二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- SAO【GGO】×東方 ~異次元の狙撃手~
- 日時: 2016/07/02 21:17
- 名前: ルーミャ (ID: E1s7fLzP)
これは、別世界で荒野と廃墟を駆ける、銃器を手に持った少女のお話。
このストーリーは、本編の SAO×東方 の世界観、設定とは一切絡んでおりません。ご注意下さい。
オリキャラを募集しています。
オリキャラを投稿してくださる方は、以下の通りに書き込んで下さい。
【アバターネーム】:自分好みの名前で。
【使用する武器】:2つまで可能。
銃は大雑把で良い。(アサルトライフルが良いなどカテゴリ一つ言えばこちらが選択します)
架空の銃器を書いても問題ありません。その場合は銃の名前、銃器のカテゴリを書いて下さい。(GGO設定になぞり、実際の銃器よりも火力・距離は弱くなります)
フォトンソード、ナイフ、グレネードも可能です。
【性格、外見】:これも好きなもので問題ありません。
【パラメータ】:筋力(重い銃を扱うのに必要)・敏捷性(足の速さ)・耐久力(HP)・器用さ(命中精度・道具の作成)・知力(視力の上昇)・運(乱数値にボーナスがかかる)の中から選ぶ。
割り振りは丁度100になるように。(例)筋力10、敏捷性25、耐久10、器用さ20、知力15、運20
パラメータによる能力影響
【筋力】:武器をまともに持ち運べる重量(メイン+サブ)
10:3kgまで
15:5kgまで
20:7kgまで
25:10kgまで
30:全範囲
【敏捷性】:足の速さ
10:遅い
15:一般的
20:やや速い
25:速い
【耐久】:HP
10:威力の低い武器でも、クリティカルで即死可能性あり
15:威力の低い武器をある程度耐えられる
20:高火力の武器でも少し耐える
25:高火力の武器を数発耐える。クリティカルでも確定で耐える
【器用さ】:命中精度・道具の作成
10道具が作れる(確率低)。命中精度やや上昇
15:道具が作れる(確率中)。命中精度がやや上昇
20:道具が作れる(確率高)。命中精度上昇
25:道具が作れる(確定、ボーナス確率中)。命中精度大上昇
【知力】:空間把握、敵の探知
10:半径10m以内にいる敵を感知出来る
15:半径50m以内の空間把握、敵の感知が可能
20:半径100m以内なら敵の感知、空間把握可能
25:半径150m以内なら空間把握、迷彩無効化。距離関係無くバレットラインを感知出来る
【運】:被ダメージの乱数、クリティカルによる命中、回避の乱数ボーナス
10:被ダメージに少々ボーナス
15:被ダメージのボーナスが上がる
20:被ダメージのボーナスが上がる。クリティカルボーナスが少々上がる
25:被ダメージボーナスがかなり上がる。クリティカルボーナスが上がる
長々と勝手にすみませんでした。
皆さんのオリキャラ、待ってます。
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- Re: SAO【GGO】×東方 -幻影の銃使い-番外編 ( No.2 )
- 日時: 2016/04/18 22:32
- 名前: ルーミャ (ID: E1s7fLzP)
街へと戻ると、レイセンは一人の人物を探しに見回る。
レイセン「うーん、酷い人混み……」
上手く掻き分けて進む、しかしこの中を生身一つで探すのは太平洋にいる金魚を探すようなものである。フレンドリストを確認すると、新着メッセージが届いていた。
【カグヤ】今ここいんの? ンじゃ例の場所でシューゴーね
このプレイヤー、カグヤという人物の言う例の場所とは、有名な銃器店である。
カグヤ「……あ、来た。うっすレイセン」
レイセン「失礼させてもらいます、姫様……あ」
うっかり口にしてしまった言葉に気付き、両手で抑える。カグヤは呆れたかのようにはぁ〜、と長い溜め息を吐く。
