二次創作小説(新・総合)

Re: 仮面ライダージオウ 世界を超えた戦い ( No.13 )
日時: 2020/04/19 21:19
名前: シュンP (ID: IJ2q7Vk/)

第13話 だけど俺は、お前を助ける

仁美
「あの姿、仮面ライダーと言うのですね…」
桜夜
「そーいうこった。てかどうしてお前がイクサバルトとナックルを持ってるんだ」
あの後ほむらと合流した桜夜達は、ほむらの部屋で仁美に話を聞くことにした。
仁美
「それがよく分からないんです」
ウォズ
「よく分からない?」
仁美
「はい。気付かないうちにそれを手にしていました。そして、私があの怪物と戦わないと、と何故か自然に考えたんです」
桜夜
「なるほどな…」
仁美
「私にはこれを使うことができません。ですから、どうぞ」
彼女は桜夜にベルトを差し出す。
仁美
「貴方が使ってください」
桜夜
「え?あ、ああ。分かった」
仁美
「それでは私は行きます。暁美さん、お邪魔しました」
瞳がほむらの部屋を出ていく。
桜夜
「どうすっかな、コレ」
ほむら
「いいんじゃないの。あなたが使えば」
桜夜
「つってもなぁ…あ、やべ」
桜夜が何かに気付く。
ウォズ
「どうしたんだい?」
桜夜
「今日の晩飯の事忘れてた」
彼はほむらを見つめる。
ほむら
「私はあなたたちの分まで作らないわよ」
桜夜
「だよね…」
ウォズ
「仕方がない、私が買って来よう」
桜夜
「オナシャス」
ウォズが部屋を出ていく。
ほむら
「ねえ、一つ聞いて良いかしら?」
桜夜
「なんだ?」
ほむら
「どうしてこの世界の人間が仮面ライダーに変身できるの?」
中々大事なことを聞かれた、と桜夜は思った。
桜夜
「知らないよ。俺らが前に行った世界でも、知らないうちにベルト手に入れて、変身してた」
ほむら
「そう。まだまだ知らないことが多いのね」
桜夜
「そういうこった」
???
「じゃあ、僕からも一ついいかい?」
声が聞こえた。それはほむらの物ではない。変声期前の少年のような声だった。
桜夜
「ようやく御出ましか。悪魔」
桜夜は顔に不敵な笑みを浮かべた。

ウォズ
「おかしい…」
ウォズは街中でただ一人、立ち止まっていた。周囲には無表情な人々が行き交っている。
ウォズ
「どうしてたどり着けないんだ…」
かれこれ十分以上歩き続けている。見滝原はそれなりに栄えている。コンビニやスーパーが一つも見つからないのはおかしい。
ウォズ
「ん?」
彼はあることに気付いた。それは、周囲の変化だ。先程までは、街灯が眩しいくらいに空は暗かった。スーツ姿のサラリーマンだっていた。だがしかし、今はどうだろうか。空は異様なまでにカラフルで、ビルの代わりに菓子箱が建っている。まるでコラージュだ。
ウォズ
「またか…」
彼の嫌な予感は当たった。
空からフワフワと小さなぬいぐるみが降ってくると、異常に高い椅子に座った。
ウォズ
「どうやら私は、また魔女の結界に迷い込んでしまったらしい」
【ビヨンドライバー!】【ウォズ!】
魔女の周りにピョコピョコと足音を立てながら小さな怪物たちが集まってくる。
ウォズ
「あれがほむら君の言っていた使い魔というヤツか」
【アクション!】
ウォズ
「変身」
【投影!スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!】
ウォズが変身を完了すると同時に、使い魔たちが襲ってくる。しかも動きが速く体も小さいため、ウォズは攻撃を当てることができない。
ウォズ
「なかなか厄介だな」
【クイズ!】【アクション!】
ウォズはクイズミライドウォッチを起動すると、ビヨンドライバーに装填させる。
【投影!フューチャータイム!】
そして、レバーを倒すと、新しいアーマーが展開され使い魔たちが弾き飛ばされる。
【ファッション!パッション!クエスチョン!フューチャーリングクイズ!クイズ!】
ウォズ
「問題。君達の王に私の攻撃は通用する。○か×か」
ウォズは使い魔たちにクイズを出すが、当然答えは返ってこない。
ブッブーという音と共に、肩にある『クイズショルダークロスサイド』が開く。すると、使い魔たちの上に真っ黒い雲が現れると、そのまま雷が落ち、直撃する。
ウォズ
「さて、大将を倒すとしよう」
【キカイ!】【アクション!】
使い魔を一掃したウォズは、新たにウォッチを起動させる。
【投影!フューチャータイム! デカイ!ハカイ!ゴーカイ! フューチャーリングキカイ!キカイ!】
ウォズ
「フンッ!」
ウォズは魔女が座っている椅子を思いっきり蹴飛ばして倒す。自然に魔女が降ってくる。
そしてそれを何度も攻撃する。
ウォズ
「どうなっているんだ…」
何度攻撃しても魔女を倒せない。何食わぬ顔で座り続けている。
ウォズ
「万事休すか…」
???
「私に任せて!」
不意に女の声がした。その声の主である少女は、突然現れた。
大砲の様な強大な銃を抱えて。
???
「ティロ・フィナーレ!!」
少女が引き金を引くと、銃口から弾丸が放たれる。そしてその弾丸は、魔女の体を貫く。
???
「終わった…」
少女が安堵の声を出す。
魔女は倒されるとグリーフシードと呼ばれる卵を落とす。通常であれば。
魔女の口から何かが出てきた。大蛇のような黒いボディに赤い水玉模様、赤と青の羽、パーティに使う帽子のような鼻。異形の怪物はまだ生きていた。怪物の口は大きく開いていた。
ウォズ
(まさか…!)
ウォズの脳裏に嫌なビジョンが浮かぶ。
怪物の口の先には、銃を持った少女が。彼女は動かない。
ウォズ
「クッ…!」
ウォズは武器を握り直す。最悪の未来を防ぐために。
ウォズ
「させるかぁッ!」
【爆裂DEランス!】
ウォズが魔女と少女の間に入ると、そのまま魔女の口へ飛び込む。
ジカンデスピアに金色のジグザグのエネルギーが纏われる。そして、魔女が口を閉じた次の瞬間。

