二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- のんのんびより 「お泊りした。」
- 日時: 2016/10/10 07:45
- 名前: なまはげ (ID: vzo8adFf)
ある日、宮内家にて。
れんげ「ウチお泊りするん?」
一穂「うん。姉ちゃん明日から1週間研修なんよ。ひかげは当然東京だし、
母ちゃんたちも知り合いの結婚式に呼ばれて1泊しちゃうからさあ、
れんちょんは明日1人になるっしょ。 だから夏海たちのトコで預っ
てもらうことになったんだよ。あまり迷惑かけるんじゃないよ。」
れんげ「ウチ、1人でも平気なん。具と一緒にいるん。」
一穂「いやいやいや。さすがに1人は無理っしょ。れんちょんのご飯の事とか万一の時の事とかさ。」
れんげ「・・・分かったん。ウチ、なっつんたちのトコでお泊りするん。」
れんげは少し黙ったが、そう言った。
一穂「よっしゃ。えらいえらい。(れんげの頭を撫でる) そんじゃ今から夏海たちのトコに行って、れんちょんからも挨拶してきなよ。」
れんげ「分かったん。行ってくるのーん!!」
れんげは家を出ると、越谷家へと向かった。だが、その道中でバイクに乗った駄菓子屋に出会った。
駄菓子屋「おっ、れんげじゃん。」
れんげ「駄菓子屋、にゃんぱすー!!」
駄菓子屋「これから夏海たちのとこでも行くのか。」
れんげ「そうなん。明日お泊りするから挨拶しに行くん。」
駄菓子屋「あっ、お泊り? なんだよそれ。」
れんげは事のいきさつを話した。
駄菓子屋「そ、そうか。じゃあ気を付けて行ってこいよ。」
そう言うと駄菓子屋はバイクを動かしどこかへ行った。
駄菓子屋「先輩、別に1晩ぐらいならアタシに預けてくれたってよかったのに・・・」
駄菓子屋は思わずバイクのスピードを上げた。
一方、れんげは越谷家に着いた。
れんげ「にゃんぱすー。」
「は〜い」と奥から声がしてきた。
雪子「あら、れんげちゃん。どうしたの? もしかして、明日の事で?」
れんげ「そうなん。挨拶しに来たん。明日はお世話になりますん。」
雪子「偉いわねぇ〜。ちょっと待っててね。今、夏海呼んでくるから。」
1分程して夏海がやってきた。
夏海「うぃーっす、れんちょん。聞いてるよ。明日泊まりにくるんでしょ?」
そういうと夏海はれんげを家に入れ、居間に招いた。居間には、小鞠と卓もいた。
小鞠「あ、れんげ来てたんだ。」
卓は右手を挙げて「こんにちは」のポーズをとった。
れんげ「こまちゃん、にぃにぃー。にゃんぱすー。」
小鞠「だから『こまちゃん』って言わないの!」
夏海「いいじゃんいいじゃん。もう今更。定着しちゃってるんだからさ。」
小鞠「勝手に定着させるんじゃないの!まったく・・・」
卓も夏海程ではないが、微妙に笑みを浮かべた。
れんげはそんないつもの越谷家の光景を見て、何かを感じた。宮内家とは、また違った家族の光景を。れんげは思った。いつも仲良くしているけど結局は別の家族。果たして明日のお泊りで、上手くやれるかどうか。れんげは不安になった。
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- Re: のんのんびより 「お泊りした。」 ( No.1 )
- 日時: 2016/10/10 11:50
- 名前: なまはげ (ID: vzo8adFf)
「お泊りした。」 読んでくださった方、本当にありがとうございます。 今回は続きである「その2」となります。
越谷家では不安なれんげが居間で夏海たち3人の様子を見ていた。
れんげ「・・・・・・」
小鞠「まったくもー! 夏海ってば! お兄ちゃんからもなんか言ってやって!・・・ ん? れんげ、どうかしたの? 黙り込んじゃって。」
夏海「そういや、れんちょん、今日あんまり喋んないね。明日はせっかくお泊りだってのにさ。」
卓もさりげなくれんげに目をやる。
れんげ「なんでもないん。ウチ、今日はもう帰るん。」
夏海「え!? もう? まだ来たばっかじゃん。」
