二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【リク募集】紅葉時空機関(リスタートです)
日時: 2019/08/26 16:53
名前: 葉月@iPhoneにて執筆ッス(≧∇≦) (ID: 8nwOCftz)

どうも葉月です。りゅーとさんや桜さんの組織に習い、こっちも敵に備えての組織を一応作りました。

組織の名前は『紅葉時空機関』です。
簡単に言うとりゅーとさんのところのWTS、桜さんのところのCOMです。

#所属する作品#

オリジナル

無双OROCHI

戦国BASARA

スマブラ

ポップン

黒子のバスケ

リリカルなのは

AA

初音ミク

ジョジョの奇妙な冒険

ナムカプ

ドラゴンボール

ONE PIECE

トリコ

東方

BLEACH

ぷよぷよ

のびハザ

テイルズ


近々増やす予定です。


何で英語じゃあなくて漢字なのかって? それはご愛嬌ってことにしてくださいましwww





【悪の組織一覧】

黄泉……元々は卯月などが所属していた組織。卯月達は現在、紅葉時空機関の味方として活動している。

黒百合……元々は柘榴や楓、若菜などが所属していた組織。柘榴達は現在、紅葉時空機関の味方として活動している。

タナトスデスペリア……「絶望の死神」を意味する組織。実はデスゲーム関連で出突っ張りの死神も此処に所属している。

逢魔……沙夜が率いている妖魔の集団。零児と小牟の森羅とは敵対関係にあたる。

アルカナ……マリオ(オリキャラ)達と対立する悪の組織の一つ。その名の通りアルカナの名前がつけられている。アルカナには大アルカナと小アルカナがあり、 体の一部に数字が刻まれている。(小アルカナはマークと数字
タロット占いのアルカナに由来している。

ウィアド……マリオ達と対立する悪の組織の一つ。アルカナよりも強い力を持っている。体の一部にルーン文字が刻まれている。
ルーン文字に由来している。

魔物……玉藻前が率いる妖魔の集団。

妖魔軍……妲己や清盛、悟空が所属している妖魔の集団。かつては魔王遠呂智が率いていた。

始皇帝軍……始皇帝率いる古(いにしえ)の軍団。古の魔獣も存在する。

シャドルー……ベガが総帥として動いている悪の秘密結社。いわば凶悪な犯罪組織でヤクザのようなもの。(違

タナトススネーク……元々は坪内姉妹や瑞樹などが所属していた異端児のみで結成された組織。坪内姉妹などは現在、紅葉時空機関の味方として活動している。

ウイッチフライ……元々は麻友や澪、千尋や里桜などが所属していた異端児のみで結成された組織。この組織は全員女性で構成されている。麻友などは現在、紅葉時空機関の味方として活動している。

悪魔の子供達(デビルチルドレン)……異端児の子供のみで結成された組織。年齢は中学生以下。子供とはいえ、異端児のためか里桜並みの凄まじい力を持っている。


ちなみにアルカナとウィアドと最後の下三つは私のオリジナル小説からの組織です。特に最後はなろうで連載してる非公開中の超人関西人のネタバレになりますがねwwwww

黄瀬「組織多いッスwwwww」



@目次@

所属するキャラ >>1-3

艦これチーム >>27

とうらぶチーム >>32

夢100チーム >>52

報告 >>9



*短編集*

紅葉時空機関結成なのだよ(゜∀゜) >>12




*シリーズもの*






*リクエスト*

シロクロさんのリクエストに応えます。 >>13-14

ユリカさんのリクエスト応えます >>33-36>>41-51(49と50はおまけです)

イザ◯ギさんのリクエスト応えます(準備中 )



お知らせ:一からやり直しします。

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もち加州と歌仙ぬい ( No.95 )
日時: 2017/04/23 02:00
名前: 葉月 (ID: 9Urj1l4Z)

*もち加州と歌仙ぬい*

もち加州「もちもち」
歌仙ぬい「ぬー?」
もち加州「もちっ!」
歌仙ぬい「ぬいぬい!」


ちなみにぬいともちは生き物の設定です。もちろんねんどろもそうです。(刀剣乱舞のみの設定ですwww

Re: 【リク募集】紅葉時空機関(小話とか小ネタもあるッス(≧∇≦) ( No.96 )
日時: 2017/08/02 21:38
名前: 葉月 ◆MhCJJ7GVT. (ID: 9Urj1l4Z)

