二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: Pocket Monster -Legend- ( No.4 )
- 日時: 2018/03/20 01:37
- 名前: 田中 ◆15lIZBDwz6 (ID: yU3pc2AF)
- 参照: Episode3
レッドとグリーンの前に立ちはだかる赤い髪の少年。
少年は不敵な笑みを浮かべ言葉を続ける。
?「そいつ等の身柄は俺に預けてくれないか?」
レッド「……何故?」
?「聞きたい事が山ほどあってね。今警察に預けられたら困るのさ」
少年はグレーンの袖を、少女はレッドの袖を引っ張る。
?「ああ。俺が怖いかい君達」
少女「あの……黒い服の男と、雰囲気が似てる……」
レッド「だってさ」
?「へぇ? 君、将来は超能力者になったら? ナツメなんかより優れた能力者になれるんじゃないかな」
グリーン「てことはお前もロケット団なんだな」
?「正確に言えば仲間、だね。俺はロケット団員ではない」
レッド「どうだか」
?「ン? もう口を開いていいんだぞ。下っ端共」
下っ端A「うぐっ……申し訳ありません、シルバー様」
レッド「俺達と年が変わらなそうなのに様付けで呼ばれてるのか」
シルバー「まあね。コイツ等は俺を呼び捨てでは呼べない」
グリーン「んなこたぁどうでもいいけどよ。コイツ等の仲間だってんなら俺はコイツ等の身柄は渡せねえぞ?」
レッド「(かといってポケモンバトルの連戦はキツイ……逃げるしかないか?)」
シルバー「そうだろうな」
レッド「(コイツの余裕そうな表情を見る限り、今の俺達じゃ到底勝てないだろうな……)」
シルバー「あぁ……じゃあさ。左の下っ端だけは俺が預かっていいかな?」
下っ端B「は!?」
グリーン「何故だ?」
シルバー「だって、ソイツはポケモンの自爆を使ってお前らに危害を加えただろ?」
レッド「さっきの勝負を見てたのか!?」
シルバー「もちろん。いい連携だったな? んで、ソイツはお前らに危害は加えてないし犯罪を犯してない」
下っ端B「んなっ……ふっざけん——」
シルバー「黙れよ」
——ギロリ。
ゾクッっと背筋を凍らせるような睨み。
シルバー「どうだ? 君達も今の俺とポケモン勝負の連戦なんて無理だろう?」
グリーン「ぐっ……確かに……」
レッド「まるで一人渡せば見逃してやるような口ぶりだが。いいのか?」
シルバー「何がだ?」
レッド「一人捕まるって事は、アジトが割れる可能性もあるんじゃないか?」
シルバー「あぁ、そんな事か。全然問題ないよ。探せるものなら探してみればいい」
何かを察したレッドは次に、こう言った。
レッド「……わかった。一人返そう」
グリーン「いいんだな?」
レッド「あぁ。無駄なバトルをするよりかは安全に帰してやらないといけないからな」
シルバー「いい判断だ。では、預からせてもらおう」
下っ端A「シルバー様……」
シルバー「あ? 無駄口叩くんじゃねえよ」
下っ端A「申し訳ありませんでした」
シルバー「……それじゃ二人とも。俺は帰らせてもらうよ」
シルバーは一人の下っ端を連れて歩く。
残された下っ端は見限られた事に絶望し、口を開く事は無かった。
レッド「——さて、研究所に戻るか」
気を取り直し、再びマサラタウンを目指す。
レッド達が戻った頃には既に夜になっており、辺りは真っ暗だった。
グリーン「んじゃ俺はこの子らの親に伝えに行くから先研究所向かっててくれ」
レッド「わかった」
グリーン「んじゃ。後でな」
一度グリーンと別れ、レッドは一足先に研究所へ向かう。
少年「お邪魔しまーす」
研究所に到着し、入口の扉を開く。
レッドが見た先には、研究員が全員倒れ部屋は荒らされている様子だった。
レッド「博士!」
少女「ひゃぁ……」
博士と慕われる老人の元に駆け寄る。
レッド「ッ! これは……麻痺か?」
横たわる博士に触れようと手を伸ばした瞬間、ビリッという電流が流れる。
少年「なんで博士に電気が流れてるの……?」
レッド「わからない。あぁくそ! 何がどうなってんだ!」
少女「いやぁ!」
少女はレッドに抱き着く。
少女「レッドお兄ちゃん……うぇっ、ぐずっ」
レッド「! ……ふぅ。ごめん。心配いらないから、ね?」
少女は抱き着いたままコクリと頷いた。
レッド「他の研究員も皆同じ症状か……時間経過で落ち着くだろうが、今は時間が惜しい」
少年「ナナミ姉ちゃんに言えばなんとかなるかな!?」
レッド「この際だ。相談してみよう」
少年「僕グリーン兄ちゃん呼んでくる!」
レッドはポケットのポケギアを取り出した。
連絡する相手はナナミという女性。グリーンの姉である。
ナナミ『もしもしレッド君? どうしたの?』
レッド「ナナミさんっ! オーキド博士や他の研究員が麻痺状態で……!」
ナナミ『えっ!? それ、どういうこと!?』
レッド「説明は後でします! 何とかなりませんか!?」
ナナミ『わかった。すぐ準備して行くから!』
通話終了。これで麻痺の件はどうにかなりそうだった。
少女「これ、誰がやったのかな……」
レッドは考える。
研究所を荒らし、博士や他研究員全員を麻痺状態にした相手の犯人。
レッド「さっきの男だろうな」
少女「赤い髪の?」
レッド「ああ。まんまとやられたよ」
ロケット団員は最初に言った。「研究所に近付けるわけにはいかない」と。
つまり、あの二人はシルバーがここを襲撃するまでの時間稼ぎをしていたに過ぎなかった。
レッド「参ったな。考える事が多すぎる」
一旦頭を整理するべく、レッドは腰を下ろした。
レッド「眠くないかい?」
少女「ん。……大丈夫」
レッド「無理しないでいいよ。おぶってあげるから寝なよ」
今日は色々な事が起こり過ぎて、レッドでも眠りにつきたい気分なのだ。
小さい女の子が起きていられるはずもなかった。