れんげ「明日いっぱいいるから今日はもういいん。さよならなのん。」
れんげはそう言うと、しんみりと帰ってしまった。
いつもなられんげはもっと明るいため、夏海たちは動揺していた。
夏海「どーしたんだろ。れんちょん。なんか今日は元気なさそうだったな。」
小鞠「夏海!あんたさっきれんげこっちに連れてくる途中で何か変な事言ったんじゃないの!?」
夏海「そんな事してないよ! さては、兄ちゃんがまたさりげなくれんちょんに何か変なもの見せたんじゃないの!? それでれんちょん、また『こんなの平成時代じゃないん』とか思って逃げ帰ったんじゃない!?」
だが卓は眉をひそめて首を横にふる。
そんなこんなしているうちに、このみが訪ねてきた。
このみ「こんにちはー。どうしたの?3人とも。」
夏海と小鞠はいきさつを話した。
このみ「そういえば、確かにさっきここに来る途中れんげちゃんがトボトボとなんか暗い感じで帰ってったけど、そんなことがねー・・・。」
このみは少し考えると、こう言った。
このみ「もしかするとれんげちゃん、なんだかんだ言っても寂しいんじゃない?1人ぼっちでここにお泊りに来るんだから。」
夏海「そっか、れんちょん確かによく考えたらまだ小1だしねー。やっぱ何か不安な事があって落ち込んでるのかもねー。」
小鞠「だとしたら明日、思ったよりも大変なお泊りになるかもね・・・。
れんげって泣き出すとどうなるか分からないから、心配だ。」
小鞠がそう言うとこのみはニヤニヤし始めた。
小鞠「な、なによ!このみちゃん。その顔は?」
このみ「いやいや。小鞠ちゃんもそういうことを言うようになったんだなって。小さい頃、なっちゃんと2人でうちに泊まりに来た時、すぐ隣なのに夜になって寂しくなって大泣きして、おばさんに迎えに来てもらったじゃない。その時なっちゃんの方はぐっすりと眠ってたのにさあ。」
夏海「ああ、思い出したわ。朝に目が覚めた時、なんで姉ちゃんいないのかって思ったもんだよ。姉ちゃんってば・・・アハハ!」
小鞠は顔を真っ赤にして怒った。
小鞠「なんなのよ!!2人とも!!大事な話してるときにそんな恥ずかしい
話は!!」
夏海「アハハハハハ・・・」
小鞠「もーっう!!笑うな!!」
小鞠は近くにあった座布団を夏海に勢いよく投げつけたが、夏海はそれをヒョイとかわして代わりにこのみに当たってしまった。
このみ「あはは、イッターい!」
夏海「中当てで鍛えたウチの反射神経をなめてもらっちゃ困るよ!」
しばらく小鞠はプリプリしていたが、やがて本題に戻った。
夏海「まっまぁ、確かにれんちょんに寂しい思いさせちゃうのは嫌だしね、なんかいいアイデアを考えますかー。」
こうして作戦会議が始まった。
「その3」に続きます。
- Re: のんのんびより 「お泊りした。」 ( No.2 )
- 日時: 2016/10/10 17:02
- 名前: なまはげ (ID: vzo8adFf)
「その3」になります。
れんげが家に帰ると一穂が既に研修の荷物準備などで珍しく忙しくしていた。
一穂「おっ、れんちょんおかえり〜。ちゃんと挨拶してこれたか〜。」
れんげ「挨拶してきたん。」
一穂「はいコレ。れんちょんの着替えとか歯ブラシとか向こうで使うの揃えておいたかんね。ちゃんと忘れずにカバンに入れておくこと。」
れんげは特に何も言わずに受け取った。
一穂「どーしたれんちょん?やっぱねーちゃん達がおらんのが寂しいんだろー」
一穂は少し笑って言ってみたが、
「別に寂しくはないん。」
とれんげは言い返した。だが、どこかれんげにはいつものような元気が無い。
一穂はやはりどこかれんげが無理しているんじゃないかと思い、こう言った。
一穂「れんちょんなら大丈夫だよ、ねーちゃんたちがいなくたって、夏海たちと遊んだりしてれば寂しさなんて吹っ飛んじゃうよ。」
しかし今度は、
れんげ「ウチ、何度も言ってるように寂しいわけじゃないん。でもウチ、なっつんやこまちゃんたちの家の子でもないん。もしかしたら、ウチ、お邪魔虫なん。」と言った。すると一穂は笑った。