ドーーーーーーン!

怪物が爆発する。跡形もなくなくなった。残ったのは、グリーフシードのみ。
魔女の結界は消え、二人は元の場所へ戻る。
???
「ねえ、あなた何者?」
金髪の少女はウォズに問う。
ウォズ
「名乗るほどの者じゃないさ」
ウォズは変身を解除しながら少女の質問に答えながらその場を離れようとする。
???
「そうは行かないわよ」
ウォズ
「っ!?」
ウォズの動きが止まる。足元を見ると、リボンで拘束されていることに気付いた。
???
「聴きたいことがあるの。着いてきてもらえるかしら?」
ウォズ
「やむを得ないな…」
少女が変身を解くと、制服姿になった。そして足の拘束が解かれる。
???
「あなた、名前は?」
ウォズ
「私の名前はウォズ。君は?」
少女はくるりとまわり、ウォズの方を向く。
???
「私の名前はマミ」
マミ
「巴マミ。見滝原を守ってる魔法少女よ」



桜夜
「ようやく御出ましか。悪魔」
???
「悪魔扱いとはひどいね。それよりも、君が僕の姿を視認できている方を気にするべきかな?」
悪魔と言われた白い生物は首をかしげる。
ほむら
「キュゥべぇ、何の用?」
キュゥべぇ
「ほむら、君に用はないよ。ただそこの人に聞きたいことがあってね」
キュゥべえは桜夜を見つめる。
桜夜
「なんだ?」
キュゥべぇ
「新成桜夜、君は一体何を企んでいるんだい?」
白い存在は首をかしげる。
桜夜
「質問の意味が分からないな」
キュゥべぇ
「さっき、ほむらくらいの年齢の男子に会ったんだ。そしたら、新成桜夜はこの世界を破壊する、って言われたんだ」
桜夜
「人違いだろ」
キュゥべぇ
「そうか、ならいいんだ。それとあともう一つ。これはほむらにも関係がある」
ほむら
「何かしら」
キュゥべぇはメトロノームの様に振っていた尻尾の動きを止めるて言った。
キュゥべぇ
「魔女が現れたみたいだ」

