二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- コナン あむあず
- 日時: 2018/05/01 23:24
- 名前: マキ (ID: e2Ia0l.i)
コナンの安室透・榎本梓(あむあず)の話です!
途中、新一・蘭も出てきます。
間違っている所もあるかもしれませんが、最後まで読んで頂くとありがたいです。
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「え!?ちょっ、安室さん?また、どうしたんですか?」
梓は、今までにないぐらい怪我をし、疲れている安室を見てびっくりする。
「……。」「安室さ…ん?」
安室は一言も話さず梓を見る。今にも倒れそうな細い身体、意識がとびそうな目…。
「安室さん。とりあえず何か食べましょ!あ、確かケーキ!ありますよー。」
そう言うと梓は安室を引っ張った。お昼下がりのお客さんが少ない時間帯、バックヤードの少し狭い部屋に二人きりで座る。
「……。梓さん。」
安室が初めて口を開き、告げられた言葉は梓には理解できなかった。
“僕は安室透ではありません”
「へ……?」
もう、情けない声しか出ない。理解できないのだから。
「僕は、3つの名前があります。1つ目は、降谷零。僕の本当の名前、本職で使っている名前です。本職は探偵ではなく、公安です。2つ目は、公安の潜入調査の為に入った悪い組織にいる時の名前、バーボンです。この怪我や疲れはこの組織を潰すのに戦った時にできたんですよ。そして、最後にあなたのよく知っている、安室透。この3つです。」
安室は静かに話すと、にっこり笑った。梓は、あまりにも驚き、混乱して口を大きく開けていた。まだ、頭の整理が追いついていないらしい。「そうだったんですか…。あの、じゃあ…安室…さん?」「はい?」梓は泣きそうな目で安室を見つめて言った。
「今まで、ポアロで優しくしてくれたの、全部嘘なんですか?」
言い終わった頃には、涙が溢れていた。梓は、優しく、かっこよく、いつも笑顔の安室が大好きだった。
JKたちが勘違いして、
「付き合ってるの?」
と、聞かれた時も、マスターに
「いい夫婦だね〜。」
と、茶化された時も、そんな風に見えてるんだと思っただけで嬉しかった。大好きだった。
「安室さんは…。降谷さんは…。私のこと…。」「梓さん。」
安室が立ち上がって、梓の口を塞ぐ。
「梓さん。これだけは言っておきます。僕は確かに沢山の隠し事を梓さんにしていました。でも、僕は、安室透は、降谷零は、100%本心であなたに関わっていました。嘘偽りなくね。」
と、言うと梓の前に来て、梓をしっかり抱きしめた。やわらかい髪に触れて、優しい香りがする髪に触れて、優しく、慰めるように頭を撫でる。安室の腕の中で泣き崩れる梓を見て、
「梓さん、前を向いてください。」
「え…?前?」
その瞬間、安室は梓にキスをした。涙が止まり、ぽかーんとする梓。それを見て笑う安室。
「な、何するんですかー?」「梓さんが泣くのがダメなんでしょう?」「泣いてません。私は。」「いいえ。泣いてました。ほら、僕のワイシャツ濡れてますから。」「え、私知りませんよ〜。」二人は声をあげて笑った。もう、いつもの笑い声。
「こんにちはー!」
突然、誰かの声がポアロの中で響
く。二人が慌てて表に出てみると、工藤新一・毛利蘭がいた。
「蘭ちゃん‼どうしたの?」「この推理オタクがやっと戻ってきたんで一応挨拶に。」「あぁっ!もしかして、例の彼氏さん?」「え!?あ、まぁー。……ねっ?新一。」「んだよ?そういや、降谷さん。告白した?」新一・蘭は一応、降谷(安室・バーボン)のことをすべて知っている。
「え?何で僕がですか?」
梓は横でフラれたと思い、悲しい顔をしている。
「だってよー、ジンに後悔したことは?って聞かれたじゃん。オメーそん時、好きな人に想いを伝えられなかったって言ったよな?」「そうでしたっけ?」
降谷は、わざとらしく誤魔化す。
「梓さんが大好きだってね。」「君こそ、ロンドンで蘭さんに告白した返事、もらってないじゃないか。」
男二人が言い合い、ふと横の女二人を見ると、今にも顔から火が出そうなほど、赤面していた。
「梓さん。正直、あなたが僕を好きなのは、気づいてました。でも僕は、梓さんより前から梓さんのことが好きでした。あなたに気づいてないだろうけど、僕の恋心に気づいてもらうの大変でしたよ。梓さん。いや、梓。俺と付き合ってくれ。……何だったら結婚してもいいですよ。」
とびっきりの世界で1番のスマイルで降谷は言った。
梓は、嬉しくて嬉しくて、勢いよく、
「はいっ!!!お願いします!」
と、言いながら降谷の胸に飛び込んだ。そして、見つめ合って、はにかんで、照れ笑いをして、二人は新一、蘭を差し置いてキスをした。
それを見た蘭は、我慢できなくなり、新一に抱きついた。
「うぉおっ!?どーした?」「バカッ。わかってるんでしょ?」
新一は、戸惑った。告るなら、降谷がいないところがいい。後で何を言われるか、わからないから。
「もしかして、わからないの?新一は。」「バーロー。わかってるぜ。厄介なんだよ。好きな女の心を正確に読み取るってことは、ホームズにだってできねーんだ。」
新一は、そっぽを向いて頬を赤らめながら言った。降谷と梓は、寄り添って、二人の成り行きを見る。
「もうっ!新一は……。ちゃんと言ってよ。」「はぁ!?俺にそんなこと言えってか?」「そうよ!」
蘭は、ほっぺを膨らませて、ふてる真似をした。呆れた新一は、蘭の耳元まで近寄って、
「好きだぜ、蘭。愛してる。長いこと寂しい思いさせて悪かった。」
と、囁いて、ほっぺにキスした。
「工藤君、何言ったのー?」
梓は、気になって仕方ないらしい。蘭に詰め寄っている。
「へー。君は、唇にキスできないんだね。」
降谷が挑戦するような目で見る。
「バーローッ!できるー!」「じゃあ、してみて?」
新一は、唾を飲み込んで、蘭に声をかける。
「蘭。」
そのまま、蘭の手を頭の上で押さえて、壁まで追い込み、びっくりしているところにキスをした。唇と唇をちゃんと重ねて…。
「んっ…。ちょ、新一‼」「工藤君もなかなかやりますねー。まぁ、僕も負けてませんけど。」
そう言うと、降谷は梓を見た。梓は顔が真っ赤になっていた。
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