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妖怪ウォッチ エンふぶ小説
日時: 2018/01/07 21:00
名前: 加藤 芙佳 (ID: GlabL33E)

 こんにちは!
今回は、妖怪ウォッチのキャラクターで、小説を書いてみました。
妖怪ウォッチを知っている方は、是非読んで見て下さい。
(実際にはないオリジナル場面あり)




 「いってらっしゃーい。」

 妖怪たちが形成する、「バスターズ」の車を、いつものように見送ったら、スマホに目を向け、受け付けのデスクに向かっていた。今日もずっと、みんなが帰ってくるまでスマホの画面とにらめっこしているつもりだ。
 
 この子は、ふぶき姫のふぶきちゃん。
この「バスターズハウス」で、受け付けのバイトをしている。

 「はぁ〜・・・。今シーズンずっとお客さんが増えないわ。」

 と、言いながらも、面白いアプリを見つけたのか、小さく「フフフ」と笑っている。客が増えないことよりも、どんなアプリなのかを気になっているようだ。もっとも、ふぶきちゃんが一番気になっていることは、もっと他の事情なのだが。
ふぶきちゃんが眠くなって、うとうとしている時ー。

「よっ、ふぶき!おいしいケーキ持って来たぜっ・・・って、ありゃ?」

 静かに寝ようとしている時に、いきなり バンッ! と大きな音が鳴ったから、ふぶきちゃんは思わずデスクにおでこをぶつけてしまった。

「っっっいった・・・もう、エンマ!でっかい音立てて入ってこないでよ!」
「ハハ、悪い悪い・・・。まあ、そんなことより遊びに来たぜ。」

 この人は、妖魔界の王のエンマ大王。
補佐を務めるぬらりひょんの目を盗み、時々こっそり抜け出し、ふぶきちゃんが一人の時に、ここにきている。最近は、時々ではなく、ちょくちょく、だが。

「あんた、ここに来たの何回目?てか、三回に一回は窓から入ってくるよね。」

 一昨日は窓から入ってくるはずだったが、前回に足を引っ掛けて転びそうになったのだ。だから、恐怖感を感じたのか、2日続けてドアから入って来た。でも、玄関(?)を知っているはずなのに、わざわざ窓から入ってくるなんて、おかしな人、と、ふぶきちゃんは思っている。

「で、そのケーキ何?」
「何だと思うか?」
「・・・・・・・・ま、まさか、アレじゃないでしょうね・・・?」
「まさか」
「・・・・・」

 まさか、の一言をいったエンマ大王を見て、哀れみの目をして、ふぶきちゃんが言った。

「その顔と口で言う?普通」

 実は。前々前々回ぐらいに、今回と同じようにケーキを持って来た。妖魔界で買った物だ。それを、ふぶきちゃんが食べて見たら、おいしいのは見た目だけで、とんでもなくまずかった。それを思い出したのか、エンマ大王が持って来たケーキを疑った。

「大丈夫だって。今日は人間界で買ったぜ。」
「はいはい」

 二人は三回の談話室に行った。エンマ大王の向かい側に座ると、ケーキの箱を開けた。

「わぁ・・・」

見た目は少しシンプルだが、見ただけでも美味しいのが分かる。ケーキの王道、ショートケーキだ。
ふぶきちゃんは、さっそく少し切ってパクっ、と食べた。

「・・・おいしい・・・!」
「そうだろ」

 今までエンマ大王が買って来たケーキの中でも、一番美味しいかもしれない。それを考えたら、良い人だな、と思う。

「ふぶきに喜んでもらえて良かったぜ」
「あ、あたしに?」

 ふぶきちゃんは、頬がピンク色に染まる。こんな事を言われたのは初めてだった。

「そ、それ、どういう意味?」
「オレが買ったやつ、ふぶきが美味しいって言ってくれて嬉しいってこと」

エンマ大王は笑った。
ふぶきちゃんは、エンマ大王の言葉にますます頬が赤くなる。ふぶきちゃんは、下とエンマ大王を代わりばんこに見て、不満じゃないけど、そんな顔で言った。「キラ雪姫」は、結構ツンデレなのだ。

「な、何よ・・・。」
「え、え・・・。」

 さすがのエンマ大王もちょっと戸惑った。それが、意味の分からない質問をされたせいか、照れているふぶきちゃんの顔のせいか分からなかった。
 一方ふぶきちゃんは、顔だけでなく、頭から湯気が出そうなほどに、中も真っ赤だった。
(な、何を言っちゃってるの・・・あたしのバカ!)
変な事を言っちゃった自分が恥ずかしい。今は、その事で頭がいっぱいだった。

「ふぶき?顔真っ赤けど、大丈夫か?」

 ふぶきちゃんの心配をし、エンマ大王はすぐ隣に座り、ふぶきちゃんの額に手を当てた。

「ちょ、ちょ、ちょっと!」
「ふぶき、スゲェ熱いけど?」
「あんたに心配されなくても大丈夫よ!」

ふぶきちゃんは、顔をリンゴみたいな色に染めて言った。

「・・・それより、このケーキ、どこで買ったの?」
「うーん・・・忘れた!」
「何それ?」

 実は、妖魔界には、花言葉ならぬ「ケーキ言葉」、のようなものがある。ちなみに、ショートケーキは
「愛」。
ふぶきちゃんは、それを思い出し、ドキドキした。

「ん?ふぶき、どうかしたか?」
「どうかしてるのはあんたの方でしょ!」

 ふぶきちゃんは思わず口に出してしまった。ヤバッ。そう思った。
 ふぶきちゃんがあたふたしてる内に、エンマ大王が、ふぶきちゃんのために買ったはずのケーキを半分くらい食べていた。

「うん?て、あああ!」
「ああ、すまん。うまかったから、つい・・・。」



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