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Romancing Sa・Ga2 〜皇帝達の詩(うた)〜
日時: 2016/12/23 10:25
名前: アスワン (ID: 3z0HolQZ)

このサイトに初参戦のアスワンです。
SFCのゲーム『Romancing Sa・Ga2』を小説化してみました。
コメントは大歓迎です!しかし、誹謗中傷や荒らしはご遠慮願います。
完結まで頑張って更新していきますので、応援のほどをよろしくお願いします。

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第1話 ( No.2 )
日時: 2016/12/25 00:24
名前: アスワン (ID: 1CRawldg)

バレンヌ帝国帝都・アバロンの北東にある、とある洞窟。ここに、バレンヌ皇帝レオンと、その息子ジェラールと、レオンが選び抜いた3人の兵士達がいた。
レオン「良いか、ジェラールよ」
ジェラール「はい、父上」
レオン「我々は、インペリアルクロスという陣形で戦う。私が陣の中央に立ち、前方を重装歩兵のベアが、上下両サイドをそれぞれ軽装歩兵のジェイムズと猟兵のテレーズが固める。お前は、一番安全な後方に立つのだ。ここのモンスターには、付近の住民も苦しめられている。何としてでもモンスターを退治し、この洞窟を封印するのだ。…皆の者も、頼んだぞ!」
兵士一同「はッ!」
レオン達は、洞窟に巣食うモンスター達を次々と退治していった。そして…
レオン「終わったか…大丈夫か、ジェラールよ」
ジェラール「はい、父上。無事です」
レオン「お前達も大丈夫か?」
ベア「ご心配なく。傷一つすらついておりません」
ジェイムズ「陛下を守る兵士たるもの、このような敵に手こずるわけがございません」
テレーズ「私も。陛下、ご安心くださいませ」
レオン「そうか。よし、撤退だ!」

こうして、レオン達の手により洞窟は封印された。入り口には【帝国令第772 この地を封印する】という張り紙とともに、堅固けんごな扉が築かれた。
しかし、彼らの戦いはまだ始まったばかりである…

第2話(前編) ( No.3 )
日時: 2016/12/24 18:43
名前: アスワン (ID: 3z0HolQZ)

モンスターの巣窟を封印したレオン達は、帝都アバロンへと帰宅した。人々は、皇帝の凱旋を祝った。
兵士「皇帝陛下、万歳!」
市民「陛下、戦勝をお祝い致します!」
アバロンの大通りの脇には、街路樹のように市民や兵士が並んでいた。
しばらくして、レオン達は巨大な建物の前に来た。それこそが、バレンヌ帝国におけるまつりごとの中心地であるアバロン宮殿だ。一際美しい青の屋根に心をかれる。そして宮殿内へ入ると、やはり兵士達は、
「皇帝陛下、お帰りなさいませ!」
と言って、皇帝の帰還を祝った。
〜皇帝の間〜
宮殿中央にそびえ立つ大階段を登った正面に立つ、皇帝が居座る場所。そこには、銀色の鎧に青いマントを身につけた威厳のある男…雄々しき第1皇子・ヴィクトールがいた。
ヴィクトール「父上、お帰りなさいませ!」
レオン「ヴィクトールよ。私のいない間に帝国を守ってくれたこと、感謝しておるぞ」
ヴィクトール「ありがとうございます。ジェラール、怪我はないか?」
ジェラール「大丈夫だよ、兄さん。父上の足手まといにならないようにするのがやっとだったけどね」
ヴィクトール「…父上」
レオン「ん?どうしたのだ」
ヴィクトール「何故、弟を戦場へ連れていくのですか?」
レオン「…」
ヴィクトール「弟は武術よりも学問に秀でております。無理に戦わせれば命を落とすはず。ですから、連れていく必要性は無いでしょう。それに、戦いは私の務めです」
レオン「…お前は、今の状況をどう思う?」
ヴィクトール「状況…ですか?」
レオン「うむ。七英雄が帰ってきた、とは言うが…未だにモンスターによる被害は多発している一方だ」
レオンの言った七英雄…それは、古の時代に魔物から人々を救ったとされ、ある日突然その姿を消した、伝説の7人の英雄達のことである。ところが、最近になり、再び帰ってきたという噂が立ったのだ。
レオン「だから、ジェラールに戦闘経験を積ませ、お前の片腕として働かせるのだ」
ヴィクトール「しかし父上。ジェラールの才能は、内政のほうに活かすべきでは…」
と、ヴィクトールが言おうとしたその時…
兵士「陛下、申し上げます。オアイーブという女がお目通りを願っています」
レオン「…またか。連日熱心に通ってくるな。仕方がない、通してやれ」
兵士「はっ!…陛下のお許しが出たから通れ」
兵士がそう言うと、口元を白い布で覆い赤いローブを身にまとった、いかにも占い師という感じの女性・オアイーブが現れた。
オアイーブ「…お目通りが叶いまして、光栄です。皇帝陛下」
レオン「ふむ、そなたがオアイーブか。…まだ若いな。魔導士というから、相当な年寄りかと思っていたわ。…ヴィクトール、ジェラール。お前達は下がってよいぞ」
ヴィクトール&ジェラール「はい、父上」
2人は、レオンの命令で一旦席を外すことにした。
ヴィクトール「…チッ、あの女魔導士め、今日はついていたな。父上が、話を打ち切るダシに使ったわけだ。ジェラール、俺は剣の修業をしているが、お前はどうするつもりなんだ?」
ジェラール「宮殿の外で体を動かそうと思うんだ。父上にああ言われてしまっては、頑張らずにはいられないからね」
ヴィクトール「…ジェラール…」
ジェラール「そんなに心配しないで兄さん。気持ちはよく分かるけど…父上の意思だから仕方ないだろう?」
ヴィクトール「…そうだな。それじゃジェラール、無理はするなよ」
ジェラール「分かってるよ、兄さん」

