二次創作小説(映像)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- カゲロウデイズ
- 日時: 2019/05/21 10:54
- 名前: 渚 (ID: A2lM0P.B)
おはようございます、渚です。今日はお休みになってしまったのでまた書こうと思います。今回はじん様が作られた「カゲロウデイズ」の二次創作を書こうと思います。解釈が間違っているかもしれませんが暖かい目で見て頂けると嬉しいです。ではまず軽く人物紹介をします。
〜人物紹介〜
黒澤 雪音(くろさわ ゆきね)
もう一人の主人公の男の子と幼馴染。とても仲が良くよく一緒に遊ぶ。幼馴染からは雪と呼ばれている。
小原 和磨(おはら かずま)
もう一人の主人公。雪音と幼馴染。雪音が死ぬ結末を避ける為何回も助ける。雪音からはかずと呼ばれている。
では本編に入ります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ふぁ〜…よく寝た…今日は何日だ?夏休みって日にちが分からなくなってくんだよな・・・」
布団から起き上がり背伸びをしてまだ寝ぼけている頭。そんな中独り言を呟き立ち上がる。そして壁に掛けてあるカレンダーに目を向ける。夏休み入ったころに日にちが分かるようにと印をつけるようにした。そうしたら迷わずに済むかと思ったからだ。そんな事より今日は何日だ。カレンダーに指を這わせ、最後の丸を見つける。
「今日は、15日。あ、今日雪と遊ぶ日じゃんか!」
カレンダーには雪と遊ぶ日と書いてあった。そうだ。夏休みも一緒に遊ぼうってなって今日の、確か12時くらいに公園で待ち合わせしてたんだ。え、今何時だ?今度は時計に目を向ける。
「・・・12時。ヤバイ!遅刻!」
急いで着替えて家を飛び出た。朝ご飯が置いてあったけど食べてる場合じゃない。早く行かないと。
「はぁ、はぁ、ゆ、雪。ごめん。遅くなった」
ようやく着いた。雪はブランコに乗って待っていた。
「もう、かずったら遅いよ。15分オーバーだよ。」
雪はムスッとした顔をして俺に言ってきた。
「ご、ごめんって。後でジュースでも買ってやるから」
「よし、許してやろう」
雪はいつもと同じ笑みを俺に見せた。
「あれ?猫。」
「あ、うん。かずを待ってる間に来たの。人懐っこくて私の膝に乗ってくれたの。」
俺は雪の上に居る黒猫に気が付きそう言った。雪は猫が好きだから嬉しかったのだろう。俺に猫と待っていた時の話しを楽しそうに教えてくれた。
「あ、そろそろ行こっか。そろそろ行かなきゃショーとか見れなくなっちゃうかもだし。」
公園の時計に目を向けると12時半だった。今日は水族館に行くという約束をしていた。雪はイルカショーを見たいと行っていたから一応時間とかを調べておいた。最後のショーは一時。ここから水族館までそう遠くない。今から行けば間に合う。
「うん。分かった!って猫ちゃん危ない!」
雪が猫を下ろそうとした瞬間、猫が車道の方へ走っていった。猫が車道に飛び出し轢かれるかもと思ったのだろう。雪も車道に飛び出した。・・・信号が赤に変わった車道に。
「雪!後ろ!」
俺は急いで雪の手を掴もうとした。けど間に合わなかった。車側の信号が青になった時トラックが凄いスピードで迫って来た。雪は黒猫を俺に投げた。雪は轢かれた。キィキィと軋む音をたてながら雪を轢いた。俺は呆然と立っていた。雪から流れ出る真っ赤な血を見つめながら。どんどん思考が追いついてきて雪が死んでしまったというのが分かった。そしたら自然と涙が出てきて足の力が無くなって座り込んだ。黒猫は俺の腕からいつのまえにか居なくなっていた。でもそんな事どうでもよくて、頭が真っ白になって目の前がクラクラしてきた。そして倒れ込みそうになった時あの黒猫が見えた。気のせいかもしれないがその猫の口角は少し上がっているように見えた。そんな事を考えていたが俺の視界は黒くなり、そして意識が途切れた。
