二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第4話 凛とする兄弟 ( No.5 )
日時: 2017/11/16 12:26
名前: kuzan (ID: EP9rvI.Z)

「おお我が愛しの子達よ…!!サーヴァントをついに召喚できたか…!!
儂は嬉しいぞ…!!」

大きな部屋のベッドのそばに2人の男と女が立っている。
そしてベッドには歳をとった男が寝ている。

「はい、お爺様。私達はライダーとキャスターのサーヴァントを召喚することに成功しました。お爺様のご希望通り三騎士のうちのどれかは召喚できませんでしたが、それなりに強いサーヴァントを呼ぶための聖遺物を用意したため強力なサーヴァントを召喚できました。」

「僕達は彼らのことを…そうですね、『災厄のキャスター』と『征服のライダー』とでも言っておきましょうか。」

そういえばキャスターとライダーが霊体化を解き、二人の後ろに現れる。
キャスターは白い髪を持ち、黒と白をメインとしたメイド服のような服を着ている。

「お初にお目にかかります、私はキャスター。
真名は…」

「おっとキャスター、誰が聞いているか分からない。ここは真名を伏せてくれ。」

男が口に人差し指を立ててキャスターを黙らせる。
どうやらその真名は有名らしく、できるだけ伏せるようにしている。

「…む、私だって名乗りを上げてみたいのに…なんか嫌だ、災厄のキャスターって。」

拗ねた様子で頬を膨らませる。
それを見たライダーは笑って見せ

「貴様は子供かキャスター。
そのような年頃ではないだろう。見た目はそれあたりの年齢だがな。」

笑いながらキャスターに挑発するように語りかける。
この戦争では本来的同士なのだ。少なくともその面識はあるようだ。
その様子にキャスターは顔を冷静にし

「黙りなさいライダー。
あなたも真名を伏せなければその有名すぎる名が広まってしまいます。なのでその口を魔術で永遠にだまらせてやりましょうか。」

と静かに語りかける。
先ほどのキャスターとは様子が一変した様子だ。

「おお怖い怖い。
なら儂は静かにしているとするか。」

手を挙げて首を二、三回降ると霊体化し、その場から消える。

「…ふぅ、失礼しました。
陣地作成する場所はここでよろしいのですか?
…ええと。」

キャスターがベットの老人に声をかける。
名前がわからず、少し止まってしまう。

「儂はカイキリ・クロッツェだ。
お主のマスターから名前を聞かなかったか?」

ゆっくりとキャスターの方を向く。
そして男がすぐさま

「申し訳ありませんお爺様。
そこまで気が回っておらず…伝えるのを忘れておりました。」

男がすぐさま首を下げる。それに続き隣の女も首を下げる。

「構わん、シェン、メイ。
そしてキャスター、陣地はここで構わない。それなりにいい霊脈が通っているはずだからな。」

男…シェンが首をあげ、それに続き女…メイが同じように首をあげる。
キャスターはありがとうございます、と言って外に行く。

「ではお爺様。私達は戦争に備えます。失礼致します。」

「頼んだぞ、クロッツェ家の名にかけて聖杯戦争を勝ち抜いてくれ。」

また2人で首を下げ、部屋から出ていく。
そして2人は部屋に行くと

「…はぁ、あのクソジジイ硬いから嫌いなんだよね。
僕らみたいに柔らかくやればいいのに。それに、いつもより真剣だし、アイツ。」

はぁ、とシェンは溜息をつきながら首を回す。
そしてメイは呆れたような表情をし

「仕方ないじゃない。あの老害もかつての夢だった聖杯戦争参加を孫で叶えたんだから。父さんも母さんもマスター適性なんて無かったから、やっと夢が叶ったってところでしょ。」

そう言いながらシェンに近づいている。
シェンも少し笑いながらメイに近づく。

「勝つのはほかのマスターや傍観者クソジジイじゃない。」

「勝つのは…」

「「僕ら/私達兄妹だ/よ。」」

にっ、と笑いながら二人で抱き合う。
その笑みはどこか悪く、そして楽しそうな笑みだ。
そしてそれは悪巧みを企む兄妹の参戦を意味している。