二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- カスカベボーイズのその後
- 日時: 2017/09/03 12:53
- 名前: 椿 (ID: vKo2Fmoq)
最近懐かしい夢を見る。オラがななこお姉さん以外に初めて恋をした時のこと。
「だめだ思い出せないぞ」
学校の帰り道にそんなことを考えながら歩いている。
オラはもう高校2年生になった。双葉幼稚園に通ってるころは色々あったなあ、春日部防衛隊なんてやってたっけ。みんなバラバラになっちゃったからなあ。
「あれ?しんちゃん」
「あれ?ぼーちゃん、どうしたの?久しぶりだね」
前から自転車にのったぼーちゃんがくる。
「ぼ、いま学校が終わったんだ。今日は自転車で登校したからね」
「ぼーちゃん元気そうだね」
「そういうしんちゃんは何か考え事でもしてるのかな?」
「ぼーちゃんには心をよく読まれる気がするぞ」
ぼーちゃんと話していてふと、夢の内容を聞いて見ることにした。
「ところでぼーちゃん」
「どうしたの?」
「今から12年くらい前かな、幼稚園に通ってたときのことなんだけど」
「それがどうしたの?」
「最近その時の頃の夢を見るんだ。リアル鬼ごっこしてた時のこと、映画館を見つけて映画を見るんだ。でも、その映画はよくわからなくてさ、ひたすら荒野が続いてるだけの映画なんだ。なにか覚えてないかな?」
「覚えてる。カスカベ座だよしんちゃん。」
「そうそうカスカベ座。そこで、1人の中学生くらいの女の子がたまにでてくるんだけど...」
「うーん、僕も覚えてない。ごめんしんちゃん」
「いやいや、いいんだよぼーちゃん」
少し残念な気持ちがありながらも所詮は夢だと自分に言い聞かせた。
「しんちゃん」
「なに?」
「カスカベ座に今度行かない?」
それは驚きの一言だった。
「あそこ、まだ潰れてないみたいだし今度の休み風間くんとネネちゃんとマサオくんを連れて行こうよ」
「いいね!そうしよう!さすがぼーちゃんだぞ」
「えへへ」
久しぶりにみんなと会えるそう思うと楽しみで仕方なかった。
「じゃあまた今度ねぼーちゃん」
「バイバイしんちゃん」
「カスカベ座まだ潰れてなかったんだ。」
心の中でどこか安心感を得た。
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- Re: カスカベボーイズのその後 ( No.1 )
- 日時: 2017/09/03 13:32
- 名前: 椿 (ID: vKo2Fmoq)
「しんのすけーおきなさい!」
朝からみさえほ大きな声が聞こえる
「今日は土曜だけど学校休みだぞ。ゆっくりねむらせムニャムニャ」
「友達と出かけるんでしょ!ほらおきなさい!」
「あっそうだった!」
急いで布団から出て着替える。今の時間を見ると...
「集まる時間まであと5分しかないぞ!なんでもっと早く起こしてくれなかったんだかーちゃん!」
「何回も起こしたわよ!ほらあさごはんできてるから食べないと」
「食べてる暇なんかないぞ!あ、このトーストだけはもらっていくぞ」
「あ、ちょしんのすけ!」
「なんだぞ、急いでるんだけど」
「チャックチャック!」
「あっ」
かーちゃんに呼び止められなければ、社会の窓全開で公園で走るところだった。
「ありがとうかーちゃん。いってきまーす」
「気をつけてね」
あと3分でつくかどうか。全力で走っていると、角から自分と同い年くらいの女の子が飛び出てきた。
「きゃっ!」
「うおっ!」
ぶつかる寸前に上手く体をそらし、なんとか衝突を避けた。
「あぶねぇ」
相手の子はと見て見ると尻餅をついてしまっている。
「大丈夫?」
と手を差し伸べ声をかける。
「あ、すみません」
と相手の子は手を掴み立ち上がる。
(なんかこの子どこかで見たような気がするぞ?)
