二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ガンダムビルドファイターズ BE INSEPARABLE
日時: 2017/10/06 05:07
名前: 深海 みう (ID: 5baqXAnk)

初二次創作です…どうぞお手柔らかに((
今作はゾリアくんとのコラボ作品です。

・深海 みう
著、設定

・眼球院ゾリア
MS関連、設定

ゾリアくんに…Special Thanks!



【登場人物・随時更新】

-アカシ・レイナ(15)
主人公。高校1年生
自由奔放で案外熱血なガンプラ大好き少女。趣味は、ハヤテに特注で作ってもらったガンプラをAIパイロットに乗せてバトルすること。
ガンプラ作りは、素組にスミ入れが限界。
女の子だけど、ガンプラは可愛さよりもかっこよさが大切。

-ヤナギ・ハヤテ(15)
同じく主人公でレイナの幼馴染。
負けず嫌いで努力家。ファイター、ビルダーとしての腕は高く、近所ではなぜかダークホースと呼ばれている。かっこいいものが大好き。

-おじいちゃん ことイセ・リュウイチ(63)
レイナとハヤテを小さい頃から見守ってきた、老舗の模型店を営むおじいちゃん。
優しそうな容姿とは裏腹に、熱きガンプラ魂を内に秘めている。二人には、どこまで成長できるのかと期待を寄せている。

-カナギ・ケイ(18)
レイナが所属する模型部の副部長。レイナを気に入っており、二人でよくバトルしている。

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Re: ガンダムビルドファイターズ BE INSEPARABLE ( No.1 )
日時: 2017/10/06 05:08
名前: 深海 みう (ID: 5baqXAnk)

「ガンプラ」
テレビアニメ 機動戦士ガンダムのプラモデルを指す言葉である。
10年ほど前に、PPSE社によりプラフスキー粒子を利用しガンプラ同士でバトルする「ガンプラバトル」が開発されたことにより爆発的な人気を遂げ、今では全世界で愛される玩具となった。
今でももちろん、子供から大人まで性別問わず絶賛人気流行中だ。

そんなガンプラに熱を注ぐ、

少年少女の奮闘記。

Re: ガンダムビルドファイターズ BE INSEPARABLE ( No.2 )
日時: 2017/10/06 05:53
名前: 深海 みう (ID: 5baqXAnk)

1 崩れた日常

「んー!今日もいいバトル日和だぁ!」
私の名前はアカシ・レイナ。ガンプラバトル大好きな高校1年生!
と言っても、私がバトルするんじゃなくてAIにさせてるんだけど…

新聞を取りに外に出ると、私を歓迎するかのように小鳥のさえずりが聞こえてきて、風が優しく頬を撫でる。
雲ひとつない、素晴らしい快晴だ。

新聞片手に家の中に戻ると、ご飯を食べて着替えて顔を洗い服を着る。
この流れに慣れてしまっているのか、親はもはや何も言ってこない。
ここまでの流れを素早くこなせることが、密かな自慢だったりするんだ…えへへっ

「いってきまーっす!!」

小さなポーチを持つと、駆け足で家を飛び出した。
私が駆け足で向かっているお店は、必ず週に4回は足を運ぶ老舗の模型屋さん。
たとえ学校があろうと、部活の日以外は必ず立ち寄るのだ。

なんで女子高生がそんな渋そうなところに行くのかって?
そんなの…ガンプラバトルに決まってるじゃない!!

自分が作ったガンプラにアニメに登場するパイロットを搭乗させてバトる。それがたまらなく楽しいの。
それだけじゃなくて、相手のパイロットとの駆け引きとか、アニメの中じゃ絶対にありえない組み合わせで戦えるのが、この上ない緊張感とワクワクを与えてくれる。


「じいちゃんおはよー!」
「今日も元気じゃな。おはようと言うても、もう11時じゃが…」
「まあ、そこは気にしないでよねっ」
「ほれほれ、早よ行ってやらんかい。今日も挑戦者がお待ちじゃぞ」
「ほいさー」

ここを経営しているおじいちゃんはいつも優しくて、私が初めてガンダムに興味をもってガンプラを買いに来た時には、いろんなことを一から優しく教えてくれた。
今では大切な家族のような存在なんだ。

ガンプラが敷き詰められたの棚の間を抜けお店の奥に行くと、そこにはバトルシステムが設置されたバトルルームがある。
ドアの前で男の子がこっちに向かって手を振っている。よくバトルの相手をしてくれる先輩、カナギ・ケイだ。

