二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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フレッシュプリキュア!〜もしも願いが叶うなら〜
日時: 2016/08/26 22:09
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

雨でビショビショになった春太郎だぞおおおおおおおおお!
謎テンション中です。許してください
なんか今頭痛いです。助けて

今日から書いていくのはですね!フレッシュプリキュアの作品ですよ!
また!

前に『フレッシュプリキュア!〜新たなる刺客〜』という作品を書いており、あれからどれくらいか経ちました
今回は成り代わり的なものを書きたいと思います

楽しんで読んでもらえるよう頑張ります
それでは、よろしくお願いします

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Re: フレッシュプリキュア!〜もしも願いが叶うなら〜 ( No.1 )
日時: 2016/08/27 20:02
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

 昼下がりの教室にて、僕と数人の友人は机を付けて弁当を食べながら雑談をしていた。

「それでさ!この前のバトルサンダーの漫画超面白くて!」
「あー。俺まだ見てねぇわ〜。あ、ネタバレすんなよな!」
「ははっ。はいはい」

 いつもの会話。最近、バトルサンダーという漫画が流行っているらしい。
 人気が高く、近々アニメ化や、実写映画化するとか言う噂がある。
 僕は興味がないので、母さん特製弁当を食べながらそれを聞く。

「そういえば、麻人は読んでないんだっけ?バトルサンダー」
「え……読んでないよ」
「お前、テレビも漫画も有名なやつ見てないよな。でもテレビとかは見たりするんだろ?」
「うん……まぁね」
「じゃあさじゃあさ!好きな奴とかねぇの?」
「うっ……」

 友人の問いに、僕、春川 麻人は目を逸らす。
 好きなものがないわけではないのだが、正直それを言うのには抵抗がある。
 やはり、これを高校一年生で好きだと公言するのはなぁ……。

「お、あるのか?言えよ〜」
「いやぁ、えっと……」

 身を乗り出して聞いてくる友人に、僕は身をのけ反らせた。
 まぁ、どうせ信じないだろうし、最悪誤魔化せば良いから、言ってみようかな。

「実は、プリキュア……」
「……は?」

 友人の目が、冷たいものに変わる。
 僕は慌てて訂正を入れた。

「冗談だよ!テレビは特にお気に入りとかないかなぁ……」
「……だよな!あーびっくりした。十六歳高校一年生の男子にもなってプリキュア大好き〜とか言われたら、流石の俺でも引くわ〜」

 彼の言葉に、周りの友人達も笑う。
 僕はそれに苦笑しつつ、おかずのウインナーを齧った。

 変態だとか言われるかもしれないが、僕はプリキュアが大好きだ。
 特に、『フレッシュプリキュア』シリーズの山吹祈里こと、ブッキーが。
 出会いは、妹が見ていたプリキュアを横で一緒に見ていた時のことだった。
 彼女を見た瞬間、僕は恋に落ちた。
 初恋が二次元。明らかにアウトだが、事実なのだから救いようがない。
 彼女を見てから、僕はそれ以降のプリキュアも見ていたが、やはりブッキーには誰も勝てない。
 強いて言うなら、去年度の『Go!プリンセスプリキュア!』の天ノ川きららが一番になりかけたことならあったが、やはりブッキーが好きだった。
 きららはせいぜい二位止まり。

「やっぱりこんなの、おかしいのかなぁ」

 放課後の通学路を歩きながら、スマホの中に大切に保管されたブッキーの画像を眺め、僕はため息をつく。
 まぁ、流石にこの年齢でプリキュアはおかしいか。いい加減、卒業しないと。
 そう思いつつ、改札を抜け、ホームに立つ。
 電車通学なので、僕はのんびり帰りの電車が来るのを待った。

 帰宅ラッシュという奴なのだろうか、人ごみが徐々に大きくなり、僕は少しずつ押されるように前に出される。
 ちょうど次に来る電車は僕が乗るものなので、ちょうど良いと言えばちょうど良いが……。
 その時、背中に衝撃を受けた。

「あ……ッ!?」

 人ごみから飛び出るように、僕の体は線路の方に投げ出される。
 足元に地面がない。目の前には、巨大な鉄の塊が迫ってきている。
 その時、視線の先に落下するスマホが見えた。
 画面には、僕が愛した彼女の画像があった。

 結局僕の人生……なんだったんだろう?
 叶うはずのない恋をして、人に言えない趣味を持って。

「せめて君に……会いたかったなぁ……」

 もしも願いが叶うなら。
 せめて最後に、君に……会うことも、触れることも、できないけど!
 君に会いたぁばうッ。

Re: フレッシュプリキュア!〜もしも願いが叶うなら〜 ( No.2 )
日時: 2016/08/28 14:36
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