「あっ!そうだった!おら今急いでるんだ!ごめんね、オラもういくぞ!」
「あっ...」
その子が何か言ったような気もしたが、今はそれどころじゃなかった。
「あっ!しんちゃん!おそいわよ!」
「ごめんネネちゃん、みんな寝坊しちゃったぞ」
「そんな呑気なこと言ってないで早く行こうか」
「風間くんはせっかちになったね」
「マサオくんももう少し素早く行動するべきだよ」
久しぶりのみんな、春日部防衛隊。
「それじゃあ出発おしんこー!」
「しんのすけはかわらないなぁ」
道中今の高校のこと、クラスのこと、毎日のことを話しながら歩いた。
「ところでなんで唐突にカスカベ座にいくんだ?」
風間くんが切り出した。
「あーオラの夢の内容が気になりすぎて行こうってことになったんだ」
「しんのすけの夢?」
オラはぼーちゃんに話したようにみんなに説明した。
「へぇ確かにそんなことあったわね」
「僕は覚えてないよお」
「シェリフ...」
風間くんがボソッと呟いた
「風間くん?なんて言ったの?」
「あ、いやなんか頭に思い浮かんだんだ」
なんでもないよと言いながら話を戻した。
「で?しんのすけはその女の子がきになると?」
「そういうわけじゃないんだけど、あの映画自体が気になるというか」
「へぇ」
そんなことをしているとカスカベ座についた。
「確か昔はトイレから入ったんだっけか」
「えぇーあんなところからはいりたくないわよ」
「そもそも僕たちの体じゃ入らないからねもう」
「えーじゃあどうするのさ!」
みんなが考え込む。するとぼーちゃんが
「よくみたら、扉開いてる」
と言った。
「あれ、ほんとだぞ」
オラ達はカスカベ座の中に入る。
「確かこっちがスクリーンだったはずだぞ!」
駆け足で急ぐ。みんなが落ち着けというが落ち着けるわけない。でもなぜ?
スクリーンに入ると急に記憶のフラッシュバックが起きる
「!?」
全員があの日映画に取り込まれた日のことを思い出す。
「そうか、わかった」
風間くんが話し出す。
「僕たちが映画の中にいるとき春日部のことを忘れていった。それと同じなんだ。現実世界にいると映画のことは忘れる。そしてここに来るとそのことを思い出す。」
「思い出したぞ。つばきちゃん。オラがななこお姉さん以外に初めて恋をした女の子。映画の中の人だったんだよね」
悲しい気持ちを抑えながらも、この記憶を2度と忘れないことを胸に誓って、家に帰った。
- Re: カスカベボーイズのその後 ( No.2 )
- 日時: 2017/09/03 20:32
- 名前: 椿 (ID: vKo2Fmoq)
「つばきちゃんにまたあいたいぞ」
ふと、そんなこと呟くと朝の出来事を思い出す。
「そういえばあの子大丈夫かな。急いでたから言葉ですましたけど怪我とかしてないかな。あしたあそこへいくか」
だんだんと眠気が襲って来る。布団に入り眠りにつく。そしてこんな夢を見た。
「しんちゃん!」
「つ、つばきちゃん!?」
つばきちゃんが目の前にいる。そしてすぐにこれは夢なんだって気づく。つばきちゃんは映画の中の住人。この世にはいない。夢の中なのにいろんな感情が溢れ出してきて泣いてしまった。
「ど、どうしたのしんちゃん?」
「オラつばきちゃんが好きだ。ななこお姉さんも好きだったけどいまはつばきちゃんが大好きだ」
「しんちゃん...」
「つばきちゃんにまたあいたいぞ。つばきちゃんとまたお話ししたいぞ。今度は夢じゃなくて春日部で会いたいぞ」
必死で出て来る涙を抑えながら夢の中のつばきちゃんと話す。
「安心してしんちゃん。私はしんちゃんのそばにいる。ずっとずっとそばにいてあげるから。だから、忘れないでね」
「つばきちゃん!」
その言葉を発すると同時に目を覚ます。
そして偶然みさえに聞かれる。
「つばきちゃん〜?誰よそれ」
「かーちゃんには関係ないだろ!」
「いいから答えなさいよお〜好きな人〜?」
好きな人という言葉に反応してしまい顔が赤くなってしまう。
「そ、そんなんじゃないぞ!」
「あらあ?図星かしらお顔が真っ赤よ。高校っていいわねぇ」
なんで言いながらご機嫌な鼻歌を歌って朝ごはんを作りに行った。
「かーちゃんめ...」
朝食をすまし、いつもより早く学校へ向かう。もちろんあの子に会うためだ。
「今日ははやいのね。なに?つばきちゃんってこと朝デート?」
朝の出来事を聞かれてからずっとからかわれている。
「だから!そんなんじゃないぞ!!」