「レイちゃんおっそーい!はやくはやくっ!」
「ごめんごめん。今日は新型のお披露目だっけ?」
「そうそう!だから早くバトルしよ!」
「はいはい…バトルシステム、起動するよ」
「来いっ!」

私はバトルシステムの横にある電源を押した。
二人がコックピットのゾーンにたつと、センサーが反応してシステムが起動する。


『Gunpla Battle, combat mode, startup! Model damage level set to C.』


聞き慣れた起動音が部屋に響いた。
この瞬間にゾクッとするのもまた、たまらないポイント。


『Please set your GP Base.』


二人が同時にGPベースをセットする。
GPベースに、AKASHI REINA ν-Rose の文字が表示されあと、自分の名前の部分が新しく書き換えられていく。
新しく刻まれた名前は「Marida Cruz」。ガンダムユニコーンに登場する強化人間で、私のお気に入りキャラの一人。
あの内に秘めた女性らしさに惚れてしまったのだ…!!



『Stage 1, Space. Please set your Gunpla.』


私は手元の台に、ν-Roseを置いた。
名前の通りベース機はνガンダム、Roseは機体の色からとったものだ。 
システムにガンプラが読み込まれ、ν-Roseの目に光が宿ったことを確認するとコックピットから離れる。
すると、コックピットにはマリーダさんの姿が現れた。
「マリーダさん…今日も頼むよ!」

今日も、と入っている時点でどれだけ彼女を選んでいるかはお分かりになるだろう。
システムが発進シークエンスに入り、ガンプラがカタパルトに移る。



『Battle Start!』



システムがバトル開始を告げた。
「ν-Rose(ニューローズ)ガンダム、マリーダ・クルス、出る」
その掛け声とともに、ガンプラがカタパルトから射出された。


「…おかしいな」
マリーダさんが首をかしげる。なぜなら、バトルが始まってからずっと索敵しつつ飛行しているにもかかわらず、全く敵が出てこないのだ。
「こんなこと……なんだっ?!」
遠くの方でいくつかの光の点が瞬いた。
「来るっ!!」
機体を急旋回させた瞬間、ローズが元いた場所に数本の光が迸った。



「これは…」
「ビーム兵器…」
迸った閃光の威力にマリーダさんと私は思わず表情が固まる。


「はっはっは!待たせたね!これが僕の新型…スターフリーダムだ!!」
月をバックに定番の種ポーズを決めている機体は、ストライクフリーダムベースの新型、スターフリーダムガンダムだ。
腰にはハンドガンっぽい射撃武器に、背中には小型の剣、他にも隠してそうだけど…

「遠近両用のバランス型…っぽい?」
「あちゃー、見てすぐわかっちゃうなんてすごいやぁ…そういえば、今日はなんでその機体ファンネル乗せてないんだ?」
…あ、ほんとだ。まあ作ってるの私じゃないし、何でと聞かれてもわからないなぁ…また彼の気まぐれなのかな。
「んー、まあいろいろあるのよ」
「ふぅーん…」
「ファンネルがないνなら…とでも思った?痛い目に会うわよ!!」
「そっちこそ!今までの僕だと思ったら痛い目に会うぞ!!」
私とケイは獣のような目つきで睨み合う。

「僕のガンプラを!」「私のガンプラを…」


「「舐めるな!!」




二人の叫びを合図に、機体が戦闘態勢に入る。
背中のドラグーンからキラキラと光が放たれていて、スターフリーダムが空を駆ける様子はまるで流星のようだ。
機体名にスターがつけられた意味が、少しだけわかった気がした。



「また戦うのか…いけっ!」
フリーダムから射出されたビットがローズ目掛けて飛んでくる。
また戦うのかって…戦う気あるのかな、キラ。

「無駄なことを。機動力は圧倒的にこちらの方が上だ!そんなもので追いつけるはずが…」
そう、機体自体の性能はケイのガンプラよりも圧倒的に上で、追いつけるはずなんてなかった…今までは。

「何っ?!」
ドラグーンがすぐそこまで迫ってきていたのだ。
マリーダさんの操作能力をもっても避けるので精一杯なほどに正確な射撃。今までではありえないこと。

「くっ…」
「言っただろ…今までの僕とは違うと!僕の新型は伊達じゃないっ!」
「あまり調子にのるんじゃないわよ…こっちだって、しっかり改修は施したんだから!!」

…それにしても、ドラグーンの稼働時間が長すぎる。通常なら機体に戻っているはずなのに、威力も速度も落とさずローズを追い続ける。
バルカンやライフルで対応しながら耐えてはいるが、ところどころ機体に破損が出始めていた。