 紅葉時空機関ではご無沙汰しております。葉月です。とりあえず雑談掲示板でつぶやいたり絵を描いたりしてやってます。モチベーションが下がってて小説の更新はなかなかできなくて申し訳ないです。逃走中や小話を少しずつですが、執筆をしております。
 ちなみに交流やリクエストも受け付けておりますので、もしよろしければ私にリクエストを言ってください。シリアスでもギャグでもほのぼのでもいいです。
 ただし、いつ出来上がるかはわからないので「早くしろ」とは言わずに気長に待っていただけたら幸いです。

ブラック出身の刀剣男士が仲間になるまでの話 ( No.97 )
日時: 2017/08/11 17:02
名前: 葉月 ◆MhCJJ7GVT. (ID: 9Urj1l4Z)
参照: 胸糞注意です

 みなさんどうも葉月です。今回は加州達ブラック本丸出身の刀剣男士がまだ人間に対しての憎しみがあった頃のお話となります。特に乱ちゃん、宗三、厚君が酷く荒れてた時期になります。
加州達がブラック本丸から出て紅葉時空機関に入るようになって今に至るまでの経緯をやりますね。ドシリアスで陰鬱、今の紅葉時空機関では考えられないような暴言暴力の嵐、ブラック本丸出身の刀剣男士が他の刀剣男士に斬りかかったり他の人間に斬りかかったりしてます。
 回想で刀剣破壊の表現があります。凄惨な状態です。三日月おじいちゃんが話した内容をスプーン一杯ほどエグくしてます。
 冒頭は加州達の前の審神者の暴虐で刀剣男士がひどい目に遭っています。

 刀剣男士が傷つく、折られるのは見てられない! という人は読み飛ばしても構いません。

 それでもいいよという方はゆっくり死んでいってね!!!


加州清光「ゆっくり死んでいってねwww 精神的に死ねってこと?wwwwww」
鶴丸国永「それ以外に何があるってんだい?」(coolのサングラスを掛けてますwww
乱藤四郎「あるじさんははじめアキラさんのような内容に憧れてるらしいよ!(≧∀≦)」
厚藤四郎「まあ、あの時のオレらは大将達にひどいことやったんだよなぁ。人間不信で墜ちる寸前だったからな……」
同田貫正国「けど、俺らがここまで変わったのは今の主の頑張りがあったからだろ。これから始めるのは俺らがまだ此処に来るまでの経緯らしいぜ。あいつらにもひどいことしてるから注意しな」
宗三左文字「僕達がどれぐらい荒れているかは読めば分かりますよ。ただ、閲覧注意、とだけ伝えておきますね」
堀川国広「それじゃあ、前置きはこれぐらいにして始まりですよ!」





 次から本編です。

ブラック出身の刀剣男士が仲間になるまでの話 ( No.98 )
日時: 2017/08/13 20:04
名前: 葉月 ◆MhCJJ7GVT. (ID: 9Urj1l4Z)
参照: 胸糞注意です

 いつになったらこの地獄は解放するんだろう。俺達はただ審神者と呼ばれる男に拷問の如くひどい仕打ちをされ続けていた。本丸はもう血溜まりと瘴気に塗れて息が苦しい。短刀の悲鳴にも構わず暴虐を尽くしていたアイツは泣きじゃくっている短刀の髪を乱暴に掴み上げて床に叩きつけた。その短刀は……粟田口の前田藤四郎は痣だらけで、頭から血が流れていた。
 また、前田だけではなく、乱や愛染、薬研なども今にも折れそうなぐらい重傷で、苦しそうに息を吐いている。愛染と同じ来派の蛍丸と薬研や乱、前田と同じ粟田口の一期は悲痛な声で呼びかけた。

「国俊! 国俊! ねぇ! しっかりしてよぉ!」
「あああ……! 乱……薬研……! 前田……! どうしてこんなことに……!」
「おい大将! 何てことしてくれてやがんだよ! 薬研達が一体何をしたってんだよ!」