カグヤ「あのねぇ、いつもの事だけどここでリアルの話はタブーよ? ま、別に構わないけど……それとここでは堅苦しい言葉は無し!」
レイセン「し、しかし……」
カグヤ「なーに? 私の言うことを聞けないっての?」
レイセン「ごめんはひゃいー」
カグヤは不服そうにレイセンの頬をぐいぐいつねる。
しかし姫、と呼ばているがVRゲーム内の彼女はその高貴なイメージの一欠片も無く、長い髪は一つに縛り、ヘルメットを着用。軍服を着込んで、見た目は迷彩柄で包まれている。どう見ても女軍人である。
カグヤ「てかいつも思うけどこれパンツ……あ、中身スパッツか」
ひらりとスカートの中を覗くが、残念ながらスパッツをきっちり穿いてあった。
レイセン「ちょ、何してるんですか!」
バッとカグヤとの距離を開ける。数人だが、彼女のスカートを覗いていた瞬間を見ていた者がおり、悔しがったり、百合展開を期待しているものまでいた。
カグヤ「ははは、悪かったわね……あーアンタが最初に来たのが懐かしいわ。今じゃ最高のパートナーよ本当」
レイセン「あ、ありがとうございます……」
カグヤ「そこで、そんなレイセンに私から一言」
レイセンに一枚のチラシを見せて、戦線布告をする。
カグヤ「貴方と私。どちらが強いか、決めましょう?」
その紙には、【シューティング・サバイバル・シングルス】通称【SSS】が開かれる事となっていた。
レイセンが【GGO】を始めて二日目であった。今回はカグヤという人物がこのゲームのレクチャーをしてくれると師匠から聞かされていた。
レイセン「……本当に来るのかなぁ」
半信半疑で適当なベンチで座る。とても汚いが、VRゲームなので汚れは媚びり付かない。しばらく待って、呆れ始めたその時であった。
カグヤ「あ、アンタがうどんげでしょ? 絶対そうだ」
聞き覚えの声ではあるが、このような口調は聞いた事が無い。振り返って確認してみても、その姿はレイセンが普段見る優雅な輝夜とは違い、薄汚れた服を着ているこの女とはまるで判別がつかない。
レイセン「えっと……どなたでしょうか?」
カグヤ「……ひ・め・さ・ま」
その数秒後、絶叫が聞こえたのは言うまでも無かった。
レイセン「な、なな……何で、ここ、ここんな……!!!」
カグヤ「えー? そこまで驚かれる〜?」
レイセン「私が知っている姫様はもっと口調が優しくて、常に清潔。更には美貌にありふれた月の姫。そんな方がこんなガサツで薄汚れた服を好む人なわけありません!!」
流石にカチンと来たのか、青筋を立ててレイセンを脅す。
カグヤ「……うどんげ。今なら私をカグヤと認めるだけで許してあげるわ。もし無理ならば……今すぐログアウトして貴方が心の底という底で認めるまで弾幕地獄というものを見させてやるわ」
背筋がゾクッとする。もしこれでも断ったらどうなるか……身体が危険を察する。
レイセン「……分かりました。カグヤ様」
カグヤ「宜しい……あ、そうか。確か今日はアンタをレクチャーするんだったわね……今日一日教えてあげるから安心なさい!」
ドンと胸を強めに叩く。早速左手を振りメニューウインドウを開く。
レイセン「あ……」
カグヤ「ん? もしかしてメニューウインドウの開き方? こう、左手でスイー、と振れば出るわよ」
レイセンは教えてもらった通りにメニューウインドウの説明を聞いた。それだけでは無く、銃器店でレイセンの銃を一緒に買いに行ってくれたり、そのスカートだと目立つと迷彩柄のスカートに変えてくれたり、教えるだけで無く、あらゆる者を奢ってもらった。
カグヤ「……よし。もうこんなんでいいでしょ。最後に、フレンドを交換しなさい。困った時は私が来てあげる」
レイセン「あ……は、はい! その、今回は本当にありがとうございました!!」
カグヤ「……いいわよ」
フッと微笑む。カグヤからフレンド申請を送られ、受諾する。レイセンの始めてのフレンドーーーカグヤ。
レイセン「えへへ……」
カグヤ「何よ、気持ち悪いわね」
レイセン「いえ、何でもありません! あ、ありがとうございます姫様!」
カグヤ「……姫じゃなくて、カグヤ!」
