二次創作小説(新・総合)

Re: 仮面ライダージオウ 世界を超えた戦い ( No.14 )
日時: 2020/04/25 14:57
名前: シュンP (ID: IJ2q7Vk/)

第14話 Watchを探せ!

アナザーキバの撃破から二週間が経った。
桜夜
「イクサベルトが消えないってことは、まだこの世界にもライダーの力があるんだろうなー」
新成桜夜は、志筑仁美から渡されたイクサベルトを腕に通し、グルグル回していた。
ほむら
「やめてくれないかしら。邪魔なのだけど」
ほむらが冷たい目線で桜夜を睨む。
彼らは今、とある路地裏に向かっていた。ほむらの話によれば、その路地裏にまどかとさやかがいて、そこに杏子が現れるらしいのだ。
ウォズ
「まもなくだ」
目的地まであと僅かとなった。かすかに金属がぶつかり合う音が聞こえるのがその証拠だ。
桜夜
「お、もう始まってるのか」
ほむら
「じゃあ、私は行くわ。あなたたちはここで待ってて」
ほむらは路地裏へ入っていく。背後からは、はいよー、という間の抜けた声がした。

まどか
「さやかちゃん!もうこんなのやめて!ねえ、キュゥべぇもなんとか言ってよ!」
魔法少女同士の戦いはより一層激しさを増していた。
キュゥべぇ
「そうれは僕にはできない。魔法少女同士の争いを収められるのは魔法少女だけだ」
まどか
「だったら、私…」

