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桜舞う季節(D.C,ダ・カーポ)新しい小説7月19日投稿
日時: 2018/07/19 12:43
名前: 千早 (ID: vy7q..0J)

ここでは、D.C,ダ・カーポの小説を書きます
始めは、小学生編です
凄く駄作ですがそれでも宜しかった呼んで下さい

小学生編
第一話

>>1

第二話

>>2

Page:1



Re: 桜舞う季節(D.C,ダ・カーポ)新しい小説3月18日投稿 ( No.1 )
日時: 2018/05/31 07:18
名前: 千早 (ID: AJSrsss3)

D.C(ダ・カーポ)の芳乃さくらの視線から見た作品です
この芳乃 さくらは、小学3年生です

〜桜舞う季節〜
〜小学生編〜
〜第1話〜

ボクには昔から居場所がなかった。
外国にいた時は日本人とのハーフのせいか他の人と距離を感じていた。
だからそれから逃げるようにボクはおばあちゃんの住んでいる初音島にやって来た。
でもココでもおばあちゃんのことや自分のことでボクは、虐められた。
ボクの事はともかく大好きなおばあちゃんの事を悪く言う人は許せなかった
だからそんな人といつも喧嘩した。
でも女の子のボクは男の子に勝てるはずがなかった。
それでいつも負けて泣かされていた。

