二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- スプラ2 わかば探偵サクラ
- 日時: 2018/05/13 17:20
- 名前: REN-REN (ID: yhkbI.2W)
私の1日は大抵、鍵の掛かった部屋を脱出することから始まる。最初は大苦戦したけど、今ではお手の物だ。むしろ、こんな簡単な謎解きに苦しんでいた自分が恥ずかしいぐらいだ。
例えば、カーペットの下に鍵が隠されていたり(掃除するのを決めた)、天井に貼り付けてあったり(どうやってそんな所に隠せたのかは不明)。
コレを始めた使用人の『ばあや』(本名・年齢不詳)によると、その日1日の為のウォーミングアップなんだという。そんな事をする暇があったら、ばあやの手作りのホットケーキが食べたいと常々思う。
私、サクラ。15歳、ガール。
これでも一応、探偵の両親から生まれており、私自身も探偵を務めている。
実は両親は事故で亡くなっているが、悲しくはない。小さい頃に泣くだけ泣いたのもあるが、いつまでも引き摺るのは探偵らしくないと、父が常日頃から言っていたからだ。
「お嬢様、今朝も脱出できましたね。おめでとうございます。」
私がリビングに顔を出すと、ばあやは何時もそう言う。未だに子供扱いされているのが気に食わないが、淹れてくれる紅茶が絶品なので許す。私は割とチョロいと思う。
「さあ、どうぞお座りになって。朝食は、お嬢様の大好きな蜂蜜入りフレンチトーストですよ。」
その時、パッと表情が明るくなったのが自分でも分かった。普段は殆ど無表情の私を見て、ばあやが微笑んだからだ。
「はよーっす。」
「お坊っちゃま、お早う御座います。昨夜はよく眠れましたか?」
「ん、まあ上々。」
彼奴は、幼馴染み兼助手のナツキ。昔から仲が良いが、私が1人になって、会う機会が格段に増えた気がする。
実は、彼奴も此処で暮らしている。ご両親は健在だが、あまり仲が良くないそうだ。幼馴染とはいえ、ナツキの家に上がった事は其処まで無く、よく知らないのだが。
「またボリューミーだな。こんなの食べて、よく肥えねーな。」
フレンチトーストにフォークを刺して口に運びながら、私は頷いた。コレだけは別腹なのだ。
「蜂蜜の量多いな、甘すぎだろ。」
「ならば、私が全部食べてやるが?」
「止めろ、腹減ってぶっ倒れる。」
・・・とまあ、私達はこのように過ごしている。平和そうに見えるが、実は結構忙しいのだ。とは言え、そこの君も困った事があれば、この事務所に来て私達を呼んでほしい。何時でも力になろう。
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