「このままではまずい…ん?あれは…そういうことか!」
マリーダさんが見つけた仕掛け。
それはドラグーンの側面につけられたパネル。ドラグーンから放たれていた光の正体、それは、このパネルに反射した月光だった。
「太陽光と月光を利用して、独立稼働時間を延ばしているというのか」
「そういうことさ。こんな戦い、早く終わらせないと…」
ドラグーンに続き、フリーダムも射撃態勢に入る。
「背中…空いてるよ!」
「しまっ…」
やられたか…と思った瞬間マリーダさんが衝撃的な言葉を発した。

「シールドビット展開!!」

…?!この機体にシールドビットなんてないはずなのに!
機体の肩からビットが離れ、ローズの背後でシールドを作る。
「なかなか硬いね…」
「そろそろ終わらせる!」
ローズは、ライフルを捨て薙刀に持ち替えた。


「近接戦闘…近づけもしないのに無茶だよ」
「それはどうかな」
ローズは一瞬溜めの姿勢をとり、次の瞬間、機体が唸りを上げ今までにないスピードで飛翔した。
今までの速度でも相当速かったのに…あの子、どんな改修を施したのやら…

「は、速いっ?!」
ローズはものすごい速度でバルカンと薙刀を駆使しながらドラグーンを落としていく。
「これで…終わりだっ!!」
ローズは薙刀をフリーダムの顔面に突き出すと、そのままヘッドを貫き、肩から斜めに胴体を切り裂いた。

「やられた…」
スターフリーダムは大きな爆発音と共に砕け散った。


「マスター、今回も、いい機体でした」
マリーダさん…ありがとう。彼にも伝えておくね。



『Battle Ended.』


「そんな…新型がやられるなんて…」
「私でも驚いたわ。あんなに性能が上がってるなんて思わなかった…他にもいろんな機能ついてるんでしょ?また見せてちょうだい!」
「もちろんさ!次こそは勝つ!!」




なんだかんだで、お互いの性能の話で盛り上がるのだった。

Re: ガンダムビルドファイターズ BE INSEPARABLE ( No.3 )
日時: 2017/10/06 05:12
名前: 深海 みう (ID: 5baqXAnk)

「今日もまたあの二人でやってんのかよ…よっじいちゃん」
「おお、坊ちゃんもきたか。今日も賑やかくバトルしておるぞ」
「だから坊ちゃんはやめろって何回言ったら…まあいいや。俺も混ざってくるわー」
「おう、存分にボコボコにしてやれい」
「お、おう…」
じいちゃんえげつねぇな…


「おうおう、今日も楽しそうにやってんなー」

ん?!この声は…

「ハヤテ! なんでここに!」
「ハヤテくん! 久しぶり!」
ヤナギ・ハヤテ。私の幼馴染で、先輩のケイ君が尊敬するほどのビルダー兼ファイター。
異常なほどに近接戦闘を好む、近所ではなぜかダークホースと言われるほど有名なファイターだ。

「なんでって、ガンプラ買いに来たらちょうどお前らがいたってとこだよ。どうだ?改装したローズは」
「ハヤテ、どんな改装施したの?!また速度上がってるし、ファンネルないと思ったらビットついてるし!」
「速度上がったっていっても、大会に出てる機体に比べたらまだまだだぜ。ビットは、まあ気分というかなんというか…」
…やっぱり気まぐれなんだ。
「まあ今日のバトル、ビットのおかげで助かったけどね!」
「ならよかったよかった!さすが俺のパーフェクトプラン!!」
えぇ…
全く、相変わらずの自身家ね…
「まあ、そんなことはいいんだ。ケイ、悪いが今日のレイナの相手は俺に譲ってくれねえか?」
「えっ…あ、構いませんよ?俺も新型の改修しないとなんで!」
「お、サンキュー」
「じゃあ僕はこれで失礼します!」