「聞いたよ、また男の子と喧嘩したんじゃってね。
男の子と喧嘩したら駄目じゃよ。
さくらは、女の子じゃからさ」

縁側に座っているおばあちゃんの膝の上にさくらが座っていた。
おばあちゃんは、さくらを抱きしめながらさくらに注意した。

「だっておばあちゃんの事を悪くいうんだよ。
それがどうしても許せなかったんだもん……」

さくらは、ほっぺたを膨らませておばあちゃんを見上げながら不満を伝えた。

「そんな餓鬼の戯言なんか言われてもわたしゃ、気にせんよ」

おばあちゃんは、そう言うと顔をしわくちゃにして微笑んでボクの頭を撫でてくれた。
ボクはお婆ちゃんのしわくちゃに微笑んだ顔と撫でられるのがとても好きだった。

「おやっ、いつもの子が来たみたいじゃね」

おばあちゃんは、誰かに気付いたように庭の外を向いた。

「えっ……?」

さくらは、おばあちゃんが向いた庭の外の柵の方を向くと知らない小学3年生くらいの男の子が立っていた。

「そいつは、誰……?」

男の子は、ぶっきらぼうに離すとさくらを少しだけ睨むように見つめた。

「この子はね、あたしの孫ちゃよ。
ほら、いつも面倒を見ている音夢ちゃんの妹みたいに仲良くしてくれぬかね?」

おばあちゃんは、さくらの頭を優しく触りさくらのことを男の子にお願いした。

「あんなの妹じゃないやい!!」

男の子は、自分の両手を握りしめて怒ったように大声を出した。

「お婆ちゃん……怖い……よ…………」

ボクは、男の子の怒った姿がとても怖くてお婆ちゃんの後ろに隠れた。

「まったくなんだよ……」

男の子は、さくらの怖がった様子を罰悪そうに地面を蹴った。

「まったくしかたがないね。
あたしゃ知らないよ。
後は、二人でどうにかおし」

お婆ちゃんは、仕方がなさそうにため息を吐くと目を瞑って眠ってしまった。

「そんな……おばあちゃん、ボクを見捨てないでよ……」

ボクは、その子の事がとても怖くて泣きそうな目で涙をうるわせようとした。

「は〜〜……そんなに怖がるなよ……」

男の子は、面倒くさそうに自分の頭をかきながらさくらに近づいた。

「ボクを虐めない……?」

さくらは、涙で目をうるわせながらおばあちゃんの後ろから男の子を見つめた。

「お前は、虐められているのか?」

男の子は、驚いたようにキョトンと首を傾げた。

「う、うん……」

さくらは、小さく頷いて小声で返事をした。
もう、嫌だ……家でも苛められるなんて……
ボクは悲しくて泣き出しそうになった。

「あ〜〜うざい!
もう泣くなよ!!」

男の子は、右手をさくらの前に出すと手を握りしめてから手を開くと手のひらの上に饅頭が出てきた。

「あっ、お婆ちゃんと同じだ……」

さくらは、驚いたように男の子が出した饅頭を見つめた。

「なんだ、つまんねえの、知っていたのかよ……」

男の子は、つまんなそうに呟くと饅頭をさくらの方に向けた。

「ほら、え、えっと……お、お近づきの印だ」

男の子は、たどたどしく話すとにっこりと笑った。

「わ〜〜饅頭をありがとう〜〜」

さくらは、男の子から饅頭を受け取ると嬉しくてつい笑顔になった。

「なんだ、笑った顔の方が可愛いじゃないかよ……」

男の子は、さくらの笑顔を見て恥ずかしそうに顔が赤くなりました。
でもなぜ顔が赤くなったのだろう?
ボクは、不思議そうに首を傾げた。

「そう言えば自己紹介がまだったな。
俺の名前は、朝倉純一だ」

純一お兄ちゃんは、すがすがしいほどにかりと笑った。

「純一お兄ちゃん……」

ボクは小声で純一お兄ちゃんの名前を囁いた。

「ボクの名前は、芳乃……芳乃さくら………」

さくらは、恥ずかしそうに顔を赤らめてたどたどししく自分の名前を紹介した。

「さくらってさくらんぼうみたいだな……
そうだ、これからは、さくらの事をさくらんぼうと言うな!」

純一は、さくらの名前を聞いて考え込むと思いついたようにさくらのことをさくらんぼう言う発言をした。

「なっ、さくらんぼう!?」

お兄ちゃんのネーミングセンスに驚いて大声を叫んだ。
でもさくらんぼうなんてあんまりだよ〜〜

「よろしくな、さくらんぼう」

お兄ちゃんは、ボクの頭を優しく撫でてくれた
お兄ちゃんに撫でられた感触は、乱暴だったけどボクは不思議と嫌でなかった。

「うん、よろしくね、お兄ちゃん」

さくらは、純一お兄ちゃんににっこりと笑いかけた。

「さくらんぼう、遊びに行くか?」

純一は、立ち上がるとさくらの方を向いた。

「えっ、ボクと遊んでくれるの……?」

さくらは、驚いて立ち上がった純一を見つめた。

「ばあちゃんに頼まれたしな……
まぁ、かったるいけどさ……
だから特別に秘密基地に案内してやるよ」

お兄ちゃんは、ボクに向かって手を差し出してにかりと笑った。

「うん、ありがとう、お兄ちゃん」

ボクは、お兄ちゃんの差し出され手を握りしめてお兄ちゃんの笑顔につられてにっこりと笑った。
お兄ちゃんと手を繋いだ手があたたくてボクはドキドキした。
ボクは、お兄ちゃんと一緒に家を出るとお兄ちゃんの秘密の場所に走って向かった。

「さくらんぼう、着いたぞ」

お兄ちゃんが大きな桜の木の前でボクの方を振り返った。

「うわ〜〜〜、凄く大きな桜の木だね」

ボクは、桜の木もそうだけれども場所にも感動して目をきらきらさせながら桜の木を見上げた。

「ココは、俺のお気に入りの場所なんだぞ。
俺とさくらんぼうの二人だけの秘密だ。
他の奴には、絶対教えるなよ」

お兄ちゃんは、ボクと手を握りしめたままボクの方を向いてにかりと笑った。

「うん、わかった、ボクとお兄ちゃんの秘密だよね」

ボクは、お兄ちゃんの笑顔につられてにっこりと笑った。

「ああ、そうだ、二人だけの秘密だ」

純一君とボクの二人だけの秘密……
えへへ〜〜お兄ちゃんとボクは、特別みたいで嬉しいな。
それから遅くなるまで遊んだせいで家に帰るのは、太陽がすっかり落ちていた。
次の日学校で意地悪されると思うと辛かった。
次の日、昼休みにボクの教室に純一君が来てくれた。

