二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 「DDA-03 しなの」、呉鎮に着任しました
- 日時: 2016/07/29 23:46
- 名前: tunamayo (ID: eOcocrd4)
作者はWW2に関してはかなりにわかです。ご注意ください。
艦これでは柱島泊地所属の提督レベル99だ。
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あらすじ
航空機搭載護衛艦である「DDA-03 いぶき」は、リムバック(環太平洋合同演習)に参加する為、ハワイ沖300kmを他の海上自衛隊派遣艦と共に派遣混成隊として航行していた。しかし、突然駆逐されたはずの深海棲艦の襲撃を受け、海に沈んでしまう。
目が覚めると、そこは深海棲艦に占領されたハワイ諸島だった。
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目次
プロローグ:>>01
第一話「リムバック中の奇襲」:>>02
第二話「現代の対深海棲艦戦・壱」:>>03
Page:1
- プロローグ ( No.1 )
- 日時: 2016/07/25 22:48
- 名前: tunamayo (ID: wUKiQGwj)
——2026年6月23日ハワイ島沖——
「しなの姉さん、今日はとってもいい天気ね。風も少ないし、航空機発艦には最高だわ!!」
隣を航行している「DDA-04 とさ」が私に話しかけて来た。長髪をポニーに纏めた、とっても可愛い妹だ。しかし、その左腕には黒光りするアンクルドデッキが装着されている。そう、私たちは——
「艦娘」
1940年4月18日、世界中の海という海に突然現れた怪物。「深海棲艦」。奴等はアメリカが統治していたハワイ諸島を皮切りに、世界中の海を侵食し始めた。それに対抗出来た唯一の存在、それが艦娘だ。
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現在の日本皇国、当時の大日本帝国は比較的北方にある為、最初こそ大きな被害は無かったものの、東南アジアが徐々に浸食されていくにつれ、次第に石油や鉄材などの資源が不足し始めた。
日本のみならず、次第に危機感を覚え始めた列強各国は、ドイツ周辺での戦争が継続されているにも関わらず、積極的に対深海棲艦兵器を研究する。そして、ついに列強各国は開発する事に成功した。それが「艤装」だ。
艤装とは、妖精と呼ばれる深海棲艦と共に出現した謎生物を搭乗員にして、これまでの軍艦を基に作られた人間サイズの小型兵器だ。小型の深海棲艦に対して有効な打撃を与える事を期待されていた。
日本で最初に開発されたのは1940年6月、睦月型駆逐艦「睦月」だ。
しかし、それの運用には大きな問題があった。適正がある人間じゃないと艤装は扱えないのだ。対深海棲艦を目的として設置された大本営は、急いで適性のある人間を探し始めた。適性のある人間は妖精を見ると運命のような何かを感じると言う。それが「艦娘」と呼ばれる新人種である。大本営は、写真や当時は最新技術であった映像を日本中にばら撒き、十分な艦娘数をそろえた。
そして、1941年12月8日、初めて深海棲艦が上陸した地であり、太平洋地域に展開している深海棲艦の司令部的な役割を果たしているハワイ真珠湾に、第一航空艦隊が攻撃を仕掛けた。俗に言う「真珠湾攻撃」である。
1940年4月、ドイツは資源を目的とした北欧侵攻作戦「ヴェーザー作戦」の真っただ中だった。が、ドイツ・アフリカ航路でUボートがⅢ級駆逐艦(駆逐ハ級)に撃沈された事を受けて、艤装の開発に着手した。
それと同時に、陸軍総司令官のヴァルターは妖精の扱いやすさに目を付け、妖精専用対人部隊の育成に力を入れ始めた。
アメリカではOrange-plan・Red-plan・Black-planを基にAnti-aByssal FLeet plan(対深海棲艦作戦)、略してアブフル計画を作成した。
具体的な内容は、大西洋・太平洋地域に同時展開して物量で深海棲艦を圧倒し、アメリカだけが知っていた“深海棲艦の集団は右から押すと左に移動する”という性質を利用し、ファシズム勢力を押そうという物だ。
