二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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お試し戦闘中!〜聖域での大バトル!〜
日時: 2015/07/17 18:16
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: xV3zxjLd)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=29108

これは、ノートの世界が出来てから、数ヵ月後の事。

とある島で行われた、小さな小さな物語。

この戦闘中で初代王者を手にするのは、誰か…!





と、言うわけで、pixivにて途中な戦闘中を少しリメイクしつつ、あげて生きたいと思います。
しかし、この物語は既に終わった話。なので、差し入れ云々は反映できない可能性があるので、ご了承下さい。

※あてんしょん
・先程述べたように、終わった話なので差し入れ云々は反映できない可能性が大きいです。
・この時、戦闘中の知識はゲームのみ。本家では絶対にやらないであろう展開が予想されますが、スルーでなるべくならお願いします。
・展開グダグダ。
・支部で見ている人は、この先これからどうなるかは、そっとお口チャックでお願いします。
・支部でも完成していない作品なので、終わらせるつもりですが、打ち切る可能性も無きにしも非ずです。

※本編である神様のノートのリンクを貼り付けてみました。


目次
・前説 >>1
・エリア説明と闘争者情報 >>2-7
・神様の気まぐれから始まる戦い >>14-16
・闘争フィールドと景品と >>17-19
・オープニングゲームはドッジボール!? >>24-31
・同盟と撃破と通達と >>35-43
・新たなイベントと新たな犠牲者 >>48-53
・闘技場オープン! >>55-59
・Happening >>64-70
・オシオキ☆ランチャー >>74-80
・オシオキと最初で最後のミッション開始! >>84-89
・バトルボールを貰え! >>93-98

その他
・小ネタ「最近のポップンで思う事」 >>13
・小ネタ「第六回料理対決について」 >>23
・小ネタ「第六回と番外編予告」 >>54
・小ネタ「忍の性能」 >>73
・小ネタ「支部での後書き その一」 >>101

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バトルボールを貰え! ( No.93 )
日時: 2015/05/13 13:28
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: FYh/B0LU)

一同と別れた氷海は、真っ先に南西エリアの武器屋へと向かった。理由はもちろん、直斗が持っていたmark1を貰い受ける為だ。

(契約の腕輪を手にいれたら、南東エリアに行かなきゃね。)

直斗が撃破された場所にある忍を手に入れる為に必要な、契約の腕輪。
正直、忍と戦って勝つ自信がない氷海は、このチャンスを逃したくなかった。

(千枝先輩も忍を買うつもりみたいだから、貰い受けてもいいわよね…?)

残っている千枝もどうやら忍を北東エリアの武器屋で購入するつもりだと、去り際に聞いた。
ならば、貰い受けても問題ないだろう。
そんな事を考えている間に、武器屋前の穴蔵に着いた。

「(着いた…!)すみませんっ!」

穴蔵の奥、武器屋まで辿り着いた氷海は、すぐにミミと目があった。
彼女が何故ここに来たかわかっていたのか、左手を差し出し、右手には…契約の腕輪が握られていた。

「氷海ちゃん、挨拶は抜きにしよっか。忍の事は、ハロボットの通信を通じて聞いてたよ。と、言うわけで、30万ね!」
「はい!」


氷海
所持金:82万→52万(-30万)
装備品:契約の腕輪


30万を渡した氷海は、すぐに契約の腕輪を貰い受け、左腕につけた。

「あはは、生徒会のが癖になってる?」
「あっ…はい、ちょっと、癖になっているみたいです。」

氷海は学校で、生徒会長を勤めている。
その仕事をする際、左腕に生徒会の腕章をつけるのだが、それが癖となって、無意識に左腕につけてしまい、それをミミに言われて気がついたようだ。

「その腕輪をはめたまま、忍に触れれば再起動して、氷海ちゃんを認識するよ。…頑張ってね、氷海ちゃん。ここで応援してるよ!」
「ありがとうございます、ミミさん。…あの、ここではバトルボールは…。」