「よ〜〜さっそく遊ぼうぜ、さくらんぼう」

お兄ちゃんは、教室に入ると大声でボクの名前を呼んで右手を振りながらボクに近づいた。

「お、お兄ちゃん、ど、どうしてここにいるの!?」

ボクは、驚いて立ち上がるとお兄ちゃんを見つめた。

「どうしてってさくらんぼうと遊ぶためだよ。
一応お婆ちゃんにも頼まれたからな」

お兄ちゃんは、気にしないようににかりと笑いボクの机の前に近づいた。

「で、でも……」

ボクは、不安そうに軽く周りを見渡した。
ボクと仲良くしたらお兄ちゃんも虐めれるんじゃないかと思ったからです……

「なんだよ、さくらんぼうは、俺と遊ぶのが嫌なのか?」

お兄ちゃんは、不機嫌そうにボクを睨んだ。

「うんん、嫌じゃないよ。
でも学校でボクと遊んだらお兄ちゃんも虐められちゃうよ……」

ボクは、お兄ちゃんも虐められるんじゃないかと思い辛そうに俯いた。

「そんなの関係ねえよ。
俺がさくらんぼうと遊ぶって決めたんだから。
さくらんぼうは、俺と遊べば良いんだよ!」

お兄ちゃんは、ボクの肩を掴み真剣な表情でボクを見つめた。

「もうお兄ちゃんは、強引だよ……
どうなっても知らないよ、お兄ちゃん」

ボクは、満更でもなさそうに苦笑いを浮かべた。
ボクは、すぐにお兄ちゃんの手を取ると同時にいつもボクを虐めているクラスメートの男の子がボクに近づいてきた。

「なんだよ、お前、さくらと遊ぶなんて変わっているよな。
そんな奴となんかと遊ぶなよ。
もしかしてさくらの事が好きなのか?」

クラスメートの男の子は、意地悪そうにニヤニヤしながら話した。

「なんだよ、もしかしてやきもちか?
さくらんぼう、可愛いだもんな。
お前も一緒に遊んでも良いんだぞ」

お兄ちゃんは、男の子の言葉を気にしないように男の子の肩を軽く何回も叩いた。

「な、なんだって!?
バカ、ちげーよ、誰がこんなブスで根暗と遊ぶかよ!
大体さくらは生意気なんだよ。
外国人とハーフの癖にさ。
さくらなんていなくなればいいんだよ!!」

ボクは悲しくて俯いて泣きそう目に涙をためた。
でもいきなりお兄ちゃんがそのクラスの男子を殴り飛ばした。

「さくらんぼうのことを悪くいうな!
謝れ、謝れよ!!」

お兄ちゃんは、自分の手を握りしめてクラスメートの男の子を恐い顔で睨んだ

「何をしやがるんだ!!」

それからお兄ちゃんとクラスメートの男の子は、殴り合いの喧嘩になった。
お兄ちゃんとクラスの男の子の喧嘩は、先生が止めにはいるまで続いた。
お兄ちゃんがボクの事で本気で怒ってくれたのが嬉しくて涙が止まらなかった。
そして気がつくとボクがお兄ちゃんに恋してる自分に気がついた。

〜続く〜


Re: 桜舞う季節(D.C,ダ・カーポ)新しい小説3月18日投稿 ( No.2 )
日時: 2018/07/20 11:16
名前: 千早 (ID: ZMbBEmTn)

D.C(ダ・カーポ)の芳乃さくらの視線から見た作品です
この芳乃 さくらは、小学3年生です

〜桜舞う季節〜
〜小学生編〜
〜第2話〜
お兄ちゃんがボクの悪口を言ったクラスメートの男の子に腹を立てて喧嘩をした。
お兄ちゃんとクラスメートの男の子の喧嘩は、先生が止めるまで続いた。 
喧嘩で怪我をしたお兄ちゃんを治療するために保健室にきている。

