ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

プロローグ『あたしの話』






　女の子は誰かへの"愛"で強くなれるのよ。
　
　
　いつだったかママが言ってた言葉。あたしはそんなの嘘だって思った。まだ人生の酸いも甘いも何もかも知らない小さな頃のことだったけれど、そんなのだけは絶対にありえないって、分かってた。
　だってそれが本当ならパパはママを置いていったりなんてしないでしょう？そんなぽろぽろ、ぽろぽろ泣きわめいたりなんてママはしないでしょう？そんなお酒臭い声でクッサイこと言わないで。鼻が腐り落ちちゃいそう。でもママはあたしのそんな声も聞こえてないみたいだね。
　
　
　
　
　……あーあ。昔はこんなじゃなかったのにな。ママ。もっともっと強くて、格好良くて、あたしの、憧れ、だったのに。
　
　
　
　全部全部パパのせいだ。パバが中途半端にママの事を愛したから。中途半端に愛して、それで、見捨てたから。愛なんて知らなければ、ママはこんなに弱くならなかったはずなのに。格好良いママのままでいられたはずなのに。
　
　
　
　
　
　
　
　
　あたしは"愛"を許さない。
　
　
　
　
　
　
　
　あたしの"ママ"を壊した愛を、大嫌いなパパが囁いたであろう愛を、絶対に信じない。
　
　
　
　
　
　
　愛なんて大嫌いだ、だからあたしは誰かを愛することなんて絶対にしない。