ウォズはマミに連れられ、あるマンションの一室に居た。
マミ
「最近仕入れた紅茶よ。初めて買うからどんな味かわからないけどね」
机の上に紅茶が出される。彼をそれを一口飲む。
ウォズ
「なかなか美味いな…」
マミ
「そう、なら良かったわ」
ウォズ
「ところで、見ず知らずの私を自宅まで連れて行き、一体何のつもりだい?」
マミ
「いろいろと気になることもあるんだけど…まずはありがとう」
ウォズ
「私は感謝されるようなことをした覚えはないが」
マミは首を横に振る。
マミ
「いいえ、あなたがいなかったら、恐らく私は今ここにいなかったでしょうね」
ウォズ
「…」
ウォズは黙り込んでしまった。彼があの時思い描いたビジョン、それは彼女があの魔女にそのまま捕食されてしまう未来。
ウォズ
「君は、どうして魔法少女に?」
彼はこの気まずい空気を乗り切るため、話題を変えようとした。
マミ
「えっと…それは…」
ウォズ
「すまない。少々安易な発言だったね」
マミ
「ううん、大丈夫よ。昔ね、家族で外食に行ったの。その時、交通事故に遭って、死んじゃいそうになったの」
ウォズ
「なるほど。そこで契約し、生きることができた、と言う訳だね」
マミ
「そういうことよ。でもどうして魔法少女のことを知って…」
♪~♪♪~
マミの言葉を遮るように、彼女の携帯が音楽を鳴らし、その身を震わせた。
マミ
「ちょっと失礼。どうしたの鹿目さん?なんですって!分かった、すぐ行くわ」
ウォズ
「どうかしたんだい?」
マミ
「魔女が現れたみたい。あなたもついてきてもらえる?」

ほむら
「そろそろいるはずよ」
桜夜とほむらはキュゥべぇからの知らせを受け、魔女の結界の中にいた。
ほむら
「この先ね」
目の前には扉がある。ここを越えれば、魔女がいる。
扉を開け、二人は仲に入った。
マミ
「ティロ・フィナーレ!」
しかし、すでに魔女は倒されていた。
マミ
「あら暁美さん、こんばんは。悪いけど、あなたの獲物はすでに私が倒してしまったわ」
魔女の結界が消えていく中、二人に気付いた巴マミが近づいてくる。後ろには鹿目まどか、美樹さやかの姿が。そして。
桜夜
「ウォズ!」
ウォズ
「桜夜君、無事に合流できてよかった」
さやか
「アンタたち!昼間の!」
マミ
「暁美さん、ウォズさんと知り合いみたいね?」
ほむら
「別に…」
それぞれの思いは交錯していく。しかしそれを解きほどく時間を、神は与えてはくれなかった。
ドドドドドド…
何かを引きずるような音がした。
まどか
「なんの音…?」
桜夜
「来るぞ、ヤツが」
桜夜の見立て通りだった。6人がいた場所に、ドッガハンマーを引きずりながらアナザーキバが現る。
マミ
「あれは一体…」
ウォズ
「マミ君、ここは危険だ。二人を連れて逃げるんだ」
マミ
「でも…」
桜夜
「しのほど言ってる場合じゃねえだよ!変身!」
【仮面ライダージオウ!】
ジオウに変身した桜夜はアナザーキバとの戦闘を開始する。
Aキバ
「まだ別の力があったのか?」
ジオウ
「そういうことだ」
Aキバ
「面白い、だが無意味だ」
アナザーキバはドッガハンマーを横に振る。そのリーチの長さのせいで躱すことが出来ず、攻撃をもろに受けてしまう。彼の体は5人の元まで吹き飛び、衝撃でライダウォッチが散らばる。
まどか
「大丈夫ですか?これ、落としましたよ」
ジオウ
「あ、悪いな」
まどかからカブトウォッチとウィザードウォッチを渡され、それを受け取る。
さやか
「あれ?これどっかで見たことが…」
さやかはダブルウォッチを拾い、それを見て首を傾げた。
マミ
「どうしたの、美樹さん?」
さやか
「いやこれどっかで見た気がして」
そう言いながらさやかは制服のポッケを漁りだす。
ウォズ
「まさか…」
さやか
「あった」
さやかはジオウに、ダブルウォッチともう一つのウォッチを渡す。
さやか
「はい。これ、どうせアンタのでしょ?」
ジオウ
「え?」
ジオウは2つのウォッチを受け取る。さやかが取り出した方には、仮面ライダーキバの意匠が見られる。
ウォズ
「やはりキバウォッチが…」
ほむら
「もしかして、あれがあればアナザーライダーを倒せる?」
ウォズ
「ああ、その通りだ」
ジオウ
「ありがとう、さやか」
ジオウは立ち上がる。アナザーキバを倒すために。
【キバ!】
Aキバ
「なに?」