「もうお兄ちゃんは無理しすぎだよ。
ボクは、あんなこと言われても気にしなかったのに……」

ボクは消毒液を綿で濡らしてお兄ちゃんの傷口を消毒した。

「痛っ!?
別にさくらんぼうのためではないぞ。
俺は、あいつの悪口に腹がたっただけだ」

ボクがお兄ちゃんの傷口を消毒するとしみたみたいで痛そうに顔がしかめつらになった。
それは、嘘だとボクには、解った。
ボクのために怒ってくれたことも理解していたから……

「お兄ちゃんは、優しいね……」

そんなお兄ちゃんだから僕は好きになったんだと思った。
ボクは、愛おしそうにお兄ちゃんの顔を見つめた。

「俺の顔なんか見てどうしたんだ?」

お兄ちゃんは、ボクの視線に気がついて不思議そうに首を傾げてどうかしたのか質問した。

「な、なんでもないよ」

ボクは、顔を赤らめて自分の言葉を誤魔化すように大袈裟に首を横に振った。

「ほら、手当が終わったよ」

ボクは、顔を赤らめながら絆創膏を傷口に強く叩くように張った。

「痛〜〜叩くなよ〜〜!」

お兄ちゃんは、ボクに絆創膏を叩いて張られると少しだけ涙目でさくらを見つめ不満を伝えた。

「あっごめんね、でもお兄ちゃんは男の子なんだからこれくらいでさわがないでよ」

ボクは、慌てて両手を合わせて謝ると言い訳を伝えた。

「誰のために喧嘩したと思うんだよ……」

お兄ちゃんは、深くため息を吐いて不満を呟くと昼休みが終わりを知らせるチャイムが鳴り響いた。

「昼休みがもう少ししたら終わるな……」

お兄ちゃんは、寂しそうにしみじみと呟いた。

「うん、昼休みが終わっちゃうね……」

ボクは、チャイムが聞こえてきた保健室の天井に付いているスピーカーを見上げた。

「さくらんぼう、放課後にまた遊ぶから昨日会った縁側で待っていろよな」

お兄ちゃんは、立ち上がりボクの方を向いて放課後の遊ぶ提案をした。

「えっ、あんなことあったのにボクと遊んでくれるの……?」

ボクは、お兄ちゃんを怪我させた事が申し訳なくておろおろしながら控えめに上目遣いでお兄ちゃんを見つめた。

「そんなのは、当たり前だよ。
俺がさくらんぼうと遊びたいんだからさ。
じゃあ、昼休みが終わるから俺は教室に戻るな」

お兄ちゃんは、気にしてなさそうにニッコリと笑いボクとこれからも遊ぶ事を述べて。

「うん、またね、お兄ちゃん」

走って去って行くお兄ちゃんを後ろ姿をどきどきしながら見送った。
お兄ちゃんが保健室のドアを開けるのと同時にお兄ちゃんに聞こえないように小声で「お兄ちゃん、好きだよ」て呟いた。
学校の授業が終わると真っ直ぐに家に帰ると縁側でお兄ちゃんが来るのを待っていた。

「お兄ちゃん、早く来てくれないかな」

僕はわくわくしながら縁側に座りながら足をぶらぶらさせていると庭の木の茂みからお兄ちゃんが顔を出した。

「悪い、さくらんぼう、遅れた、早速遊ぼうぜ」

お兄ちゃんは、楽しそうにニッコリと笑うとボクの方に右手を差し出した。

「うん、遊ぼう、お兄ちゃん」

ボクは、お兄ちゃんの手を取ろうとすると木の茂みの端っこにボクと同じ年くらいの女の子が顔を出していた。
ボクは、女の子が控えめにこちらを見つめているのに気がついた。