ケイ君がものすごい勢いで模型屋を飛び出していった。
きっと、悔しさとワクワクが混ざって、抑えきれないんだろうな…わかるよ、その気持ち。

「で、急にどうしたの?」
「前から聞こうと思ってたんだけど、お前さ、ずーっとAI乗せてバトルしてるけど、飽きねえの?」
「まさか!飽きどころかますます楽しくなってる!!それに自分でバトルできないし…」
「ふーん。でも、AIのバトルじゃ機体の性能を限界まで引き出すことはできない。俺がせっかく作ってやってんのに、それじゃ塗装も加工もしてる意味ないんだわ」
「そんなことないもん!マリーダさん強いもん!!」
「じゃあ、俺自身が証明してやる。コンピューターは人間に勝てないってことをな!」
「え、AIとファイターってバトルできるの?」
「ちょっといじれば簡単さ。ボコボコにしろって言ったんだ。いいだろ?じっちゃん」
「ああ、構わんよ」

おじいちゃん、いつの間にこんなところにー!!!
ハヤテがシステム操作のコンソールをいじりはじめる。

「いいぜ、やれるぞ」
「了解」

すると、聞いたこともないアナウンスが流れた。


『Gunpla Battle, Extreme combat mode, startup! Model damage level set to C.』


「通しか知らない、裏オプションだぜ!」
「なんでそんなもの知ってんの…」
あとはいつも通りにGPベースとガンプラをセットする。


『Battle Start!』


いつもの掛け声とともに、ローズが射出された。
お願いマリーダさん…ズタズタにしちゃって!!

「おらおらおら!!」
「くっ!」
突然の射撃に反応しきれずに、ローズが数回被弾した。
「マリーダさんよ!今日は俺の愛機、セイバージャスティスが相手だぜ!!」
「…誰であろうと、敵は敵だ!」
すかさずライフルで応戦する。
ちょこまかと逃げ回るジャスティスを物ともせず、いつも通りの正確な射撃で攻める。
「ほう…さすが俺が作ったガンプラだぁ!機動力も申し分なし!!」

コンピューター相手に随分と本気だな…
いつも、すぐ痺れを切らして格闘戦に持ち込むハヤテが、珍しくちゃんと射撃を…あ。

「じゃあ、これはどうだ!!」
ビーム弾を下から上へ切り裂くように連射して、そのままライフルを上に放り投げた。そして、盾も放り出す。振り上がった腕はそのまま背中のシュベルトゲベールを掴んだ。
「させるか!」
「遅い!!」
腕を狙った射撃は空を切り、剣をつかんだジャスティスはまっすぐにローズへと突っ込んでくる。
ローズはさっき同じように猛スピードで旋回した。逃げ回るように空を駆けるローズの後ろを、コンマ数秒の差でジャスティスが尾行している。

「なるほど…ここまでのスピードは出せるか。けど、まだそれは、ローズの限界速度じゃ無い!!」
あっという間にローズに追いついたジャスティスは、一気にローズの前に着き、180度向きを変える。一切の隙もなく剣を構えると、突然のセイバーのお出ましに方向転換し損ねたローズに向かって容赦無く突っ込んだ。
相変わらずの彼の特攻ぶりに、私も呆れてしまう。
顔を貫かれメインカメラを失い、一瞬よろけたローズを見逃すことなく、ここぞとばかりに腕、胴、足と切り裂いていく。

「すみませんマスター…負けて、しまいました…」
ローズが爆発とともに砕け散った。


『Battle Ended.』


アナウンスが流れ、バトルが終わると、隣から小さな拍手が聞こえてきた。
「さすがわしが見込んだ坊ちゃんじゃ」
「まだまだだよ。それに、たかがコンピューター相手に負けるわけないじゃん」
「うむ、それもそうじゃな。…嬢ちゃん、どうしたのじゃ?」
私は、ガンプラ片手にシステムの前で呆然と立ち尽くしていた。
ほぼ秒殺に等しいこのバトルに、なぜか悔しさとはどこか違う感情が湧き上がってきたのだ。

コンピューターではできないであろう、まるで本物の人間のような動き。
華麗な動き、異常なほどの反応速度。大会の中継とかでは見たことあったけど、生では初めて見る光景だった。
きっと私は…ドキドキしてる。私の知らないガンプラバトル。

「ハヤテの…ジャスティスの動き、すごかった…」
「だろ?AIなんて、所詮教え込まれた動きしかできないコンピューター。どうしてもファイターとの実力の溝は埋まらないんだ。お前の知らないところに、俺なんかよりもっと強い、もっとうまいファイターがゴロゴロいるんだぜ!そんな奴らを実際に見て、戦いたくないか?」
「見てみたい。もっと、いっぱい見てみたい!」
「うむ、そうこなくっちゃな!じゃあ、レイナ……1からでもなんでもいい。俺と組んでバトルやらねえか?」
「え…ええ?えええ?!むりむりむり!!」

