう1度入り口の方を見る。
そこには白の長い髪を持ち、黒のゴスロリドレスを着た少女が立っており、彼女は年相応の笑みを浮かべている。
「…子供、か。
おぉい、君、もうこんな時間だ、外も暗い。早く帰らないと親が心配するぞ!」
と言いながら少女に近寄る。
それを今まで不機嫌だったセイバーが顔色を一瞬で変え、蓮の前に立つ。
「…蓮、それは子供、なんて優しいもんじゃない。
そいつはサーヴァントだ。」
と険しい顔で言う。
蓮もそれを聞けば止まり、少女の方を見る。
「…今まで対峙したサーヴァントはアーチャー、ランサー、バーサーカー。そしてバーサーカーはライダーに会ったと言っていた。キャスターかアサシンか。」
「そう。私はキャスター。
拠点から抜けてきちゃった。」
人懐っこい笑みを浮かべればセイバーの方に近づいていき
「…あの火事、サーヴァント同士の戦闘が原因なの。
敵対したサーヴァントはバーサーカーとアサシン。
アサシンのマスターは新杯教会の一員、フィマ・グランディス。
聖杯戦争を統括してる組織がマスターを派遣して参加するとはね…私ダメなことだと思うの。」
とセイバーに語りかける。
セイバーはそれに対し冷静な表情で
「何が言いたいキャスター。
なにか目的があるはずだ。」
と問いかける。
するとキャスターはふわりとした笑みを浮かべ
「…新杯教会を潰さない?
今教会の中でアサシンとアーチャーのマスター。そして森の中でアサシンとバーサーカーが戦闘を行っている。行くなら今だと思うの。それでね、それでね!また聖杯戦争を再開するの!ライダーとランサー陣営はこの作戦に既に賛成している。
悪い話ではないと思うよ。報酬は用意出来ないけどね。」
と言う。セイバーは困惑した様子で蓮の方を見て
「どうする、マスター。私はお前の判断に任せる。」
と真顔で言う。
「…お前の判断に任せると言われてもなぁ…!
…確かに、新杯教会は魔術協会や聖堂教会を敵に回してるし、俺達もこの組織を敵に回したくはない。ならここで縁を切るのもありか。」
と呟き、頷く。
「分かった。だが、殺生はなしだ。いいな。」
と言ってキャスターをみる。
するとキャスターは満面の笑みを浮かべ
「流石だね、作戦実行は23時から。
セイバーとそのマスターは正面突破ね。ランサーも同行すると思うわ。ライダーと私はまた別の動きをする。23時になったと同時に行動を開始してね、頼んだよ。」
と笑みを浮かべればキャスターは霊体化をした。