二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: Pocket Monster -Legend- ( No.7 )
日時: 2018/03/21 02:32
名前: 田中 ◆15lIZBDwz6 (ID: yU3pc2AF)
参照: Episode4

ナナミ「取り敢えずクラボの実を塗して飲ませたけど……」

グリーン「何だって研究所が襲われなきゃならないんだよッ!」

レッド「ロケット団……」

グリーン「アイツ等が爺ちゃんを!?」

レッド「それしかないだろ。奴等研究所に用事があったんだろ?」

グリーン「あのシルバーって奴の仕業か……!」

ナナミ「待って。ロケット団ってなに?」

レッド「よくわかりません。けど、今日俺等もロケット団に襲われました」

ナナミ「襲われた!? レッド君とグリーンも!?」

レッド「はい。俺とグリーンでそいつ等は倒しましたけど」

ナナミ「どうしてお爺ちゃんの研究所を?」

グリーン「研究室がかなり荒らされてたけど、戦ったのか?」

レッド「……いや。博士達が麻痺状態で見つけたってことは、争ってはいないんじゃないかな」

グリーン「野郎ォ……次あったらタダじゃおかねぇ」

レッド「そういやグリーン。あのロケット団はどうした?」

グリーン「アイツ等家に帰した時に警察に渡したよ」

レッド「そうか」

研究室内を見回すレッド。ふと、ある事に気が付いた。

レッド「そういや博士って。ポケモン図鑑を作ったんだっけ?」

ナナミ「そうよ。今ではカントー地方だけでなく全国のポケモンを記録できる図鑑を作ったの」

グリーン「それがどうしたんだよ?」

レッド「——ない。奴等の目的はポケモン図鑑か……!」

グリーン「ッ! そうか——」

ナナミ「! それだけじゃなく、ポケモンもいないわ!」

真ん中の机に置いてあるモンスターボールは2つ。
本来であればそこには3つ置いていた筈のモンスターボールが1つ消えていたのだ。

レッド「ポケモンと図鑑が目当てだったのか?」

グリーン「俺、他に何か盗まれてないか探してくる」

ナナミ「私も探すわ。レッド君はお爺ちゃんを看ててくれる?」

レッド「わかりました」

グリーンとナナミは立ち上がり、研究所を歩き回った。

オーキド「む……おぉ、レッドか」

レッド「博士! よかった。目が覚めましたか」

オーキド「ワシとした事が情けない。珍しいポケモンに目が眩んで電磁波を喰らってしまったわい」

レッド「相当な威力の電磁波ですね。研究員全員が同じように麻痺状態になってました」

オーキド「そうか……して、犯人は何が目的だったのかのう」

レッド「俺達が今知っているのは博士のポケモンと図鑑を盗まれてました」

オーキド「なんじゃとッ!? ぐっ」

レッド「無茶しちゃダメです博士」

オーキド「警察に連絡はッ!? 相手を知っているのかレッド!?」

レッド「警察に連絡はしてますし、相手も知っています。俺とグリーンも帰り道襲われました」

オーキド「相手はどんな奴じゃ!?」

レッド「ロケット団と名乗ってました」

オーキドはこれ以上に無いくらいの興奮状態だった。

グリーン「爺ちゃん! 目を覚ましたか!」

ナナミ「よかったお爺ちゃん」

オーキド「お、おぉ……ナナミ、グリーン。迷惑をかけたな」

グリーン「ヘッ、本当だぜ。らしくねえんじゃねえの?」

オーキド「うむ。……」

レッド「ところでグリーン。他に何か被害はあったか?」

グリーン「ん。いや、図鑑とポケモンだけだったな」

オーキド「そうか。図鑑は1つ盗まれたのか?」

ナナミ「1つだけだったよ」

オーキド「そうか……」

レッド「博士——」

オーキド「……レッド、グリーン。話がある。大切な話じゃ」

グリーン「! はは。いいぜ、聞いてやるよ」

レッド「はい」

オーキド「危険な事じゃ。決して無理にとは言わん。じゃが、ロケット団から……」

オーキド「ロケット団から図鑑とポケモンを取り返してほしい」

頭を下げられ、困惑する2人。

ナナミ「お爺ちゃん……」

オーキド「ワシは最低じゃ。10歳の子供に頼む事でもないだろうに」