第2話(中編1) ( No.4 )
日時: 2016/12/25 14:47
名前: アスワン (ID: 1CRawldg)

一方、レオンとオアイーブは…
レオン「して、オアイーブ殿。そなたは、何故私の元を毎日訪ねようとしたのだ」
オアイーブ「…七英雄について申し上げたかったのです」
レオン「ほう、七英雄について、とな。それで、それがどうかしたのか?」
オアイーブ「実は、その一人がソーモンにいるのです」
レオン「…なに?」
ソーモンとは、アバロンの東に位置する港町で、現在はバレンヌ帝国領なのだが、モンスターの大群により町は壊滅、町民は皆死んでしまったのだ。
レオン「それでは、ソーモンに侵攻してきたモンスター達は…」
オアイーブ「ええ。あれは、その英雄がけしかけてきた者共です」
レオン「…信じられん…何故、世界を救った者がそのような真似を…そいつは一体何者なのだ」
オアイーブ「その英雄の名はクジンシー。アンデッドを操り、自らもアンデッドと化した男です」
レオン「…クジンシーか…」
オアイーブ「…しかし、クジンシーはソーモンから一向に動いていないようです」
レオン「…今、何と申した?一向に動いていない…だと?」
オアイーブ「ええ。その理由は、私にもよく分かりません」
レオン「そうか…」
オアイーブ「…陛下。私はしばらくアバロンの街中を見て回りたいと思います」
レオン「うむ。折角アバロンに来たのだ、是非とも見て回ってくれ。おお、そうだ。私からクラウン(*)をいくらか差し上げよう。好きなように使うとよい」
オアイーブ「…遠慮なく受け取っておきます。それでは」

*…バレンヌ帝国の通貨。

第2話(中編2) ( No.5 )
日時: 2016/12/25 14:45
名前: アスワン (ID: 1CRawldg)

