二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ポケモン小説
日時: 2016/12/30 21:58
名前: ハル (ID: QBvEkUjp)

朝日が眩しくて、すっかり目の覚めた僕は、住み慣れたこの部屋からの景色を、ペルシアンと眺めていた。
ポットの横の割れたマグカップから臭うエネココアの心地よい香り。オレンのみが積もったモンスターボール。今は喋らないロトム図鑑。美しい太陽を受けた、たまには涙も染み込んだ帽子。Zクリスタルだって曇ってはいない。あのルアーだって、折れちゃいない。
また始めよう。冒険を。
そうだ、今度は自分ではない誰かを誘って。

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Re: ポケモン小説 ( No.1 )
日時: 2017/04/02 23:31
名前: ハル (ID: QBvEkUjp)

僕はススキ。
横にいるのはペルシアン。でも相棒はエンブオー。
僕はカントーで生まれたけど、イッシュで育った。だから、イッシュ地方のバッジは集め終わっていて、勿論、アララギ博士とは知り合い。そして、博士の紹介でここへやってきた。
アローラ地方。僕の生まれたカントーと似ているらしい。確かに。朝、ペルシアンとはちょっと違うペルシアンと出会ってものすごく驚いた。なんせ、顔が丸かった。でも可愛い。あと、ナマコブシ。あの子にも会いたくてここへ来た。
リゾート地として有名なアローラ地方には、僕の親戚が住んでいて、そこのお家を運良く貸してもらえることになって、お母さんはとても喜んでいた。オーシャンビューでは無いが、海には近い。そんな家。お金持ちにでもなった気分。
13歳の僕は、夏休みで島巡りをすることになった。宿題は終わらせたよ。本気を出せばこんなもの。
ここには電車が無いらしくて、バトルサブウェイなんて無いらしいが、ロイヤルアベニューとか、バトルツリーとか、たくさんの施設がある。あとナマコブシのバイトがあるらしい。ナマコブシに会いたい。あの黒い色がピンクのとげとげを一層引き立たせる。
そんなアローラ。みんないい人で、優しい人ばかり。暖かいからだろう。
そこで僕は冒険を始める。冒険というか、島巡りを始める。ちょっと遅い参加だけど、この地方に住んでいるポケモンの博士は快くOKしてくれたらしい。
楽しみだ。僕は服に袖を通し、階段を降りた。

Re: ポケモン小説 ( No.2 )
日時: 2017/04/04 23:05
名前: ハル (ID: QBvEkUjp)


何も知らないアローラ地方の地図を渡されて、僕はとりあえず博士の家へ向かう。朝ごはんはグラノーラ…女子力の高いおばさんのチョイスだ。イッシュでは当たり前でしょ?って言われたけど、僕の朝ごはんはいつも白米だった。イッシュにどんなイメージを持っているのやら。
しかし、親戚のお兄さんはどこにいるのやら。かつてはこの地方でチャンピオンだったらしく、一度会って話してみたかった。それを尋ねるといつもおばさんは悲しそうな顔をするから、僕はあまりきかないことにしている。
そうこうしているうちに、僕は博士の家へたどり着いた。博士の家は海辺にあって、ちょっと?ボロボロだけど、なぜかアローラにはぴったりだと思う。そして僕はドアを叩いた。インターホンが無くて、やっぱりここも田舎(アローラ)っぽい。
「……スイマセーン、アララギ博士の紹介でやってきました…ススキでーす…」
返事はない。ないというか…いない?博士は留守なのかもしれない。いやでも、それはおかしい。待ち合わせ時間は午前10時。間違えるはずがない。
今度はより大きな声で「アローラ!!誰か中にいませんかー!?」と叫んだ。
すると、中で食器が割れる音が聞こえて、大きな音とともに大きな何かが倒れてたようだ。
「………!!」
「?人か…?」
もう一度僕はすみませんと言って、ドアを思いっきり開けた。
扉の先には…白髪の強面の人(しかもでかい)、半裸で倒れている(しかも泡を吹いてる)サングラスの人、アローラのポケモン(でかい)、散らばったモンスターボール、エネココアのこぼれたマグカップ。
カオス。カオスだここは。
放心している僕に、白髪の人はあたふたと「あ!いや、ちが、オレは…!」そう早口で言った。
「違うって…誰か倒れてるのに!!ちょ、え!?どうなってるんですか!?」
「知らねえ!…こいつがオレ様のグソクムシャと闘って…」グソクムシャとは、あのポケモンのことだろう。僕が振り返るとそのポケモンは地下室へと逃げていった。
「彼…人間ですよね!?」
白髪の人は僕に「ちょっとぶっ壊れてんだよ!!」とどなった。
「ちょっとなのか、ぶっ壊れてるのか…」
「どっちでもいいだろ!と…とりあえずポケモンセンター…」
「人間ですよね!?」
僕らは慌てて、床に倒れている彼を適当な布で包み、引きずるようにして外へ出た。しかし重たすぎる。タンパク質の塊みたいな体のせいだ。
誰にも見られないことを願ってゆっくりと浜辺まで運ぼうと、大柄の男の人と決めた。話はこうだ。彼はどこからきたのか分からない、流木のような奴であり、すなわち漂流者だと、そういうことにして。
…なんて、うまくいくはずがなく、僕たちがとりあえず割れたマグカップを拾い、部屋を掃除しているところへ彼女は帰ってきたのだった。


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