「あれ、お兄ちゃん、その女の子、誰なの?」

ボクは、女の子の方を向きながら不思議そうに首を傾げた。

「げっ音夢!家で大人しくしていろって言っただろう!」

お兄ちゃんは、嫌そうな顔をしながら女の子を睨んだ。

「で、でも、音夢もお兄ちゃんと遊びたいから……」

音夢ちゃんが咳をしながらお兄ちゃんを不安そうに見つめていた。
この女の子、音夢ちゃんも直感的にお兄ちゃんが好きなんだと気が付いて胸がずきんと痛くなった。

「嫌だよ、音夢は体が弱いんだから家で大人しくしていろよな……」

お兄ちゃんは、嫌そうに自分の両腕を組んで音夢ちゃんを睨んだ。

「嫌……音夢もお兄ちゃんと遊びたい……」

音夢は咳をしながらお兄ちゃんの服を掴んで涙目でお兄ちゃんを見つめた。

「お兄ちゃん、音夢ちゃんも一緒に遊ぼうよ。
置いておきぼりは、可哀そうだよ」

音夢ちゃんが何だか自分と重ねて可愛そうになりお兄ちゃんの袖を掴んで音夢ちゃんとも一緒に遊びたい事を伝えた。

「は〜〜……さくらんぼうがそう言うならば……
でも体調を悪くしても俺は責任をもたないからな」

お兄ちゃんは、仕方がなさそうにため息を吐くとボクと音夢ちゃんを見渡した。

「うん、ありがとう、お兄ちゃん……」

音夢ちゃんは、嬉しそうにニッコリと笑いお兄ちゃんを見つめた。

「じゃあ、行こう、音夢ちゃん」

ボクは、音夢ちゃんの方に右手を差し出した。

「うん、遊ぼう……えっと……」

ボクの方に差し出した手を見つめてボクの名前が解らないみたいだった。

「ボクの名前は、芳乃 さくらだよ、音夢ちゃん」

ボクは、ニッコリと笑い音夢ちゃんに自己紹介をした。

「うん、遊ぼう、さくらちゃん」

音夢ちゃんが明るい笑顔でニッコリと笑いボクを見つめた。

「さくらんぼう、言っておくが秘密の場所は音夢には教えるなよ」

お兄ちゃんは、ボクの耳元で囁いた。

「えっ?で、でも別に音夢ちゃんにならば教えてもいいと思うのに……」

ボクは、お兄ちゃんの耳元で囁き返した。

「絶対嫌だ、教えたら絶交だからな!」

お兄ちゃんは、怒りを表したように大声で叫んだ。

「えっ?お兄ちゃんと絶交は嫌だよ……」

ボクは、お兄ちゃんに絶交されるのが嫌で悲しそうに目に涙をためて俯いた。

「だったら絶対教えるなよ」

お兄ちゃんは、ボクの涙目で俯いたのを見て優しく言い聞かせるように話した。

「うん、解ったよ、お兄ちゃん……」

お兄ちゃんの優しく話したのを聞いて小さく頷いた。
ボクは、そこまで音夢ちゃんをお兄ちゃんが拒絶するのが解らなかった。

「それならばお兄ちゃん、公園なら良いかな?」

お兄ちゃんと音夢ちゃんと遊ぶ場所を公園を提案をした。

「そこならば良いぞ、行こうぜ」

お兄ちゃんは、ボクの方に右手を差し出した。

「うん、音夢ちゃんも行こう」

ボクは、お兄ちゃんの差し出した右手を握りしめて右手を音夢ちゃんの方に向けた。

「うん、行こう、さくらちゃん、お兄ちゃん」

ボクがお兄ちゃんに握られた反対の右手を音夢ちゃんが握り締めるとニッコリと明るい笑顔でボクとお兄ちゃんを見つめた。
ボクとお兄ちゃんと音夢ちゃんの三人で手を繋ぎながら公園に向かって走り出した。
それから音夢ちゃんは何回も苦しそうに咳をするけれども一生懸命についてきてくれた。