無理してミッションで手にいれずに、ここで購入できたらと考えた氷海は、ミミに聞くも、彼女は申し訳なさそうな表情をして頭をかいた。

「あー、残念だけど、使用禁止の方しか売ってないよ。ちゃんとミッションで手に入れてね。」
「そう、ですよね…。」

購入が無理なら、自力で手に入れるまでだ。

「きっと、昴さんの事ですから、あまり厳しい条件は出さないでしょう。…自力で手にいれてきます。」

氷海はミミに一礼すると、すぐに穴蔵から引き返していった。

「応援してるよ! 氷海ちゃん!」

ミミの応援を、背に受けながら。


感想まだ。

バトルボールを貰え! ( No.94 )
日時: 2015/05/13 15:10
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: FYh/B0LU)

その頃、烈は一人、北西エリアにいた。

「エリア内に散らばる人物…誰だよ、一体。」

ミッション内容にあった、エリア内に散らばる人物の特定ができず、思ったよりも苦戦していた。
探せども探せども、誰も辺りにはいない。

(…ここにいたのって、アリシアとエージェントさん。あとネロさん。…ん? この三人って…!)

何かに思い至り、烈は足を止め、ポンッ、と手を打った。

「そうか! チュンストの奴等ばかりだ! となると、探すべきなのは…チュンストキャラか!」
「ピンポーン!」

ガサッ! と草が鳴る音がした後に響いた声を聞いた烈は、ニッ、と笑った。

「久しぶりだな! ビット!」
「久しいな、烈! えーっと…ポップンウォーカー以来?」
「だな。あん時は鏡はまだいなかったから、俺が鏡のカラーであの場所にいたんだっけ。いやー、懐かしいなー。」

茶色のローブを着て迷彩柄のフードを被った少年、ビットを見て、烈は思わず話を弾ませる。
ちなみに、彼のもうひとつの担当曲が鏡の担当曲になったのはポップンウォーカー後、動物園が始まるちょっと前の話。

「確かビットって、チュンストキャラだよな?」
「そうだぞ。今回のミッションは、オレみたいなチュンストキャラのブラウンクロウを探してくれりゃあいいんだ。てなわけで!」

ビットはいきなりバズーカを取りだし、上に向けて放った。
放たれた球は放物線を描き、烈へと向けて落ちていく。

「うわっ!」

そして、落ちてきた球をしっかりとキャッチする烈。それは、赤色のバトルボールだった。

「これ…!」
「新バトルボールだ! 受け取ってくれよな、烈!」
「ああ、ありがとな、ビット!」

バトルボールをしっかりと受け取った烈は、すぐに踵を返し、次なるバトルボール所持者に向けて駆け出していった。

「気張っていけよな、烈!」

ビットの声援に、烈は腕を振り上げるだけだった。

バトルボールを貰え! ( No.95 )
日時: 2015/05/13 16:06
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: oq60GVTK)

北東エリアの武器屋を目刺し、千枝は一人走っていた。

(えーっと、武器屋はどっちだっけ…。)

最初に来た時は必死で、位置など覚えていなかっ千枝は、辺りをキョロキョロと見回しながら走る。

(向こうについたら、まずは盾を売って…っと。…盾がなくなるのは心細いけど、仮に烈君が最後まで残ったら、盾無しで勝負したいんだよね…。)

本人は男女のハンデを気にしそうだが、自分はどうしても、そのハンデ無しで戦いたかった。
クマにも言われたが、自分は男並みの体力を持つのでハンデ無しでも構わない。それに、個人としても、つぎドカ!メンバーの実力に興味があり、ガチンコ勝負がしたかった。

(…うん、心細さよりも、真剣勝負しよう!)

盾を売る事を決めた瞬間、千枝の耳に男性の歌声が聞こえた。よくよく聞くとアコースティックギターの音も聞こえる。弾き語りだろうか。

(あれ? 何だろう。)

千枝がそちらに向かうと、小高い丘にアゴヒゲを生やしたボサボサの髪をした男が切り株に座りながら、側にいる猫に歌を聞かせてやっていた。
服は、ブラウンクロウ特有の茶色いローブだ。MZDが呼んだ手伝いだろうかと思い、近くに寄る。