こうして、レイセンとカグヤの一日は幕を閉じた。
鈴仙「ご飯出来ましたよー」
輝夜「……分かったわ。今いくわね」
まるで歌を歌っているかのような、綺麗な声音が和室にしんみり響く。
鈴仙「……」
やはり。鈴仙には現実の輝夜と、ゲーム内のカグヤはとても違う。そう決めつけていた。
鈴仙「……でも、悪くない」
思わず口に出てしまった。どんなに接し方が違っても同じ輝夜には変わらない。憧れである輝夜が傍に、そして仲良く駄弁り、戦う事に変わりはないと。
輝夜「何をしているの、うどんげ?」
鈴仙「あ、いや……考え事です」
茶碗を手にして急いで台所を飛び出る。
師匠「……何かあったの? 輝夜」
輝夜「さぁ、どうかしら……でも」
輝夜「私は、今日が一番良い日だと思っているわ」
【アバターネーム】カグヤ
【メイン】M240機関銃
【サブ】ブルーノZB26軽機関銃
【ステータス】筋力30/俊敏性10/耐久25/器用さ10/知力15/運10
東方キャラ、蓬来山 輝夜のアバター。見た目は完全に女軍人であり、戦場での戦乙女である。脳筋キャラ。彼女も固有のスキル【自動再生】【月の怪力】を持つ。
- Re: SAO【GGO】×東方 【SSS前オリキャラ求む】 ( No.3 )
- 日時: 2016/04/19 21:29
- 名前: マグロ煮つけ ◆AXS9VRCTCU (ID: wSTnsyhj)
どうも初めましてマグロ煮つけと申す者です。
早速キャラを投稿させていただきます。採用していただけると嬉しいです
【アバターネーム】:バシラ
【使用する武器】
メイン:コルトパイソン357
サブ:Five-seveN MK2
【性格、外見】:見た目は、中高生くらいの女子学生、顔は結構整っている方、高飛車で傲慢、自分の事を美少女と呼んだりするほど
【パラメータ】:筋力10/俊敏性25/耐久15/器用さ15/知力25/運10
- Re: SAO【GGO】×東方 【SSS前オリキャラ求む】 ( No.4 )
- 日時: 2016/04/19 22:47
- 名前: ルーミャ (ID: E1s7fLzP)
オーケーです。
これは……美と強さを求めた組合わせですね。キャラの性格にも合ってて良いと思います。
- Re: SAO【GGO】×東方 【SSS前オリキャラ求む】 ( No.5 )
- 日時: 2016/07/02 13:28
- 名前: ルーミャ (ID: E1s7fLzP)
【SSS】開催まで、数日前の事である。レイセンとカグヤはいつも通り街の中で待機していた。
レイセン「カグヤさんは、この数日間どうするんですか?」
カグヤ「うーん? まぁ、のんびりしようかしらね。弾丸買うためにも雑魚狩らなくちゃいけないし。あ、そこの喫茶店に行きましょう。アイスが美味しいのよ」
緊張感の欠片もない会話をはさみ、人混みを避けていく。その時、
「あらぁ? そこにいるのはもしかして、カグヤなのかしらぁ?」
カグヤ「あ?」
トーンの高い声の方に振り向くと、顔立ちの良い女がカグヤに微笑んだ。
「見ましたわよぉ? SSSに出るらしいじゃない」
カグヤ「……バシラ」
カグヤよりもそこそこ背が低い女性は、妖艶な笑みを作り、彼女を挑発する。
バシラ「えぇ、でも残念。私がこの大会に優勝してしまいますから。貴女の出る幕はないの」
カグヤ「アンタも出るのか、確認してなかったわ」
面倒臭そうに言葉を切り返す。どうやら心の底から腹が立っているようだ。
バシラ「確かにこの大会はBoBやSJより小規模であるけれど、この大会に勝てば強さが認められるの。可憐で美少女たる私が貴女程度に負けるわけにはいかないのよ。それじゃあ精々頑張りなさいな」
勝手に一人語って、何処かに消えていってしまった。
カグヤ「……蜂の巣にしてやるからその時まで待ってな……さて、喫茶店行くよレイセン」
聞こえないのにも関わらず毒付くと、レイセンを喫茶店に押し込んだ。
レイセン「あの……さっきの方は?」