一穂「あはは〜ないない。れんちょん、そんなこと気にしてたんかい。ねーちゃんてっきりれんちょんが寂しいのを無理に我慢してんのかと思ってたよ。」
れんげ「でもウチ、ナントカが合わないってよく言われてるん。」
一穂「え〜っと、感性のことかな〜。そんなの関係ないよ。確かにれんちょんには独特のセンスがあったりするけどさ、別に悪いことじゃないし。それに本当にれんちょんが『お邪魔虫』とかだったら学校でだって夏海たちはどこかでれんちょんに冷たくしてたりすると思うけどなあ。どうだい、姉ちゃんには、夏海たちがそんな風にれんちょんを思っていないって見えてるけどなあ。」
れんげは一穂にそう言われると考えてみた。確かに学校で夏海たちに冷たくされたことなんてない。みんな自分の事を何かあってもなくても優しく見守ってくれていた。
れんげ「みんな、そんなんじゃないん。いつだって優しいん!」
れんげは少し元気を取り戻したのか、次にはそう答えていた。
一穂「だろぅ。姉ちゃんの言った通りだったろ。」
一穂は得意げに言ってみた。
れんげ「ウチ、なっつんやこまちゃんと姉妹じゃないのが心配だったのん。姉妹じゃないと本当の本当の仲良しにはなれない気もしてきていたのん。」
一穂「そうかい。そんなことがねえ・・・。」
れんげ「でも、やっぱり明日、ちゃんとお泊りしてくるん!そんで元気なお顔、帰ってきた姉ねえにも見せるん!」
一穂「おうおう。れんちょん元気になってきたなぁ。良かった良かった。そんじゃ、楽しいお泊り会になるといいね。きっとなるだろうけど。」
一穂がそう言うと、れんげは大きくうなづき、早めにお泊りの準備をしに部屋に走っていった。 一穂は思いがけずに研修の時に役に立つかもしれない知識をれんげからもらった気がした。それは、「年の差があっても、家族じゃなくても、関係なく人は仲良くできる。」ということだった。 一穂はクスりと笑うと、また研修のための荷物まとめの続きに取り掛かった。
「その4」に続きます。
- Re: のんのんびより 「お泊りした。」 ( No.3 )
- 日時: 2016/10/10 21:26
- 名前: なまはげ (ID: vzo8adFf)
「その4」となります。
ついにお泊り当日となった。
一穂「そんじゃ、行ってくるよ。れんちょん。」
さすがの一穂もこの日ばかりは朝早めに家を出た。れんげはまだウトウトしていたが、「他の先生に怒られないように」などといった小言を言い見送った。
朝食は用意されていたので、れんげは黙々と食べた。 れんげは夕方に荷物を持って、越谷家に向かう事になっていた。 朝食を食べ終わるとれんげは具にも餌をやり、畳に寝そべっていた。 そんな風に過ごしていると、昼頃に突然玄関の戸を叩く音が聞こえた。れんげはゆっくりと立ち上がり、玄関へ向かった。
れんげ「どちら様ですのん?」
戸を開けると、いたのはなんと卓だった。卓は昨日のように、右手を挙げて挨拶した。
れんげ「にぃにぃ!ど、どうしたのん!?」 れんげは驚きを隠しきれなかった。
卓は今度は越谷家へと向かう道の方向をツンツンと指さした。
れんげ「も、もしかしてウチを迎えに来てくれたのん?」
卓はうなづいた。
越谷家には1人で行くことになっていたため、れんげはまた驚いた。しかし、いつもはあまり自分とは関わることの少ない卓が迎えに来てくれたため、何か嬉しさも感じていた。
れんげ「ちょっとだけ待っててなのん!!」
れんげはあらかじめまとめておいた荷物を取って来た。そして、戸の鍵をしめるなど、家を出る準備をした。 準備を終えると、れんげは卓に「それじゃあ行くのん。」と言い、2人で宮内家をあとにした。
卓は黙ったまま、れんげの前を歩いた。 季節は夏。歩いていると思った以上に暑かった。 れんげは麦わら帽子をしていたが、汗をかき、喉がカラカラになっていた。れんげはたまらず水筒の水をゴクゴク飲む。飲んでいるうちに気づくと卓が目の前から突然消えていた。
れんげ「にぃにぃ!どこ行ったん!?」
卓を探そうとすると、れんげは左肩がポンポンと優しく叩かれたのを感じた。振り向くと、いつの間にか卓が優しい顔でトマトを1個持って来ていた。
