二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【東方project/短編集】本当は怖い幻想郷【アリス編】
- 日時: 2017/02/08 19:55
- 名前: 名無しの図書館 (ID: 2QWuZ1bi)
◆東方projectの二次創作物
◆2〜10レスが平均の短編集です
◆ホラー/ヤンデレ/グロテスク/死ネタ/意味怖/シリアス/ほのぼの/ギャグ要素有り
◆二次設定/解釈設定含む
◆キャラ崩壊注意
◆誤字/誤記/脱字は見つけ次第知らせてくれると有難いです
◆リクエスト受け付けています
*キャライメージが損なわれる場合が有ります
*軈てはやがてと読みます
*要望が有れば解説編書こうかなとか思ってます()
【目次】※番外編/特別編は○となっています
●博麗 霊夢編...>>1.>>2
●清蘭編...>>3.>>4.>>5
●アリス・マーガトロイド編...>>6.>>7.>>8.>>9
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- Re: 【東方puroject】本当は怖い幻想郷【短編集】 ( No.1 )
- 日時: 2017/01/29 11:50
- 名前: 名無しの図書館 (ID: 2QWuZ1bi)
【博麗 霊夢編】(1)
−−−−−−−−−−−−−−−
幻想郷を治める者は賢者と巫女。
今回は、治める者に属する巫女__博麗 霊夢の話である。
●○●
読者の皆さん。突然だが、彼女__博麗 霊夢に裏の顔が有ることをご存知だろうか?
幻想郷の人妖達にもそういった噂は広まっておらず、更に不思議な事に、誰もがその概念を
疑っていないのだ。否、詮索する事を諦めている。
霊夢は普段、どんな顔を見せているだろうか?
単純明快、隠れた優しさを持ち、差別しない....言えば、“裏表のない性格”である。
あの魔法使い、霧雨 魔理沙でさえもその事実を受け入れ、認めてもいる。
最早、“霊夢の裏表のない性格”は常識であると言っても過言ではないくらいの様である。
「.......さぁ、あんた..さっさと白状なさいな」
___それなのに、目の前に居る人物は。
___何故、笑顔で問い詰めているのだろうか?
___嗚呼、怖い。怖い。
「れっ、れいむ、さっ......!?」
「なぁに?名無しの妖怪さん?」
彼女は、彼女は、博麗 霊夢は妖怪狩りを密かに楽しんでいたのではないか。
名無しの妖怪と指された者は頭をフル回転させながら、霊夢の実態に迫っていた。
“妖怪狩りなんて、タチの悪い”普段の霊夢ならそう言うに違いない。
なのに、今の目の前に居る霊夢は愉しそうにニヤニヤと笑みを浮かべるばかりで、霊夢でない。
名無しの妖怪は目尻に透明の塊を浮かべながら、必死に懇願した。
へなへなと力が抜けた様に地面に座り込み、ボロボロと頬に滴が伝う。
恐怖で上手く言葉が出ない。掠れた、枯れた声が、恐怖に支配された声が地を這い、軈て消えていった。
「........“最期”まで面倒臭い妖怪だこと」
霊夢の発した舌打ちと共に、パァンと叩く乾いた音が辺りに虚しく響いた。
操り人形の様に地面に倒れたその妖怪は、もう動かなくなっていた。
霊夢はそれをじんまりと、ニヤニヤと、ゆっくりと睨み、見詰めてはケラケラと笑い出す。
面白がるかの様に。
悲しむかの様に。
後悔するかの様に。
嘲笑うかの様に。
- Re: 【東方puroject】本当は怖い幻想郷【短編集】 ( No.2 )
- 日時: 2017/01/29 15:58
- 名前: 名無しの図書館 (ID: 2QWuZ1bi)
【博麗 霊夢編】(2)
−−−−−−−−−−−−−−−
霊夢の奇妙な笑い声は次第の収まっていき、軈て聞こえなくなった。
霊夢は冷たく、光のない淀んだ瞳で足下の妖怪を睨み付ける。
“フフッ”と馬鹿にするかのような笑みと共に、霊夢は妖怪を容赦なく蹴り飛ばす。
「.........全く、私も馬鹿ねぇ」
蹴飛ばした妖怪等には目も向けず、空へと視線を仰ぐ。
空は藍に塗り潰されており、数々の光が主張するようにキラキラと輝いていた。
月など、要らないくらいに綺麗で明るかった。
霊夢は空をじぃっと見詰めては、切なそうに口角を僅かに上げ、微笑む。多分、この瞬間の彼女が
一番輝いているだろう。
●○●〜霊夢視点
「..........お疲れ様、霊夢」
「...うん。ねぇ、本当にこれで良かったのかな」
あの後、間もなくして日が昇ってきた。
山中に巫女が居たら何て言われるか分からないと思い、私は急いで神社へと飛んでいった。
___でも、やっぱり気がかりだ。
あの時の私は何時も..私で無い気がして。本当に、これで正しいのか。
あんな時の後はモヤモヤとした感情がいつも取り巻く。
隣に座る、紫は今も昔も変わらない笑みを浮かべてこう言うのだ。
「幻想郷は大丈夫よ。ああいう悪いのは存在ごと消さないと」
____そう...なのかもね。
____イイエ、ユカリノイウトオリネ。
End.
