二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 夏目と櫻華〜第3話〜
- 日時: 2016/07/19 14:44
- 名前: 幽谷澪掎 (ID: RnkmdEze)
〜櫻華side〜
気が付いたら、見知らぬ場所に寝かされていた。汗でベットリと張り付いていた服が変えられ、清潔な服に着替えられている。
「………………………………何処だ、此処は?」
道端で意識を失うときに、誰かに体を支えられたことまではぼんやりと覚えていた。……その人が何度も必死に声を掛けてきたことも。
「…………とにかく何時までもこんな所に長居することは得策じゃない。早く、出来るだけ遠くに逃げなければ…………」
何日寝ていたのだろう。体は軽く、頭痛や眩暈もすっかり無くなっている。
悶々と考えていると、部屋の襖が開いて高校生らしき青年とまるで豚のような体型をした猫が入ってきた。
青年はホッとしたように息を付くと、手に持っていたお盆を畳の上に置いて、此方に話し掛けてきた。
「……よかった、目が覚めたんだな。死んだように眠っていたから、心配してたんだ」
優しそうだが何処か影のある話し方をするヤツだなと、櫻華は心の中で呟いた。
……そう、まるで自分と似たような経験をしてきたかのような…………。
「体は大丈夫か? 結構寝てたから、腹も空いてるんじゃないか?」
「…………別にどうもしてない」
「そうか? ならいいけど……無理せずに遠慮無く言ってくれていいんだぞ?」
「…………無理なんて、してない。無理したって何の得もないだろ」
「ハハッそりゃそうだな。けどお粥くらいなら食べられるだろ? 塔子さんに頼んでくるから」
「えっあっちょっ……待っ!」
青年は笑顔でそう言うと、部屋を出ていった。部屋には猫と櫻華のみが残される。
暫く気まずい雰囲気が流れる。
「……お前、銀魅じゃないのか?」
いきなり、自身の真名を呼ばれ、櫻華の体がビクリッと震える。
ーなん、で……それを…………その名前を…………っ。
「やはり銀魅、お前だったか。随分以前と違うな?」
「…………その声は、斑……か?」
思わず声が震える。懐かしい声に知らず知らずの内に、涙が溢れる。
「……あぁ懐かしい我が同胞よ。まさかこんなところで出会うとはな……運命とは解らぬものだな……」
「そうだな……銀魅。しかしお前、今まで何処に居ったのだ? ここ百年くらい行方知れずだったろう?」
「それは……」
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