こうして、深海棲艦、ファシズム、連合国(資本)、連合国(共産)の4勢力が入り乱れる、第二次世界大戦(WW2)が幕を開けた。
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まあ、「艦娘」が生まれた訳はこんな感じ。この後、日本はアメリカに押されて西へ西へと移動した深海棲艦達相手に劣勢に立たされて行って、ついに沖縄を占領されてしまったの。
妖精部隊の活躍で、2箇所を除いて悪魔に本土に上陸されるのは免れたけど、佐世保鎮守府のある長崎、呉鎮守府のある広島だけは上陸されてしまったわ。当時、皇居や国会議事堂、大本営などがある東京は「白いタコヤキ」と言われ恐れられた深海棲艦側の航空機に破壊尽くされていて、まともにあの二都市を奪還出来る状態じゃ無かった。そして、日本は悪魔の契約を結んだ。
アメリカに援護を要請してしまったの。
沖縄では、深海棲艦側の兵士である「悪魔」と海兵隊妖精部隊の激しい地上戦が繰り広げられ、広島・長崎には原子爆弾という恐ろしい爆弾が落とされたわ。そして、日本の国力は前にも増して堕ちて行った。
北海道でのソ連とアメリカの妖精部隊同士の激突などもあり、国家としての体制を完全に維持できなくなった大日本帝国は崩壊、変わりにアメリカが1946年に新しい政府を建てたわ。それが、偶然生きていらっしゃった昭和天皇を象徴とし、アメリカ軍司令部が介入出来る様な、内政干渉も甚だしい、「日本皇国政府」だったの。
因みに、戦争を続けたまま対深海棲艦戦も始まったヨーロッパでは、混戦を極めたらしいわ。ドイツはUボートが深海棲艦に対して善戦するも、イギリス艦隊やアメリカ艦隊からの執拗な嫌がらせ、攻撃なども受けて徐々に消耗していき、陸の方でも広げすぎた戦線のせいで、ソ連・イギリス・アメリカ・悪魔等に包囲され、徐々に勢力圏を小さくしていって、1945年に降伏したらしいわ。
ヨーロッパ戦線を終結させた後、連合国軍は各地に散らばっていた戦力を深海棲艦の勢力圏に集中、陸から追い出したの。そして、主に米英、そして降伏した伊独なども含めた新連合艦隊を編成、ついに大西洋の制海権を取ったの。
その後、ソ連とアメリカが、旧ドイツと地中海で大規模な戦闘を繰り広げ、大量の死傷者が出るのだけれど、それはまた何時かね。
結局、次第に深海棲艦は駆逐されていって、艦娘は対深海棲艦兵器では無く、抑止力としての意味合いが強くなっていったわ。
そして、時代は80年後の現代。
「しなの姉さん、何をぼうっとしてるの?早く早く、もうすぐ始まるわよ!!」
「ああ、ごめんね。今行くわ」
私たちは未曾有の大事件に巻き込まれてしまったの。
- リムバック中の奇襲 ( No.2 )
- 日時: 2016/07/28 14:50
- 名前: tunamayo (ID: 7I10YEue)
とある海域に2隻の艦娘が佇んでいた。艤装の大きさや形などが異なり、一目で違うクラスの艦だと分かる。そして、その大きい方が突然口を開いた。
「SPYレーダーにアンノウン30機の反応あり」
「全く、無駄に多いですねえ。こっちは使用できるミサイルの数をかなり制限されてるというのに」
それを聞いて、小さい方は心底面倒臭そうに愚直る。
「まあ、こいつらをすべて落とさねば最強国家のメンツが台無しだよ」
「それもそうだ」
うしっ、と頬を叩いて気合いを入れ直した小さい方はシャキッとした顔でこう言った。
「そいじゃ、いっちょ頑張りますか。モンスさん」
「撃ち漏らしの処理は頼むわよ、バーク」
そう、2隻の艦娘の内、大きい方はズムウォルト級駆逐艦の2番艦「DDG-1001 マイケル・モンスーア」で、小さい方はアーレイ・バーク級フライトⅢの1番艦で、退役した元祖ネームシップの名前を引き継いだ「DDG-124 アーレイ・バーク」だ。
「「対空戦闘よーい!!」」
2隻は、アメリカの威信を示すためにも声を張り上げる。
「「周囲の安全確認! Mk.57(41)のミサイルセルを開放!」」
「スタンダード、サルヴォ(一斉射)!!」
——————————
——キィィィィィィィィィィィィン——
煩いジェット音が響く中、フランス海軍の旗艦を務める原子力空母「シャルル・ド・ゴール」から飛び立った、30機の艦上戦闘機「ラファールM」の隊長妖精は、HUDを見ながら慎重にミサイル発射のタイミングを謀っていた。
——ビービー——