 もはや地獄絵図としか考えられないような惨状に審神者の暴言や暴力はやめなかった。俺達刀剣男士の言葉ですら耳を傾けないで、ひどい場合は片っ端から折っていく。そう……俺達の主の男は俺達をただの道具としか見ておらず、役立たずは容赦なく捨てていくという最低最悪な輩だ。本丸のところどころにも刀の破片が散らばっていて、何振りか折られているのがわかる。
 実を言うと、今の短刀は数回破壊していてもう何振り目かわからなくなるぐらい顕現されている。かくいう俺も実は二振り目で、初期刀だった俺はもはや折れていなくなっているんだ。

「ギャーギャーうっせぇんだよこのボケナスが! この俺に説教するなんて何様だ? あぁ!? 弱いくせにかばいあっこかよ? ケッ! 反吐が出るぜ。道具は道具らしく大人しく壊れろってんだよ!」
「ガハッ……!」
「厚!」

 厚の腹を蹴って吹き飛ばした後そのまま足で蹴って厚を痛めつけた。すると、鳴狐が審神者を止めようとギュッと体を固める。

「主殿! もうおやめください! この子達は何も悪くありませぬ! 主殿は一体何をされたいのですか!? 何が主殿を変えたのですか!?」
「邪魔すんのか鳴狐? お前もそいつらを庇うのかよ? そんな足手まといで弱っちい奴らに価値があんのか?」
「この子達も同じ刀剣男士……足手まといなんて思ったことなど微塵もない……」
「鳴狐の言う通りですぞ! 短刀も刀剣男士! 頼りになる仲間ですぞ!」
「俺に反抗するのか!? あぁ!?」
「ッ……!」
「だったらお前がそいつらを壊せ(殺せ)よ。同じ仲間ならこういうの楽勝だろ?」

 鳴狐の顔に肘で殴って仲間なら殺せというあまりにも惨い命令をした。当然俺もそいつの命令に目玉が飛び出るほど驚いた。今にも壊れそうな乱や薬研、愛染らもひゅーひゅーと苦しそうな息をしている。もちろん、本体もボロボロに欠けて、今にも折れそうだ。
 審神者は動こうともしない鳴狐に悪態をついて、「そんなこともできないのか。やっぱりお前は出来損ないのクズだ」と呟くと、背後から審神者の背中を刺した。当然、審神者には何のことなのかさっぱりわからず、口から大量の血を吐いてそのまま倒れた。
 審神者を刺したのは宗三だった。宗三は倒れた審神者の体を何度も何度も刺して、血飛沫を浴びた。もう死んでいるのにも関わらず、一心不乱に刀で刺していく。宗三の目はもはや光が宿っておらず、狂気のままに血を浴びながら高笑いをした。

「あははははは! どうせ僕達は人間の道具にしかすぎない! 捨て駒のように扱っては捨てていく、それが僕達の宿命なんですよ! 役立たずはいらないのが人間の考え方でしょう!? そうですよ! 血反吐を吐きながら頑張っても所詮僕達はガラクタで、壊れればそれでおしまい! 代わりなんていくらでもいるんですよ! 僕達がいなくなっても他の僕達が代わりにやるのは当然だと思ってるのが人間のやり方でしょう!?」
「兄さま……」

 室内が血溜まりが出来、返り血で浴びて狂気に満ちた表情で宗三は審神者を刺す行為をやめないまま。彼から感じ取れるのは狂気、憎悪、怒り。宗三の狂気に短刀が怯えだし、脇差もゾッとしたのがわかる。

「だったらこの体も心もなくなれば僕達も解放するんだ!」
「兄さま!」
「! お小夜……? 怖がらせてしまいましたね。すみません。これでもうあの男はいなくなりました。僕達は解放されたんですよ」
「でも、男を刺している兄さますごく怖かった……」

 小夜の言葉に宗三は正気に戻り、「本当にすみませんでした」と謝りながら傷ついた小夜を優しく抱きしめた。俺も正直宗三の狂気に怯えちゃったなぁ……。さっきまで怖かったし。
 審神者と呼ばれる男が死んだ後、俺達だけで血に塗れた本丸の中で過ごした。もう、俺達を傷つける人間はもういない。平和がやってきたんだと思った。だけど……俺達の平和も束の間、新しい審神者がここにやってきた。しかも、ここの本丸にはいない三日月宗近と極姿の今剣を連れて。

