二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【鉄血の】ジュリエッタ・ジュリスさん【オルフェンズ】
- 日時: 2017/06/12 17:24
- 名前: ちぇりお (ID: dYqhcSxQ)
ほとんどの人がはじめましてですね。
ちぇりおと申します。
個人的にガンダムの二次創作を書きたくなりました。
ほとんど、空想で書いてます。
なので、TVアニメ版とセリフや設定が違う場合がございます。
更新は一ヶ月ごとなので、なかなか更新されず歯がゆい人もいるかもしれません。
ご了承ください。
では、次のスレから書き始めます。
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- Re: 【鉄血の】ジュリエッタ・ジュリスさん【オルフェンズ】 ( No.1 )
- 日時: 2017/06/12 17:29
- 名前: ちぇりお (ID: dYqhcSxQ)
私は、小さい頃からモビルスーツの戦法を叩きこまれてきた。
だが、平和な日常も知っているのだ。
それは、もう取り戻せない温かな物語。
だけど、思い出すのは罪ではない。
私にも、人間らしさがあるのだと気づかせてくれる。
だから、語ろう。
私にしか紡げなかった————
私達にだけ、紡げた物語を。
- Re: 【鉄血の】ジュリエッタ・ジュリスさん【オルフェンズ】 ( No.2 )
- 日時: 2017/06/12 17:25
- 名前: ちぇりお (ID: dYqhcSxQ)
私が、ラスタル様の指揮下に入る前は普通に学校へ通っていた。
ただ、モビルスーツの訓練も週に二、三回あったので毎日学校に通えたわけではなかったが。
「ジュリーちゃん? おーい?」
私——ジュリエッタ・ジュリスを、愛称で呼ぶ私の親友、ハリマ・マレシアが私の顔を覗き込む。
髪色が、オレンジ色で髪型はショートボブだ。
顔立ちも、西洋人らしくまっすぐな鼻筋にクリッとした二重の目。
唇の厚さもちょうどよい。
体型も、やはり西洋人らしく引き締まりつつもどこか妖艶な雰囲気を感じさせる。
少し、彼女の体型には嫉妬している私だ。
コックピットから、少し離れてしまうと操縦の感覚を忘れる。
なので、操縦技術の向上を考えていた私はビックリした。
「ごめんね。なんの話してたんだっけ?」
自然と親友の話を聞いていなかったのが丸わかりな反応をするのだ。
「ふふっ。 ジュリーちゃんってば、お仕事頑張ってるんだねー。 あーあ、私も熱中できるコトがあればいいんだけどなあ」
彼女——リマは、学生鞄を持ちながら背伸びをするのである。
そう、私とリマは放課後の教室で雑談をしていた。
リマが、くるくるとケイタイを人差し指で回しながら私に微笑みかける。
「私にできるのは、学校の風紀を正しながら生徒たちに快適なスクールライフを送ってもらうことくらいだからさ」
私は、彼女の真面目さに苦笑した。
「私たちは、やっていることさえ別だけど、目指すものは同じだと思わない?」
「んー? そうだねえ——ジュリーちゃんも平和で、できるだけ、色んな人が楽しく暮らせる世界を望んでる。 私も、この学校に在籍している間は、楽しく平和で伸び伸びと暮らせることを望んでる」
彼女は、おどけながらも真面目で真っ直ぐな想いを口にするのだ。
「リマらしいね。 今日はオフだから、二人でどこか行く?」
リマは、二マーっとした笑みを浮かべ、元気よく——
「そーだね! ジュリーちゃんのお仕事を見学したいな!」
ああ——彼女は、金曜日になると、決まってこの言葉を口にする。
「見学はOK。 ——でも、コックピットに乗っちゃだめだよ?」
私も、決まって同じセリフを言い放つ。
- Re: 【鉄血の】ジュリエッタ・ジュリスさん【オルフェンズ】 ( No.3 )
- 日時: 2017/06/13 15:01
- 名前: ちぇりお (ID: dYqhcSxQ)
「へぇ〜、やっぱロボットって良くできてるよね」
リマが、私がよく搭乗する機体を背伸びしたり、手すりから身を乗り出しながら隅から隅まで凝視している。
「私は乗る側だから」
あまり、整備士の苦労が、わからない。
私は、整備士達を口の中だけで論評して、他の機体を整備している人達に向き直り深々と頭を下げる。
すると、そっぽを向く人や、軽く会釈してくれる人もいれば——
「おう!チビじゃねえか〜。 ……そちらのオレンジ髪の娘(こ)可愛いじゃん! 君、チビの友達?」
私——ジュリエッタ・ジュリスの乗る機体を整備してくれている、おちゃらけた整備士が声をかけてくれる。
私達に、軽く話しかけてきた整備士の名は、ハンクス・ミルドルだ。
