二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第1話「これが正義だ!!」 ( No.1 )
日時: 2019/04/04 18:47
名前: Suzuno (ID: Ft4.l7ID)
参照: https://fight-league.com

俺の名はライ・ボガード。FL通信社と言う新聞社の記者として働いている23歳の男である。

俺の仕事は大スクープを狙って、この街のヒーローとヴィランに関する新聞記事を書き、ライバル会社であるゴシップ社に負けないような記事を書くのがモットーだ。とは言え、うちの編集長が納得するような記事が未だに書けずにいた。「このまま、編集部にいるだけで金を与えるとは思うなよ」と毎日言われている。

ため息を吐きながら、編集部の自分のブースに座り、コーヒーカップに入れたコーヒーを軽く味わう。

「……苦い。」

いつもよりコーヒーが苦く感じた。それもそのはずだ。そろそろ、良い記事を書き、購買してくださる人も増やさなくてはならない。そんな焦りからだろうか……。

そんな時に先輩が後ろから肩を叩き、よっ!と声をかけてくれた。

「お前さぁ。あんまり落ち込むなよー。うちの編集長、あんなこと言っておきながら、クビにするつもりはないからー。」
「ファイさん……。いや、でも編集長が納得するような記事がかけてないのは事実ですし……。」
「安心しろ!ここだけの話だぜ。今晩の10時……エール銀行前で騒ぎが起こるって噂だ。……それを上手く記事にすれば良い…だろ?」
「先輩…記事、俺が書いて良いんですか?」

先輩は大船に乗ったつもりでいな!と笑いながら、その場をあとにした。

俺はひとまず、取材に出かける準備を胸を高揚させながらしはじめた。

この取材から、俺のすべてが始まるとは知らなかったんだ……。

((続く

第1話「これが正義だ!!」 ( No.2 )
日時: 2019/04/12 18:09
名前: Suzuno (ID: 9yNBfouf)

数時間後……。
定刻の夜10時ごろになっても未だにエール銀行前では騒ぎの一つも起きていなかった。それどころか、情報を仕入れてやってきたメディア陣が少しずつ消えていったのである。

「ライ、すまんなぁ…多分、盗っ人君がやる気を出せなくなったんだろうなぁ」
「いや、こういうの慣れてます…。情報が手に入っただけでもありがたかったので…」

途方に暮れ、次のスクープを狙おうと、俺と先輩が荷物をまとめ始めようと機材やカバンに手をかけようとした、その瞬間であったのだ。

言い表せないような壮大な轟音と共にエール銀行の方から煙が立ち上る……爆発だ!!

「先輩、もしかして…」

先輩は何も言わずにただ立って見ていたが、行ってこいとアイコンタクトをすれば、俺は現場の近くへと駆けつけた。


((続く




第1話「これが正義だ!!」 ( No.3 )
日時: 2019/04/12 18:09
名前: Suzuno (ID: 9yNBfouf)
参照: https://fight-league.com

続く轟音…。土煙が立ち上れば、辺りもパニックとなり、逃げ惑う人たちで溢れている。

強盗たちのお出ましだ。

「よぉぉし!!このまま逃げれば俺たちはお金持ちだぁぁぁ!」
「やりましたねぇ!さ、逃げましょ逃げましょ」

その犯行の瞬間をカメラで収める。ファイ先輩曰く、戦う力を持っていない者は容易にヴィランに近づくべきではないとのこと。当たり前のことではあるが、もし、ファイトリーグに出場するくらいの実力者なら命を落とす危険性もなくはない。

しかし……。

ライはこの時、ただ「撮す」だけで良いのかと思った。この瞬間を……生き生きと「映す」ことの出来る記事を書きたい。その一心で……。

「……行くぞっ!」

そう、心で呟けば、逃げるヴィランを追いかけるように激写……。

あわよくば、俺が捕まえてやるッ!!

その一心で……その一心で……!!

が。その刹那……。

「これが……ッ!!正義だぁぁぁぁ!!!」

黄色の閃光が疾ったかの如く、目の前の強盗ヴィランが倒れていく……。

息を飲むことしか出来なかった。

……何故なら、そこには今まで記事に収める事の出来なかったヒーローがいたからだった……。そして、その対象となるヒーローはライを見るなり、少しだけ不思議そうに。

「ん?私に何か用かね?」


ライの新聞記者としての真の仕事はここから始まったのであった。