「あるじさまーここのほんまるうすきみわるいですーちのにおいがすごいですー」
「こんのすけから聞いたんだけどここまで酷かったなんてね……瘴気が溜まっていて、血痕もすごいし……早く綺麗にしないと」
「はっはっは、やはり居心地が悪いのは変わりはないな。確かここはぶらっく本丸とやらか。前の審神者が何かしらの問題があった場合、次の審神者が引き継がなければならないというのは本当の事か」

 会話を聞く分、審神者達はこの本丸の様子を窺っていた。先ほどの惨状を知っているような素振りだったけど……こっちに来てるよね? この気配を察知して、飛び出したのは同田貫だ。ところどころ怪我をしていて、本体も刃こぼれしているため中傷だがキェエエアアアア! と叫んでそのまま審神者に斬りかかった。が、三日月が審神者を庇うように同田貫の攻撃を受け止めた。

「みかづきさま!?」
「何、心配いらぬよ今剣。……して、ここの本丸の同田貫正国よ、何故主を狙う?」
「人間が気に入らねぇ……ただそれだけのことだ! 三日月、アンタもなぜ人間と一緒にいるんだよ!?」
「さあな。何故かは分らぬが、主と俺は長い付き合いでな。確かに人間は愚かしい生き物だ。お前達が気に入らないこともよく分かる」

 憎しみを宿った同田貫に対して三日月は笑顔のまま、しかし見透かすように彼の目を見た。それに癪に障ったのか、同田貫はキッと三日月を睨みつけて心の闇をぶつけた。

「アンタらに分かるかよ! 今まで俺達が味わった苦しみがよ! あの男は俺達を道具としか思ってなくて散々こき使われたんだ! 成果を上げてもあの男は褒めるどころか短刀を殴り飛ばしやがったんだよ! 血反吐を吐きながら頑張った結果がこの有様かよ!? ざっけんじゃねぇ! 俺達はただの人形かってんだ! 戦場で戦って散るのが俺達の生き様だってのがわかんねぇのか!? 庇いあいをするのが下らないとかほざいて、俺達を鉄屑とかガラクタとか言いやがったんだ! 特に粟田口の奴らが役立たずのゴミって! 粟田口の奴らのみならず短刀は足手まといのクズって! あいつらだって必死にやってたってのにあの言い草はねえだろ! そんなに俺達が気に入らねぇなら破壊すればいいだろ!? ……俺はもう、短刀達が苦しみ悶える姿を見たくねぇんだよ……!」
「…………」
「あいつのせいで……あいつのせいで御手杵も鯰尾も大和守もみんな折れたんだ! 俺達の目の前で、審神者の野郎が……やりやがったんだ! だからもう人間という生き物が憎くて憎くて仕方がねぇんだよ!」
「同田貫……」

 同田貫の悲痛な叫びは俺達の今の気持ちといったところだろうか。今まで審神者によって無理強いさせられた奴や親しい間柄が目の前で殺された奴、これはまさしく地獄のような時間だった。平穏だったのははじめのうちだけで、あとはもう地獄しかない。
 どんなに任務を熟しても、審神者は役立たず、無能、足手纏いのガラクタ共、と暴言暴力をやるだけ。
 あの男が暴虐の限りを尽くしたせいで、俺達は人間を酷く憎むようになった。宗三があの男を殺すまで地獄のような日々を送ってきた俺達に、後から来た奴らに分かるはずがない。
 分かるはずがないのに……今度の審神者は違った。

「あなた達の経験した辛い出来事は私でもわかりません。ですが、これだけ仲間を大切に思っているということはいいことだと思います。思いやっているからこそ、絆があるんでしょうか」
「知ったような口ぶりをすんじゃねぇよクソが! てめぇもどうせそんな綺麗ごと並べて騙そうっていうんだろ!? 前の審神者もてめぇとおんなじこと言って俺達のことを騙して鉄屑だのガラクタだの言ったのにてめぇも同じことすんのかよ!?」
「どうだぬき! あるじさまはそんなことしません! なかまおもいのやさしいひとですよ! だましたりしません!」

