二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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それは、最強の拒絶をも焼き尽くす暴力──
日時: 2018/01/09 12:57
名前: Lost (ID: n6vtxjnq)

そこはネルフ本部。
目前には使徒。
そして大破した弐号機。
自爆攻撃を仕掛けた零号機。
まずい。
初号機が動かせない今、手が残っていない。
碇シンジは戻ってこない。
もう、だめか。
その場の全員がそう思った。
せめて、刺し違えてでもサードインパクトは防ごうと指示を出しかけたその時。
「……あー、あ……っと、聞こ…るかな?」
突然陽気な口調で何者かが音声を送ってきた。
何者だ?しかし、この状況で通信なんて…
そう思いながらもこちらも通信に応じる。
「こちらはNERV戦術作戦部作戦局第一課、葛城ミサトです、そちらの所属は?」
どこの所属だ?こんな事態で機能しているところなんて…
「ごめん!時間無いから用件だけね!今から地上に空いた大穴からヘリを二機降ろすから、注意を引けないかな?」
そんな無茶な。こちらの戦力は全滅だ。
「注意を引くだけでいいんだな?」
口を開いたのは碇司令だった。
「そうすればこっちは上手くやるから!それじゃ、頑張ってねー!」
「碇司令!?注意を引くと言っても…!」
ここにはエヴァしかない。しかもそれもさっき全滅して…
「初号機を出せ。パイロットは乗せなくていい」


「じゃあ行こうか!ギャハハハハ!」
そう言って彼─「主任」のACを載せたヘリが穴から降りて行く。
「ちょっと、これほんとにお金貰えるんでしょうね!?」
悪態をつきながらも後に続くロザリィ。
そして降りたその先には、棒立ちのエヴァ初号機。
「なるほどねえ、考えたもんだ…それじゃあ、そっちはそこの影で待機してな」
そう残して「主任」のヘリは更に遠くへと移動する。
ロザリィは言われた通り、影にACを降ろし、穴に戻っていった。


「ここらでいいよ、キャロりん」
指示を受けた主任のパートナー、キャロルがACを降ろす。
「おーおー、食い付いてるねえ」
その向こうでは使徒がエヴァ初号機を攻撃していた。
「仲間外れは良くないなあ、俺も入れてくれないと」
そして主任はそのACの背部に搭載した巨大な砲身を展開していく。
ヒュージキャノン。
莫大なエネルギーをチャージし放つ、規格外兵器。
それを構え、チャージを開始した。


「何!?さっきのヘリが向かった方面から…光が!?」
光が強すぎて光源しか見えないが、モニターには人形兵器が映し出されている。しかしエヴァよりずっと小さい…あんなものでなんとかなるのか?
「何をするつもり!?」
通信を開き、罵声にも近いような声で聞いた。
何が起ころうとしている?
「いやいや、ちょっとお手伝いをね!」
その瞬間、莫大なエネルギーの塊が放たれた。
それは使徒のATフィールドを次々に破壊していき─
─あと一枚、というところで止まった。


「ありゃ、ダメだったかな?」
すかさず使徒からの反撃がくる。
ヒュージキャノンを撃つため全てのエネルギーを消費するため、避ける手段は無い。
「あとはお前の仕事だぜ…」
瞬間。主任の機体が大破した。
「イ……ュラ…」
ノイズまみれの音声。そして最後に
「ギャハハハハハ!アーッハハハハハ!」
と、狂ったように笑いながら、機体は爆発した。


「パージします」
こいつを使うのに左腕が邪魔だ。
「不明なユニットが接続されました。直ちに使用を停止してください」
グラインドブレード。
巨大なチェーンソーのような刃を六つ並べ、高速回転させることによって敵を粉砕する武器だ。
当然正規の規格ではない。それを知らせるエラーメッセージがCOMから吐き出される。
刃を回転させながら影から飛び出した。
それに気付いた使徒は慌ててATフィールドを張り直す。
しかし既に遅い。その刃は使徒のATフィールドを突き破っていた。
しかしコアを守る堅い防壁に阻まれた。
もう一度だ。
再び刃は回り始める。
それと同時に、膨大な熱量に耐えきれなくなった頭部パーツのカバーが開いた。
まるで咆哮をあげるように。
そして二回目の攻撃。
そのコアはもう、原型を留めてはいなかった。

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