二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【全ボカロ登場】夜桜物語
- 日時: 2013/01/27 21:28
- 名前: はるく ◆2bvow6Zq4g (ID: WtzVCEg0)
- 参照: http://www.kakiko.cc/youtube/index.php?mode=view&no=6579
月が綺麗な夜のこと、一枚の花弁が、少女の白い手の中に吸い込まれるようにして静かに散ってゆきました。
少女はその花弁をしばらく見つめた後、また向き直って言いました。
「 こちらにおいで 」
__________________
クリックありがとうございます!
ROM様RAM様、全読者様に深く感謝です!
どうもこんにちは、または今晩は!
駄目作者はるくといいますゞ
えっと、二次創作(映像)、シリアスダークで主に活動しております。
実はこの『夜桜物語』、4作目になるんですねー…うん、頑張ったよー…((
はいはい、ここで少し作品の説明です。
『夜桜物語』とは、クリプトンフューチャーメディアのVOCALOIDを使った楽曲です。
えーっと、『くろずみP』様という偉大なる(強調←)お方が作られた、VOCALOID、VY1ことMIZKIの楽曲です。覚えてくださいねー、いつか役にたちますy(((殴
興味のある方はPVの方も見てくださると幸いです。
まあ、今から私が書く小説は、曲知らない人でもボカロ知らない人でも伝わるように書いてますので、宜しくです。
そして、「その曲知ってるよ!」「VY1大好きだよ!」という方、今すぐお友だちになりましょう((キリッ
「誰、それ?」「興味ないなー」という方、とりあえず読んでくださi(((殴
あ、URLで動画に飛べます((キリッ
頑張って全ボカロを登場させています!
皆様が大好きなあのキャラも!
あまり知られていないあのキャラまで!
(※必死になって調べました←)
それでは宜しくお願い致します。
9/28 スレッド制作
10/24 参照100突破>>21
- 夜桜物語-月夜の花弁- ( No.8 )
- 日時: 2012/10/02 18:42
- 名前: はるく ◆2bvow6Zq4g (ID: fIcU8FL5)
冷たい風が私のすぐ側を吹き抜けた。
さて、何があったのか……私は手にこぼれ落ちたた桜の花弁を握りしめながら、辺りの信じられない光景に目を向けた。
今は秋だ。それなのに、咲くはずのない桜が一面に咲いている。
それだけではない、私の学校は遠くから通う生徒も多いため、通常の学校より最終下校が早い。それなのに辺りは一面が闇の世界だ。暗い、暗黒の世界だ。
何度も夢かと思ったのだが、不規則に舞い散る桜の花弁に、現実をつきつけられる。いっそ夢であってしまえればいいのに…
でも今はそんなことを言っている暇もないだろう、早く元の世界へ戻らなければいけない。
私は今向いているのとは逆方向に体を向けると、そちらに向かって歩き出した。
- Re: 【ボカロ】夜桜物語-月夜の花弁-【コメ募集←←←】 ( No.9 )
- 日時: 2012/10/03 19:48
- 名前: はるく ◆2bvow6Zq4g (ID: zFbX1fPI)
…どれほど歩いただろう。私の足はもう疲れはてていた。
「はぁ……何で…私が…………」
紅葉で真っ赤に染まった町。
古くさいけど大好きだった校歌。
屋上から眺める景色。
今ではどれもが懐かしく感じた。
「だから……此処はどこなんだよぉ……」
私はもう一度辺りを見回した。
一面に咲き誇る桜の木。それ以外は何もない。
そして私は自分の持ち物を確認する。
真っ白な制服に黒い革靴。藍色のかばんには、教科書がぎっしり詰まっていた。私はその中から迷わずハンカチを取り出した。
「しょうがない…かなぁ………」
結構気に入っていたんだけど…此処を出るためなのだから仕方がない。
私はそのハンカチをひときわ大きい桜の木の枝にくくりつけると、重い足をまた進めた。
- 夜桜物語-月夜の花弁- ( No.10 )
- 日時: 2012/10/07 23:01
