二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ボカロ曲自己解釈小説!! ( No.5 )
- 日時: 2018/01/08 11:21
- 名前: ボーカルロイド (ID: X2arTSSH)
「おーい、お前らー席につけ〜!」
担任の男教師が一声張り上げると、みんなガヤガヤと席に戻り始めた。
また、いつもの通り下らないHRでもするのだろう。この先生はその手のことでは物凄く有名だ。毎日、毎日、演説みたいなHRをするって……。
「だからな、お前らもこういう風な生徒に……」
「あーあ、また始まったよ……。」
「早く、終わんないかな。」
「ダリぃ。」
最初のうちは面白がって聞いていたとしても、暫くすると飽きが来ると言うものだ。口々に皆、愚痴をもらしている。
まあ、僕も好きじゃないけどさ。
先生は、気にすることなく……ていうか、聞こえてるのかな?
自分の演説に集中しすぎて、周りが見えてないんじゃないの?
現に、彼は裏で悪口が行われているのを全く知らず、「先生の演説は生徒にとても人気があるんだ!」と、先生をおだてるために言った決まり文句を、誉め言葉と勘違いして、全校朝会で言い張る始末。
結果、全校生徒と職員がこのつまらない演説を聞く羽目になった。あれは、地獄だった。
実際、校長の顔も渋面だったもんな。
— キーンコーンカーンコーン
「せんせー!チャイムなってまあーす!」
「おおっ、もうそんな時間か。まだまだ話足りないけどしょうがないな。」
僕達にとっては天にも昇る心地ですがね。
なんて言葉を皆、飲み下す。
「じゃあ、HRはここまでっ!今日も有意義な時間にするだぞ〜!」
「起立、礼。」
『ありがとうございました』
先生が教室からでていくと、みんな親しい友人の所へ行き、「今日もクソだったわー」と先生をバカにした発言をしている。
まあ、僕もしてるんだけど。
「ねえねえ、今日も演説してたね。毎度毎度そのメンタルの強さどこにあるんだろうね?」
「ネタ探すの大変そー。ほんと、飽きないよね〜。」
君と話してる。
喋ってる。
それだけで、なんか嬉しいんだ。
もっと会話がしたくて身を乗り出す。
すると、目の前が真っ暗になった。
深い深い闇へ、堕ちて堕ちて。
この闇はどこかで見たような気がする。
ふと、耳元で小さな声が。
【もう一度チャンスをやるよ。次はうまくいってよね。】
ぼそりと独り言のような感じだったのに、耳元で囁かれたように、それでも、ハッキリと聞こえた。
小さな女の子の声。丁度、小学校低学年くらいの。
えっ、と思った頃にはまたいつもの風景と、戸惑った表情の君。
「どうしたの?顔色悪いよ?」
「あぁ…、ごめん。ちょっと頭痛くなっちゃって。」
「大丈夫?保健室行く?」
「いや、いいよ。ありがとう。」
一時間めを告げるチャイムがなり、皆それぞれの席へと戻っていった。
一体、何だったんだろう。
しかし、その疑問は一時間から忘れてしまった。
だって、一時間が私の大好きな教科だったから。