「!!」
レーダー照射を警告するブザーが鳴り響く。どうやら、アメリカの最新艦は第4.5世代のステルス性をも上回る性能を持っているらしい。
「(-""-;)」
隊長妖精はすかさずチャフを発射した。その直後、物凄いスピードと金切り音でスタンダードミサイル(模擬弾)が迫ってきた。
——————————
「全期撃墜判定かぁ」
少し離れた位置で成り行きを見守っていたシャルル・ド・ゴールは、妖精達の悔しそうな唸り声を聞きながらハァ、と溜め息を吐いた。
「仕方ないですよ、シャルル姉さん」
「そうですよ。あんな化け物に勝てる筈がありません。あの日本の2隻でも、掠り傷すら付けられなかったんですから」
随伴していたアキテーヌ級駆逐艦対空型の「D656 ブルターニュ」「D657 ロレーヌ」は、落ち込む先輩を励ましていた。
「アメリカ艦にミサイルの一発でも当てれば、フランスに胸を張って変えれるんだけどなぁ」
「「!!」」
シャルルが愚直っていると、随伴艦の2人が急に騒がしくなった。
「こ、これって」
「多分、訓練じゃないよね。こんなの予定には無かったもん」
「「てことは……」」
「ん? どうしたの?」
シャルルの質問にロレーヌが叫ぶ。
「シャルルさん! ミストラルの発射準備とSIWSの起動準備、急いで下さい!!」
「え!?」
「周囲の安全確認! ミサイルセル開放! アスター30発射!!」
シャルルの驚く声と、ブルターニュの中距離対空ミサイル(実弾)が放たれたのはほぼほぼ同時だった。
「私が各国の艦娘に連絡するわ!!」
「分かったわ。私が暫く持ちこたえる!!」
——————————
「ええっと、次は何処との模擬戦だっけ?」
「チーム戦ですよ。アジア勢とヨーロッパ勢の」
「これってもう、名称から太平洋を取っても良いんじゃないか?」
今喋っていた、あきづき型護衛艦4番艦「DD-118 ふゆつき」や、いすず型護衛艦2番艦「DD-120 ながら」等の日本の派遣混成隊の面々は、現在真珠湾で少しばかりの休息を取っていた。
直ぐに次の模擬戦が予定されており、艤装を外していなかった為、休息中の他の国の艦娘よりも、逸早くあの連絡を耳にすることになった。
『緊急連絡。こちら、フランス海軍所属の駆逐艦ロレーヌ。パールハーバーより8時の方向、約500km程の海域に多数のアンノウンを確認。さらに、そのアンノウンから大量の謎の飛翔体による攻撃を受けた。まだ、被害は出ていないが残弾数が心許ない。至急、応援を要請する。これは訓練では無い。繰り返す……』
ロレーヌからの緊急連絡が無線から入って来る。今回の派遣隊の旗艦を務めていた、一番最新鋭で一番若手のちくま型イージス護衛艦2番艦「DDG-179 ちくま」の決断は早かった。
「私たちは誰かを護る為に存在しているんですよね? ならば、こんな時に仲間を護れなくてどうして日本を護れるっていうんですか!! みなさん、海上警備行動を私が許可します!!」
「政府に許可を……」
「今は時間がありません! どうせアメリカの要請は断れない筈なので、遅いか早いかの違いでしかありません!!」
「分かりました!!」
「私達派遣混成隊は、友軍を護る為に集団的自衛権を発動し、海上警備行動を開始します!!」
ちくま以下水上艦6隻,潜水艦3隻はパールハーバーを出港した。まさにその時だった。無線から悲鳴のような報告が入ってきた。
『アンノウンからハワイ諸島に向けて謎の飛翔体が発射されました! あれはおそらく……弾道ミサイルです!!』
それは、沖の方で何とか持ちこたえていたロレーヌ達からだった。
『弾道ミサイルらしき飛翔体を補足した! しかし、距離がありすぎて迎撃間に合わない!!』
そして、その直後にモンス達からの無線も入ってくる。彼女は悔しさで、無線越しでも分かるほどに歯軋りをしていた。
これを聞いたちくまは、無意識の内に無線機に向かって叫んでいた。
「私達ならおそらく対応できます! データをください! 早く!!」
ちくま達が巻き込まれる長く長く続く争いの、最初の一戦とも言える戦いが始まる!!
- 現代の対深海棲艦戦・壱 ( No.3 )
- 日時: 2016/07/29 23:45
- 名前: tunamayo (ID: eOcocrd4)
「弾道ミサイルを3本捕捉した。これよりBMDを起動し撃墜する!!
対弾道ミサイル戦闘よーい!!