私は必死に首を振る。
いくら見てみたいって言ったって、それは無理だもん…初めてガンプラバトルをして、ズタボロに負けてガンプラが壊れてるのを見て、その時まだ7歳だったからものすごくショックを受けて……

そのボロボロにされた相手に誘われるなんて…

「トラウマが残ってるかもしれないけど、もうあれから8年経ってるんだぜ?今のお前ならできるさ。それに、俺はお前の本気が見たい。どうも、お前から感じる何かがあるんだ」
何か感じるって…なにそのニュータイプみたいな能力…エスパー…?

「でもなあ…私、本当に全くやったことないよ?あれ以来、全く動かしたことないもん…」
「大丈夫さ!俺が全部教えてやる!」
「でも、足手まといになるかも…」
「だーかーらー気にすんなって!それに、見てるだけじゃつまらないだろ?自分でバトルすれば、もっとワクワクできるんだぜ!!」

なんか、ハヤテの目がいつも以上にキラキラしてる…本気、なんだね。
そこまで言うなら…

「…わかった。こんな私でもできるなら、やるよ。やってみる!」
「よっしゃ決まりだな!」
「よろしくね、ハヤテ!」
「おう!頑張ろうな!!目指せ、大会参戦!!」
「えええー?!」

こうして、しばらくの間マリーダさんとはお別れして、自らのバトル力をあげることになったのだった。

マリーダさん…いつか戦おうね。
その時には、私が勝つから!

Re: ガンダムビルドファイターズ BE INSEPARABLE ( No.4 )
日時: 2017/11/15 21:37
名前: 深海 みう (ID: G/182c4y)

2 ガンプラ・バトル

まさか、自分がファイターになるなんて…
ガンプラを作ること自体そこまで上手でもなく、バトルは小さい頃のトラウマで手もつけられなかった。
ただただ、上手なファイターや好きなキャラクターが戦っているのを見ているのが楽しくて、それだけで満足してた…なのに、そんな穏やかな日常が、幼馴染によって一瞬でぶち壊された。

「これから放課後毎日練習な!」
「はいぃ?!いきなりそれはないでしょ!」
「なーに言ってんだ。どうせ毎日来てるくせに」
「うっ…何で知って…」
放課後に来てハヤテと会ったのなんて5回もないのに…まさか!!
「おじいちゃん?!」
「ほっほっほー」
ものすごく笑顔で、バレたかーみたいな表情してるし、ハヤテは隣で悪そうな笑い方してるし。…何この状況?!

「とにかく、上達には毎日の積み重ねが大事だ。1日に多くのことを覚えようとしないで、毎日少しずつ覚えていく方が楽だし楽しいし確実だからな!俺も今までそうだったし」
俺もって…どう考えても年月の差が激しすぎるね?!
「一番私に合ってそうな方法でいいよ」
「ふむ、めんどくさがりで集中力があまりないお前にはさっきの方法が一番かもな!」
「何それ結構酷いよ?!」
「と!言いたいところだが…」
「はい?」
「じいちゃん、どう思うよ?」
「ふむ…お前の考える本当のプランに賭けてみてもいいかもしれんな」
え、なに?二人は会議済みなの??置いていかれてる感じがすごいよ…

「レイナ、お前って神経衰弱の勝率どんぐらい?」
「え?んー、8割ぐらい?」
「じゃあ、ドッジボールはどれぐらい生き残る?」
「ほぼ最後までかな」
「体力テストのランクは?」
「A!」
何この質問?こんなのが何の役に立つの?!
「なるほどな。…じゃあ、その記憶力の良さと運動神経の良さ、逃げ足の速さに賭けて、俺のパーフェクトプランを授けよう!」
出たな、ハヤテのパーフェクトプラン……嫌な予感しかしない!てか、あんな質問だけで判断して大丈夫なの?!