「(凄いいい歌…。あ、これ、確かポップンにあった…えっと…。)眼鏡橋?」

千枝がポツリと呟くと、男ががくっ、と崩れ落ちた。

「お、面影橋だよ…。僕の担当曲の。」
「あ、そーそー! 千金橋!」
「おーもーかーげー橋。橋しか合ってないよ…。」
「あはは…ご、ごめんなさい。」

千枝は頭を下げ、謝った。男はそれに苦笑しながら、ギターをおろして猫を撫でる。

「えっと、確か…ケンジさん、だっけ?」
「…担当曲は忘れてて、名前は覚えているなんて不思議な子だね…。うん、僕はケンジ。チュンストキャラの一人だよ。」

男…ケンジは、にこりと千枝に微笑んだ。

「(花村が昔使ってたからとは口が裂けても言えない。)あ、あはは、と、友達が使ってたのを見て! 直斗君とか!」
『僕は氷海さんと文彦さんしか使った事』
『直斗。』

直斗は反論するも、昴に呼ばれて黙った。確かにここは余計なツッコミはしない方がいいだろうと気がついたのか。

「えっと、もしかして、新しいバトルボールを貰いに来たのかい?」
「えっ!? くれるの!?」
「(…ここに来たのはたまたまなんだね…。)うん。僕のようなチュンストキャラがボールを預かっているから、彼等に話しかけてバトルボールを獲得するのが、このミッションなんだ。」
「そうだったんだー。それじゃ、いきなりで悪いけど、くださいっ!」

千枝が両手を差し出すと、ケンジは下を指差した。
下を向くと、猫が赤いパトルボールにじゃれている。楽しそうに。

「これが新しいバトルボールだよ。持ってって。」
(持ってけませんっ!)

ケンジはあっさりと語るが、楽しそうにじゃれている猫に申し訳なくて持っていけない千枝。ケンジはそれに気がついたのか、赤い毛糸を取り出した。
猫は目の前に出された毛糸に目を輝かせ、バトルボールを捨て毛糸にじゃれつき始めた。

「今のうちに持ってって。」
「イエッサー!」

猫の興味が毛糸に向いているうちに、千枝は赤いバトルボールを受け取り、ケンジに手を振りながらその場を去っていった。

「頑張ってねー。」

マイペースな彼の応援は、果たして千枝に届いたのだろうか…。

バトルボールを貰え! ( No.96 )
日時: 2015/05/13 16:11
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: oq60GVTK)

「ちょ、ちょっと、モッフィー!」
「…ん?」

南東エリアから北西エリアに移動中、鈴花は誰かの声を聞き、立ち止まった。

「(今の声…モッフィーって確か…!)アルパカあぁぁぁぁっ!」

悲鳴よりもアルパカのモッフィーかよ。というツッコミを誰も入れられず、鈴花は悲鳴が聞こえた場所に向かった。
そこにいたのは、褐色の肌をもった女の子。顔は今にも泣きそうな表情をしている。その周りには、大量のモフモフした体を持つ動物が、「モフモフよ〜。」と鳴いて(?)いる。

「あっ、鈴花さん! 助け」
「アルパカあぁぁぁぁっ!」
「聞いてー!」

褐色の少女を完全無視し、鈴花はモフモフの海へと飛び込んでいった。

「何だ!? 今悲鳴が聞こえ…って、うわっ! なんだこのアルパカの群れ! しかも鳴き声おかしくね!?」
『サニパ産のアルパカはこうらしいぞ。』
「んなわけ! …あるな。」

そんな中、北西エリアの森より悲鳴を聞き付け、ハロボットから聞こえたMZDの言葉に同調しながらやって来た烈に、褐色の少女が駆け寄った。

「あ、ああぁぁ…れ、烈さあぁん!」
「モニカ!? え、ちょ、何で泣いてんだよ!」
「み、ミッションに使うから、無くすなって、言われてた、ふぇ…! あ、赤いボールみたいなのを、ひっぐ、も、モッフィーに、取られちゃって…!」
「うわぁ…。モニカ、それ、お前のせいじゃないから、泣くな。昴さんもきっと怒ってないよ。大丈夫だって。」

褐色の少女…モニカは昴の言いつけを守れなかった事に申し訳なく思っているのか、烈が宥めるも、泣き続ける。

「しっ、しかも、ひっぐ、鈴花さんが、通ったのに、『アルパカあぁぁぁぁっ!』って叫んで、聞いてくれなくて…!」
「おいこら鈴花あぁぁっ!」

モニカからその言葉を聞いた烈は、モフモフの海へと飛び込んでいった。勿論、鈴花にお説教する為。
暫くして、モフモフの海から鈴花の首根っこを掴んだ烈が現れた。拳骨でも食らったのか、鈴花の頭にちょっとたんこぶができている。

