二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ボカロ曲自己解釈小説!! ( No.1 )
日時: 2017/12/24 09:19
名前: ボーカルロイド (ID: X2arTSSH)

【透明エレジー】
作詞・作曲/ナブナ
小説/ボーカルロイド


*     *     *   

「—…っ!!」

笑っている。
君が、久しぶりのいい笑顔で。

赤と青のグラデーションがかかった空、逆光で君がどんな表情しているのかは分からない。
でも、なんでか笑っているのは分かったんだ。
分かったんだ。

「ーーー…。」

口が動く。
風も吹いてない、周りも騒がしくない。
不思議なほど静かだ。

なのに、君からこぼれる音は全く聞こえなかった。

目から落ちる、キラキラと光るなにか。
君はそれを拭うと、ヒラヒラと手を振った。


屋上の手摺に、ゆっくりと足をかける。
すると、時が止まったかのような僕の体は、弾かれたように走り出した。

君のその手を掴むため。
君を失わないようにするため。



思い切り伸ばす。
伸ばす。







そんな思いとは裏腹に、君はすんなりと落ちてしまったんだ。
目の前から消えてしまったんだ。

僕の手は大きく空振る。
無意味にグーパーグーパーしていたが、それすら虚しくてやめてしまう。

下を見なくてもわかる。
君は落ちた。
君は消えた。

この透明な
透明な…

この、夜空に。


いつの間にか、日は沈み夜を迎えていた。
僕の心を黒く染め上げるかのよに、闇に染まってく景色。





つーっと私の頬を、冷たい滴がつたった。






【続き >>4