お兄ちゃんは、何でこんなにも一途な音夢ちゃんの事を邪険にするのか不思議でしょうがなかった。
ではお兄ちゃんが音夢ちゃんの事に恋愛感情を持っていない事に少しだけほっとした。
でもそんな事を考える自分が音夢ちゃんに悪いと思い自己嫌悪に落ちた。
それから何回かお兄ちゃん達と遊んで月日がたったある日、その日はお兄ちゃんが遊びに来てくれなかった。
お兄ちゃんの事が心配になりお兄ちゃんの家に遊びに行った。
でもお兄ちゃんの家には、音夢ちゃんが居てもお兄ちゃんは留守だった。
それから公園とか色んな所を探してもお兄ちゃんは、見つからなかった。
途方にくれているとふとある事を思い出した。

「もしかしてあそこかな?」

ボクは、お兄ちゃんとボクの秘密の場所にある大きな桜の木のある所に向か
った。
秘密の場所に着くとお兄ちゃんは、桜の木に寄り掛かり眠っていた。

「お兄ちゃんの寝顔が可愛いな」

ボクは、眠っているお兄ちゃんの寝顔を覗き込むと幸せそうにお兄ちゃんの顔を見つめた。
お兄ちゃんはうっすらと目を開けてボクの顔を見つめた。

「う……ん……さくらんぼうか……?」

お兄ちゃんは、眠たそうに目を擦りながらボクを見つめた。

「うん、お兄ちゃんが遊びに来てくれなかったから心配で探しに来たんだよ」

ボクは、悪戯っぽくニコニコ笑いながらお兄ちゃんを見つめた。

「そうか……俺は、眠っていたんだな……」

お兄ちゃんは目をこすり大きくあくびをすると立ち上がった。
お兄ちゃんが桜の木の陰から咳をしながらボク達を見つめている音夢ちゃんに気が付いた。

「音夢!?何でいるんだよ!
まさか、さくらんぼうが連れてきたのか?
約束をやぶったな!」

お兄ちゃんは、怒った顔でボクを睨んでボクに近寄って来た。

「お兄ちゃん、ごめんなさい。
でもボクは、音夢ちゃんがついて来ているって知らなかったの。
音夢ちゃんとはお兄ちゃんの家で会ったのは本当だけれどもでもすぐに別れたから……」

お兄ちゃんが音夢ちゃんが秘密の場所に来たのがこんなにも怒るとは解らずに涙目でおろおろしながらお兄ちゃんを見つめた。

「ご、ごめんなさい……お兄ちゃんが心配でさくらちゃんの後を付いて来たの……。
だからさくらちゃんは、何も悪くは、ないよ……」

音夢ちゃんは、頭を深々と下げてお兄ちゃんに謝った。

「やっぱりさくらんぼうのせいじゃないか!!」

お兄ちゃんは、怒って拳を振り上げてボクを殴る姿勢をした。

「ご、ごめんなさい………お願いだからボクの事を嫌いにならないで……」

ボクは、お兄ちゃんに殴られると思い目を瞑り涙を流しながら両腕で頭を隠した。

「知るか!むしゃくしゃする!
俺は、もう帰るからな!」

お兄ちゃんは、ボクを殴る前に拳をしたに下げると早歩きで去って行こうとした。

「待って、お兄ちゃん……」

音夢ちゃんが咳をしながら一生懸命にお兄ちゃんの後をついて行こうとした。

「音夢!俺についてくるな!」

お兄ちゃんは、音夢ちゃんに怒鳴ると走って桜の木の場所から去って行った。
残されてボクと音夢ちゃんは、悲しくてわんわん涙を流して泣いた。
それからはお兄ちゃんは、怒りが治まらないみたいにボクの所に遊びに来てくれなかった。
学校でもお兄ちゃんと会えない時期が続いた。
その日は、何時ものようにお婆ちゃんの膝の上で座っていた。
このお婆ちゃんの膝の上が凄く好きだった。