Mk.41のミサイルセル57〜64を開放!! スタンダード・サルヴォ!!」
ちくまがそう告げると、背中の艤装から弾道ミサイル用のスタンダードミサイル(SM-3ブロックⅡA ABM)が発射された。
それと同時に、他の艦娘達も行動を開始する。
「私達はアンノウンに対して遊撃してくるね。やっと89式(魚雷)が日の目を見るぜ!!」
最初に行動したのはそうりゅう型潜水艦の仲良し三姉妹。「SS-504 けんりゅう」「SS-505 ずいりゅう」「SS-506 こくりゅう」だ。ダイバースーツを来て、特殊タンク(AIP機関)と魚雷発射艦を背負った面白い格好をしている。
「急速潜航、行くよ!!」
「「うん!!」」
三隻は同時に海中に姿を消した。
次に行動したのは日本版イージスと名高いあきづき型護衛艦「DD-116 てるづき」とふゆつきの2隻だ。
「FCS-3A 多機能型レーダー」をアクティブに設定し、2隻が高度にリンクする事により、360度をカバー出来る高性能な防空索敵網が完成する。これが日本版イージスたる由縁だ。
「敵には正規空母クラスが3隻確認されてるそうだけど——」
「イージス艦がいなくたって護りきれるんだから!!」
「「日本の対空艦舐めないで!!」」
航空機搭載護衛艦(空母では断じて無い)である、しなの、とさの2隻は航空機の発艦を開始した。昔のカタパルトは弓矢(空気圧)等だったらしいが、現在はレールガン(電磁)だ。
「皆、今度は実戦だよ!! さっきみたいに全機撃墜はやめてね♪」
「とさ……。妖精達のキズを抉ってどうすんのよ……」
そして、最後にアクションを起こしたのは対潜に特化した最新鋭護衛艦であるながらだ。
「シーホークが落としたソノブイからの情報が順次入ってきたわ。水中感度良好……。あの3隻の心音(機関音)・バタバタ音(スクリュー音)以外にも15隻確認出来たわ……。バージニア級5隻、エバー級1隻、214型……いや、これは孫元一級(韓国)ね。これが2隻。あとの7隻はデータに無いわ。おそらくアンノウンでしょうね」
そう言うと、ながらは自らの艤装を叩きながらこう言った。
「私の耳は誤魔化せないわよ!!
対潜戦闘よーい!!
アンノウンの座標入力完了!! ミサイルセルを開放。アスロック(07式)・サルヴォ!!」
ながらのVLSから放たれたミサイルは、指定された座標へと一直線に向かっていった。
——————————
しなの、とさの無線には、最前線にいる空母、シャルルからの通信が入ってきていた。
『こちらフランス海軍所属、シャルル・ド・ゴール。アメリカ第七艦隊所属のロナルド・レーガン、日本海上自衛隊所属のしなの、とさには、アンノウンに対して同時攻撃をして欲しいと思っております。どうでしょうか?』
『こちらロナルド・レーガン。既に全航空隊が発艦済みだ。タイミングはそちらが指示してくれ』
「こちらしなの。先と同じく、です」
「こちらとさ。こっちも問題無しです」
『了解しました。では、現在が1543(ワン・ファイブ・フォー・スリー)ですので、1630に決行します』
『ラジャー!!』「「了解!!」」
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『1600(ヒト・ロク・マル・マル)ですね。了解しました!!』
「日本のテルヅキ、フユツキ、ナガラの3隻も快諾してくれたわ。これで、我がアメリカ合衆国、イギリス、フランス、オーストラリア、シンガポール、アルゼンチン、チリ、ベトナム、インド、韓国、ロシア、日本と、全てのリムバック参加艦娘がこの一斉攻撃に参加することになったわね」
モンスは興奮を隠せないような様子だ。それはそうだろう。だって、世界中の新鋭艦、強力な艦娘達が一斉にひとつの敵に向かって攻撃するのだ。これで、興奮しない訳がない。
「おいおいモンスさん、冷静さを失ったらダメだよ。慢心したせいで絶体絶命に陥った奴なんて幾らでもいる」
「そ、そうね。我が合衆国の最新鋭艦として、そんな醜態を晒しちゃ駄目よね」
一方、冷静だったバークは、真剣に水平線の彼方を見つめていた。
「なんちゃらの予言には百年後、“奴等”が再び地球に姿を表すとか書いてあったらしいわね。まだ百年経って無いんだけど……」
バークがそう呟いた後、2人……いや、全ての艦娘に、こんな情報が入ってきた。
《レーダーから、フランス海軍所属駆逐艦のブルターニュ、ロレーヌがロスト。おそらく撃沈された模様。そして、ロストした直後、ロレーヌからこのような打電が入りました》
“ハワイ島沖八時ノ方角、約五〇〇粁ヲ陣取ルアンノウンヲ我視認セリ。アンノウンノ正体ハオソラク深海棲艦ト思ワレル。編成ハセイ……”
打電は中途半端に途切れていた。
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