カグヤ「あ、レイセンは知らないか。アレはバシラっつって私と競り合ってる奴よ、一人勝手に。主に拳銃での近接戦闘を得意とするすばしっこい奴でね、本当アイツのバトルスタイルは好きじゃないわ」
レイセン「はぁ……」
カグヤ「それに人の神経逆撫でするような事ばっかり言ってくんのよ!? アレ見たでしょ!? バトルフィールドだったらあれだけですぐ戦闘よ!」
レイセン「落ち着いて下さいカグヤさん」
ダァン、とお冷やが注がれているグラスをテーブルに叩き付ける。
『お待たせしました。アイス、2つです』
カグヤ「はいはい、ご苦労様っと。まぁ、強いのは確かよ。ああ見えて大会無傷で私をレッドゾーンにまで追い込んだ奴だし」
レイセン「カグヤさんが?」
一旦区切ると、二人はアイスを頬張る。
カグヤ「……ええ。さっき言った通り近接戦闘を得意として、最初に戦った時は私の銃弾全て避けきりやがったのよ。つってもまだ本気出して無かったんだけどね。やっと捉えたと思ったらタイムアップで逃がしちゃって。でも次は戦術読んで銃弾を擦らせてやったわ」
レイセン「結構付き合いが長いんですね」
レイセンはひょいひょいアイスをつまみ、いつの間にか容器を空にしていた。
カグヤ「まさか。アイツとは下の奴がやるような大会でしか会ってないわよ。その度に馬鹿にして来たわ。それが続いたんだけど、お互い邪魔が入って勝ったり負けたりよ。それに、どっちも優勝をまだしてないから、アイツは勝手にライバルと思ってるんでしょうね」
しかめっ面でアイスを黙々と食べる。食べ終えてスプーンを容器に置くと、再び口を開いた。
カグヤ「でも、今度は今まで誰にも見せてない奴をアイツに見せてやるつもりよ。仰天させて風穴開けてやるわ」
レイセン「仲良し、なんですね」
カグヤ「ちょっと、やめなさいよ。あんな奴と仲良しする気ないわよ」
レイセン「あ、いえ、すみません。でも……カグヤさんにそう好きに言い合えるのって羨ましいな、て」
カグヤ「……あのやり取りなら妹紅と飽きる程しているけど、正面から殴りかかってくる妹紅と違ってアイツは逃げてたたかうから、それが嫌なのよ。それだけ」
レイセン「……そうですか。ではそうさせて頂きますね」
カグヤ「……おっと、今日は沢山湧くねえモンスターちゃん」
大型モンスターは既に4、5体はいるであろう。普通独り身ならば撤退するのが正しい場面である。しかし彼女は逃げなかった。
カグヤ「最終試験、かな。全部肉片に変えてやるわ」
激しい銃声は重なり、後にモンスターの悲鳴や奇声が重なるも虚しく、ポリゴン質の欠片となって消えた。
- Re: SAO【GGO】×東方 【SSS前オリキャラ求む】 ( No.6 )
- 日時: 2016/07/03 11:38
- 名前: ルーミャ (ID: E1s7fLzP)
遂に、SSSが始まった。レイセンとカグヤは会場に集まり、大会の内容を確認した。
カグヤ「今回の予選は4グループか。ABCDの各5人ずつが残るまで終わらない。決勝については当然一人のみ……」
レイセン「えっと……参加人数は、120人!? 大規模大会より多くないですか?」
カグヤ「全然よ。BoBの参加人数が少ないのは、あそこに出るのが化け物揃いなだけ。そんな所に突っ込んでも即死になるだろうし、下手くそは参加しないのが暗黙のルール。それに比べて、こういうのは賞品がしょぼいから上は参加する気にならないのよ。だから素人から中堅の広い層が集まって人数も多いわけ」
レイセン「はぁ……」
いまいち、強さの基準が判断出来ないが為、反応が曖昧となってしまった。自分より上と考えると、かなり強い軍人なのか、はたまた依姫のような何でもありな人達なのだろうか。そんな妄想をただひたすら繰り返す。
カグヤ「私はB、レイセンがDね。お互い健闘を祈りましょう、絶対負けるんじゃないわよ」
レイセン「望むところです。戦闘経験は私の方が上ですから」
カグヤ「……言うようになったわね」
穏やかな睨み合いをしていたところ、アナウンスが放送された。
『Aグループをステージへ転送……処理完了。一分後、Aグループの試合が開始されます』