「さくら、最近純一を見ていないけれども純一と仲良くしているのかい?」

お婆ちゃんは、ボクを抱き締めながらお兄ちゃんとは、仲良しているのか質問をした。

「お兄ちゃんと喧嘩した……
きっとボクの事なんか嫌いになったんだよ……」

ボクは、お兄ちゃんに怒られた事を思い出して悲しそうに俯いた。

「さくらの事を嫌いになる人はおらんよ。
さくらは、こんなにも可愛いんじゃからね」

お婆ちゃんは、ボクの頭を優しく撫でて優しく話しかけてきてくれた。

「ボクは、可愛くないよ……」

ボクは、下に俯いて小言で呟いた。

「さくらは、可愛いじゃよ。
なんたってさくらは、私の若い頃にそっくりなんじゃからさ」

お婆ちゃんは、満面な笑みを浮かべお婆ちゃんの若い頃に似ている事をボクの顔を覗き込みながら述べた。

「うにゃ!それならばボクは、可愛くないよ!」

ボクは、驚いたように大声を出した。

「この子はなんてことを言うんだろうね。
そんな悪い言葉を喋るのは、この口か?」

お婆ちゃんは、ボクの顔を両手で引っ張ったり揉んだりした。

「うにゃうにゃうにゃ!
ボクは、可愛いよ。
ボクは、凄く可愛いな〜〜」

ボクは、お婆ちゃんに顔を揉みくちゃにされると慌ててお婆ちゃんの言葉を認めた。

「証拠の写真は、確かあそこにあったはずじゃな」

お婆ちゃんは、昔の物をしまっているタンスの方を向いた。

「うにゃ!写真なんか見なくていいよ!」

ボクは、慌てて大声で叫んでお婆ちゃんの昔の写真を出してくるのを阻止した。
そんなの見せられたらボクは、立ち直れないよ〜〜

「やっぱり写真を出すのをやめておくじゃよ。
あそこから出すのも面倒じゃしな」

お婆ちゃんは、タンスから視線をボクの方に向いて楽しそうにクスリと笑った。

「ほっ、良かった……」

ボクは、心底安心したように胸をなで下ろして微笑んだ。

「私が何時までも一緒に居られるわけには、ないんじゃよ。
さくら、ちゃんと純一と仲直りするんじゃよ」

お婆ちゃんは、困ったように苦笑いを浮かべたボクを優しく抱き締めてくれた。

「そんなの無理だよ……
ボクは、そんなに強くないよ……」

ボクは、辛そうに俯いて小言で呟いた。

「さくらは、困った子しゃね……」

お婆ちゃんは、わしゃわしゃと顔をゆがめて笑いながらボクの頭を撫でてくれた。
そのお婆ちゃんの顔とボクを撫でてくれる手が好きだった。
この時がいつまでも続くと思っていた。
それから数日過ぎたある日、先生が突然教室に飛び込んできた。

「さくら!大変だ、家からお婆ちゃんが亡くなったって連絡があったぞ!」

先生は、ボクの席の前に来て慌ててお婆ちゃんが亡くなった事を伝えてくれた。

「そんな……お婆ちゃんが死んだなんて嘘だよ……」

先生から突然に、お婆ちゃんが死んだ事を告げられて呆然として何も考えられなくてふらって床に倒れて意識を失った。
保健室で目が覚めたボクは、すぐに家に帰った。
亡くなったお婆ちゃんに会ってその現実を受け止められなかった。
ボクは、悲しくて秘密の場所に駈け出して桜の木の前でわんわん泣いた。
いつの間にか後ろにお兄ちゃんが立っているのに気が付いた。
ボクは、涙を流しながらお兄ちゃんの方を向いた。