れんげ「にぃにぃ!!ビックリしたのん!!」
卓はごめんごめんと言うようなジェスチャーをした後にまた優しい顔でれんげにトマトを差し出した。
れんげ「そのトマト、ウチにくれるん?」
そう尋ねると今度は笑顔でうなづいた。実はすぐそこが、越谷家の私有する野菜畑だったのだ。卓はそこから新鮮なトマトを取ってきてくれたのだ。れんげもそれに気づき、卓に礼をいうと、そのトマトを受け取りペロリと食べた。とても美味しく、改めて卓に礼を言うれんげ。すると卓は今度はれんげの前に左手をさらりと差し出した。
れんげ「もしかして、手をつなぐのん?」
卓はまた何も言わずにうなづいた。 れんげは少し照れながらも右手を差し出し、弱めに卓の手を握った。しかし卓の方は優しくではあるがギュッと強めにれんげの手を握りかえした。2人は手を繋ぎながら、再び越谷家へと歩き出した。繋いでる手はれんげにとって、心で何かとても優しく、あたたかく、心強く感じられた。 れんげは歩きながら卓に「にぃにぃ、ウチが思ってたよりもずっと優しかったのんな。」と言ってみた。卓はそれを聞いて、嬉しそうにまた微笑んだ。 そしてまもなく越谷家が見えてきた。いよいよお泊りも本番だなとれんげは感じた。
「その5」に続きます。
- Re: のんのんびより 「お泊りした。」 ( No.4 )
- 日時: 2016/10/11 09:51
- 名前: なまはげ (ID: vzo8adFf)
「その5」です。
卓に連れられて、越谷家にやって来たれんげ。玄関に入るなり、夏海が飛び出してきた。
夏海「れんちょん!にゃんぱすー!」
れんげはいきなり夏海が飛び出してきたので、びっくりしたが、いつものような夏海にとりあえず少し安心した。
れんげ「なっつん!・・・にゃんぱすー!」
続いて小鞠もやってきて、
小鞠「ごめんごめん。夏海ってば早くれんげに会いたいからって、おにいちゃんに迎えに行ってもらってたの。迷惑じゃなかった?」と言った。
れんげ「迷惑なんかじゃないん。嬉しかったん!にぃにぃ、トマトくれたり、とっても優しくしてくれたのん!」
夏海「そうかいそうかい。そりゃよかったわ。昨日れんちょん急に帰っちゃったからさ、なんだか寂しくって。」
れんげ「ごめんなのん・・・」
とれんげが言うと夏海は、
「謝ることなんかないよ、れんちょんがいい奴なのは、いつも知ってるからさ、きっと何かあったんだなって思ってたよ。」と笑顔で言い返した。
小鞠「こっちこそ、昨日何かれんげに悪いことしちゃってたら悪かったよ。」
小鞠も優しくそう言った。
れんげ「別になっつんたちが悪いわけじゃないん。」
れんげは自然にそう答えたので、夏海たち3人も少し安心した。すると雪子も出てきて優しく、
「れんげちゃん!いらっしゃい!こんな騒がしい家やけどゆっくりしておいき!」というと、とりあえずれんげが持ってきた荷物を預かって、「おやつのカステラがあるから、食べたら、夏海たちと遊んでやって。」と優しく迎えた。れんげは礼を言って、カステラを食べに居間に向かった。
夏海「とりあえず、作戦は成功中だね。」と夏海は小声でひっそりと小鞠に耳打ちした。小鞠は「うん。」とうなづいた。
昨晩、夏海・小鞠・このみの3人で考えた、れんげを寂しくさせないための作戦として、卓にれんげを迎えに行かせ、れんげが来たら、とにかく出来る限りれんげに寂しい思いをさせないように明るい状況を色々と皆でつくりだすということを実行していた。いない一穂の分まで寂しくならないようにしようと、他にも色々と仕込んでいた。 れんげが居間へ行くと、すぐに夏海たちもれんげと1緒にカステラを食べるために居間へ向かった。 だが卓は、慣れないことをして疲れたのか、玄関の段に腰かけて、汗をぬぐっていた。
居間では楽しそうに皆でカステラを食べていた。 食べ終えると早速夏海がれんげを遊びに誘った。
夏海「ねえ、れんちょん。今から皆でこのみちゃんの家に遊びにいかない?」
「その6」に続きます。
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