「頭が、痛い」
次に起きた時鈍い痛みが俺を襲った。一瞬意識を手放しそうになった。でも近くにあったスマホが鳴った。電話だ。誰からだ。
『名前:雪音』
雪から。・・・嘘だ。雪は死んだはずだ。あれだけ血が出ていれば死んだなんて誰でも分かる。もしかして親御さん?だとしたら、出ないと。というか、俺あれからどうやって家に帰って来たんだ?まぁ今そんな事考えても意味無いか…
「はい。小原です。」
『かず!何してるの?早く公園来てよ!約束の時間から結構経ってるよ!』
雪の声。嘘。何でだ。何で雪の声が聞こえるんだ。約束?約束は昨日だったじゃんか。何で死んでる奴から電話がくるんだよ。俺の頭は混乱していた。
『かず!早く来て!待ってるから!』ツー・・・ツー・・・
通話ははそこで終わった。そしてスマホの待ち受けが出た。そして俺はそれを見て呆然とした。14日。2日前だ。いや、2日前のはずだった。14日。俺と雪は14日も遊んだ。同じ公園で12時の待ち合わせ。今は12時15分。取り合えず行ってみるか。きっとあれは夢だったんだ。俺はそう決め付け急いで用意をして家を出た。
公園ではブランコに乗った雪が居た。膝には黒猫・・・昨日見た夢と同じ。俺達は夢の時と同じ会話をした。そして立ち上がった時、黒猫は車道に飛び出した。俺は雪の腕を掴んだ。黒猫は走ってすぐに歩道の方に移動した。その後、トラックが通った。もし、雪の手を掴んでなかったら雪は死んでたかもしれない。良かった。
「雪、早く水族館行こう。」
「え?あ、うん」
俺は雪の前を歩いた。俺達は細い路地裏に入った。工事をしていた。随分大規模な工事らしくクレーン車などが沢山あった。俺は工事のうるさい音が嫌で耳を塞いで歩いていた。そしたら突然雪が俺に体当たりしてきた。俺が雪に文句を言おうと後ろを向いた瞬間、鉄の棒が何本も落ちてきて雪の身体に刺さった。そして雪の体から真っ赤な血が出て来た。俺は座り込んだ。周りからは悲鳴などが聞こえたが俺はそんなの気にしなかった。雪の亡骸を見てまた意識が遠のいた。その瞬間、また見た。あの黒猫を。そしてまた意識が途切れた。
また目が覚めた。日付は、14日…繰り返している。何回も何回も。俺は何回も繰り返し雪を助けようとした。でも雪は死んでいった。そして、気が付いた。必ず、一人が死ななければいけないと。二つを同時になんて無理なんだって。これで終わらせよう。この繰り返す夏を。俺は雪の所へ行った。雪と信号を渡ろうとした。この先は分かっている。トラックが通って雪が轢かれる。繰り返してきたから分かる。雪が死なない為にどうすれば良いかも分かった。俺が死ねば良いんだ。俺は雪を後ろに思い切り突き飛ばした。そしてトラックに轢かれた。体が焼けるように痛くて、その後にドンッと下に叩きつけられる感覚がした。こんな痛い思いを何回も繰り返したのか。何でもっと早く気が付かなかったのかな。雪はこんなに痛い思いをしてたのに。そして眩んだ視界にあの猫が映った。俺はその猫に「ざまぁみろ」と言った。俺はこの猫が元凶だって分かった。毎回雪が死んだ時俺の視界に映った。だからこいつが元凶って分かった。俺が飛び出したときあの猫は人間の姿になった。その顔をとても驚いた顔をしていた。俺はそいつが猫になったのを確認し意識を手放した。
「頭が、痛いな…」
私は目を覚ました。日付は、14日。またかずを助けられなかった。私は、かずを助けないと・・・かずが死ぬ運命を変えないと。
「ねぇ、黒。どうしたらかずを助けられるのかな?」
私はかずを助けるために何度もこの夏を繰り返した。だけどいまだに助けられない。だから喋れるはずのない黒猫に問い掛けた。
「私は、かずを助けたいよ。何回繰り返せば良いのかな」
黒猫はニャアと1つ鳴けば少し口角を上げ私の膝の上で寝転がった。
Page:1