放送と共に、そこかしらにあるテレビ画面には、様々な参加者と、名前が張り出されていた。
カグヤ「……バシラの奴はAか。恐らく勝ち上がるでしょうね。いや、勝て」
やけにカグヤが燃えている。それは闘志なのか、復讐なのか。
Aグループが転送されたステージは、障害物の少ない荒野であった。所々に廃屋はあるのだが、まともに使えるのかすら不安である。
バシラ「……私の前で脅威となりうる物なんて、いるはず有りませんわ」
バシラ「もし妄言を掲げるのであれば、お相手してもよろしくてよ?」
Aグループ、戦闘開始。
バシラはリボルバーのコルトパイソンを片手に、早速荒野の中央へと走り込んだ。
「あぁ!? 何だあの女!?」
「ウケル。ソッコーで死ぬじゃん」
「素人かよ。無双ゲーじゃねえんだぞ」
彼女を知らない者はその行動に呆れたり、馬鹿にしていた。しかし一方で彼女を知るものは険しい顔つきで見守るばかりであったのだ。
レイセン「あの……バシラさん、早速中央に向かっているんですけど」
カグヤ「アイツの十八番よ。まぁいいから見てなさい、すぐに分かるわ」
画面が代わり、廃屋に隠れているスナイパーが彼女に目を向けた。
「馬鹿じゃねえの? 良い的だぜ、あの頭を吹っ飛ばしてやる」
飄々とした男はドラグノフをしっかり構え、狙いを定める。しかし、ウロウロと不規則に動く彼女と、撃とうと興奮している心の揺れのせいでバレットサークルが彼女に収まらない。
「クソが! ウロウロしてんじゃねぇ!」
口汚く罵ると、バシラがスナイパーの方を向いて走り出す。
「あ? おいおい……嘘だろ!?」
バシラとの距離は1000m。そもそもドラグノフは長距離の射撃が不得手である。気づけば、既に彼女との距離は800mまで縮んでいた。
「消えろおおぉォォ!!」
必死にライフルで威嚇するも、彼女にとってはどうとでも無かった。あっという間に男との距離を縮めきってしまった。
バシラ「ライフルは、一撃で仕留めてこそ美になるのよ?」
コルトパイソンを男の顎につきつけて、遠慮無しに発砲する。弾丸は貫通し、頭部からは紅いエフェクトが噴き上がる。物凄い速さでHPが減り、死亡となった。それを見ていたプレイヤーは全員、固まった。さっき馬鹿にしていた集団もこれには絶句をするしかなかった。
レイセン「今のは……?」
カグヤ「あいつはね、反射神経が凄いのよ。バレットラインどころか、マズルの向きだけで危険かを察知出来るような奴よ。そして足が速いから弾から逃げやすい。それを利用した、誘いだし戦法。あえて敵の的になることで、逆に敵の居場所を感知するのよ」
レイセン「でも何でそんな人が……」
カグヤ「慢心、ね」
まるでバシラの事を理解しているように即答する。
カグヤ「アイツの唯一の欠点は慢心、何でも自分の思い通りに行くと思う自惚れよ。だから冷静な相手には簡単に対処されてしまう。何度もその光景は見てきたわ。アイツは実力はあるけど、どうしてもトップに行けない壁がある。アレを治すのは、中々大変だと思うわ」
レイセン「……」
バシラ「1、2、3……8人。まるで、『飛んで火に入る夏の虫』ね」
バシラに向けられた幾つものバレットラインを感じて嘲笑った。誰に対してかは言うまでも無い。
彼女はバレットラインを潜り抜けると電光石火の如く敵の懐に入り、弾丸を当てていく。マズルが熱くなり、陽炎が浮かんでいる事にも関わらずハンマーを倒し、トリガーを引き続けるだけであった。中央は彼女を巡っての激戦地となっていた。
「ギャー!!」
5人目が死亡した時、バシラは射撃を止めて逃げる事に撤した。
「くそ、逃がすか……!」
「奴は弾切れだぞ、追え」
「下手に追ったら死ぬだけだし、俺はいいや、また地獄で会おうぜ」
アサルトライフルを持つ二人は後を追った。こんな見栄えの良い場所に隠れられる場所はたった一つであった。
「奴はリボルバーだ。弾の交換にも時間が掛かる」
「今しかない、行くぞ!」
男二人は廃屋を確認した。その瞬間の事。
ダン、ダァン!!