レッド「俺は全然気にしてないです。寧ろ、俺からそれを進言するつもりでしたから」

グリーン「そうだぜ爺ちゃん。大体あんな奴等、俺とレッドがいりゃ十分勝てるっつうの」

オーキド「引き受けてくれるか! 本当にありがとう」

レッド「頭をあげてください博士」

オーキド「いや、本当に助かる……せめて、旅の最大限のサポートをさせてほしい」

レッド「有難いです」

オーキド「じゃが今日はもう遅いし、明日またワシの研究所に来てほしい」

グリーン「ん。わかったぜ」

ナナミ「——グリーン。レッド君」

グリーン「なんだ? 姉ちゃん」

ナナミ「レッド君。今夜は家に泊まりなさいな」

レッド「?」

ナナミ「私も2人の旅のサポートをするわ。それに、最後の日くらいお話ししたいもの」

グリーン「おいおい。別に最後ってわけじゃ」

ナナミ「でも明日から長旅が始まるでしょ?」

レッド「……そうですね。じゃあ、お邪魔してもいいですか?」

ナナミ「私は大歓迎。お爺ちゃんは大丈夫?」

オーキド「ワシか? ワシは今日研究所におるから気にしなくても大丈夫じゃよ」

レッド「あまり無理しないでくささいね」

オーキド「わかっておる」

グリーン「ンだよ今日はレッドも来るのか。まあいいか」

ナナミ「じゃあ2人とも。行きましょ」

ナナミに誘われ、グリーンの家で一夜を過ごす事になったレッド。
研究所を出る頃には辺りは真っ暗で、すぐ隣にあるグリーンの家の街灯の灯だけが辺りを暖かくした。

レッド「グリーンの家も久しぶりだな」

グリーン「そうだっけか?」

ナナミ「ふふ。グリーン前までタマムシシティにいたものね」

グリーン「なるほどな。姉ちゃんには会いに行かなかったのか」

レッド「なんでナナミさんに会う為にここにくるんだよ」

ナナミ「あら? 私は大歓迎よ?」

レッド「うっ、からかうのは止めてください……」

ナナミ「ふふ。……そう言えば2人ともご飯まだよね?」

グリーン「そういやまだだな」

レッド「色々起こり過ぎて飯を食うのも忘れたな」

ナナミ「うん。じゃあ今から作るから待ってて?」

グリーン「あいよ」

レッド「楽しみにしてます」

ナナミ「えぇ」

ナナミは笑顔で台所に立った。

グリーン「——さて」

レッド「帰ってきて早々だったな。グリーン」

グリーン「本当だな。積もる話もあったんだけどなぁ」

レッド「それどころじゃないってのも残念だな」

グリーン「しかしお前、またしばらく見ない間に腕上げたんじゃねえの?」

レッド「グリーンこそ」

グリーン「さすがマサラタウン一のポケモントレーナーだなァ」

レッド「俺とグリーンの実力なんて大差ないだろ」

グリーン「ハッ。俺はタマムシシティでポケモンを学んだよ。それで世界が広い事を思い知らされた」

レッド「そっか。……俺は今日ロケット団と戦って世界の広さを思い知らされたよ」

グリーン「俺は絶対にロケット団の野望を阻止するぞ」

レッド「グリーン?」

グリーン「大切な家族に手を出したんだ。俺を甘く見た事を後悔させてやる」

レッド「俺も同じ気持ちだよ。でもな」

グリーン「わかってる。今の実力じゃ俺達は勝てない」

レッド「あぁ。悔しいけどな」

グリーン「俺は各地のジムを巡りながら旅をしようと思ってるんだ」

レッド「へえ。ジムバッジを集めて実力をつけていくのか?」

グリーン「まあな。レッドもそうしたらどうだ?」

レッド「そうだな……確かに実力をつけるには十分すぎるよな」

グリーン「だろ? 今から楽しみになってきたぜ」

レッド「はは。随分楽しそうじゃん」

グリーン「おうよ! 何ならチャンピオンにだってなってやるぜ!」

ナナミ「なになに。グリーンチャンピオン目指してるの?」

グリーン「うおっ! なんだよいきなりビックリするな」

ナナミ「ご飯出来たからきただけよ」

レッド「うまそー」

ナナミ「ふふふ。じゃあ食べましょ?」

グリーン「いっただきー!」

食事中、3人の楽しい時間を過ごし沢山話をした。
これまでの事。そして、これからの事。レッドは思い出を胸に刻み、明日の旅に備え布団に入った。