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【二次創作】むらくもものがたり
日時: 2016/08/29 22:27
名前: 紫苑 ◆VRhWN8LWD6 (ID: 7FpXwj7H)

記憶の空を辿った少年。叢雲が作り出した闇を払うべく、今、自身と向かい合う。
これは『とある少年』のお話。
過去に体験した話かもしれないし、未来での話かもしれない。
もしかしたら、『彼が創った空想の世界の話』なのかもしれない。
とある少年ととある青年が出会い、『終末の未来』は変わるのか———。



『いつも いつまでも 見守っているよ。』
これは、叢雲を辿る彼の物語。




はじめましてということにしておいてください、紫苑と申します。
この度作品をゆっくりではありますが、書かせていただく運びになりました。
数あるサイトの中からなぜこのサイトを選ばせてもらったのかというと、自分が書きやすいなー、多分ここならマイペースに書けそうだなー、と思ったからです。
タイトルから元ネタが一発で分かる方も存在すると思いますが、そんな方はきっと素敵なプレイヤーなんだぜ!ってことでよろしくお願いします。
ちなみに自分はレベル49の曲がいくつか易クリアできるくらいの腕前です。誰も聞いてないですね、この話は止めましょう。


ほのぼの日常?非日常?でもちょっぴり切なくシリアス。
そんな感じの話を目指したいと思います。
まだ未熟ですが、これから少しずつ成長していこうかと思っています。
お付き合いくださる方は、どうかよろしくお願いします。



※目次※

<Chapter00>
Cha00-1『The Hello World!』
>>1


<その他>
登場人物紹介 ※随時更新予定





※駄文、雑文です
※登場キャラは全員元ネタがありますが、そのキャラを大きく逸脱する可能性がございます。
 ご了承の上お読みいただけると幸いです。

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Cha00-1『The Hello World!』 ( No.1 )
日時: 2016/08/29 22:23
名前: 紫苑 ◆VRhWN8LWD6 (ID: 7FpXwj7H)

———君は、こんな話を知ってる?


『音の神がどうやって生まれたのか』。



世界を創るノートを普通の人間が手に入れたから?

とある星に願いをかけて、神様がそれを叶えたから?

……それとも、別のパラレルワールドで神様になった人物が創ったから?



いくらでも可能性は思いつくよね。だって『可能性』なんだもん。
でも、いくら考えたって『真実』には程遠いんだよな。
だって、それは変えようのない『真実』なんだもん。


今からオレが話すのは、オレの『過去』。
どうやってオレが今を紡いでいるか。そんな昔の話。
……え?にわかには信じがたいって?
別に信じてもらおうとは思わないさ。現実的な話をするわけじゃないんだから。


ただの『少年の昔話』ってことで、一つ聞いてってよ。





−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−




某日———。
いつもの日常。いつもの授業。いつもの放課後。
代り映えの無い毎日を送る人々。何が楽しいんだろう。
いっそのことどっかの電子の歌姫が世界ぶっこわして作り変えてくれないかな…とすら思う。


「————だ、松田!!!」
「!!」
「何ボーっとしているんだ、早くこの問題を解け!!」
「…………」


先生の自分を呼ぶ声で我を取り戻す。ああ、今は授業中だったよな…。
気だるげな身体を無理やり起こし、自分の席から離れ黒板へと歩いていく。
———なんだ、こんなの簡単じゃん…。
無言でスラスラと数式を解いていく。オレのチョークの音と共に、いくつかノートを書きなぐる音が聞こえてきた。


———あっ、みんなには自己紹介がまだだったよな。
俺は『松田 翡翠』。翡翠は『エメラルド』って意味らしい。この九珠中学校に通っているただの中学2年生、よろしく。
趣味は……趣味と言えるかは分からないけど、ゲーセンに行って音ゲーをやることと、あと木登り……かな?
誰もいない夕方、学校の木にこっそり登って景色を一望するの、結構綺麗でオレは好きなんだよ。大体見つかって怒られるけど。
好きなものはピーターパンとかネバーランドとか『非現実的』なもの、嫌いなものは……、それはちょっとね。
まあ、こんな感じに至って普通の中学生。とりえは人よりちょっと頭の回転が速いことだと思ってる。


