二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 東方双魔使 ( No.8 )
日時: 2018/08/19 21:00
名前: レヴァニラ (ID: IAQru7qe)

混世、愛染、チルノ、大妖精の4人(厳密には2人と2体)は永遠亭にいるルーミアのお見舞いに行く途中、眼下に竹林が見えればそこに降り立った。
「なーこんせー、ルーミアのお見舞いなら空から行った方が早くないかー?」
「いや……慧音から此処にいる『妹紅』って奴に会うように言われているんだよ」
チルノの質問に混世は答えて竹林の入り口前でじっとして待つと、暫くして正面から袴に似た赤いズボンのポケットに両手を入れた、銀髪に赤い目の少女が歩いてきた。
愛染は慧音から聞いた妹紅の特徴を思い出し、その少女が妹紅であると判断して声をかける事にした。

「あの……藤原妹紅ちゃん?」
「あん?」
愛染が声をかけると顰め、やさぐれた態度で妹紅と思わしき少女が反応した。
「誰だ……私を知ってるとしても、私はあんた達を知らないよ」
「もこー、この2人外来人だよ」
チルノの言葉に顰めていた顔が更に険しくなり、愛染と混世の2人を上から下まで見てからはん、と笑った。
「外の世界の今時の服装ってのは、案外洒落てたりするんだな」
「いや、それは愛染だけだからな?」
妹紅の言葉に混世が返し、愛染は顎に手を添えふうむと唸った。

「まあ妹紅ちゃん宛に慧音先生から伝言と届け物があるよ」
「慧音から? それはまた御苦労なことで……どんな伝言?」
「『たまには寺小屋に遊びに来てほしい。 お前の元気な姿が見たいんだ』との事です」
「恥ずかしい伝言だなオイ」
「それとこれ肉じゃがです、慧音先生手作りとの事です」
「今のタイミングで渡すのか!? 恥ずかしいんだけど!?」
ぶつぶつと文句を垂れながらも肉じゃがの入った箱状の容器(外の世界あっただろうタッパー)を受け取った妹紅は「折角だから竹林の中を案内してやる」と4人に道案内を始めた。
混世だけは歩いている途中液状金属を地面に垂らしてみたが彼方此方へ拡散しそうになった為小瓶に戻してから全員の後をついていった。__



__暫く竹林の中を歩き続け、途中チルノと大妖精が疲れ始めた為混世が2人まとめて抱き抱えながら歩き、建物が見えてくると妹紅が立ち止まった。
「彼処が永遠亭だ……見えるかい危ないお兄さん」
「極自然に変態扱いするんじゃないよ、全く……」
既に日が沈み始めて辺りが暗く、混世の腕の中ですやすやと眠る2人を微笑ましく見ている愛染と不審者を見る妹紅に頬を痙攣らせる混世が静かにツッコミを入れた。
「んじゃ、私は帰るぞ」
「一緒に来ないのかよ?」
混世の言葉に「ああ」と短く返した妹紅は愛染と混世に背中を向け適当に右手を上げて振りながら答えた。

「其処の我儘な引きニート姫と一緒に居たくないからね」
「「……?」」
そのまま去っていく妹紅の背中が見えなくなるまで2人はその場で立ち尽くし、だんだんと竹林の中がより暗くなってきた為永遠亭へと足を運ぶ事にした__

Re: 東方双魔使 ( No.9 )
日時: 2018/08/25 08:30
名前: レヴァニラ (ID: rLJ4eDXw)

愛染は永遠亭の玄関の前に立つと「インターホン何処だろう?」と呟き探していた。
「……こんな立派な建物なのにインターホンがないな」
「此処が別段立派なだけであって、俺達のいた世界のようなちとばかし便利な機材とかはないんじゃないか? ……取り敢えずごめんくださいとでも言えよ」
「それもそうか。 ごめんくださーい!」
混世は永遠亭をそう評価し、愛染は中に人がいるか確認する為に声をかける。
……しかし人が来る気配がせず、混世はチルノと大妖精を抱えたまま戸に手をかけてみるとガラガラ、と戸が開いた。

「……不用心だな……」
「若しくは気付いてないか、かなあ」
呆れた声を出しながらも混世と愛染は靴を脱ぎ廊下を歩き始めた。
ギシギシ、と軋む音が鳴りながら奥へと進んでいると「カチッ」と何かの音が聞こえた。
「……愛染、お前何をした?」
「僕じゃないよ、混世こそどうして足元の床が少し沈んでいるんだい?」
どうやら踏んで作動する罠が設置されていたらしい。 混世を狙い放たれた矢の雨が何処からか降り注いだ。
混世は魔法生物を使い防ごうとしたが小瓶に戻していたのを思い出し舌打ちし、2人だけはと身を呈して庇おうとした。
だが愛染はコートから何かの棒と頭部がやや大きめで顔がないのっぺらとした人形を複数体取り出すと、棒を振るい人形は4人を守るように仕込み刃を体内から出して矢の雨を切り落としていく。

これこそが愛染の魔法。 混世が『金属のスライム状の魔法生物』を操るなら愛染は『人形に魔力を吹き込み操作する』高度な技術を持っている。
全ての矢を切り落とした愛染は指揮棒と人形をコートに戻すと得意げな表情を浮かべ混世に言った。
「ま、これが年上の実力ってわけさ」
「煩え」

「まさかあの矢の雨を切り落として突破するだなんて……」
愛染の得意顔に内心腹が立った混世は頬を引きつらせながらも目が笑っていなかった。
そんな2人の遣り取りが行われていると、廊下の奥から誰かがやってきた。
その人物は学校の黒いブレザーに薄桃色のスカートを履き、頭部にヨレヨレの兎耳を持つ少女だった。
「「……コスプレ?」」
「いきなり失礼ですね!?」
2人揃ってコスプレ扱いされた少女は心外だと言わんばかりに怒り、指を銃のような形にしてその指先を2人の間に向けた。

「此処は永遠亭……侵入者にはお引き取り願います」
「いや、この子達の友達の見舞いしn「えっ!? こんな幼い子供を……このすけべ! 誘拐犯!」オイ!? 話は最後まで聞けって産みの親に言われなかったか!?
「黙りなさい! 今貴方を撃ち抜いてその子達を助け出します!」
「この女郎……ッ!」

少女の標的が混世に固定されると混世はチルノと大妖精を愛染に任せ、ポケットから取り出した小瓶の中の液状金属を床にぶち撒けて臨戦体制をとった__