「烈君、痛い!」
「痛いじゃねぇよ! お前な、モニカがあんなに困ってたのに、いきなりアルパカの群れに突っ込むんじゃねぇよ! 事情は聞いてやれ!」
「うっ、それは…ごめんなさい。」
「俺じゃなくて、モニカに謝れ。」

びしっとモニカを指差し、謝罪を促す烈。鈴花はモニカに近寄り、頭を下げた。

「も、モニカちゃん、ごめんね…。困ってたのに、無視しちゃって…。」
「い、いいんです…。アルパカの海は、魔性の海ですからね…。」
「うん…。あのモフモフは駄目だ。どうしても見たら飛び込みたくなる。」

あのモフモフ、確かに飛び込みたくなるのか。それはモニカも同意する。

「えっと…とりあえず、何があったの? モニカちゃん。」
「じ、実は、昴さんから預かっていたボールみたいなものを、モッフィーに取られちゃって…。しかもその後に、アルパカ達が集まって…ボールがどこにいったか、わからないの…。」
「うーん、それは困ったなぁ…。」
「こん中闇雲に突っ込んで、探し当てられるかわからねぇしな…。」

未だに「モフモフよ〜。」と泣き続けるアルパカの群れ。可愛らしいと何故か思っていたが、ここまで集まられると煩い事この上ない。

「あ!」
「どうした? 鈴花。」
「さっき、モッフィー君に触った。」
「触ったのかよ! で、ボールは!?」
「多分、持ってなかった! 地面にでも落としたのかも!」

鈴花の話が本当で、地面に落ちているのなら、少し可哀想だが、探す方法はある。

「昴さん、一時的に、スキル、許可してくれねぇか?」
『…何するかわかった。ボールの反応も群れの下から出てるから、許可する。』
「あんがとさん。」

烈は左手に炎を宿し、じりじりとアルパカの群れに近付く。
アルパカ達はそれに気がつき、一斉に体をびくりと震わせた。

「アルパカ達よぉ…。」

そして烈は、顔をあげ、アルパカ達を見る。
…いい笑顔で。

「巣に、帰ってくれねぇ? じゃねぇと…“焼くぜ”?」
「モッ…!? モフモフよおぉぉぉっ!!」

烈の笑顔に恐怖心を感じたのか、アルパカ達は一斉にその場から逃げ出した。
アルパカ達が去った地面には、赤いバトルボールが落ちていた。

「ふぅ…。わりぃな、アルパカ達…。」
「あ、な、成程…。動物は火を恐れるから…。」
「何だか、違う要因で逃げた気もするけど…。」

納得するモニカの横で、鈴花が微妙な表情を浮かべている。確かに、違う要因で逃げたと見てもおかしくないだろう。

「細かい事はいいって。それより…。ほれ。」
「わっ…!」

不意に烈から投げられたボールを、鈴花はうまくキャッチする。
その後、二人は互いの忍と共に身構える。そう、ここで戦うつもりなのだ。

「モニカ、離れてろ。」
「じゃないと、攻撃に巻き込んじゃうよ?」
「…! は、はい!」

モニカは慌ててその場から離れ、じっと樹の影で二人を見守る。

「女だからって手加減したら許さないよ、烈君。」

ひとつしかないボールをいじりながら、鈴花は烈にそう語る。
対する烈も、口許をあげ、笑う。

「しねーよ。お前みたいな体力バカ。」
「それは烈君の方じゃない?」
「いーや、お前だね。風雅がへばってお前がピンピンしてるってどんだけの体力だよ。底無しかよ。」
「底はあるし、風雅君がへたばるの早いだけじゃん! それに、女の子にあんまり体力バカって言わないでほしいなー。」

互いにそんな話をした後、急に真剣な眼差しを浮かべる。そして、互いに様子を伺い合った。

バトルボールを貰え! ( No.97 )
日時: 2015/05/13 18:12
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: FYh/B0LU)

じり、じりと、地面を踏む音が聞こえる。見守るモニカでさえも、言葉を忘れる程に。

(鈴花は盾と大玉忍。対する俺は大盾忍のみ。…攻撃手段がバトルボールしかない俺が若干不利だな。)
(烈君は大盾忍で、攻撃手段がボールだけ…。大玉忍とボールがある私が若干有利かな。油断せずにいけば、勝てるかも…!)

