二次創作小説(新・総合)

Re: 仮面ライダージオウ 世界を超えた戦い ( No.16 )
日時: 2020/09/25 11:48
名前: シュンP (ID: k7TBKGCR)

第16話 どうして歴史は変わったのか

門矢士に連れて来られたのは、見滝原にあるショッピングモールのフードコートだった。
桜夜
「どうしてここなんだ?」

「ここなら話していても怪しまれない。そして人が多すぎて誰かに話を聞かれる心配もないからな」
大きなテーブルに各々が座る。キュゥべぇは杏子に先程の事を伝えると言って、ここに着く前にどこかへ消えていった。
ウォズ
「それで、ほむら君とさやか君が力を失った理由と言うのは一体?」

「単刀直入に言おう。お前らが契約したきっかけがなくなった」
まどか
「契約する、きっかけ?」
桜夜
「ちょっと待てよ。さやかの契約した理由は上条恭介の腕を治すため、ほむらは、その…、ともかく二人の契約した理由は違うぞ?」

「もっと根本的なモノだ。お前らがそもそも魔法少女に出会うきっかけだ」
ほむら
「それは…」
まどか
「もしかして…」
まどかの回答は出なかった。何故なら、フードコート一面に悲鳴が響いたからだ。
ウォズ
「何事だ!」
彼らの視線は一斉に悲鳴がした方へ向く。そのには、少年の首を掴んでいる赤いナニカの姿があった。

「面倒なことになったな」
桜夜
「アナザードライブ…」
赤い怪物の名は、アナザードライブ。警察官にして仮面ライダー、ドライブのアナザーライダーだ。

「ほむらとか言ったな、鹿目まどかを連れてここから離れろ」
ほむら
「でも…」

「心配ならコイツを連れていけ!」
士は桜夜の服を引っ張り、ほむらの方へ投げた。
桜夜
「痛っ!何すんだ!」

「良いから早く行け!」
桜夜
「チッ…」
3人は下の階につながっているエレベーターに乗って、その場を離れていった。
Aドライブ
「見つけわ…仮面ライダー!」
アナザードライブは少年を投げ捨てると、ゆっくりと近づいてくる。
さやか
「ちょっとアンタ!戦力減らすようなことしてどうすんのよ!」

「何言ってんだ、むしろ増えたと思え」
士はベルト、『ネオディケイドライバー』を取り出し、腰に装着した。そして、左右にあるサイドハンドルを引き、中央のバックルを回転させ、縦向きにさせた。
さやか
「何それ…」
腰から提げている箱状のアイテム『ライドブッカー』から一枚のカードを取り出す。

「変身」
士はカードをひっくり返し、ベルトに装填、そのままサイドハンドルを戻した。
【KAMEN RIDE DECADE!】
彼の周りに、20人の仮面ライダーのライダーズクレストと、モノクロの半透明なディケイドが現れ、彼に集まる。
ディケイド
「フン…」
Aドライブ
「あなたはジオウではないのね。だったら用はないわ」
ディケイド
「ジオウじゃなくて悪かったな。だが、俺に勝てないようじゃ、ジオウにも勝てないぞ?」
さやか
「ディケイド?10年間ってこと?あとすごいピンクだけど」
ウォズ
「あれはピンクじゃない、マゼンタだ」
Aドライブ
「面白い、受けてたつわ」
アナザードライブは左腕に装備されたひしゃげたドアの様な物から、弾丸を地面に向かって打ち込む。すると、突然周りの動きが遅くなった。
逃げ惑う人々、倒れていくテーブル、落ちるハンバーガー、アナザードライブ以外のものの動きがスローモーションにしたように遅くなったのだ。
さやか
(なにこれ…!)
ウォズ
(重加速か…)
重加速、仮面ライダードライブとその仲間たちが戦った人口生命体『ロイミュード』が引き起こす現象だ。
Aドライブ
「うふふふ…」
ディケイドに向かって、何度も弾丸を撃ち込むアナザードライブ。しかし、ディケイドに効いている様子はない。
ディケイド
(重加速には、コイツだ)
【KAMEN RIDE KABUTO!】
ディケイドが別のカードを装填し、ハンドルを操作すると、全く別のライダーに姿を変えた。
【Change Beetle】
Aドライブ
「姿が変わった?」
【ATTACK RIDE CLOCK UP!】
DCDカブト
「フンッ!」
ディケイドはアナザードライブを跳び蹴りし、アナザードライブはデーブルに突っ込む。バキバキバキ、という嫌な音がした。そして、重加速が解除される。
Aドライブ
「どうして重加速が!?」
さやか
「てか、別の仮面ライダーに変身してるし」
ウォズ
「あれはカメンライドだ。ディケイドはカードを使って、別の仮面ライダーに変身することができる」
DCDカブト
「当然、カードを使えばライダーの力を使うことだってできる」
そう、ディケイドは仮面ライダーカブトに変身し、クロックアップして重加速を破ったのだ。
Aドライブ
「だったら…」
再びアナザードライブは重加速を発生させ、その場から走って逃げて行った。

