二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 進撃の巨人 巨人目線、人間目線
- 日時: 2017/03/17 22:30
- 名前: karin (ID: .bb/xHHq)
- 参照: http://singeki.ss.jp
—巨人—
“ドシン"“ドシン"と、私たちの足音が広い大地に響く。
私たちは、南へと、ひたすら進む。
邪魔する者が来ないうちに、出来る限り急ぐ。
それでも歩調は変わらず、この大きな足音は、一定のペースで鳴り響く。
この調子で行けば、もうすぐ『あの場所』に着くことが出来るかもしれない!と思った時だった。
遠くの方から、たくさんの馬の走ってくる音がする。
この音が聞こえるということは、あの人間たちもくると言うことだ。
今までに人間に会ったことは、1度だけある。
立体機動装置と呼ばれる道具を使い、私たちの人間のいううなじを削ぎ落とそうとする。
私たちはそれが分かっていながらも、自分のうなじを守ることが出来ない。そんなことを思い出していると、風を切り裂くような音と共に、立体機動装置を使った人間たちが隣の巨人に向かって来た。
その巨人は、1人目を払い落とし、2人目を口に含む。
その背後から、もう1人が飛んできた。
隣にいた巨人は、うなじを削ぎ落とされ、地面に倒れた。
なぜ、私たちは殺されなければならない?
人間が殺そうとしなければ、私たちは何もしないのに。
体の内側から湧き出てくる怒り。
私はこっちに向かって飛んでくる人間を口に入れた。
口の中からボキボキという骨の砕ける音がする。
それと同時に出てくる大量の血の味。
口にベットリと張り付くような髪の毛。
そして何よりも恐ろしいのは、人間の叫び声。
人間なんて食べたくない。
他の人間が横から飛んできた。今度は手でつかむ。
手の中から、骨の砕ける音。
手の中に広がる生暖かい血。
もう、嫌だ。殺したくない。殺されたくない。
そして背後から飛んでくる人間に、私はうなじを削がれ、絶命した…………
—人間—
馬の走る音が、広い大地に響き渡る。
俺達は今、壁の外にいる。初めての壁外調査だ。
頬を撫でる風が心地よい。
そんなことを考えていると、「前方に多数巨人発見しました!」というだれかの声。
見てみると、確かに大きな何かがこちらへ向かって歩いてきている。
あれが『巨人』か…
思わず背筋が伸びる。
団長の掛け声と共に、俺達は立体機動装置を使って巨人たちに向かって飛び立った。
巨人に捕まらないよう、必死に飛び回る。
同期の1人が、倒そうとした巨人に払い落とされた。
そいつと同時に行ったもう1人の同期は、その巨人に食われた。
そして背後から回った先輩の手によって、その巨人は倒された。
それを見ていたのか、隣にいた巨人が襲いかかって行った。
最初からその巨人を狙っていたらしき先輩が、その巨人目掛けて飛んで行ったが、その巨人は先輩を口に含み、食い殺した。
さっきの巨人を倒した先輩が横から立ち向かったが、掴まれた。
丁度俺に背中を向けたその巨人目掛け、俺は全力で切りかかった。
俺は、そこで、初めて巨人を倒したのだった。
先輩に、「良くやったな、新兵」と褒めて頂いた。
そして俺は、その場を離れた。
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