二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ソニック・アナザー・アドベンチャー
- 日時: 2016/07/02 08:59
- 名前: 暁 (ID: bbfUlH82)
目が覚めると、そこは見知らぬ街だった。
仲間たちが誰一人としていない中、世界最速の青いハリネズミは異郷の地を駆け回る。
そこには白い闇が見え隠れしていて——
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- Re: ソニック・アナザー・アドベンチャー ( No.1 )
- 日時: 2016/07/02 09:41
- 名前: 暁 (ID: bbfUlH82)
「なんだ……ここ……」
世界最速の青いハリネズミ——ソニック・ザ・ヘッジホッグは、寝て目が覚めるなり独り言を発していた。
昨晩、彼はテイルスの家で眠りについている。それが目を覚ますと、海辺の砂浜だったのだ。それも見覚えがなく、吸う空気もいくらか不味い。すなわちこの場所は、彼の知る場所ではない。
じっとしていても仕方がない——彼は人里へ向かう。
しかし、向かった先の人里は廃墟と化している。誰かいないものかと声を張り上げるが、返事は愚か物音ひとつ聞こえない。
聞こえてくる音と言えば海の小波と自分の足音であり、走らねば風を感じることもない。
「ん?」
ふと、足にぶつかったものに注目する。見覚えのある丸っこい形のそれは、チャオが好む木の実の一種だった。
傍らにはチャオの卵も転がっており、ソニックはその2つを拾い上げる。ただ、卵は恐ろしく軽い。殻だけ、と表現すれば事足りる軽さだ。
『軽いな。この卵、中身詰まってるのか?』
——と思っていたとき、ふと卵が還る。
「おっ……」
見慣れた幼体のチャオが産まれる。しかし、実体がなかった。
さながら幽霊だ。見えているだけであり、ソニックは手に重さを感じていない。
地面に下ろせば元気に動き回り、しばらく経つとソニックの近くに寄ってきて抱き付くが、抱き付かれたソニックはチャオと触れ合っている感覚がなく戸惑いを覚える。
こんなチャオ、見たことない——そう思いつつテイルスの名を呼ぶ彼だが、あいにく彼は近くにいない。いつもこうしているときに執拗に追い回してくるエミーでさえいない。
「?」
チャオが、ソニックが持っている木の実を物欲しげに見つめている。
試しに与えてみると、チャオは喜びながらそれを食べ始めた。
「実体のないチャオ、か」
しかし——気がかりなことが一つ。実体がないだけでなく、産まれて間もないというのに異様な懐き具合を見せている。
とりあえず実体のないチャオを抱えて、彼は人里の奥に見える森を目指すことにした。
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