- Re: 【東方project】本当は怖い幻想郷【短編集】 ( No.3 )
- 日時: 2017/01/30 17:23
- 名前: 名無しの図書館 (ID: 2QWuZ1bi)
【清蘭編】(1)
−−−−−−−−−−−−−−−
ピーピーピー...
「漸く繋がったか」
「んー?...どうかした?清蘭」
「鈴瑚か......」
「ちょっ、何よそれぇ!!」
ぎゃあぎゃあと喚く向こうの声など無視し、一方的に切る。
向こうは恐らく“あっちから電話を掛けてきたのに......”等と文句を呟いてるだろう。
.....鈴瑚のそんなことはどうでも良いのだ。
私は今から、浄化しに行くのだから。
●○●
何時からこんなに好戦的になったのだろう。
何時からこんなに真面目になったのだろう。
あの、侵略を目指した幻想郷の彼奴等が亡くなってから数百年。
嗚呼、思い出せないなぁ....。
もう、掴み所のないあの貘はどっかに行ってしまった。
もう、あの裏切り者は私の記憶から消えて行っている。
もう、あの....あの、相棒、鈴瑚でさえにも憎しみを覚えている。
訳が分からなくなった。
「彼奴は巫山戯てばっかり.....本当、苛々する..」
相棒の鈴瑚は不真面目で、だらしないのに、
私は真面目で、ちゃんと任務を遂行してるのに、
何で、何で、何で、何で、何で、何で何で何で何でナんで何デ何でなんでナンでナんでナンデ___。
やっぱり、消した方が良いよねぇ。彼奴なんか、居ても居なくても一緒だから__。
_____今から浄化して消してあげるよ、鈴瑚。
●○●
「あーあ、情けない」
机に寄り添う様に倒れ、顔を伏せたまま動かなくなった“何か”を見て呟く。
この“何か”は元々私の相棒だった。.........そう、鈴瑚。
今度は私がちゃんと教えて上げないといけない。ちゃんと躾をしてあげないと。
前のようなあの、失敗作の不真面目な鈴瑚なんて要らないのだから。
そう思うと、何だか楽しい。
相棒を、親友を、自身の思い通りに作り上げられるのだ。
これ程の快感はこれ以外に何が有るだろうか?
「__ふふっ、楽しみね」
「............ん..んぅ、せい.......らん..?何するのさ、いきな...」
「まだ生きてたの?」
籠った声を漏らしながら、鈴瑚がもぞもぞと動いた。
ナンデまだイきてるのかなぁ....?
もう一発、殴らないと完全には意識を奪えないみたいだ。
新しい血の付いた“凶器”を大きく振りかぶる___
「______が、かはっ..!?清蘭..!?」
「上出来、ね」
鈴瑚は頭に大きな痕を残しながら床にバタッと倒れ、軈て動かなくなった。
それをじっくりと視認した清蘭はニタニタと薄気味悪い、奇妙な笑みを浮かべ、“動かなくなったそれ”を
優しく抱き抱えた。
- Re: 【東方project】本当は怖い幻想郷【短編集】 ( No.4 )
- 日時: 2017/02/01 18:19
- 名前: 名無しの図書館 (ID: 2QWuZ1bi)
- 参照: 修正
【清蘭編】(2)
−−−−−−−−−−−−−−−
もう、冷たい。
蝉の脱け殻みたいに動かなくなっていた。
「.......どう、しようかな..」
ぽちゃんと清蘭の瞳から一筋の滴が頬を伝い落ちる。
赤くて遠くを見据える鋭い瞳は、弱々しい光を放ちながら手元に視線を落とす。
____清蘭は泣きながら頬を紅潮させていた。
何かを喜ぶ様に。
鈴瑚のもう開かれないであろうその瞼は固く閉ざされている。
鈴瑚の温かみなど消え去ってしまった指先は青白くなっていた。
鈴瑚が大好きな団子を食べる姿。
鈴瑚の声。
鈴瑚の笑顔。
それら全ては一人の兎の手によって奪われたのである。
「__は、ははっ..。私、捕まっちゃうかもしれないね、鈴瑚..」
正気を取り戻しつつある清蘭。
鈴瑚の様子を見て、清蘭は“冗談でしょ?”と言うかのように笑い飛ばそうとした。
清蘭の白く細い喉からは掠れた、絶望の声しか出なかった。
「りん.....ご...?嘘、嘘でしょ..?」
清蘭は何度も何度も鈴瑚を揺さぶる。
しかし、幾らそんな事をしても鈴瑚は目を覚まさない。驚かない。怒らない。
そりゃあそうだろう。
相棒、鈴瑚の命は清蘭__ 自身の手で奪ってしまったのだから。
それを認めまいと清蘭は何度も何度も鈴瑚の身体を揺さぶる。
____その時だった。
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