二次創作小説（映像）※倉庫ログ
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- アンパンマンレジェンド〜奪われたカオス〜
- 日時： 2017/01/10 12:23
- 名前： ロンドンマニア （ID: Di8TedTz）
声優志望の三ツ矢ケンジは、駅前の交差点付近でタバコを吸っていた。
昨日もいくつかオーディションを受けたが、今日発表の1次審査通過者にも通らず、落ち込んでいた。もう夢を追いかけ東京に出てきて、５年が経つ。
あきらかな門の狭い世界だ。それを身をもって知った。バイトをしながらの生活はそこまで苦難ではないが、好きなアニメや映像を見るたび、置いていかれている自分に嫌気がさす。
小さくなったタバコの火を消し、ごみ箱に入れると、漫画の立ち読みをするためにコンビニに入った。
冬。１１月の中頃。
今日は休みだったので、街中をフラフラしていた。昼も適当に弁当を食べ、CDショップで視聴をしたり、また間にタバコを吸い、辺りが暗くなってくると、スーパーに寄り、夕食用に惣菜を買った。
家に帰って来た。どこにでもある家賃６万円の１Ｋのアパートの一室。ここからスタートし、今の年齢で既に夢をかなえているはずだったが、現実はそうもいかなかった。
俺はこれからもこの生活のままなのだろうか。
ジャケットをハンガーにかけると、テレビをつけた。しばらく音声を聞き流していたが、ある言葉が耳にとまった。
「・・・ということは、アンパンマンが復活したと？そういうことですね？」
「はい、そうです。アンパンマンが、復活したのです」
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- Re: アンパンマンレジェンド〜奪われたカオス〜 ( No.6 )
- 日時： 2017/01/10 13:43
- 名前： ロンドンマニア （ID: Di8TedTz）
しかし、また空から何百体というカヴィルンルンが降って来た。アンパンマンも、一人でもがき苦しんでいる様子だ。
「よし、君も、やっつけるんだ！私だけでは無理だ！頼んだぞ！」
俺は、もう意地だとやっつけ気味にカヴィルンルン集団に走った。右ストレートをかましまくった。するとカヴィルンルンはどんどん倒れいき、目の前のカヴィルンルンも僕の力に少しひるんでいる様子だ。どうやら、このスーツの力は本物のようだ。俺は自信がつくと、蹴りや頭突きも入れ、カヴィルンルンを葬った。
「よし、いい感じだ！次は、必殺技だ！カレー光線の打ち方は、片手を進行方向に伸ばし、『カレートワイライト』と唱えるだけだ！」
俺はアンパンマンの言われたとおりに、右手を伸ばし、カヴィルンルンに向かってカレートワイライト、と叫んだ。すると、右の掌から黄色い渦が現れ、光に替わると、一気に赤い光線がカヴィルンルンに向かって放たれた。目の前にいた２０体ほどのカヴィルンルンが一気に吹き飛んだ。これは強い。これなら、いける。
数分後、数百体はいたカヴィルンルンをすべて倒し、緑色に染まる道路に座り込んでいた。
「よし、すべて倒したな。あとは宿敵、ラスボスのヴァイキンマンを倒すだけだ。・・・ほら、言うまでも無く、来たようだぞ」
一人の、黒いスーツを身にまとったマント男が、こちらに歩いてきた。前方から、電柱の灯りに照らされたその姿は、頭に２本の触手のようなものを生やしている。
- Re: アンパンマンレジェンド〜奪われたカオス〜 ( No.7 )
- 日時： 2017/01/10 13:56
- 名前： ロンドンマニア （ID: Di8TedTz）
「ほう、やるじゃないか、我がしもべカヴィルンルンを一掃とはな。アンパンマンよ。君を消せば、この地球は私のものだ」
「そうはさせない。前みたいに、君を葬る。しかし、今回は完全に消えてもらおう。二度と地球に現れないようにな」
身長１９０センチほどの、アンパンマンと同じような体系をしたそのヴァイキンマンと呼ばれる男は、大きな槍を片手に、こちらに歩いてくる。そのオーラは、まさに地球を侵略しに来た異星人という感じだ。
「その茶色い男は誰だ？カレーパンマンも復活したというのか？」