「ジュリエッタ・ジュリスさんの友達です。 よろしくお願いします」
いつの間にか、私の隣に来ていたリマは愛想笑いで対応している。
彼女の、愛想笑いの奥は、よくわからない。
ハンクスは、服装の上下を青の整備服にしている。
髪の毛は、クリーム色のクルクル天然パーマだ。
顔立ちは、日本で言うショウユ顔。
私は、彼の話を止めるタイミングを掴めないまま唖然としていた。
私や、仕事仲間と話すときは、言葉がたどたどしい彼が、多くを語っている。
とても信じられない。
リマの、愛想笑いによる外壁が徐々に崩れてきた。
だけれど——それは、不機嫌によるものではないのだと、リマの発した言葉でわかった。
「ロボットの整備士ってすごいんですね! シミュレーターも管理しているんですかっ?」
リマの上機嫌な声が、少しずつ大きくなり始めた。
私は、嫌な予感を覚える。
この話の流れはきっと——
「おう! ハリマちゃん、シミュレーターに乗る?」
言われたリマは、私の顔色を横目で見た。
明らかに、『シミュレーターに乗っても怒られるかな……?』という見え透いた気持ちを感じる。
私は、同性の親友と異性の整備士へ慎重に言葉を選ぶ。
「大丈夫だよ、シミュレーターなら実害はないから」
ただし、私も援護要員で乗るけど——と言って、私はシミュレーターのある部屋へと向かう。
「ったく……親しいやつに一途なとこ、本当に変わらねえんだな」
ぼそりと、彼が言った言葉は整備場の喧騒に消えてしまった。
- Re: 【鉄血の】ジュリエッタ・ジュリスさん【オルフェンズ】 ( No.4 )
- 日時: 2017/06/14 17:01
- 名前: ちぇりお (ID: dYqhcSxQ)
私とリマは、ダブルシミュレーター(ひとつのシミュレーターにメインシミュレーターと、アシストシミュレーターがある)に乗っている。
「ジュリーちゃん! シミュレーターがあるなら言ってくれればよかったのに! 教えてくれないなんて、ずるいんだからぁ〜」
彼女の浮かれた声が、下段のメインシミュレーターから聞こえた。
……リマには、たとえシミュレーターだとしても、乗せたくはなかった。
人の生き死にと関わるものに触れて、『私も、モビルスーツパイロットを目指す』などと言われたら……複雑な感情を抱いただろう。
私の所属する組織(ところ)と敵対している組織(ところ)のパイロットになってしまったとしたら……モビルスーツに乗って戦い、命を落としてしまったら……。
考えただけでおそろしい。
「ほら、シミュレーションが始まるよ。 早く終わって、すぐに帰る羽目になるよりは、長くやりたいでしょ?」
私は、自分の声に不安を感じられないように言葉を紡ぐ。
そして、シミュレーターから、機械音声ではなく、あらかじめ録音された女性のアナウンスが流れる。
『シミュレーション、開始します。 仮想重火器の射出や、仮想銃弾が本シミュレーターに当たると、振動が起こります。 ご注意ください』
そして、シミュレーターに仮想戦場が構築される。
メインシミュレーターで、操作している彼女のオレンジ髪を一瞥し、私は自分のアシスト機体を操作する。
私から評するなら、百戦錬磨の猛者より、シミュレーションの敵機は弱い。
だが、私は内心、動揺していた。
リマの操作を見ていると、どこかでモビルスーツシミュレーションをこなしてきたような気がしてならない。
現(げん)に、彼女はシミュレーションが始まってから、一度も仮想の敵から『直撃されていない』のだ。
彼女の纏(まと)う雰囲気が『くすんで穢(けが)れた』ものへと変わる。
「もー、このシミュレーターってば、動きが悪いよね。 ——もっと、戦う価値のある機体はいないの?」
リマの、硬くて冷たい声に、ぞっとした。
今、彼女は、なんて言った?
戦う価値のある——その言葉は、戦い慣れたモビルスーツを狩りし者が口走るのではないか?
そんな雑念が、私の操作を鈍らせる。
私が、いくらメインシミュレーターより、性能の劣るアシストシミュレーターを操作しているとはいえ——
アシストシミュレーターでも、直撃してしまうなど、あってはならないのだ。
アシストシミュレーターが、軽く振動する。
すると——リマが、メインシミュレーターで、一定の撃墜数を超えたからか、振り向いて、言う。
「気を付けてよね——『ゴールドファイター』は、こんなシミュレーションで崩れてちゃ、ダメだよ?」
私は、心臓に釘を刺されたような感覚がした。
まさか、彼女は——
「『イロンウォリアー』が、『ゴールドファイター』と、手を組んでるんだからさ」
————そんな言葉、嘘だ。
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