二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 第25話 謀反 ( No.31 )
- 日時: 2017/10/26 17:41
- 名前: kuzan (ID: XOD8NPcM)
午後22時30分、蓮とセイバーはキャスターに言われた通り教会を襲撃しようと山へと向かっていた。
「…しかし、まさか全陣営で新杯教会を潰しに行くとはな…。
…教会はあと30分程で到着する計算、出会ってるか、マスター。」
セイバーは蓮に確認と言うように歩きながら前を向きながら尋ねる。
それに対し蓮は頷き
「ああ。初日も30分ほど歩いて到着した。ならこの計算であってるはずだ。」
確かな確信のようで頷く。
相手は見ていないが、どうやらその様子がわかったようで満足そうにし
「なら大丈夫だろう。
問題はアサシンのやつだな。気配遮断のせいでどこに潜んでいるかわからん。慎重に行くぞ。」
そう言いながらセイバーは先を進む。
もちろん昼間の彼女とは違い鎧姿だ。
「…この先が登山道、つまり山の麓だ。ここからは敵陣というわけだ、セイバー。」
「なるほど、アサシンが出る可能性が高い、というわけか。
…ん…?」
セイバーは目を凝らし、そして次の瞬間真剣な顔をして腕を横に伸ばす。蓮を守るように。
「どうした、セイバー。なにか見つけたか。」
「…ああ。誰か倒れている。
…アサシンにやられたか?」
と言いながらゆっくりとそちらへと近づく。それに合わせ蓮もゆっくりと近づいていく。
「…こいつは…!?」
そしてセイバーは顔を顰める。
蓮も後ろから確認するように見る。
「…な…ッ!?」
それはセイバー陣営の同盟相手、そしてバーサーカーのマスターである『ヒャッチ・ディグソン』だった。
「…心臓を一突き。
…後ろまで貫通してる。
情報によるとアサシンの短刀じゃ心臓を貫通できるほどの長さはないし、そもそもアサシンの仕業なら傷口はもっと大きいはず。だがそれに比べ傷口が小さい。
…まさか…!?」
「俺達はそんな武器を使う奴を1人知っている。
…そう、それは…」
ふたり揃って顔をしかめる。
そう、2人は犯人に気がついた。
「…バーサーカー…貴様か…!!」
セイバーは叫ぶ。
そう、これくらいの長さの殺傷道具といえば刀であり、それを使うバーサーカーこそ犯人、と。
「ええ、その通りでございます、セイバー。
もはや隠すつもりはありません。私の真名。
…我こそは織田信長の重臣の1人、更に我が君主に対して謀反を起こした日の本最大の謀反人、明智光秀である……!」
いつもの不気味な笑顔を浮かべ、バーサーカー、明智光秀は木の上から蓮達を見下ろす。
「ああ、それと、前主との契約、ええと、自己強制証明、でしたっけ?あれは私の宝具『敵は本能寺にあり』により無効にさせていただきました。つまりあなた方は、私の敵となりましたので、ご周知の方お願い致します。」
【『敵は本能寺にあり』
ランク:B 種別: 対人宝具
レンジ:1〜10 最大補足:1
相手と結んだ契約を無条件に突然破棄することが出来る。
しかし、令呪による強制命令には逆らうことが出来ない。
だが、この宝具を武器に付与し、それをサーヴァントに打ち付けると他マスターとの契約破棄を可能とする。】
「…なんだって…!?」
セイバーはイラつきを隠しきれないようで表情を険しくしていく。
バーサーカーはその様子を見てより一層笑みを浮かべ
「ああしかし今日は戦うつもりはありません。
本日は教会を潰すのでしょう?私もそれに加勢いたします。
なので、今日まで味方、ということですよ。さあ、急ぎましょう。あと20分しかありませんよ。」
と言いながら背中を見せ、山を先に登っていく。
セイバーと蓮は顔を見合わせた後、前と後ろに注意して山を登り始めた。