- 名前: はるく ◆2bvow6Zq4g (ID: eUekSKr/)
しかし凄いものだ。どれだけ歩いても一面が桜、桜、桜。こんなに美しい場所が地球上に存在するとは、自分でも驚きだ。
「本当、それ以外は何もないんだな……」
そう、この桜に溢れた場所だが、どれだけ歩いても終わりがない。永遠に続いてるのではないかと思うほど、果てない。
そんなことを考えていると、私は驚きの光景を目にした。
「う、嘘だ…………」
目の前には、一際大きな桜の木。この綺麗な桜の中で、一際目だった、大きな桜の木。
私はずっと真っ直ぐに歩いていた。出会うはずはない。この木を見ることは、なかったはずだ。
一際大きな桜の木。その太く大きな枝には…
一枚のハンカチがくくりつけられていた。
「何これ……な、何で…何が………」
怖い……戻って来れるはずがなかった。真っ直ぐに歩いていた。それなのに……
「何でまた………何で此処…が…」
あのハンカチは確かに私の物だ。誕生日に、ミクから貰ったものだ…
白地に水色のラインが入っているのも、白いレースで縁取られているのも、端に刺繍された『RUI』の文字も……見慣れた、私の………
私はあのハンカチをくくりつけた。大きな、桜の木に。
道に迷ったとき、また戻って来れるように、と……それなのに、それなのに?
何でまた此処に来た?
後戻りなんてしなかった、私は、私は真っ直ぐに………
- 夜桜物語-月夜の花弁- ( No.11 )
- 日時: 2012/10/07 23:20
- 名前: はるく ◆2bvow6Zq4g (ID: eUekSKr/)
背中に冷たい汗が伝った。
途端に体が震え上がり、私はさっきとは違う方向に向かって走った。無我夢中に。
「嫌だ……何、何、私に何があったんだよ……っ…」
走って走って走って…大丈夫だ。まだ、見えない。
あの木…あのハンカチの姿は無い。さっきのはきっと『たまたま戻ってしまった』だけだ、そう思いたい。
しかし「そうはいかないんだ」と現実は言う。
「………った…!」
突如足の前に現れたのは、一本の木の根。よくもこんなところに生えやがって………
勿論、今全力で走っていた私はその根につまづいたわけで………
「痛ぁあ………っ」
膝の辺りがヒリヒリ痛む。見ると血が出ていた、そりゃあ痛いはずだ。
私は痛む足に耐え、ゆっくりと立ち上がった。しかし、そんな私を待っていたのはまたもや………
「…嘘だろ………?」
あの桜の木だった。
「…まっ…また……? 流石に…今回は……」
たまたまだとは思えない………怖い。
もう何時間経ったのだろう。いや、実際そんなに時間は経っていないのかもしれない。それでも、私には一日中此処をさ迷っているかのように感じた。
私がハンカチを結ぶ前、その時も終わりがないことを知らずにここを通っていたのだろうか。今はハンカチが結ばれた、この大きな桜の木の前を……ずっと…ずっと………
いや、そんなことを考えるのはやめにしよう。此処から出られることを信じて、私はー………
- 夜桜物語-月夜の花弁- ( No.12 )
- 日時: 2012/10/07 23:34
- 名前: はるく ◆2bvow6Zq4g (ID: eUekSKr/)
ふと周りを見回してみる。
何も変わらない、一面が桃色の世界。桜、桜、桜……果てない。
もう終わりにしようよ。いつまで私は此処をさ迷えばいいんだろう。早く全部終わらせて、私は帰りたいよ…
「こちらにおいで」
あまりの出来事に私はまたもや体を震わせた。今のは誰だ…? すぐ近くで声はしたのに、姿は中々見えない…
「ふふっ、私を捕まえられる?」
後ろだ、すぐ後ろ……
私は振り返らずにはいられなかった。
しかし、姿はない、さっきは絶対後ろにいたのに………
ふと顔を上げると、真っ暗な闇、桜の木々の隙間から、真っ白な手がのぞいていた。10メートルほど先だろうか。まるで「おいでおいで」とでも言うようにその手は揺れていた。
「上等じゃん……」
『怖い』という気持ちは押し殺し、私は手の方ひ向かって走り出した。
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