二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ポケモン不思議のダンジョン  星の探検隊
日時: 2013/12/11 21:01
名前: 沙羅 ◆CD1Pckq.U2 (ID: 9kyB.qC3)

挨拶
 初めまして沙羅と申します。とある名前とトリップが同じですが、同一人物です。新しくスレッドを立てた理由ですが、PCがウイルスにやられてしまい、以前の作品の書き溜めがすべて消えてしまったためです。かなりの量をためていただけにショックがひどく、その反動で新しい作品を書いてみよう、と言うノリでスレッドを立ててしまいました。
 と言う長話はさておき、本題に入ります^^;
 このSSはポケモン不思議のダンジョン 時、闇、空の探検隊の二次SSとなっております。
 ただ原作にはあまりそっておらず、オリジナルキャラや展開が多い、いわばパラレルワールドの世界です。ポケモンの喋り方も沙羅のイメージで書いているので、イメージを壊されるかもしれません←
 
 長々とすいません。それでは、小説をお楽しみください^^

序章
終わりの物語

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Re: ポケモン 星の探検隊 ( No.1 )
日時: 2013/12/08 23:51
名前: 沙羅 ◆CD1Pckq.U2 (ID: F5B8s22.)  

終わりの物語

足裏に草を踏みしめる感触を感じながら、少女は歩いていた。
前に進むたびに、強い向かい風が吹き付け、長い黒髪を乱していく。ひゅう、と低い音を立てるそれはまるで行くな、と行っているようで。少女は思わず足を止め、振り向いた。
背後に広がるのは満天の星空と月明かりに照らされ、濡れたように輝く白い十字架たち。十字架たちは皆、少女の方を向いていた。

——誰も、いない。
それを確認すると、少女はしっかりした足取りで再度進み始める。
少女が進む先は、断崖になっていた。その向こうには、黒い海が広がる。
引き寄せられるように、少女は崖へ向かって歩いた。先端ギリギリまで来ると、しゃがんで崖の下を見下ろす。デパートの屋上から見下ろしたくらい高さはあった。その一番下には、水面が広がる。海は夜の闇を写し、黒に染まっていた。底が見えない深い闇を覗く気分だった。
この闇に飲まれたら、どこに行くのかしら、と少女は独り言のように呟く。

しばし少女は、暗い海をぼんやりと眺めていた。聞こえるのは風の音と波の音。それ以外は何も聞こえない、静かな夜の海だ。
少し遠くに目をやれば、水面に月が写って伸び、光の道のように見えた。まるで何かを主張するかの如く、光の道はゆらゆら揺れる。

「分かったわ。来て欲しいのね」

少女は立ち上がりながら答えると、崖のふちギリギリに立った。足場が少し崩れ、小さな岩が闇に飲まれる。音も姿も認識できないまま、消えてしまった。
それをぼうっと眺めた少女は両手を天に伸ばす。

「待っててね。今、そっち行ってあげるから」

ニコリと空に微笑みかけると、少女は何もない空間に足を一歩踏み出す。続けて、反対の足も出した。
瞬間、少女は崖から離れた。身体が前のめりになり、頭から落下する。
——その先にあるのは、黒い水面。
まるで呼ばれるように、少女の身体はまっすぐに落ちていき、やがて夜の海に小さな水柱が立った。

〜つづく〜


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