 真っ白な空間。地面も空も何もない場所に、僕は一人立っていた。
 地面もないのだから、立っているという表現はおかしいかもしれないが、実際、なぜかどこかに立っている感覚はあるのだから仕方がない。
 そして目の前には、ピンク色の妖精が一匹浮いていた。

「……?」

 なに、これ。
 首を傾げる僕を無視して、妖精は嬉しそうに話し始める。

「私は強い願いに引かれて来た妖精、ホープルン」
「はぁ……?」

 ホープって、たしか希望じゃないっけ、と、俺は関係ないことを少し考えてしまう。
 冷静に願いの英訳を調べようとポケットからスマホを取り出そうとして、スマホがないことに気付く。

「あれ?僕のスマホは、どこ?僕の……」
「スマホって、これ?」

 目の前のホープルンとやらがそう言って出したものを見て、俺は息を呑む。
 そこには、画面いっぱいにブッキーの画像が出ているのだから。

「か、返して!それは僕の大事なものなんだ!」
「このスマホ?からは、すごく濃厚な願いの力が感じられたよ。そして、君からも」
「僕から……願いの力……?」

 よく分からない単語に、僕は首を傾げる。
 理解不能。そこまで良くない僕の頭はそれだけでショートしてしまいそうだ。

「そう。私は願いを叶える妖精。でも、とても強くて、純粋で、優しい願いしか、私は叶えられない」
「それが僕の願い、だったと……」
「うん。初恋の相手に会いたいなんて、可愛い願いだね」

 笑いながら言うホープルンに、僕の顔は熱くなる。
 たしかに僕はブッキー……山吹祈里に、会いたいと願った。でもそんなことは不可能だ。
 だって、向こうがいるのは二次元だぞ?人間が空想で生み出した世界だぞ?
 会えるわけがない。だから、本当は少し諦めていた部分がある。

「……叶えたいんだよね?その願い」

 ホープルンは、そう言って笑みを浮かべる。
 僕は、それにぎこちなく頷いた。
 その直後、僕の体が光り始める。

「……えッ?」
「だったらその願い、叶えてあげるっ」

 妖精の笑み。
 それに一瞬意識が向いた直後に、僕の体は崩れ始める。
 何が起きているのか理解するより前に、僕の視界は暗くなり、やがて思考も途絶えた。

−−−

「今日もいないのね……ラブちゃん達……」

 私は誰もいない公園を眺めて呟いた。
 以前、折角ダンスに誘って貰ったのに、私は断ってしまった。
 でも本当は、それを後悔していたのだ。
 本当は、ラブちゃんや美希ちゃんと踊りたい。
 なのに、この引っ込み思案な性格のせいで、断ってしまった。

「はぁ……」

 何度目かになるため息を吐きつつ、私は公園の道をのんびり歩く。
 しばらく歩いたら、カオルちゃんのドーナツカフェに差し掛かる辺りだろう。
 そう思いながら角を曲がった時、道にそのドーナツカフェの店主であるカオルちゃんが出てきているのが見えた。

「……カオルちゃん?」

 紫のYシャツに白いズボン。黄色っぽいエプロンを着ていて、角刈りにサングラスに無精ひげ。
 間違いない。カオルちゃんだ。
 そして、彼は地面にしゃがみ、何かを見ている。
 いや、何かじゃない。そこには人が倒れていた。
 私は鞄を担ぎ直し、すぐにそこに駆け寄った。

「カオルちゃん!」
「おう。お嬢ちゃん。いやぁ、さっき買い出しから帰ってきたら、彼が……」

 カオルちゃんは、そう言って倒れている人に目を向けた。
 それは、ラブちゃんが通っている学校の制服を着た、黒髪の少年だった。

Re: フレッシュプリキュア!〜もしも願いが叶うなら〜 ( No.3 )
日時: 2016/08/28 21:06
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

 変な夢を見た。ピンク色の妖精が出てきて僕の願いがどうとか言ったり、体が光ったり崩れたり。
 そもそも、僕は電車に轢かれて死んだはずだ。
 あの状況で生きているなんてこと、ありえるのか?普通は、ありえない。
 でも、じゃあ……なんで僕は思考ができるのだろう?

「……ん……?」

 とりあえず、僕は目を開けた。
 自分の現状を知るために。一体、今、僕がなぜ生きているのかを知るために。

「あっ……」

 まず、目を開けた先には少女がいた。見覚えのある顔だ。
 茶色のフワフワした柔らかそうな髪を頭の右側で黄色いリボンで一つにまとめ、少し暗めの黄色のブレザーに、胸元には緑色のリボン。
 大きくてパッチリした目と、僕の目がバッチり合う。

「あっ、良かった。目が覚めたんですね……」

 彼女はそう言って微笑む。
 どうやら、僕はこの少女に膝枕をされているようだ。
 それにしても、声も見た目も、僕が知っている少女にそっくりだなぁ……というか、同一人物……?

