二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 東方双魔使 ( No.10 )
日時: 2018/09/01 08:46
名前: レヴァニラ (ID: 3pCve.u0)

永遠亭の廊下に戦闘音が響き渡る。
片や手を銃の形にして指先から妖力を弾丸にして放ち、片や液状金属が渦を巻き弾丸を防いでいた。
「無駄だ無駄だ、お前程度じゃこの守りを超える事は出来ないぞ?」
「くっ……この侵入者、予想以上に強い!」
「もう終わりか? なら……俺の番だな」
少女が怯み攻撃が止むと、混世は手を前に出し渦を巻いていた液状金属が床を這い今度は鋭利な牙を持つ生物ーー鮫の頭部を作り出し、少女を噛み砕かんと迫った。

「くっ!」
少女は後ろに退がりつつ金属の鮫を撃ち続けるが鮫は少女の弾幕を物ともせず素早い動きで少女へ接近し、その顎を閉じる。
だが偶然にも少女は更に後ろに下がっていた為牙の餌食にはならなかったが、巨大な鮫の頭部に腹部を殴られ肺の中の空気を吐き出してしまった。
「ガハッ!? う、ぐ……」
「……諦めろ、そして俺の話を聞け」
「だ、誰が侵入者の話を聞くもんですか……!」
噎せながらも混世を睨み付けながらフラフラと立ち上がり、少女は痛みに体を震わせながらも指先を混世へと向けた。
「……とにかく、俺達はルーミアって奴の見舞いに来ているだけで、お前と戦うつもりはないんだが……」
混世は頭を掻き溜息を吐くと、鮫の頭部を今度は己の身の丈を超える槍へと形を変えた。



「話し合いに応じるくらいには痛めつけてやるか」
「お師匠様や輝夜様の為、侵入者は倒します……!」

「ルーミアちゃんのお見舞いに来ていた筈が、何故このような事に……」
遠い目をした愛染は、いつのまにか起きていたチルノの「こんせー頑張れー!」と混世を応援する声やアワアワとしている大妖精と共に少女と混世の戦いを観戦する事となった……__

Re: 東方双魔使 ( No.11 )
日時: 2018/09/15 11:50
名前: レヴァニラ (ID: 9Mczrpye)

混世達が入った玄関の戸が吹き飛び、そこから勢いよく混世が出る。
弾幕を張りながら少女は混世を追いかけて外へ飛び出し、宙へと浮かべばより苛烈な弾幕を打ち続けた。
「無駄だな……一見隙間なく張られているようだが、一部薄いところがあるぞ。 このようにな!」

しかし弾幕の薄いところを見極めた混世は隙間を掻い潜り、お返しとばかりに手にしていた槍を少女に向かって投擲した。
「そちらこそ! どうやらその液体は攻撃も防御も強烈だけど、片方にしか使えないようね!」
「チッ……気付かれていたか……」
蛇のような軌道を描いて飛ぶ槍を避けた少女は隙だらけの混世へと指先を向け妖力の弾を撃つ。
舌打ちを一つ漏らした混世は地を走り竹林へ身を隠すとあぶり出す為か四方八方に妖力弾を撃ち続ける少女。
既に投擲した液状金属は混世の足元へ戻ってきているが、攻撃をするとしても少女に避けられる可能性がある以上どうしても一撃で仕留めたい。
「さてどうしたものか……そうだ!」
少女をどうやって仕留めようか考えた混世は液状金属がボコボコ、と泡立ち宙へと細かい針を幾つか作り出した。

本当なら攻防両方を同時に行う事は可能だったが、質量や脳内処理の問題でやるつもりがなかった。
『ならば攻撃を小分けにすれば負担はそこまででもなくなる』と考えた混世は宙に浮かべた針を少女を標準にし、竹林の中を走りながら射出した。
少女は風切り音に気付き、針を片っ端から撃ち落としていくが数が多く何よりも速い。 慌ててその場から逃げるが幾つか掠り少女の白くきめ細やかな肌を傷がはしり、更に衣服も若干ながらボロボロになる。

混世は効果ありと判断しそのまま竹林の中から針を撃ち続けてじわじわと少女を追い詰める……しかし、その状況もこれまでだった。

「スペルカード! 『幻波「赤眼催眠マインドブローイング」』!」
「おっと! ……何!?」
先程同様弾幕をばら撒く少女に馬鹿の一つ覚えかと思いながら隙間を走り抜けようとした、その時妖力弾が分裂し、混世を捉え着弾、爆発した。

「! そこでしたか!」
着弾して上がった煙に気付いた少女はその場に向かい降り立つと……。



「……球体?」

……其処には、銀色の球体だけが佇んでいた……__