二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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リング・オブ・ザ・エンド
日時: 2017/05/02 18:11
名前: 暇を極めし自宅警備員 (ID: vyKJVQf5)

 呪いのビデオ、なんていう安っぽい噂が俺達の学校でも流行りだしたのは、つい最近の事ではなく二年ほど前からで、それでは何故こんなにも長い期間に渡ってその噂が風化せずに存在しているのか、と問われれば、それは他ならぬこの学校で犠牲者が出てしまったからだ。

 もちろん、信じている人間など極僅かでほんの一部だけではあるのだが、俺はこの身をもってしてその呪いのビデオが本物である、という事を理解した。ただ、俺は少しだけ異質だったんだ。

 H22年 7月29日

 夏休みもいよいよ終わりに近づいてきて、それに伴いセミの鳴き声も少しずつ薄れてゆく今日この頃、俺は友人の友久(ともひさ)、そして健二(けんじ)と一緒に心霊スポットを巡ろう、という計画を練っていた。

 「やっぱ、夏だもんなぁ、心霊スポットは行っとかねぇと」

 健二は普段は真面目な性格で、成績もかなり上位を維持しているが、夏休み等長期休暇に入ると箍が外れ、まるで別人のようになる。酒が入っていたこの日はなおさらだ。

 俺は面倒だったので健二にリーダーシップを任せ、勝手に行き場所を決めさせることにした。友久と健二がお互いに意見を出し合い、どうやら場所は決まったようなのだが、どうも二人とも浮かない顔をしていたので、俺が質問を発した。というか、分かりきってはいたのだけど、一応聞いておいた、といった具合だ。

 「どうしたんだ?二人とも」

 「・・・足りない」

 友久は呟いた。それに呼応して健二も全く同じ言葉を鸚鵡返しした。

 「何が?」

 「決まってるだろ!女だよ女ぁ!!」

 健二は真面目すぎるし、友久は軽すぎる、というイメージが定着して最早1年が経過しており、二人の本当のキャラを知るのは俺だけなのだが、この二人が俺を誘った理由がようやく読めていた。最初から俺を利用するつもりだったのだ。

 「お前、めっちゃもてるよな!顔は良いし、性格も普通、しまいにゃぁ女子には優しい。つまりだ、お前の名前を出せば必然的に女子がわらわら群がるってもんよ」

 友久の自信は信じられないくらいに満ち溢れていたし、健二も目を瞑り静かに頷いていた。

 結果として、この面子に対し女子が4人も追加されることになり、その中には俺が好意を寄せている中村(なかむら)まで混じっていたので、一応収穫ありという事で、俺達は健二と友久の決めた心霊スポットへと向かう支度を進めることにした。

 これが全ての間違いで、俺達の人生を狂わせることになるなんて事をもし、知っていたとしても・・・それでもきっと、俺達はこうなる運命だったんだと思う。そうじゃないと、あまりにも・・・哀しいから。

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