「ブッ……ッ!?」

 ブッキーと呼ぼうとして、僕の理性は慌てて止める。
 彼女からすれば、僕は見ず知らずの少年A。
 そんな奴から突然あだ名で呼ばれたら、流石に引くだろう。というか、普通に気持ち悪い。

「ぶ……?」

 僕の声に、ブッキーは首をこてんと傾げる。
 その動作だけでも可愛らしくて、僕の心臓はバクバクと激しく音を立てる。
 慌てて体を起こしベンチから立ち上がり、頭を下げた。

「あ、あありがとうございますっ!こんな、看病なんてしてもらって!本当に、申し訳ないくらいで……」
「そんな、気にしなくていいよ。ところで、その制服、もしかして四つ葉中学校?」
「へ……?」

 ブッキーの問いに、僕は自分の服装を眺めた。
 少し暗めの桃色のブレザーに、緑色のネクタイ。灰色のズボンに、革靴。
 これは、たしか桃園ラブが通う四つ葉中学校の制服だったはずだ。
 いや、僕はそもそも高校生だぞ?制服だって、どこにでもある学ランだったし、そもそもブッキーと話しているこの現状がおかしい。
 夢に見た光景ではあるが、諦めていたのに……。

「あっ、もしかして、聞いたらまずかった……?」

 制服を見て固まった僕を見て、何を勘違いしたのか、彼女はすまなそうに首を傾げた。
 僕は慌てて顔の前で手を振り、それを否定する。

「い、いや!そういうわけじゃないです!ただ、ちょっと……」

 さて、どう誤魔化したものか。
 ハッキリ言って、今の自分の状況は分からないことだらけだ。
 とはいえ、流石に三次元から来ました〜とか言えるわけないし、どうしよう……?

「……良かったら、ドーナツあるんだけど、一緒に食べる?」

 流石癒しのプリキュア。困ってしまった僕を気遣い、すぐにどこからかドーナツを出してきた。
 僕は、その言葉に甘え、ブッキーの隣に座ってドーナツに齧り付いた。

「うまっ!」
「ふふっ。喜んでもらえたようで嬉しい。カオルちゃんのドーナツは世界一なんだよ」

 ブッキーの説明を聞きつつ、僕はさらにドーナツを齧る。
 外はサクサク、中はフワフワ。ほどよい甘みが口いっぱいに広がり、超美味しい。
 あっという間に一個食べきってしまい、僕の体には満足感のようなものが広がっていた。

「美味しかったぁ……ごちそうさま!あ、でも、僕お金持ってないんだけど……」
「良いよ良いよ〜。私も、カオルちゃんが無料でくれただけだから。君にあげるようにって」

 お金の心配をした僕を止めつつ、ブッキーは微笑む。
 しかし、結局これはどういう状況なんだろうか?
 なんで僕がこの『フレッシュプリキュア!』の世界にいて、桃園ラブが通う学校の制服を着ているのか。
 ダメだ。理解するよりも前に、知恵熱出す。

「そういえば、名前まだだったよね?私は山吹祈里」
「あ、春川麻人です……」

 悩む間もなく、話が進んでいく。
 とはいえ、ブッキーに聞いても分かるわけがないし、どうしようか……。
 そう思っていた時、遠くから、御子柴健人と沢祐喜が歩いてくるのが見えた。

「あれは……」
「おお、麻人。こんな所で何やってるんだ?」

 祐喜がそう言って話しかけてくる。
 チッ、折角二人きりだったのに、と思うのと同時に、違和感を覚えた。
 コイツ等……アニメでは基本的に、三人で過ごしていたよな?たしか、他に、知念大輔もいたはずだ。
 アニメでは、桃園ラブに恋をして、確か最終的に告白するっていう……。

「あぁ、ちょっとね……ところで、知念君は一緒じゃないの?」
「は?ちねん……?誰だそれ?」

 祐喜はそう言って首を傾げた。
 その反応に、僕の中で一つの仮定が生まれた。

 もしかして僕は……知念大輔の立場に、無理矢理当てはめられた?
 名前も見た目も前世のままだが、知念大輔という役に僕が……成り代わった?
 成り代わりなんて、本当にあるのだろうか?それは分からないけど……。

「……なんでもないよ」

 もしもそうならば、かなり……まずい状況だと思う。
 だって、そうなれば、僕は興味すらない桃園ラブに告白をしなければならない。
 そんなの御免だ。僕は、ブッキーを愛しているのだから。

 だったら、その運命を……捻じ曲げてやる。
 まだ今の時間軸などを理解してはいないが、僕はこの世界知識は豊富な方だと思う。
 だったら、桃園ラブとのフラグが立つのを回避し、なんとかブッキーとのハッピーエンドを迎えてやる!


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