二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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君の記憶(薄桜鬼)1
日時: 2016/08/11 19:44
名前: ふぉるて。 (ID: 8.g3rq.8)

はらり。はらり。
舞い落ちる桜は。恐れることを知らない。
私の頬を伝う雫。
あの日、この病室で二人で見ていた桜だけど。
なんだか思い出すのも恐くて、心も瞳も強く閉ざした。



20XX年2月14日
ここは病室。
愛しい貴方が待ってる場所。
「開けますね…?」
「あ、○○ちゃん来てくれたの?嬉しい♪」
そこには無理に明るく振る舞う総司がいた。
総司は何かの重い病気で入院している。なんでか病気のことは教えてくれない。
「総司さん…起きてて大丈夫なんですか?」
「うん、まぁ。それに君が来てくれるって思ったからついつい。」
でもその笑顔は悲しげで。
「もう…」
「あ、見て見て!外!」
総司は人指し指を窓に向けた。
「わぁ、雪……!!」
見てみると白くふわふわと降る雪があった。
「今年のバレンタインデーも雪だね」
「そうですね…、きれい…」
まだ積もってはいないけど。
このままいくと今日の夜にはすごい積もりそう。
「今年の『バレンタインデー』も雪かぁ、『バレンタインデー』」
「どうしてそこを強調するんですか//」
総司は○○の髪を撫でて
「僕にそんなこときくなんて。じゃあ教えてあげる」
そう言って総司は○○の口に自分の口を重ねた。
「ん、///」
「可愛い可愛い君のチョコが欲しいんだ。ダメなら君を食べちゃう。」
そう言ってまた口を付けた。
「総司さん…//いきなり何をするんですか//」
○○は顔を真っ赤にさせて目を逸らした。
「チョコ作って来ましたけど…失敗作になっちゃって、渡すの申し訳ないなって……」
今年はチョコチップクッキーを作ったけど少し焦げてしまった。
躊躇いながらも渡す。
「あはは、君去年も焦がしてたよね笑」
「もううるさいです…//」
……チュッ…
「はい、お返し。ありがとう。○○ちゃん」
「もう、急なんですってば!///」
○○は心臓が破裂しそうなくらいドキドキしていた。
「あはは、ごめん笑」
本当は辛いのに、苦しいのに、無理に明るく振る舞ってくれている。そんな総司を見ていると心がズキズキ痛む。
「ねぇ、なんで君が悲しそうな顔してるの?」
「え?う、あ、すみません…//なんでもないです、」
チュッ
「嘘だ」
チュッ
「僕に話してごらん?」
「//////」
チュッ
「まさか僕のことで心配してるの?」
「……だって、本当は辛いのに無理に明るく振る舞ってくれていて、私、なんか申し訳ないです…」
総司はやっぱり、と頷いて
○○を抱き締めた。
「大丈夫、僕のことで心配しないで。僕は君がいてくれるだけで嬉しいんだ。」
「総司さん…」
その言葉はすごく嬉しかった。自分が元気にさせてあげられているかなって。

「○○ちゃん、もう僕のお見舞い来ないで。」
「………………え……?」

              〜続〜

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