二次創作小説(新・総合)
- 1話ー2 ( No.3 )
- 日時: 2019/09/24 18:47
- 名前: 天爛大輪愛 (ID: ODwEOXCF)
2018年3月。この時から、異変は既に始まってたんだ__
__1-2教室
「・・・・常盤さん」
旧担任があきれ返ったような声色で、進路指導関係のプリントをパサッと机に置いた。
「常盤さんのおじい様も何かおっしゃってください!あまりにも無謀ですよ、この希望進路!」
そう、ツナグが学年末に記入した希望進路の用紙・・・・そこに書いてあることを、祖父・常盤順一郎が読み上げる。
「1・女王様、2・女王様、3・女王様・・・・と。」
そして、続けてこうとも言った。
「__いいんじゃないですか?」
「はぃ?」
「おじいちゃん!」
目を輝かせ、ほらやっぱり大丈夫じゃん!とばかりにブンブンと頷くツナグをよそに、旧担任は目を点にする。そんな旧担任を優しさのこもった目で見つめながら順一郎は微笑む。
「夢があるのはいいことですよ先生。この子の はとこ も似たような夢を持っていましたが、真っすぐ育ってくれました」
それを聞いて、ツナグはしたり顔だ。
「ほらぁ先生、問題ないじゃないですかー!だーかーらー・・・・」
鼻を鳴らす。
「私は中卒でいいでーす!これで女王様まっしぐら!いっえーい!」
「へっ・・・・」
予想以上の能天気ぶりにさすがの順一郎も旧担任とともにあっけにとられた。
「・・・・ツナグちゃん、勉強は、しておいたほうがいいよ。もっと賢い女王様になれるからね」
「ふーん、そーなんだ!じゃ、それでいいやっ」
そして、椅子から勢いよく立ち上がるとツナグは、右腕を突き上げ高らかに宣言した。
「とにかく!女王様に、私はなるっ!!」
この少女の行く末が非常に不安になった旧担任であった・・・・。
__スペースタイム学院中等部への通学路にて 2年生・始業式の日
素晴らしい春の陽気にツナグが鼻歌を歌って自転車を押していると、柔道部のお節介男子が声をかけてきた。
「おいっ」
「ん?」
きょとん顔で振り向いたツナグに、半ばあきれつつお節介男子は続ける。
「ん、じゃねぇよ。おいおい常盤、聞いたぜ進路指導の話。お前、ほんっとに女王様になるなんて言ったんだって?」
きょとん顔を保ったまま、ふんふんとツナグは頷く。
「私、女王様になるー(裏声) なんて、今時こどもでも言わねぇぞ?」
ゆっくりとお節介男子はツナグから自転車を取り上げ脇によけている間、戸惑いながらツナグは呟く。
「真面目に考えて、女王様・・・・しかない、と思っ、ているん、だけ・・・・ど」
__ガシィッ!
「・・・・何?」
ツナグの袖をつかんだ彼は・・・・
「目ぇ覚ましてやる」
「っ!?」
あろうことかツナグを背負い投げした!
「ぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
派手な音を立ててツナグはコンクリの地面にたたきつけられる。
「ぃつつつつつつ・・・・」
腰あたりをさするツナグに、ほらっと彼は手を差し伸べる。彼は目を覚ましてやったつもりらしいが、もともとツナグはこれが正気だ。その証拠にツナグは全くブレずにこう言った。
「でも、今の技エクセレント。王室のSPは、君に決めたっ!」
それを聞いて彼は、すんごく苦い顔で差し伸べた手を払い、仲間に「行くぞ」と声をかけ去っていった・・・・
ぁいってって・・・・とゆっくり立ち上がり自転車にまたがろうとしたツナグは、サドル部分に何かがあることに気づく。
「・・・・何これ?仮面ライダーのあの果物の錠前みたいなやつ・・・・とはちょっと違う?」
恐る恐る手に取ってみると、それは淡い光を放ち無地のメダルのようなものに変わった。
特に驚くこともなくしばらく首を傾げたあとツナグは、メダルらしきものをスカートのポケットに入れ、「帰りに交番に届けよっと♪」と意気揚々と学校に向かっていった。
__その後ろ姿を見つめる、赤い『ろぼ』の存在にも気づかずに・・・・