ジオウ
「行くぞ」
【アーマータイム!ガブッ!キバ!】
ジオウの前にキバアーマーは展開され、それが分解しジオウの体に装着されていく。
ウォズ
「祝え!全ライダーの力を取り返し、世界を超え、真実を取り戻す正義のヒーロー。その名も仮面ライダージオウキバアーマー。人間でもありファイガイアでもある仮面ライダーの力を取り戻した瞬間である」
さやか
「ねえ、なにあれ」
マミ
「ルーティーンとかじゃないかしら」
Aキバ
「バカな!何故オリジナルの力が!」
ジオウ
「キバって行くぜ!!」
ジオウはアナザージオウへ向かっていく。
Aキバ
「おのれっ!」
アナザーキバはガルルセイバーを呼び出すと。それに対し、ジオウはジカンギレードを取り出す。
ガキンッ
二人の剣がせめぎ合う。
ジオウ
「オラァ!」
勝利したのはジオウだった。アナザーキバはそのまま押し返される。
Aキバ
「くそっ、こんなはずじゃなかったのに!」
ジオウ
「お前の事なんか知ったこっちゃねえよ」
【フィニッシュタイム!キバ!】
右脚の鎖が外れ、赤い翼を開いた。
ジオウ
「だけど俺は、お前を助ける」
ジオウは高く飛ぶ。彼の背後には三日月がある。
【ウェイクアップタイムブレーク!】
そのまま右脚を突出し、アナザーキバ目がけて急降下していく。
Aキバ
「嫌だ!僕はまだ!」
ドーーーン!

キックが命中したアナザーキバは後ろにあった壁に叩きつけられ、変身が解除される。キックを受けた地面には、ジオウのライダーズクレストが刻まれていた。
パリンッ
アナザーキバの変身は解かれ、契約者の体内からアナザーウォッチが吐き出され、そのまま砕け散った。
まどか
「嘘…」
さやか
「恭介!」
アナザーキバの契約者は、行方不明になっていた上条恭介だった。
ジオウ
「行こう、ウォズ。ここからはアイツらの問題だ」
ウォズ
「ああ。では先に戻っているよ、ほむら君」
ほむら
「ええ…」
変身を解除した桜夜とウォズはその場から去っていく。

さやか
「恭介!恭介!しっかりして!」
恭介
「あれ…さやかか…」
さやか
「恭介!どうしてあんなことしたのさ!」
さやかの目には涙が浮かんでいた。
恭介
「ごめん…ただ、腕を治したかっただけなんだ…」

ほむら
「私は行くわ」
マミ
「待ちなさい」
ほむら
「何か用でも?」
マミ
「あなた、あの怪物のこと、なにか隠してるわよね?」
ほむら
「別に。何も知らないわ」
ほむらもその場を去って行った。
マミ
「・・・」

少し離れた場所のビルの屋上に、あの男はいた。
謎の男
「あーあ、アナザーキバもやれれちゃったか」
彼はアナザーウォッチをポンポン投げて弄んでいる。
謎の男
「ま、次のターゲットは決まりかな」
男は深い闇夜の中に溶けて行った…

桜夜
「ほほぉ、さやかも契約したのか」
ほむら
「ええ、上条恭介の腕を治す願いを叶えてね」
あの後、恭介は病院へ戻った。主治医からはこっ酷く叱られたらしい。そしてさやかは、キュゥべぇと契約し、魔法少女となった。
ほむら
「そして、佐倉杏子も現れたわ」
ウォズ
「佐倉杏子。隣町から見滝原にやってきた魔法少女。契約時の願い事は、聖職者である父の話を周囲の人間に聴いてもらうため、か。なかなか家族思いな少女の様だね」
ウォズはパタンッ、と逢魔降臨暦を閉じる。
桜夜
「そいつはどうかな?なかなか面白いことになるぜ」
佐倉杏子の参戦。これは魔法少女同士の争いの開幕の合図である。

次回予告

ジオウ
「仮面ライダーゲンム…」
???
「願い事…助かりたい。私、まだ生きたい」
ウォズ
「ワルプルギスの夜か…」
桜夜
「大変身!」
ブレイブ
「これから、アンタを助ける!」

次回 Watchを探せ!