「逃げたか…」
変身を解除した士は、荒れたフードコートにレンズを向け、シャッターを切った。

桜夜
「ここまで来れば十分だろ」
ディケイドとアナザードライブが交戦している頃、桜夜達三人はショッピングモールから少し離れた廃工場の敷地内に居た。
桜夜
「にしてもアイツ…どうして逃げろなんて」
桜夜の疑問に対し、すぐに回答は返ってきた。
???
「見ぃーつけた」
突然声がしたかと思うと、廃工場の中に誰かが入ってきた。
まどか
「誰?」
桜夜
「テメェ、まだこの世界に居たのか」
謎の男
「ああ、そろそろこの世界での目的を果たそうと思ってね」
ほむら
「アレは?」
桜夜
「名前は知らん。アイツがアナザーライダーを生みだしてる」
謎の男
「そっかぁ、まだ名乗ってなかったっけ。ま、いい機会だし自己紹介しておくよ」
男が左腕を横に出すと、赤い蝙蝠の様なものが飛んできて、男の手に噛み付いた。
【ガブリッ!】
謎の男
「俺はファントム。近い未来に、世界中の教科書に名前が載るすごーい人だ」
ファントムと名乗った男は蝙蝠もどきを逆の手で掴み、鎖が巻き付いて現れたキバットベルトに止まらせる。
ファントム
「変身」
ファントムの体に鎖が巻き付きながら、彼の肉体が変化していき、やがてそれは鎧となった。
ダークキバ
「喜べ…!俺がお前らを葬ってやる!」
桜夜
「くっそ…変身!」
【ガブッ!キバ!】
ジオウ
「ダークキバにはキバだ!」
ジオウキバアーマーの拳と、ダークキバの脚が交わる。
まどか
「そんな…仮面ライダー同士が戦うなんて…」
ほむら
「正しいことに力を使うライダーがいれば、間違った使い方をするライダーもいる。魔法少女と変わらないのね…」
ジオウ
「ウワァァァ!」
ダークキバと戦っていたジオウが飛んできて、壁に激突した。壁にずりながら、地面に落ちると変身が解除された。
桜夜
「くっそ…強い…」
ほむら
「大丈夫!?」
ほむらが慌てて駆け寄る。桜夜の額からは血が流れ、口からも血が垂れている。
ダークキバ
「今回の目的はジオウ、お前を倒すことじゃない」
桜夜
「じゃあ、一体なにが、目的なんだ」
ダークキバ
「そこにいるソイツだよ」
ダークキバの黒い指がまどかを指した。もう片方の手には、なんの力も宿っていない黒いウォッチ、ブランクウォッチが握られている。闇のキバの鎧を纏った男はまどかに近づいていく。
桜夜
「何を、するつもりだ…」
まどか
「嫌…来ないで!」
彼女はジリジリと後退するが、壁に到着してしまった。もう、逃げ場はない。
ダークキバ
「お前の力、いただくぞ」
まどか
「ぐっ…うぅ…」
ほむら
「まどかぁぁぁぁぁぁ!」
ダークーキバがまどかぼ胸にブランクウォッチを押し当てると、少しずつまどかの体が透けてくる。
桜夜
(動け!早く、動け俺の体!)
ほむら
「まどか!」
まどか
「ごめん、ね、ほむら、ちゃん…」
まどかは完全にその場から消えてしまった。そして、ブランクウォッチに新たな力が宿る。
ダークキバ
「ミッションコンプリート。じゃあな」
そのままダークキバは影に溶けるようにして消えていった。
桜夜
「まどか…」
彼はそのまま意識を失った。
ほむら
「まどか…そんな…」
彼女の涙は、赤い血と混ざってどこかに流れていった。

キュゥべぇは見滝原中を駆け回っていた。
キュゥべぇ
「探したよ、杏子」
杏子
「ん?キュゥべぇじゃねえか。アタシになんの用だ?」
キュゥべぇ
「美樹さやかと暁美ほむらの力がなくなった。君は大丈夫かい?」
杏子
「あの二人か…アタシはなんともねえ。あ、だけど変な物を見つけたぞ」
キュゥべぇ
「変な物?」
杏子
「ああ、コレだよ」
杏子の手には、バイクのマフラーの様なベルトと、バイクのミニカーが握られていた。

次に桜夜が見たのは、知らない天井だった。
桜夜
「ここ、どこだ…痛っ」
ウォズ
「体を起こさない方がいい。傷口が開きかねない」
桜夜
「ここは?」
さやか
「病院だよ。アンタ、あの工場で意識失って倒れてたのよ」
桜夜
「そっか。でもほむらは?あいつも一緒にいただろ?」

「ほむらも気を失ってたぞ。まあ、頭振ったら起きたけどな。ホラ、そこにいる」
士はカードを眺めながら親指で後ろにある窓の方を指す。そこにはほむらが居て、外を眺めていた。
桜夜
「アナザードライブは?どうだった?」
ウォズ
「契約者すら分からず仕舞いだ。だが、今はそれを気にしているどころではないよ」
桜夜
「どういうこと?」
さやか
「アンタ、その怪我で戦うつもり?変身しただけで倒れるよ」
桜夜
「そっか…でも、士のカメンライドで倒せば」

「それは無理だ」
桜夜の考えはすぐに否定された。

「どういう訳か知らないが、お前が取り戻したウォッチのライダーのカードしか使えなくてな」
士は手に持っていた5枚のカードを桜夜に見せてきた。ディケイドが使うライダーカードは表に仮面ライダーが描かれている。5枚のカードのうち3枚、キバ、ビルド、カブトはしっかりと描かれていたが、他の2枚は仮面ライダーが白黒になっていた。

「だから、俺じゃアナザードライブを倒せない」
桜夜
「じゃあ、一体誰が倒すんだよ…」

次回予告
マミ
「魔法少女?何それ、アニメ?」
???
「追跡、撲滅、いずれも…マッハ!」

「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!」
ゲイツ
「ひとっ走り付き合いなさい!」

次回 ゲイツ、参戦
全てを破壊し、全てを繋げ!