二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 夏目と櫻華〜第4話〜
- 日時: 2016/07/28 07:09
- 名前: 幽谷 澪掎 (ID: XURzUbRL)
〜夏目side〜
「塔子さん、お粥作って下さい。あの子が目を覚ましたんです」
「まぁ目が覚めたの? それなら急いで作らなくてはね。ちょっと待ってて、今作るから」
「有難う御座います。俺、もう一度見てきますね。あの様子だとなんか無理してそうだし」
「分かったわ、出来たら呼ぶから」
塔子さんのその言葉を聞いた後に、夏目は彼女(彼?)を寝かせてある自分の部屋に戻った。
襖を開けようとしたら中からニャンコ先生と、彼女(彼?)の話し声が聞こえた。
「銀魅お前、今まで何処にいたんだ? ここ百年くらい行方知れずだっただろう?」
「それは…………」
どうやら彼女(彼?)とニャンコ先生は知り合いだったらしい。
そして…………
「あの子って妖怪だったのか……」
人間にしては体温が低いなとは思っていたけれど、妖怪だったとは……。
「……斑、その事に関しては、言えない。お前やあの青年にまで、迷惑を掛けたくないんだ、俺は」
「……そうか…………夏目。其所に居るんだろう? 入ってこい」
「⁉ ……バレてたのか」
ニャンコ先生に言われて夏目は渋々、部屋の中に入る。
「阿呆、貴様ごときの気配が分からぬ私ではないぞ」
「だよなぁ。……御免、話聞いてた」
「……いい、別に。どのみちさっさと、出ていくつもりだったし」
「無理するなって。いくら妖怪でも、疲れてるときは休まなきゃ」
「夏目。正確に言えば銀魅は、半妖だ」
「えっ⁉ 半妖って……⁉」
「半分人間、半分妖怪」
夏目が驚いた声をあげると、銀魅と呼ばれていた少女(青年?)が、言葉少なめに説明した。
「…………」
「…………」
「…………」
暫し沈黙が流れる。夏目が耐えきれず、声をあげようとした時、下から塔子さんが呼ぶ声がした。お粥が出来たらしい。
「……お粥、取ってくるよ」
そう一言残して、夏目は部屋を出た。
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