「なるほどな。きっと嬢ちゃんなら応えてくれるじゃろう」
「ああ、レイナならいけるさ。そのプランの名は…アウェイクニングプラン、だ!」
「アウェイクニング?なんか聞いたことあるかも…あ、劇場版00のやつ!」
「お、よくわかったな。意味は、覚醒。お前を真のファイターに目覚めさせるための計画…俺とじいちゃんで作ったお前専用のプラン!」
私専用…もう、私を説得できる前提だったんだ。これだから、自信家って…

「って、おじいちゃんいつの間に関与してたの?!」
「ほっほっ…坊ちゃんに頼まれたって言うのもあるが、小さい頃から見てて気になったんじゃ。嬢ちゃんがガンプラを見つめている時、どこかガンプラと会話しているように見えてな。もしそれがお主の隠れた能力であるならば、使わないのは勿体無いと思ったんじゃ。まあ、嬢ちゃんが戦っているところを見てみたい、と言うのも本音じゃがな」
ガンプラと会話する…?なんか、夢みたい。
「もしその能力が使えたとしたら、アシムレイトすら凌駕できるかもしれない」
「私がそんなことできるのかな?」
「今はまだできないだろうな。でも、それをできるようにするのがこの計画。その能力自体が使えなくとも、それと同等のものは授けてやりたいところだ」
なんかすごいなぁ…自分では気づかなかったことが、こうやって周りの人にはちゃんと見えるんだ。
おじいちゃんもハヤテもここまで真剣になってくれてる。頑張らないと…

「ハヤテは何かできるの?」
「アシムレイトとまではいかないが、機体性能と俺の運動神経を同化させて機体性能のリミッターを外すことで、速度を限界まで上昇させることならできるぞ」
「あれ、なんで速度だけなの?機体性能が上がれば、攻撃とかも強くなりそうだけど」
「何でだろうな…俺もわからないんだ。多分、俺が速さばかりを求めているからだろうな。将来、誰よりも速く遠くまで飛びたい」
「なんか意外かも。強さを求めてるのかと思ったら速さだなんて」
「正直なところさ、強さや力はあってもなくてもどっちでもいいんだ。持ってるに越したことはないけどな。でも、速さだけは譲れない。誰よりも速く飛んで、一番乗りで新しい景色を見たい。そんでもって、お前にも見せてやりたい」
ハヤテってすごいなぁ…小さい頃からお父さんの影響でガンダムが大好きで、ガンプラ作るのが本当に上手で、こんなにしっかり目標を持ってる。
幼馴染で小さい頃からハヤテを見てきたけど、いくら今から特訓したって追いつける気がしない。大会に出たいみたいだけど、ちょっと心配だな…

「お前は何か手に入れたいものはあるか?」
「んー、なんだろう…やっぱりバトルに勝てる力かなぁ」
「なるほどな…俺と相性良さそうだな!」
「う、うん?」
「何でもないぜ!」
なんか、また目が輝き始めたぞ…?
「んじゃ、ひとまず今から特訓開始だな!」
「お、お手柔らかに…」
「多分、いきなりローズ使うと性能に振り回されてまともに練習すらできないだろうから、ひとまず手入れてないやつ使うか。んー、なんかちょうど良さそうなのあったっけな…」
「ひとまず、自分で作ってみたらどうじゃ?嬢ちゃん、素組と墨入れぐらいはできるじゃろ?」
「うん、それぐらいなら大丈夫だよ」
「じゃあ、最終的にローズ使うことを考えると、それに近い機体を選んだ方がいいな」
「嬢ちゃんや、最初に選ぶガンプラ代はわしからの奢りじゃ。好きなのを選ぶと良いぞ」
「え、いいの?!」
「いいんじゃよ。嬢ちゃんのファイター入門記念じゃ。ほっほっほ」
おじいちゃん…いつも何から何まで本当に優しい。
頑張って結果残せるように、特訓頑張らなきゃ!
「んじゃ、お前のこれからの相棒、選んでこい!」
「了解なのです!」
私は今までにないワクワクを楽しみながら、ガンプラを模索し始めた。


「おーい、決まったかー?」
「色々考えたんだけど…やっぱりνかなーって」
「お前、本当にν好きだな」
「だってかっこいいんだもん!それに、この機体が一番戦ってて楽しそうだもん!」
「まあ、決まったなら早速作ろうぜ!」
「ちょっと待った!!」
「んへ?」
ちょ、んへって何!!ハヤテってこんな気の抜けた声出るんだ!心の中で笑いが止まらないよ…
「私、お腹減ったんだけどぉ…」
「あぁ、もうお昼じゃん。なんか食いに行くかー?」
「うん!もうぺこぺこだよ…はやくはやく!」
「じゃあじいちゃん、ちょっと飯食ってくるわ」
「おう、しっかり食べて特訓に備えるんじゃよ」
「「はーい!」」

私とハヤテは、財布とスマホだけ持って店を飛び出した。


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