一方、ジェラールは…
ジェラール「ふー、頑張ってトレーニングするのは良いけれど…ずっと勉強してたり父上と稽古していたものだから、遊びたくて仕方がない…どこかに子供達でもいればよいけど…」
子供「あ、ジェラール様だー!」
ジェラール「(あ、グッドタイミングッ!)どうしたんだい?」
子供「ジェラール様ー、たまには戦争のお話とかしてよー」
ジェラール「(…え"!?うわー、何でそんな話を持ち上げようとするかなぁー…)は、はは…そういう話は得意じゃないんだ…ごめんね…」
子供「えー…そっかぁ…そうだよね、ジェラール様…」
ジェラール「……っ!!お、落ち込まないで…あっ、そうだ!それじゃあ、これでもあげよう!ほら、100クラウンあげるから、これで好きなのを買っておいでね」
子供「え!?こんなにくれるの!?ありがとー、ジェラール様!」
ジェラール「(へへ…子供のこういう反応を見れるのは嬉しーなぁ…)ただし、お母さんやお父さんには内緒だよ?」
子供「うん!」
そう言うと、子供は去っていった。
ジェラール「(フフ、だから子供は大好きなんだよなぁ♪)おっ、そうだ!ちょっと酒場に行きたかったんだよなー…よし!」
〜酒場〜
ジェラール「おおー、やっぱ賑わってるなぁ」
マスター「ん?おう、いらっしゃい坊…ず…?……!!!う、うわあああ!!」
ジェラール「うェッ!?」
マスターのあまりの驚きように、ジェラールも無意識に驚いてしまった。
マスター「ジェ、ジェラール様!?あ、あなた様みたいな王族が、何故このような古ぼけた酒場にいらしてるのですか!」
ジェラール「い、いやー…何だかつい気になってたものでねー…」
マスター「ふう…ま、まあよろしいでしょう。ささ、ジェラール様。何をご注文なさいますか?」
ジェラール「そ、それじゃあ…コーヒーを一杯くれないかな?」
マスター「はい、かしこまりました。あ、甘さはどうなさいますか?」
ジェラール「甘めにお願いしよう」
マスター「それでは、そのようにさせていただきます。…おいてめえら!ジェラール様にとびきり甘いコーヒーを用意しろ!」
店員「は、はいいい!」
ジェラール「フフフ、マスター。とても楽しいな、ここは」
マスター「へへ、そうでしょう?ささ、ゆっくりしていってくださいねッ」
ジェラール「ありがとう(それにしても、こういう庶民の生活もいいよなー。…よし!俺は決めた!必ずや、この温かい生活をモンスターから守るため、より一層修業を高めるんだ!そして、モンスターを何匹だって打ち倒す!)」
〜それからしばらくして…〜
ジェラール「…あっ!あまりにもくつろぎすぎたー!」
マスター「へっ!?ど、どうかなさいましたかジェラール様!?」
ジェラール「い、いや、何でもないさ…マスター!8クラウン置いていくよ!」
マスター「は、はい!ジェラール様、お気をつけて!」

第2話(後編) ( No.6 )
日時: 2016/12/25 14:48
名前: アスワン (ID: 1CRawldg)

〜アバロン宮殿・皇帝の間〜
ジェラール「父上、ただ今戻りました!」
ヴィクトール「ジェラール!遅いから心配していたぞ」
ジェラール「ごめんよ、兄さん…」
レオン「…ジェラールよ、なんかお前、変なにおいがするぞ?」
ジェラール「へ!?い、いや気のせいでしょう…」
レオン「…まあよいか」
ジェラール「ところで父上。あの女魔導士と何を話していたのですか?」
レオン「…七英雄についてだ」
ジェラール「七英雄…ですか?」
レオン「うむ。お前も、ソーモンについては知っているだろう?」
ジェラール「ええ。たしか、モンスターの大群により滅ぼされたとか…」
レオン「…その犯人が、七英雄の一人なのだ」
ジェラール「何ですって!?ありえない、おとぎ話では、世界を救った英雄として描かれていたのに…」
レオン「うむ。私も正直驚いている。…それでだ。オアイーブは、ソーモンを攻めた英雄の名はクジンシー、と言っていた」
ジェラール「…クジンシー…」
ヴィクトール「…父上。もしかしたら、クジンシーがこちらに攻めてくるかもしれません。今のうちにソーモンを奪還しましょう」
レオン「…うむ。だが、私はこれから南東にあるウオッチマンの巣を叩かねばならぬ」
ヴィクトール「では、どうすれば…」
レオン「何、心配はいらん。ウオッチマンの巣などすぐに攻略してみせる。ヴィクトール、お前はアバロンに残れ」
ヴィクトール「…はい!」
レオン「よし!ゆくぞジェラール!これからウオッチマンの巣へと向かう!」

こうして、レオンは再びモンスターの巣窟へと旅立って行った。…しかし、この後待ち受ける悲劇を、彼らは知るよしも無かった…


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