「それには及ばないわ」

不意に声がした。次の瞬間、二人の魔法少女はそれぞれ攻撃を外していた。
杏子
「あたしが攻撃を外した!?」
男勝りな口調で話す赤い髪の少女、佐倉杏子の顔が困惑に染まった。
まどか
「ほむらちゃん…」
さやか
「アンタ…」
杏子
「そうかいそうかい。アンタがキュゥべぇの言ってたイレギュラーって奴か」
ここまでは数回経験をしている、とほむらは思った。しかし、ここで予想外の事が起きた。
???
「ハァァァァ…」
突然路地裏に、魔法少女ではない存在、ましてや人間でもないものが現れたのだ。
杏子
「なんだ、コイツ?」
杏子は彼女の武器である槍を構える。そして、悠々とさやかを跳びこえる。
杏子
「フンッ!」
槍が鞭のように伸び、怪物に突き刺さる。
???
「・・・」
しかし、全く効いた様子がない。
ほむら
(まさか…!)
杏子
「どうやら、使い魔って訳じゃないみてーだな」
ほむら
「鹿目さん、外にあの二人がいるわ。呼んできて」
まどか
「う、うん!」
まどかが路地裏の外へ走っていく。
???
「貴方達の命のデータ…いただきます!」
怪物は、頭部からピンク色の髪の毛が生えている奇抜なデザインをしていた。
杏子とさやかが居亜物に攻撃を仕掛ける。しかし、全く通用していない。
桜夜
「大丈夫か!」
そこに桜夜とウォズが駆けつける。
杏子
「ああ?誰だアンタら」
ウォズ
「話は後だ。佐倉杏子」
杏子
「な、なんでアタシの名前を!」
???
「御出ましですか、仮面ライダー」
桜夜
「アナザーエグゼイドか…」
さやか
「あれも恭介がなってたのと同じってワケ?」
ウォズ
「そういうことだ」
【ジオウ!】【ディ・ディ・ディ・ディケイド!】【ウォズ!】
ほむら
「私たちは逃げるわよ」
杏子
「よく分かんねーけど、ここはそうするか」
4人は路地裏から出ていく。
Aエグゼイド
「言っておきますが、あなたたちに用はありませんので。ごめんあそばせ…」
アナザーエグゼイドも路地裏から出ていこうと走りだす。
桜夜・ウォズ
「変身!」
アーマーが展開され、二人は変身を完了する。
ジオウ
「逃がさねえからな!」
アナザーエグゼイドはすでに路地裏からいなくなっていた。アクションゲームの力を使うエグゼイドの力を持っているだけあるだろう。
【ファイナルフォームタイム!カ・カ・カ・カブト!】
ジオウ
「クロックアップ」
ジオウは通常の数千倍の時間が流れている時間軸に移行し、アナザーエグゼイドの追跡を開始する。
Aエグゼイド
「ククク、追いつけるわけが…」
ジオウ
「ライダーキック!」
【ファイナルアタックタイムブレーク!】
アナザーエグゼイドの進行方向にに、突然ジオウが現れる。しかし、アナザーエグゼイドは止まることができなかった。ジオウの回し蹴りが炸裂する。
Aエグゼイド
「グハァ…!」
想定外の一撃に、アナザーエグゼイドの体が大きく吹っ飛ばされる。
ウォズ
「さて、ここからどうする?」
後ろからウォズが追い付いてきた。
ジオウ
「ウォッチがないから撃破までは行かないけど…変身解除くらいなら!」
【ヘイ!エグゼイド!デュアルタイムブレーク!】
ライドヘイセイバーにねるるぎーが集中する。ジオウがその刀身を振ると、斬撃が飛ばされる。
ドーーーーン!
アナザーエグゼイドがいた位置で爆発が起こる。
ジオウ
「やったか?」
ウォズ
「いや、何かがおかしい」
爆発によって生まれた粉塵の中に、もう一つ別の影があった。その正体は…
【マイティジャンプ! マイティキック! マーイティアクショーン! エックス!】
ジオウ
「仮面ライダーゲンム…」
ゲンム
「久しぶりだな、ジオウ」
黒いエグゼイド、仮面ライダーゲンムがアナザーエグゼイドを庇ったのだ。
ウォズ
「また君か…」
ウォズの言う『君』とは、毎回アナザーライダーを生みだしているあの男のことだろう。
Aエグゼイド
「貴方ですか…感謝します」
ゲンム
「ここは俺に任せてさっさと逃げろ」
Aエグゼイド
「分かりました」
アナザーエグゼイドがジャンプする。とても高く跳んでいき、その姿は見えなくなってしまった。
ジオウ
「逃がしたか。なら、ここでお前を倒す」
ゲンム
「できるもんならな」
【ステージセレクト!】
ゲンムがゲーマドライバーの横にある、『キメワザスロットホルダー』のボタンを押すと、周りの風景が変わり始めた。そこは採石場だった。
ジオウ
「行くぞ!」
ジオウはライドヘイセイバーで、ウォズはジカンデスピアで攻撃をしかける。
ゲンム
「無駄だ」
しかしそれをゲンムはひらりと躱す。
ゲンム
「こっちも暇じゃないんだ。さっさと終わらせるぞ」
ゲンムは近くにあった巨大なチョコブロックを蹴り飛ばした。壊れたブロックの中からは水色のメダルが現れ、ゲンムはそれを掴む。
【透明化!】
ゲンムの体が徐々に透けていき、やがて見えなくなった。
ウォズ
「消えた…?」
ジオウ
「どこ行った!?」
ゲンム
「こっちだよ」
ゲンムがジオウを蹴り飛ばしながら姿を現した。
ジオウ
「痛ってぇ…」
ゲンム
「これでで終わりだ」
【ガシャット!】
キメワザスロットホルダーにガシャットを写し、ボタンを押す。
【キメワザ!マイティクリティカルストライク!】
ゲンム
「フンッ!」
高く跳んだゲンムが、足をバタつかせながら二人に向かって急降下してくる。稲妻上のエネルギーを纏った脚が何度もヒットする。
ジオウ
「グフッ」
ウォズ
「ウッ…」
採石場から元いた場所にエリアが戻った。
ゲンム
「じゃあな」
ゲンムはその場から去って行った。

ほむら
「あのアナザーライダーの正体は、おそらく志筑仁美よ」
アナザーエグゼイドの正体は、唐突に語られた。
桜夜
「そりゃどうして?」
ゲンムとの戦闘の際に負ってしまった腕のキズに消毒しながら桜夜は聞いた。
ほむら
「美樹さやかが言っていたわ」
ほむらは逃げているとき、さやかが言っていたことを思い出す。
(「あの怪物…多分仁美だよ。あんな話し方するの、仁美くらいしかいない」)
桜夜
「なるほどな、確かにその可能性は大きい。イタッ」
ウォズ
「しかし、何故彼女が…仮面ライダーイクサに選ばれたあたり悪人とは思えないが」
桜夜
「さしずめ、上条恭介を助けるため、ってところか」
ほむら
「どういうこと?」
ウォズ
「アナザーエグゼイドの力を使えば、他人の命を奪って人命救うことなど容易い。なるほど、志筑仁美はその力を使って上条恭介の腕を治す。そういうことかい?」
桜夜
「ああ。だからさっさと、エグゼイドウォッチを見つけて、アイツを元に戻してやんねーとな」