「はいはい、気をつけて行って来るのよ」
みさえの言葉を軽く受け流し家を出る。
「かーちゃんったらもう...あれ?鍵がないぞ?」
歩きながらポケットに手を入れると家の鍵をなくしたことに気づく。
「えっえっ、どこで落としたんだ!?」
困ったなとその場で立たずさんでいると。
「野原しんのすけさんですか?」
と声をかけられる
「ん、そうだけど」
と振り返るととても驚いた。声も顔もつばきちゃんにそっくりな子だった。
「あっ!あの時の!この前はごめんね、大丈夫だった?」
「あ、はい大丈夫でした。すいません」
「あっえっとオラになんかようがあるんだっけ?」
「あ、はい。えっとこれ、鍵この前会った時落としてたので...」
「オラの鍵!間違いないぞ!ありがとうつば...」
危うくつばきちゃんと言いそうになったのを堪えた。最後のところが相手には上手く伝わってないようで助かったと一息する。
「ところで君の名前は?」
「私ですか?いや実はよくわからないんですよ。記憶喪失?みたいで...」
「え?それは大変だぞ!お父さんとかお母さんとか、今住んでるお家とかもわからないの?」
「あ、ええはい」
「なにか覚えてることは?」
「えーと、覚えてることは、私が一昨日この街に来たってことですかね」
「引っ越してきたのかな?」
「ええ多分そうかと...」
「でもお家がわからないのは大変だぞ。そうだ!お家探し手伝うから見つかるまでオラの家にくるといいぞ!」
「えっ、そんな失礼ですよ」
「大丈夫!大丈夫!かーちゃんにいえばなんとかなるって!まだ時間あるし出発おしんこー!」
半ば強引につばきちゃんにそっくりな子を家に連れて行く。
「ところでどうやって呼べばいいかな?」
「あー、なんでもいいですよ」
頭に遮った名前はなんもちろんつばきという名前。この世界につばきというあの時であった子は存在しないのだから少しくらいと思いながらもその子をつばきと呼ぶことにした。
「じゃあつばきちゃん!」
「つばき、ですか...いい名前ですね」
「気に入ってもらえてよかったぞ!」
家に着くとみさえが驚いた顔でむかえる。
「どうしたのしんのすけ!その子はなに!?」
「かーちゃんおちつけ。記憶喪失みたいなんだこの子」
「記憶喪失?」
「帰るお家とかお父さんやお母さんの名前もわからなくて途方にくれてたんだ。家もないし見つかるまでオラの家にいさせてあげようって」
「その子の名前は?」
「つばきちゃん」
みさえは、ははーんなるほどねという顔でしんのすけを見て笑う
「いいわよ、つばきちゃんこれからよろしくね。ちなみにお年はいくつかしら?」
「年ですか、えーと」
「あっ!時間がない!オラ行かなきゃ!かーちゃん後は任せるぞ!」
「あ、はーい行ってらっしゃい。あ、で年はいくつ?」
「あ、えっと確か16です」
「へえ、しんのすけと同じくらいなのね」
「あの、これからお世話になります」
「いえいえ大歓迎よ」
- Re: カスカベボーイズのその後 ( No.3 )
- 日時: 2017/09/05 22:25
- 名前: 椿 (ID: vKo2Fmoq)
「ふんふふーん」
放課後高らかな鼻歌をしながら廊下を歩いていると同じクラスの坂本くんに会う。
「おーしんのすけーご機嫌だな」
「え?そうかな?」
「ああどう見ても」
自覚はしてなかったが確かに今思えば高らかな鼻歌をしていたことに気づく。
彼女でもできたのか?と坂本くんはからかってくる。
「そんなーできるわけないぞ。そもそもオラはななこお姉さん一筋なんだから」
「ななこさんなあ、美人だよなあ。おれもあんな人と結婚したいぜえ、羨ましいなあ」
しんのすけはその言葉に疑問を覚えた。
「ん?なにかおかしくない?」
「え?なにが?」
「羨ましいなってななこお姉さんまだ結婚してないと思うんだけど」
「え?しらんの?ななこさん今度結婚するってよ?俺の親父が言ってた」
坂本くんのお父さんはななこお姉さんのお父さんの親友である。そして、そんな言葉を聞いてしんのすけは
「...」
「お、おいどうした?」
「ええええええええええええええええ」
大声で叫んだ。今までにない叫びっぷりで絶望した。
「ななこお姉さんが、け、けけけけ、結婚!?!?」
「あ、ああ」
「そんなのオラ聞いてないぞ!どういうことか説明して!」
「い、いや朝親父が私の親友の娘が結婚するんだななこさんというのだが結婚式に招待されてな、お前の席もあるのだがこれるか?って聞いてきて...」
