二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【クトゥルフTRPG】大正の灰吹雪
日時: 2017/02/24 23:27
名前: はみう (ID: 6nOD4vjp)
参照: http://com.nicovideo.jp/community/co1433668?com_header=1

こんにちは。はみうです!

ここは、主にクトゥルフTRPG『大正くとぅるふないつ 純情かれいどすこぉぷ』『灰の降る街』『花吹雪の夢』の二次創作スレとなります。
気が乗ると別の作品の二次創作も作ります。
あくまでキャラクターを動かすので、いわゆる中の人は多分出てきません。
作者はクトゥルフ等の知識があまりありませんので、クトゥルフ神話のお話は出てきません。
結末のネタバレがあります。最後まで見ていない方はお気を付けください。

動画はニコニココミュニティ『あべべんの荒ぶるTRPG放送局!』(URLから飛べます)
にコミュニティ限定で生放送アーカイブが載っていますので、よければご視聴ください。

以下の項目に当てはまる方は、ブラウザバックをお願いします
・荒らし行為目的の方
・ゲーム実況者の二次創作が見たい方
・クトゥルフ神話が見たい方
・完結作品・長編作品が見たい方
・大正くとぅるふないつ第二夜以降のキャラクターも見たい方
・更新頻度の早さを求める方
・文章力を求める方

上記の項目に当てはまらない方は、どうぞよろしくお願いいたします。

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Re: 【クトゥルフTRPG】大正の灰吹雪 ( No.1 )
日時: 2017/02/24 23:01
名前: はみう (ID: 6nOD4vjp)
参照: http://com.nicovideo.jp/community/co1433668?com_header

『灰の降る街 研究者の退院』

「ドクター、ありがとうね」
「いえいえ、こちらも楽しかったですよ」

2015年4月、晴れ。

天満橋が退院する日となった。
失われていた記憶も完全にとは言えないものの、普通の生活をする分には問題ないほど回復し、気がかりであった脳の灰化も全くなかった。
後のあやふやな記憶は、研究を続ける内に戻っていくだろう。
天満橋は両手に着替えやら本やらの入った大きな鞄を持ち、病院のロビーに立っていた。
彼の目の前には、御使と小佐内、そしてチョコボがいた。

「これからも、えぇと、なんだっけ。あぁ『叫び』について調べんの?」
「んー、ちょっと分からないけどねぇ…、事務所の場所は分かるんだけど、家の場所が分からないから、とりあえず、事務所には向かうかなぁ?」
「また記憶失って戻ってこないで下さいよ!」
「HAHA、その時はもっと優しいドクターに見てもらうことにするよ」
「その時はもっと優しい立派な医者になってますからね!」

もしも、天満橋が家の場所を思い出して、もしも、そこがとても遠い場所であったら、もう、会えないかもしれない。
何パーセントの確率かは分からないが、そんなことは容易に有り得るのだ。

「外結構暖かそうだけど…、暑くねぇの?」
「私は元来寒がりでね」

雪は止み、町に残った灰や雪も、ほぼ見られなくなった。
『ウロノミコ』の謎を解明するため、ずっとと言っていいほど三人は行動を共にしていた。
とても、衝撃的な事件だった。
あの屋上にいた5人の心には、深く『ウロノミコ』の姿が彫り込まれ、真山は、今でもこの病院で寝たままだ。

「おっさんが退院する日になったら来てくれよ」
「あぁ、努力するよ」
「病院までの道で迷わないでくださいね!」

天満橋はニヤッと怪しい顔をして、スマートフォンを取り出し、片手でぶんぶんと振った。

「いやアンタ地図読めんの?」
「電話機能を忘れてはいけないよ」
「迷う前提かよ」

入口の前に、一台の車が止まった。
緑の軽自動車。佐古のものだ。

「あぁ、そろそろかなぁ。それでは、小山内君、ドクター、楽しかったよ」
「じゃあな、天満橋のおっさん、またな!」
「数ヶ月の間でしたけど、毎日が濃かったです。怪我したりしたら、すぐに来てくださいね!」
「ドクターの『応急処置』は怖いんだけどなぁ」

御使の隣にいる小佐内が嫌なことを思い出すように渋い顔をした。

「大丈夫ですよ! たくさん勉強しますから!
「頑張ってくれよ?」

車の中にいる佐古がこちらを見ている。
分かりやすいもので、顔がどう考えても早くしろと言っている。

「あぁ、怖い怖い。本当に行くよ、じゃあ」

天満橋はクルリと後ろを振り向き、自動ドアをくぐり抜ける。
背の高い彼は少し遠くに行っても、誰かが前を通っても、はっきりと見えた。
小佐内と御使は、天満橋が佐古に引っ張られ、車の中に入れられて、車が全く見えなくなるまで、外をずっと見ていた。

「少し、寂しくなるかな」

「…そうかもですね」

御使は、少しだけ悲しい顔をしながら、呟いた。

「でも、また会えますよ!」

白衣を翻して、いつもの明るい表情に戻り、小佐内に言った。

「なんなら、今週末に事務所に行きませんか?」
「今週末!? は、少し早すぎるんじゃ…」
「行きましょうよ! 天満橋さんも同じこと言いますから!」
「それは…」
「さ! 怪我したところ見せてください! 治しますよ!」
「大丈夫かなぁ…」

二人は、ロビーから診療室に入っていく。
ロビーには、今日もたくさんの人がいる。

雪は解け、桜が、少し咲き始めていた。


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