一人は右腕を、もう一人は足を撃たれた。バシラは男達が飛び出た瞬間を逃がさずに発砲したのだ。FN Five-seveN(Mk2)は対人用の為、殺傷力は高いのだが、当てる所が少々悪かった為か男二人のHPはまだ残っていた。
「まさか、サブを持っていたとはな……」
「構うな! 撃て、撃てぇ!!」
中年の渋い二人の男性の見分けがつかないが銃器は、右側の口煩い男はコルトM16、左側の男がH&K G36であった。それをバシラに向けて乱射する。
バシラ「……!!」
ガス、ガスッ!! 数弾が彼女を擦った。幾ら速くとも至近距離から逃げる事は容易ではない。しばらく乱射をしていると、マガジンが緩みきって、弾丸が出ない事が確認出来た。
「……弾切れだ。そっちは?」
「こっちもだ。とにかく、今がチャンスだ。奴が離れている内に……」
パァン! 喋っている途中に首を撃たれ、HPは0となり死亡した。
バシラ「犬の鳴き真似は迷惑だからやめなさい」
「! ……しまった、ここはFive-seveNの射程範囲か……」
距離50mしかないのだが、今まで至近距離で発砲してきたのですっかりその事が頭に馴染んでしまっていたようだ。
バシラ「まぁ、待ちなさい。チャンスをあげるわ。お互い銃を装填しなおして、撃つのよ。早撃ち対決ね」
「何か隠しているな。どうせ装填中にFive-seveNで撃つんだろ」
バシラ「まさか。撃つのはこの私の愛銃、コルトパイソンでよ。それとも怖いかしら?」
「ああ、どうみても俺が不利だ。散弾銃だし、拳銃に対してこっちはライフルだ。扱いが重い。それに相手がアンタだ。そんなにコルトパイソンで撃ちたいなら俺を一度生かしてくれ、頼む」
普通の相手ならばまず話を聞いてもらえないだろう。しかし、相手が彼女だ。
バシラ「……なら、仕方ないわね。3分だけ待っていてあげるわ。その時に出直す事ね。次は容赦しないわよ」
「……恩に着る」
男は素直に礼を呟き、バシラから去っていく。しかし男の表情は安堵や悪顔ではなく、何か覚悟を決めた顔であった。
その後、男とバシラは一切会わず、バシラは合計13キルを叩きだし、無事決勝へと行ったのであった。
カグヤ「……本当、頑固ね」
レイセン「へ?」
カグヤ「執着しすぎなのよ。コルトパイソン、アイツがアレを気に入っているのは世界でも評されている『名銃』よ。ただ、特別に性能が良いわけでは無い。分かるかしら?」
レイセン「ええ!? じゃあ何で……」
カグヤ「それは引き込まれる程に魅力的な銃だから。ガンマニアなら興奮を隠せない程のレア武器よ。その銃は欠点さえ美しく思わせてしまう程。大会中にマズルから陽炎が浮かんでたわよね?」
レイセン「ええ、確かに見えました」
カグヤ「銃には照準が狂わないように陽炎を防止する効果があるんだけど、あの武器にはほとんどその効果が無いの。しかし、その陽炎すら、美しさに虜にさせるほどの存在になるのよ。その為に彼女はアレをずっと使ってるんだと思うわ。あの銃を外した事、今までに無かったから」
レイセン「……いいと思いますよ、こだわりって。私も、いつか相棒と言える程の銃が欲しい、です」
カグヤ「……レイセンは、面白い兎ね」
カグヤは小馬鹿にするように微笑むと、待機室へと向かっていった。
【アバターネーム】キルホーネット
【メイン】H&K G36
【ステータス】筋力15/敏捷性15/耐久20/器用さ20/知力15/運15
SSSでバシラに助けられた男性プレイヤー。見た目は完全に軍人。冷静で且つ状況を把握出来る。銃の扱いを知っている中堅層である。
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