「お兄ちゃん、どうしよう……
お婆ちゃんが亡くなったの……
ボクは、一人になっちゃったよ……
一人は、嫌だよ。
一人は、寂しいよ!!」

ボクの悲しみをお兄ちゃんにぶつけた。
お兄ちゃんは、ボクにゆっくりと近寄りそのままボクを優しく抱きしめてくれた。

「俺がそばにいてやる。
お婆ちゃんの代わりにずっとそばにいてやる。
俺がさくらんぼうの事を一生守ってやる!」

お兄ちゃんは、ボクを抱き締めてボクの悲しみを和らげるようにボクの背中を優しく撫でてくれた。

「本当にボクのそばにいてくれるの……?」

ボクは、涙を流しながらお兄ちゃんを見つめた。

「もちろんさくらんぼうの側に何時までもいてやる!」

お兄ちゃんは、ボクの肩を触り真剣な表現でボクを見つめた。

「でもお兄ちゃんは、怒っていて……
ボクの事なんか嫌いなんでしょう……」

ボクは、お兄ちゃんに怒られた事を思い出して辛そうに俯いた。

「もう怒ってねえよ!
俺は、そこまで心が狭くねえよ!
それに俺は、さくらんぼうの事が一番大切だからな!!」

お兄ちゃんは、真剣な表現でボクの目を見つめた。

「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん!」

ボクは、お兄ちゃんの気持ちが嬉しくてお兄ちゃんを抱きしめ返すとしばらく涙を流して大声で泣いた。
ボクは、しばらく泣くと涙が流れるのが止まるとお兄ちゃんを離した。

「さくらんぼう、もう大丈夫か……?」

お兄ちゃんは、心配そうにボクを見つめた。

「うん、ありがとうね、お兄ちゃん……」

ボクは、お兄ちゃんのしてくれた事が嬉しくてにっこりと微笑んだ。

「うん、やっぱりさくらんぼうは、笑顔の方が可愛いぞ」

お兄ちゃんは、ボクの笑顔を見て満足そうに頷いてニッコリと笑った。

「お兄ちゃん、あのね……ボクは、お兄ちゃんの事が好きなんだよ……」

ボクは、恥ずかしそうに顔を赤らめてお兄ちゃんに告白をした。

「さ、さくらんぼう!?」

お兄ちゃんは、ボクの告白を聞いて大声を出して驚いた。

「お兄ちゃんの返事は、いいよ。
ボクがお兄ちゃんの思う気持ちを知ってほしかっただけだから……」

ボクは、困ったように苦笑いを浮かべて自分の頰を右手の人差し指でかいた。

「俺だってさくらんぼう事が好きだよ!」

お兄ちゃんは、ボクの肩を触り真剣な表現でボクを見つめた。

「でも音夢ちゃんの事は、どう思っているの……?」

ボクは、音夢ちゃんの事を思い浮かべて辛そうに微笑んだ。

「音夢は、ただの妹だ!」

お兄ちゃんは、声を大きく出して音夢ちゃんの事をどうとも思っていない事を伝えた。

「それは音夢ちゃんの前でも言えるの……?」

ボクは、お兄ちゃんの心を覗き込むようにじっとお兄ちゃんの目を見つめた。

「そんなの当たり前だ!」

お兄ちゃんは、真剣な表現でじっとボクの目を見つめ返した。

「うんん、きっとお兄ちゃんは、言えないよ
そんなお兄ちゃんだからボクは、好きなんだもん」

ボクは、軽く首を横に振り寂しそうに微笑んでお兄ちゃんを見つめた。

「気を使わせてごめんな、さくらんぼう……」

お兄ちゃんは、自分の本心を言い当てられて申し訳なさそうにボクに謝った。

「だから今は、この関係で満足なんだよ。
ありがとう、お兄ちゃん、ボクを好きと言ってくれて」

ボクは、お兄ちゃんに感謝の気持ちを込めてお兄ちゃんの頰にキスをした。
今は、お兄ちゃんの言葉で頑張られると思った。
お兄ちゃんのおかげでお婆ちゃんとちゃんとお別れが出来た。
でもね、お兄ちゃん、いつかちゃんと音夢ちゃんとボクのどちらが好きなのか選んでもらうからね。
〜続く〜


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