この勝負、攻撃手段に乏しい烈が若干不利か。だが、勝ちを譲る気は毛頭ない。
その為には、まず、一手が欲しかった。

(何とか、鈴花の攻撃手段を奪わないとな…。)

先程鈴花に渡したバトルボール。あれを奪えば、鈴花の攻撃手段は大玉忍のみ。その状態に持ち込めば、策はある。

「(何とか、アイツにボールを投げさせないと…!)来ないのか? 鈴花。」
「烈君こそ、来ないの?」

そんな策略が読まれていたのか、一向に投げようとしない鈴花。

(落ち着け、俺。焦ったら敗けだ。)

昔は、ここで素直に投げていただろう。だが、落ち着く事も大切だ。そう、紅に教わった。

(フェイントを見せるか…?)
「来ないの? 烈君。なら、こっちから行くよ!」

ブンッ! と空気の鳴る音と同時に、勢いよく鈴花の手からボールが離れた。
それは丁度、烈の真ん前だ。

「うぉっち!?」
「げ。」

咄嗟の事に烈は驚くも、バシンッ! と盛大な音をさせながらボールを受け止めた。

(…い、痛ぇ…! おい、クマよりも重い玉投げるって何だよ…! アイツ、本当に女かよ…!?)

どうやらオープニングゲームで食らったクマ並に…いや、それ以上に重いボールを投げられ、思わず顔をしかめて取り落としそうになるも、何とか堪えた。

「ま、mark4!」

攻撃手段を一つ失った鈴花は、すぐに自分は下がり、mark4を前面に出した。

「(よし、これで!)mark3、俺の前に!」

烈はmark3を前に出し、自分の姿を隠させた。

「(mark3の後ろから投げてくるつもりかな!)mark4…!?」

突然、後ろからガサッ。と草が鳴る音がして、鈴花はそちらを向き、mark4は鈴花を守るように前に進んだ。

(まさか、あの一瞬で後ろに…あっ!)

だが、そこにあったのは、赤いバトルボールのみ。mark3に注目している間に、上に向けて投げられた物だろうか。
はめられた、そう気がついた時には…。

「…俺の勝ち!」

烈が、真後ろにいた。彼の声が響いた直後、背中に軽い衝撃を感じる。

「…あちゃー、はめられたよ、烈君。」

ボールは取る暇もなく、虚しく地面に落ちた。
これにより、鈴花は撃破となる。


65:33
鈴花撃破。
残り、3人


所持金:20万→47万(+27万)
所持品:バトルボール2個(+1個)


「…いやー、うまくいってよかったぜ…。これ、絶対氷海じゃよけられた…。」
「あははー。って、それ私がおばかさんって言っているようなもんじゃない!?」
「(ぎく。)あ、あはは…。細かい事は気にすんなって。立てるか?」

烈は鈴花の表情の変化に、慌てて取り繕う。
が、次の瞬間には、鈴花は笑顔を見せ、差し出された烈の手を握った。

「烈君、私を倒したんだから、絶対優勝を掻っ攫ってきてよね!」
「約束はできねぇけど、精一杯頑張るよ。」

互いにがっちりと手を握り合い、笑顔を見せる。
満足のいく勝負だったのか、嬉しそうな表情を浮かべながら、鈴花は牢獄へと転送された…。











ピピピ、とスマートフォンから音が鳴る。

「『烈が鈴花を撃破。烈の賞金が47万になった。』か…。」
「やはり、烈の勝利で終わりましたか…。」

南東エリア。ここで今、氷海と千枝が睨み合っていた。
その手には、赤いバトルボール。そしてその傍らには、忍が控えている。

「ここで勝ったほうが、烈君と戦う事になりそうだね。」
「ええ。でも、烈と戦うのは私です!」
「あたしだって負けないよ!」

バトルボールを手にし、二人は同時に大地を蹴った…。


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