二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 戦闘中 〜ボクらの絆〜 ※オリキャラ ( No.8 )
- 日時: 2018/06/20 21:46
- 名前: フウ (ID: fDoLpxww)
冷や汗が顎を滑る。忍の胸に当てたバトルボールをどうするべきか、全くわからない。かといって、逃げることは手首を握る鋼の手が許さなかった。
逡巡するブルーの耳に、びりっと何かを裂く音が聞こえた。
向かい合う忍が瞠目し、瞬時に音の正体を見下ろす。
その顔に、帯状にちぎった赤い布切れが労わるような手つきで巻かれていく。
「そのままだと痛いでしょう」
忍の手がブルーから離れた。途端手首から下にぶわりとしびれが広がり、どれほどの力で握られていたのか今さらに思い知る。
「自分から終わろうとするなんて、絶対に許さない。あなたの最後はわたしが決める」
言葉の激しさとは裏腹に、声音は耳に柔くあたたかい。横顔には、声に込めた感情と同じ種類の笑みがある。
「だから、それまでは、わたしをそばで守って」
強く、強く、忍の後頭部で布が引き結ばれた。
明滅する瞳孔が、徐々に眼前の光景に焦点を絞っていく。
へし折れた門柱に、地面を埋め尽くす割れ瓦。見るも無残な惨状のただ中に、やさしい微笑みがあった。砕けた瞳の代わりに得た笑顔だった。
忍の最奥から、鼓動にも似た音が鳴る。
俊敏な身のこなしで、忍はレッドに片膝をついた。身をかがめ、胸に拳を当て、深々と叩頭する。
レッドは跪く忍を見下ろした。瞳には喜びというよりも、忍の選択を慈しむ色が宿っている。
屈みこんで、その頭を抱きしめた。こらえていたものが目の縁から浮き上がり、あとからあとから頬を伝った。
「ありがとう」
アンドロイドの頭を抱え、レッドは幼子のように泣き笑う。主の為すがままに任せながら、忍は目を細め、ゆっくりとまぶたを閉じた。
————主のしゃくりあげるような息遣いに、一体何を感じているのだろう。
◇
【ミッションクリア】
ブルーが「戦車」を起動。エリア内の恐竜は駆逐された。ブルーには60万円が贈与される。
◇
Q.3体目の恐竜何してんの?
A.逃走中なイエロー組を猛追中。
「早よ来いや戦車あぁああぁあああああぁあ!!」
「〜〜〜〜!!」