さやか
「やっぱり出ないか…」
時刻は午後11時、さやかは仁美のケータイに電話を掛けていたが、反応はない。
さやか
「出ると思ったんだけどなー…」
普通の中学生ならばこの時間は寝ていてもおかしくはない。しかし、志筑仁美は普段から稽古で忙しいため、大抵この時間は課題を終わらせているのだ。
さやか
「こんな時は、気晴らしにでも」
さやかは棚の中にしまってあったゲーム機を取り出し、起動させた。
さやか
「久しぶりだなー。ん?」
彼女は或異変に気付いた。それは見たことも聞いたこともないゲームの画面が映っていたからだ。
さやか
「タドルクエスト?」
ゲーム画面に映っていた文字を読み上げると、ゲーム機とカセットの形が変わり始めた。
さやか
「なにこれ!」
ゲーム機は蛍光色で形成された物に、カセットはそれによく似た物になったのだ…

ほむら
「ねえ、どうしてあなたたちが私の登下校に着いてくるのかしら?」
桜夜
「別にいいだろ、減るもんじゃないし」
ウォズ
「ここでアナザーライダーが現れたら、面倒だからね」
翌日、ほむらはいつも通り見滝原中学へ向かっていた。
桜夜
「そんなことより、ワルプルギスはいいのか?俺達がここに来てからもう二週間は経ってる。あと二週間しかないぞ」
ほむら
「分かってるわ。ワルプルギスの夜の出現地点はもう既にある程度絞ってる。巴マミや佐倉杏子にも話をつけてあるわ」
ウォズ
「ワルプルギスの夜か…」
ウォズは逢魔降臨暦を開き、ワルプルギスの魔女の項目を探す。
ウォズ
「舞台装置の魔女、通称ワルプルギスの夜。見滝原に現れる超大型の魔女、か。なかなか厄介そうじゃないか」
ほむら
「厄介なんてレベルじゃないわ。少なくとも、魔法少女1人じゃ勝てない」
桜夜
「ワルプルギスが来るまでに、この世界のライダーの力を取り戻さないとな…」
その時、突然悲鳴が聞こえた。見滝原の女子生徒が道の端による。その先に居たのは。
Aエグゼイド
「さあ、命のデータを頂きますよ…」
桜夜
「見つけたぜ、アナザーライダー」
Aエグゼイド
「また貴方達ですか…」
アナザーエグゼイドは近くで怯えていた少女の首を掴む。その少女はもがき、苦しんだが、やがて意識を失った。
Aエグゼイド
「これで16人目です」
桜夜
「チッ、もうそんなにやって乃果よ…。ウォズ、ほむら、周りの人を避難させてくれ」
ウォズ
「了解した」
ほむら
「分かったわ」
桜夜
「さて、たまには趣向を変えるのもいいだろ」
桜夜は腰にあるベルトを巻く。それは、仁美か受け取った物だ。
Aエグゼイド
「それは…私の!」
【レ・ディ・ー】
桜夜
「変身」
【フィ・ス・ト・オ・ン】
Aエグエイド
「それを返しなさい!」
アナザーエグゼイドが桜夜が変身したイクサに飛び掛かってくる。しかし、そのままアナザーエグゼイドは吹き飛ばされた。
イクサ
「悪いな」
イクサの顔面部のシールドが展開され、赤い目が見えていた。展開時に生じた風圧でアナザーエグゼイドは吹き飛ばされたのだ。
その姿は、仮面ライダーイクサ バーストモード。
イクサ
「アナザーライダー…その命、神に返しなさい!」
Aエグゼイド
「なんですか、その姿は…」
イクサ
「仮面ライダーイクサの、パワーを解放した姿だ!」
イクサは専用武器、イクサカリバーを取り出す。銃型のガンモードだ。
イクサ
「喰らいなさい」
トリガーを引くと、弾丸が連射され、アナザーエグゼイドの動きを止める。その後、マガジンをグリップに収納すると、赤い刀身が伸び、アカリバーモードへ変形させた。
イクサ
「ハァ!」
イクサカリバーで切り付け、アナザーエグゼイドを圧倒する。そして、一本のフエッスルを取り出し、イクサベルトに読み込ませる。
【イ・ク・サ・カ・リ・バ・ー・ラ・イ・ズ・アッ・プ】
イクサカリバーに光が集まる。
イクサ
「フンッ!」
イクサはその刀身を振り下ろした。