「そうだ。２人で君を倒す。では、いくぞヴァイキンマン！！ウオォオオオオオオオオオ！！！」
アンパンマンとヴァイキンマンの戦いが始まった。
まず、ヴァイキンマンは動きが早く、アンパンマンの攻撃をほぼかわしていた。当たる確率は、５分の１程度。致命傷にはならないが、数を重ねれば痛手になるレベルだ。俺も応戦し、カレー光線を打ちまくった。大体よけられたが、今撃った一発が、アンパンマンのアシストにより命中した。ヴァイキンマンはぐわあ、と声を出すと倒れた。
「よし、これでおしまいだ！！アーーーンパーーーーーーーーンチ！！」
アンパンマンの左ストレートが、ヴァイキンマンに命中した。
すると、ヴァイキンマンは空高く打ち上げられた。すかさず、アンパンマンは空を飛び、空中で瀕死のヴァイキンマンを抱えた。
「ありがとう、カレーパンマンよ！君のおかげで地球はどうやら平和に戻りそうだ！礼を言うぞ！私はこれから宇宙空間でヴァイキンマンを爆破する。では、また逢う日まで！さらばだ！！！」
アンパンマンは、空高く飛ぶと、見えなくなった。
ありがとう、アンパンマン。
また、会えるかな。
完
- Re: アンパンマンレジェンド〜奪われたカオス〜 ( No.8 )
- 日時： 2017/01/11 12:31
- 名前： ロンドンマニア （ID: Di8TedTz）
レジェンドは、まだ終わらない。
- Re: アンパンマンレジェンド〜奪われたカオス〜 ( No.9 )
- 日時： 2017/03/07 15:57
- 名前： ロンドンマニア （ID: eXBL1K9M）
ヴァイキンマンが世界から消え、アンパンマンも消え、どれくらい時間が経ったのだろうか。風が吹き、髪が乱れ、一人の男は地面へ向けられた視線を落としながら、誰もいない路地をさまよっていた。
三ツ矢ケンジ。３８歳。
結局、声優になる、という夢は途絶えた。希望の光であった事務所への所属、そして初めての仕事は、仕事が決まらない、という現実により、闇の中に葬られた。あれから、どれくらい時間が経ったのかすら、覚えていない。
ケンジは、現在派遣社員として、弁当を製造する工場で働いていた。まだ声優になりたい、という想いは少しも無かった。夢は夢だ。それだけを人生という教科書の中で味わえた。ケンジは、もうこれでいいのだと開き直っていた。
だが、もちろん今の仕事に満足しているわけでもなかった。だが、生きて行く為、生活していく為には、しなければならない事なのだ。毎日、平日は朝７時半に家を出ている。
路地裏から顔を出し、辺りを見回す。誰もいないことを確認すると、放尿をした。煙草を口にくわえたまま、その姿はどこにでもいる野暮なおじさん、という具合であった。
ズボンのチャックを閉めると、歩き出した。するとすぐに、大雨が降って来た。ケンジは慌てた。聞いてないぞ。今日の朝の天気予報では、雨が降るなんて一言も言ってなかったはず。ケンジは走り出した。自宅のベランダに干してある、洗濯物を取り込むために。
- Re: アンパンマンレジェンド〜奪われたカオス〜 ( No.10 )
- 日時： 2018/05/03 16:58
- 名前： ロンドンマニア （ID: 4vtppfc1）
洗濯ものをすべて取り込んだ。といっても、男一人の2日分の下着など、少しの量に過ぎないが。片手で取り込んだ。ハンガーにかけ、部屋干しを済ませると、リビングの椅子に座った。１Kの小さな部屋だが、会社の寮で、家賃も破格に安いので気に入っていた。目の前のテーブルに雑多に置かれた週刊誌などの雑誌類を一つ適当に取ると、素早く目を通した。その中の記事に、
「偽か？謎のアンパンマン集団が銀行を襲撃してから2週間」
とあった。既に読んでいた記事だったが、また文字を追い始めた。アンパンマンは、絶対こんな事はしない。だから偽だとは分かっていたが、世間的にアンパンマン＝強盗という汚名がついてしまっていることに腹が立っていた。どうもやりきれない。
そもそも地球にはアンパンマンはいないだろう。だから今日本でこんなことになっているのも知らずにいるのだろう。雑誌を置くと、夕食の買い出しにスーパーへ向かった。
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