二次創作小説(映像)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- スプラ2 元気ヒロインと気弱なヒーロー
- 日時: 2018/04/07 18:09
- 名前: REN-REN (ID: yhkbI.2W)
「はあ、はあ・・・。」
シェルターをパージ(傘を飛ばす事)して、タコゾネスを追いかけるシェル。タコゾネスは素早くて、そうそう倒せない。
傘の柄だけではインクの量が少なく、走り回らなければ当てるのが難しい。
シェルは、込み上げる呼吸のしづらさに苦しみつつも、タコゾネスの猛攻を避け続けている。
(限界だ・・・助けて・・・!)
心から願い、シェルはギュッと目をつぶった。するとー。
バシャアッ!
ドコからともなくインクが振り撒かれ、タコゾネスの足に絡み付いた。予想外の出来事に、タコゾネスが慌てているところを、またもインクが狙う。
悲鳴を上げながら、タコゾネスは魂と化して消えていった。
「シェルターくん、ごめんね!わりと手こずった!」
「いえいえ!お気になさらないでください。こちらこそ、助けていただいてありがとうございます。」
彼女の名前はスロッシャー。3ヶ月前、ひょんな事から『New!カラストンビ部隊』隊員4号となり、地下に住み着く永遠の宿敵であるタコ軍団、通称『オクタリアン』を退治している。
シェルはスロッシャーのパートナーでありサポーター役。2週間前から仕事に務めているが、バトルにも不慣れな為、あまり活躍できないのが悩み。なので、勇ましく闘うスロッシャーを誰よりも信頼している。
(カッコよかったなあ・・・。ああいう風に闘えたら、少しは僕もイカした人になれるのかな?)
「4号、サポーター。お疲れさん。」
彼女等にヘルプと助言をし、ヒーローに抜擢した当人でもあるホタルが、オハギを作って待っていた。
真っ先にオハギに飛び付いてから、スロは「ただいまー!」と返事をした。
ホタルは、いとこ同士のアイドル『シオカラーズ』の1人であり、『New!カラストンビ部隊』の隊員2号でもある。ハイカラスクエアの電力・オオデンチナマズを盗んだタコ軍団を退治するべく、そして少し前に行方不明になった、相方のアオリを見つけるべく、祖父のアタリメに代わり、昼夜問わず捜索を続けているのだ。
「ん!甘くて美味しー!」
「やろ?アタシのオハギは、アタリメ司令のオハギの次に美味しいんやから。」
「そうなんだ!すごいねー!」
嬉しそうに話すスロを見て、シェルは隠れて微笑んだ。
(スロさんが笑ってる。良かった。)
実はシェルは、スロの事が好きだ。頼りにしているのはもちろん、それ以外の感情も抱いていることに気が付いたのだ。立場や関係上、告白なんてもっての外だと思っているが。
(強くなれないかな。きっとスロさんは、弱い僕なんて友達程度にしか思っていないんだろうし。スロさんを守れるぐらい、強くなれたらな・・・。)
思いむなしく、はあ、とシェルは溜め息をついた。
「どうしたの、シェルターくん?元気無いよ?」
ふと見ると、スロが顔を近付けていた。ハッとして、シェルは目を反らす。
今、考えたことを読まれたら・・・と、余計な心配をする。
「あ・・・な、何でもないです!」
「そうなの?無理しちゃダメだよ。」
「ありがとうございます!本当に何でもないですから!」
大ウソだが、こうでも言わなければスロを困らせる。それだけは嫌だった。
「そっか、なら大丈夫だね。」
そう言ったスロは、再びホタルの方を向き、会話を始めた。
そんな中、頬が熱くなるのを感じたシェルは、1人穴に飛び込みたくなっていた。
Page:1