二次創作小説(新・総合)

Re: ざくざくアクターズZ! ( No.34 )
日時: 2017/10/30 10:55
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: Yv1mgiz3)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

~王国図書館~

「うんああああああああ!!!!!」

ハグレ王国にたくっちスノーの叫び声が響き渡る

【『好き』と『嫌い』を取り戻せ】

そうローズマリーに言われて早くも3日が建った。

たくっちスノーはリアルワールドから持ってきた高校のレポートのおかげで無事に嫌いの感情が芽生えつつあったのだ

たくっちスノー
「うああああ!!分かんねぇ!!数学とかマジわかんねぇ!!英語はマジ読めねぇ!!」

ヅッチー
「ちょっとうるさいんだけどー」

この状況を良く思っていなかったのは、同じくハグレ王国に留学、つまり勉強しに滞在しているヅッチーだった。

たくっちスノーが感情を学ぶのは構わないことだが、それで叫ばれているのではうるさくてたまったものじゃない、ヅッチーはそう考えていた。


たくっちスノー
「分かんねぇ!!国語総合も!家庭基礎も!科学と人間生活も!体育も!世界史Aも!レポートの答えは大体教科書に載ってるのに!!コミュニケーション英語と数学Aの答えが教科書に載ってねえええええ!」

ヅッチー
(計算問題の答えが教科書にのってるわけないだろ... )

たくっちスノー
「大体よぉ!?方程式とかいつ使うんだよ!?英語は昔駅で外国人に話しかけられたから必要だけど、計算なんて割り算までが出来りゃ特に必要としねーだろうがよぉ!!」

たくっちスノーの声がどんどん涙声に、より荒くなっていく、それをヅッチーはうっとおしいなーって顔をしながらじっと見ていた。

ヅッチー
「そんなに嫌ならやらなきゃいいのに」

たくっちスノー
「そういうわけにはいかないんだよ!高校生にはな!必修科目っていって必ずやらなくちゃいけない単位があるんだ!この数学と英語はそれに含まれてんだよ!あああああああ!!!絶対卒業出来ねぇえええええ!!」ダンダンダン

たくっちスノーの動きは段々エスカレートし、やがて壁に頭を打ち付けるほどになった

たくっちスノー
「誰だあああああ!?数学なんて誰が作りやがった!?出てこい!ぶっ殺してやる!数学を作った奴も!数学を学校の教科に入れやがったやつも皆裁いてやる!リアルワールドから数学を消してやるぅぅぅぅぅ!!」

ヅッチー
(うわー、前のめんどくさいあいつに戻っちまった)

自慢ではないのだが、彼は勉強をしたことがなかった。

否、彼は前にも言ったが感想を書けない、つまり自分で深く考えることの出来ない人間。

勉強をやろうと思っても、何をすれば良いのか分からなかったのだ

そんなわけで、基本教科書を見て写すだけでやりきってきたたくっちスノーが、ここにきて壁にハマったというわけだ...ということをヅッチーに話したら呆れられてしまった

ヅッチー
「やっぱローズマリーの言った通り、自分自身の考えが浅いからこんなことになるんだよ」

たくっちスノー
「浅い...か、そういえばこの高校も絶対ここ行きたいって思った訳じゃなかったな、たまたま目に映ったのがその高校のパンフレットってだけで....」

ヅッチー
「ほら見ろ!そういう所がお前の治すべきところってローズマリーから言われてるだろ?」

たくっちスノー
「....はぁ」

まさか王さまとはいえ自分よりずっと年下の子供に論されるとは思わなかった...たくっちスノーはそう考えていた

たくっちスノー
「流石に悩みすぎた、頭冷やしてくる」

たくっちスノーは重い足取りで図書館を後にする...

ヅッチー
「ちょっ、おーい!これ片付けていけって!」

今のたくっちスノーにはヅッチーの声すら届いてなかった

『このままでは自分もロストメイドウィンのようになる』

その事で頭が一杯だったのだ

.....

公園でたくっちスノーは一人、ふらふらとアテもなく歩いていた

たくっちスノー
「はぁ...ダメだダメだ、考えても全然答えが出てこねぇ、後で捨てるか。」

『たくっちスノーさん』

聞き覚えのある声が遠くからする

とても大きいシルエット、見覚えのある鈍器、間違いない....