誰に向かって話しているのか分からないまま、オレはチョークを書く手をやめる。
そして先生の方を向き直り、答えが合っているか尋ねた。


「……流石だな。これ結構難しい問題なんだぞ」
「基本分かってればすぐ解けますよ」
「その余裕っぷりは、ちゃんと解き方まで分かってたってことだな。よーし、席に戻れ松田!
 お前らも松田みたいにちゃんとこの方程式解けるようになるんだぞー」
「うわ、翡翠すげーな…」
「俺一問も解けなかったぜ…」


周りのガヤを無視し、自分の席へと戻る。
こんな数式解いてるより、綺麗な景色を見ている方が絶対に楽しい。何か知らないことを知るチャンスが生まれるかもしれないしな。
———そんなことを思っていると、ふいにチャイムが鳴り響く。
時計を見る。午後4時…。そろそろ帰る時間だな。
クラスの担任が教室に入り、淡々と帰りのホームルームが進んでいく。特に変わったこともなし、気を付けるべきは台風———か。
委員長が終わりの言葉を告げた瞬間、クラスメイトはバラバラと教室から去って行った。


「(オレも帰らなきゃ…)」


———無言で帰りの支度を進める。
そんなオレに、語りかける人物が現れた。


「ひーすい!」
「……何?ルウシェ。オレに何か用?」
「いやー、別にー?今日も一人で帰るのかなーって思ってさ!」
「別にいいじゃん。ルウシェは烈達と帰んないの?」


話しかけてきたのは『ルウシェ』。オレと同じクラスで、元気が取り柄って言ってるパワフルな奴。
そういえばバレー部に入ってるんだっけ?今度大会にも出るとか言ってたな。部活とか大丈夫なのか?


「今日は部活も体育館使えなくて休みだし、台風近付いてきてるから帰れってコーチが言ってたからさ!烈達もそれぞれで用事あるみたいだし、それで翡翠に話しかけたってわけ!」
「お前は一人で帰るっていう選択肢はないわけ?」
「ない!!!」
「断言するの早すぎだろ」


しかもやけに元気よく返してきたな…。まあいいけど。
オレが支度を進めていると、ルウシェは思い出したようにオレに話し始める。


「そうだ翡翠!お前ってドーナツ好きだったんだよな!」
「まぁ…甘いモノの中ではかなり好きだよ」
「だよな!だよな!!というわけで帰りにドーナツ屋寄ろうぜ!」
「なんで急にその話?!」
「昨日母ちゃんがドーナツ買って帰って来てさー。3ヶ月前に建ったお店なんだけど、そこのドーナツがめちゃくちゃ評判良いからって。それでおれも食べたんだけど、滅茶苦茶美味しくて!もう一度食べたくて、それで誰か一緒に行けないかなーって考えてたら翡翠の顔浮かんでさ!」
「……オレがドーナツ好きだから?」
「そりゃもちろん!だからさ!今から行こうぜ!」
「単純すぎて騙されないか心配だよ…。でも話聞いてたら気になってきたし。いいよ。付き合うよ」
「いやったぁ!ありがとう翡翠ー!」


ドーナツ屋か…。というか、商店街にそんな店あったんだな。
ルウシェからの話だと、最近出来たお店で店主は若い男の人らしい。接客も丁寧で味も良し、将来は商店街の看板店になるだろうって話も聞いてるそうだ。
———そんなに評判良いなら、一つくらい買って帰っても叔父さん、怒ったりしないよな。
オレが一つ返事で承諾すると、ルウシェは嬉しそうに抱き付いてきた。いや、そんなに強くされると苦しいんだけど…。
そのことを伝えると、彼は『ごめん!』と一言謝ってオレから離れた。


「それじゃ早く行こうよ!場所はおれが案内するからさ!きっと翡翠もほっぺが落ちると思うぞー!」
「そんなに美味しいドーナツなのか。それは楽しみだなぁ」
「それじゃしゅっぱーつ!!」


オレの帰りの支度が整ったのを見計らい、勢いよくルウシェが言う。
黙ってうなずき、オレ達はドーナツ屋へと向かって学校を抜けたのだった。



……そう、そのドーナツ屋から始まったんだ。
オレが『音楽』に目覚めることになるきっかけ、物語が———。


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