 同田貫の発言に対して今剣が反論する。なぜここにいる人間を信用しているのかがよく分からない。男は同田貫が言ったように、俺達の結束を蔑ろにして奈落の底に突き落とした最低最悪のクソ審神者だった。ひょっとしたら目の前にいる女もクソ審神者と同じ考えを持っているのではないかと。

「どうだかなぁ……騙して俺達を折ろうとしてるんなら叩き斬ってやる! ぅぐっ……!」

 もう一度斬りかかろうとしたその時、同田貫が苦しみだした。傷が深かったため、腹部の所から血がにじみ出た。三日月に斬りかかって大声で叫んだのが響いたのか、跪いて蹲る。まさか、と感じ取った三日月は彼に言う。

「……同田貫正国、お前……重傷なのか?」
「あるじさま! どうだぬきがくるしんでます! いそいでていれべやにおくってください!」
「分かってるよ! こんのすけ、いる!?」
「はいはーい! 何でしょうか審神者様!」
「同田貫を手入れ部屋に送りたいんだけど、手入れ部屋はどこにあるの?」
「手入れ部屋は突き当りを右に曲がったところにあります!」
「分かった! 三日月も手伝って!」
「あいわかった」

 女はこんのすけに言うと、同田貫を手入れ部屋に急ぎ足で連れて行った。同田貫を手入れをしてくれるのは、前の審神者とはだいぶ違う。前の審神者は傷ついてもそのまま放置して、用済みであれば目の前で折るという最低最悪なクソ野郎だったけど、彼女はやはり俺達を助けようとしているのだろうか?
 俺には分からない……分からないよ……。


ブラック出身の刀剣男士が仲間になるまでの話 ( No.99 )
日時: 2017/08/31 15:47
名前: 葉月 ◆MhCJJ7GVT. (ID: nWfEVdwx)

 同田貫が手入れを受けた後、次々と手入れをした。ひどかった傷も嘘のように治って、瘴気の塊で血溜まりだった本丸も、すっかり綺麗になった。前の審神者はこういうことをしなかったからまぁ、この子のことはちょっとだけ信用してもいいかな?
 すると、厚が彼女に向けて刃を向けた。目の前に憎き人間がいるから仕方ないだろう。

「あるじさま!?」
「なんでオレ達を助けた……? お前はオレ達に何をしたいんだ!?」
「傷ついた子がいたから助けただけ。苦しんでるのを見て、放っておくわけにはいかないでしょ」
「嘘だ! お前は口先だけで前の審神者みたいにオレ達を捨て駒にするんだ! 目の前から消えろ!」
「っ……!」

 厚が放った言葉は彼女に突き刺さり、何も言い返すこともなく黙るだけだった。口先だけで捨て駒にする。以前の審神者はそうだった。上手く言って俺達を喜ばせてから、落とす。例えば、粟田口の奴らが審神者から貰ったおはぎの中に破壊した誰かの破片が入ったものを食べたことを悲鳴を上げた。あのおはぎのことはひどかったよ。
 怪我をした短刀を治すと見せかけて、片っ端から折ったりもした。実は俺も前の審神者にそれをやられたから何となくだけど覚えているから。

『痛いよぉ……なんでボク達の仲間を折ったのあるじさぁん……! こんなのひどいよぉ……!』

 口が血だらけになりながらも最後までおはぎを食べさせられる乱を見て、秋田も鯰尾も目をそらす。乱の他に、前田や平野、愛染が乱と同じように誰かの破片を入れたおはぎを食べさせられた。俺もこんな辛いこと鮮明に覚えてるから忘れるはずがない。

「……清光? どうしたの?」
「いや……なんでもない。ちょっと考え事してただけ」
「もしかして……あの人間のこと?」
「うん……前の審神者みたいに俺達を道具として扱うのかなぁと思ったんだけど……手入れをさせてくれたからアイツとは違うなって感じたんだ」

 俺の言葉に安定は目を丸くする。そりゃあそうだろう。俺が人間を信じようとしてるからね。残虐の限りを尽くしたアイツのせいで多くの刀剣は人間不信に陥っている。俺もそのうちの一振りだけど、彼女のやり方を見ていると人間に対しての考えが変わりつつある。
 俺だけではなく、他の刀剣も彼女に対しての態度が少しずつではあるが、変わりつつある。アイツとは違うんだって分かり始めた。
 しかし、一部を除いては……。




 






一旦切ります。


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