「ひええええええええええええ」
「お、おちつけって」
「落ち着いていられるか!大変だぞ!というかオラななこお姉さんが付き合ってることすら気づかなかったのにいいいいいいいい」
その場で泣き出しそうになる。
「お、おいしんのすけ」
「坂本くん、聞かせてくれてありがとうオラもう生きていけない。死ぬ」
「おいおいおい早まるなって!」
「無理だよ、ななこお姉さん...うぅ...」
「ほら、まあ歳も離れてるし、というかななこさんがむしろ今まで婚約しなかったのにも理由があるんだろ。あんな美人な人すぐ結婚しちまうのにさ」
「確かにそれもそうだぞ、でも...」
しんのすけが絶望していると放送が入る
ピンポンパンポーン
「2年F組野原しんのすけ君いたら職員室まで来てください、繰り返します......」
「お、オラ?」
もう職員室どころかこの場から動きたくない衝動に駆られるも職員室まで向かう。
「失礼します...」
「ああしんのすけ君」
「どうしましたか...」
「なんだか元気ないね」
「ええ、もう死にたいです」
「えっ?いや早まらないでくれ」
「それで何の用でしょう?」
「迎えが来てるみたいだけど、しんのすけ君のお友達かな?よんで欲しいと言われて」
「オラの友達?」
「ああ、1時間前くらいから正門に立ってたから聞いたらしんのすけ君のことを待ってるそうで、いま客室にいるから会いに行ってあげなさい」
「は、はあ...」
(友達って誰だぞ?)
しんのすけが客室に向かうと驚くべき人物がそこにいた。
「あれ!?つばきちゃん!?」
「あ、しんのすけ君。ごめんなさい、なぜか向かいに行かなきゃって思っちゃって...」
口が開きっぱなしで閉じようとしない
「つばきちゃん、帰ろっか」
かろうじてそんな言葉が出た。
そのあと先生にはうまいこと説明することができた。帰り道につばきちゃんと公園で少し話をした。もちろんかーちゃんに知られたくないからだ。
「つばきちゃんはいま自分のことどれくらい思い出せる?」
「えっと、年齢と前にやってた仕事みたいなものかな」
「仕事?」
「うん、なんか家の掃除とか、お客さんのお見送りとか?」
「へぇ」
どんな仕事だということはあえて聞かずに次の質問をした。
「つばきちゃんは帰りたいと思う?」
「どういうこと?」
「元いたお家に帰りたい?」
「うーん、どうなのかな。お父さんやお母さんはきっといい人なんだろうけどよくわからないから、そこまで帰りたいとは思わないな。あ、でもしんのすけ君のお家には迷惑かけられないからいつか出て行くつもりだけど...」
「迷惑なんかじゃないぞ!」
急に怒鳴ってしまいつばきちゃんがビクッとする。
「ご、ごめん」
「いやいいよ。逆にしんのすけ君は私に出て行って欲しくない?」
「出て行って...」
欲しくないと言おうとしたが、自分の気持ちが悟られないように言い換えた
「出て行けとは言わないぞ。オラの家は迷惑はしてない。とーちゃんもかーちゃんもひまわりも、みんなつばきちゃんのことを歓迎してる。だから、元いたお家が見つかるまでずっとオラの家にいるといいぞ」
「しんのすけ君...」
少しの沈黙が続く。それを解き放とうとなんとか話を見つけようとする。だけど話ができない。緊張していた。
「「...」」
沈黙を破るように当たりが真っ赤に染まる。
「綺麗だぞ。夕焼け」
「そうだね」
また沈黙が訪れる。
「ねえ、しんのすけ君?」
「なっなんだぞ!?」
急に話しかけられ裏声になってしまう。
「私ね、最近変な夢を見るんだ」
「変な夢?」
「うん、しんのすけ君にそっくりな小さい子がね友達4人を連れて私のことを守ってくれるの」
その言葉を聞いた瞬間しんのすけは目を見開き固まった。心臓が止まるかとさえ思った。
「その先は思い出せない。また今度思い出したら話すねしんのすけ君」
「...」
驚きすぎて固まってしまっている。まさかそんなはずはない、自分が知ってるつばきちゃんは映画の中の住人であり、この世に存在しないと自分に言い聞かせる。
「しんのすけ君?」
考え事をしているのを悟られないように
「つばきちゃん!しんのすけ君じゃなくてしんちゃんでいいぞ!」
「え?」
「一緒に住んでるんだからもっと軽く行かないと!」
「え、じゃあしんちゃん。これからもよろしくね」
「うん、つばきちゃん」
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