桜夜達がいる時間から2,3年前の時間に、あの男はいた。
謎の男
「なかなか派手にやったな…」
彼は、とある交通事故の現場を眺めていた。事故が発生してからまだあまり時間が経ってはいない。そして、彼の右手にはいつものようにアナザーウォッチが握られていた。
謎の男
「見ぃ―つけた」
彼は、道路に転がっていた少女を見つけた。おそらく、事故の時に車から投げ出されたのだろう。その少女は綺麗な金髪で、血液にまみれながら泣きじゃくっていた。
謎の男は彼女に近づいていくと、優しく話しかけた。
謎の男
「ねえ、君」
金髪の少女
「な、に…?」
謎の男
「もし、なんでも願い事が叶うとしたらさ、何をお願いする?」
金髪の少女
「願い事…助かりたい。私、まだ生きたい」
少女は弱弱しく問いに応える。
謎の男
「そっか。じゃあ、契約は成立だ」
謎の男はアナザーウォッチを起動する。
金髪の少女
「うっ!何をして…」
謎の男
「お前を助けってやったんだよ」
そう言い切ると、彼はその場から姿を消した。後に残ったのは、怪物になりかけている少女だけだ。
金髪の少女
「私は…私は!」
【ドライブ…】
彼女に黒い靄のようなものが纏わりつくと、赤い怪物へと姿を変えたのだった…。

赤い刀身からの重い一撃を受け、アナザーエグゼイドはその場に崩れ落ちた。そして、遂にその仮面が剥がれた。
仁美
「クッ…」
ウォズ
「やはりそうだったか…」
まわりの生徒たちの避難誘導を終えたウォズとほむらが戻ってくる。
さやか
「仁美、見損なったよ」
そしてそこに、美樹さやかと鹿目まどかも合流してくる。
ほむら
「貴方達…!」
まどか
「仁美ちゃん!どうしてこんなひどいことをするの!」
仁美
「見損なった…ひどいこと、ですか。それは心外ですね…」
イクサ
「どういうことだ」
仁美
「私がこの力を手にしたのも、すべては上条君のためです。上条君の腕を治すために私は!あなたたちを倒さなければなりません!」
【エグゼイド…】
彼女は再びアナザーエグゼイドの姿になった。
イクサ
「またやるしかないか…」
さやか
「待って、私もやる」
イクサ
「おい、待て。それはどういう…」
イクサの言葉を遮るように、さやかはカバンから一つのバックルとアイテムを取り出す。
ウォズ
「それは!」
【タドルクエスト!】
彼女は、『ゲーマドライバー』を装着し、『タドルクエストガシャット』を起動する。
さやか
「変身」
掛け声と共に、ガシャットをベルトに装填、そしてレバーを解放する。
【ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!】
彼女はアイコンをタッチし、ガシャットの基盤柄のエフェクトが出現し、それを通り抜ける。
【タドルメグル!タドルメグル!タドルクエスト!】
美樹さやかは、カメンライダーブレイブクエストゲーマーレベル2に変身を完了する。その姿は騎士そのものだ。
ブレイブ
「これから、アンタを助ける!」
ブレイブは『ガシャコンソード』と呼ばれる剣を取り出し、アナザーエグゼイドに斬りかかる。
【ガシャコンソード!カ・チーン!】
Aエグゼイド
「さやかさん!どうして分かっていただけないのですか!」
ブレイブ
「分からないよ!恭介は絶対望んでない!他の人の命を犠牲にしてまで助かりたいなんてわかってないよ!それに…」
もう恭介の腕は治ってる、そう言いかけたところでブレイブは喋るのをやめた。魔法少女のことは仁美には話せない。仁美を巻き込むわけには行かないし、それを言えば彼女の決意を踏みにじることになる。さやかとして、それはしたくなかった。
桜夜
「俺も行くか」
イクサの変身を解除した桜夜の腰には、既にジクウドライバーが巻かれていた。
まどか
「あの、少し待ってください」
まどかは制服のポケットを漁りだすと、なにかを取り出し、それを桜夜に渡した。
桜夜
「エグゼイドウォッチ…」
まどか
「よく覚えてないんですけど、持ってたんです。使ってください!」
桜夜
「ありがとう。使わせてもらうよ」
【ジオウ!】【エグゼイド!】
桜夜
「大変身!」
【仮面ライダージオウ!アーマータイム!レベルアップ!エ・グ・ゼ・イー・ド!】
ジオウ
「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」

次回予告
キュゥべぇ
「ボクと契約したという事実そのものがなくなったんだ」
???
「ここが鹿目まどかの世界か」
ジオウ
「フィニッシュは、必殺技で決まりだ!」

「門矢士、通りすがりの仮面ライダーだ」

次回 新たなstoryの幕開け