たくっちスノー
「かなちゃん...様...」

かなづち大明神だいみょうしん

通称、『かなちゃん』

身長は高い方と自負するたくっちスノー(170㎝ほど)より遥かに大きい体格と、妖精特有の金色の髪を持つ妖精の神。

かなちゃん
「その調子だと、心の勉強は順調みたいですね」

たくっちスノー
「まぁ、はい、それ以外の勉強はダメダメっすけど...はは」

かなちゃん
「....ふふっ」

たくっちスノーは普段見せない態度を取りながら、ゆっくりとベンチに座り、かなちゃんと話す。

何を隠そう、彼は彼女に恋心を抱いているのだ。

...最初、出会ったときには単なるキャラ付けの設定に過ぎなかった、どうして彼女が好きになったのか、どこを気に入ったのか分からなかった。

それはたくっちスノーにも、かなちゃんにも分かっていた。

たくっちスノーは決めた。

『かなちゃん様の素敵なところを絶対に見つけて、本気で好きになってやる』と


かなちゃん
「そうそう、もうすぐ昼食の時間ですのでお早めに拠点に戻ってくださいね。」

たくっちスノー
「あ、いえ、自分一人で食べますんで....」

かなちゃん
「そうですか、では。」

かなちゃんは重い足音を立てながら公園から去っていく、すれ違うように、別の人がたくっちスノーに会いに来た...ミルラだ。


ミルラ
「あの、たくっちスノーさん、お昼...」

たくっちスノー
「さっき聞いた」

ミルラ
「あっ、そうですか....」

たくっちスノー
「あっ、ちょっと待って」

しょんぼりした顔をして去っていくミルラを、思わずたくっちスノーは引き留めた

たくっちスノー
「ミルラ氏...ね、君はさ、自分同様リアルワールドに分身を残している存在だ、ルイージ氏やルルミー氏もそうだけどさ」

ミルラ
「は、はぁ...」

たくっちスノー
「君ってさ、リアルでボーイフレンドとかいたことある?」

ミルラ
「え?」

突然の質問にミルラは固まる、過激な反応をさせないようにたくっちスノーが追及する

たくっちスノー
「あんま気にしないで、ちょっと気になっただけさ、それにほら、自分ってリアルワールドじゃいわゆる陰キャだし、一度女をからかってみたかったのさ」

ミルラ
「は、はぁ...どうですかね。」

たくっちスノー
「つまり秘密って訳ね」

ミルラ
「たくっちスノーさんは好きな人っているんですか?」

たくっちスノー
「女を異性的に好きになったことは一度もない」

ミルラ
「え?」

たくっちスノー
「小学生の頃はからかってくる女は居たし、好みのキャラクターも居たけどさ、ほら自分って好き嫌いが無いじゃない?なーにを好きになったのか分かんないから『俺の嫁』的な奴は一人もいない」

ミルラ
「へぇ...よく分かんないです」

たくっちスノー
「だろうね、リアルワールドの事を君が知ってるはずもないか。」



たくっちスノー
「でも自分は今、何かを好きになろうと必死に努力してるんだ。」

たくっちスノーはベンチから立ち上がり、女性の顔付きでニカッと笑った



たくっちスノー
「だってさ、二次創作作家なら本当に好きだと思った作品を書いてナンボなんだよ?」

Re: ざくざくアクターズZ! ( No.35 )
日時: 2017/10/30 11:54
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: Yv1mgiz3)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no


たくっちスノー
「あーやっぱインスタント食品が一番うめぇ...」

リアルワールドから取り寄せたカップ焼きそばをすすりながら、たくっちスノーは図書館でレポートの続きをやっていた。

ヅッチー
「たくっちスノーってさ、もう17なんでしょ?料理出来ないの?」

たくっちスノー
「小さい頃小刀で指切って以来刃物を持ちたくなくなったんだ...だから自分はインスタントとコンビニ弁当だけで生きていくんだ!」

ヅッチー
「ふーん....」

たくっちスノー
「良いよなぁ妖精は、義務教育を受けなくていいからさ」

ヅッチー
「お前、私に喧嘩売ってるのか?もしそうなら私はわざわざハグレ王国まで留学なんてしないよ」

たくっちスノー
「そもそも王様が国空けてんじゃねーよって話なんですがねぇ」

ヅッチー
「それに関しては触れないでくれ」

痛いところを突かれて横目になるヅッチーに、さっきのお返しと言わんばかりの表情で機嫌になったたくっちスノーはそのままレポートを投げ捨てた


たくっちスノー
「そういえばさ、かなちゃんも一応そちらの王国の国民なんだよね」

ヅッチー
「ああそうだな、一度追い出したこともあったが」

たくっちスノー
「えー?なんで追い出したの?あんないい人なのに」

ヅッチー
「お前こそ、なんでそんなにかなちゃんが好きなんだよ、確かにいい人だけどさ、恋人にするかって言われるとえー?じゃん」

この疑問はたくっちスノーもヅッチーも正しかった。

かなちゃんは礼儀正しく、真面目な性格をしているのだが、その反面セクハラが酷く、女性陣が多いのも相まってかなちゃんの評価はハグレ王国でも賛否両論だったのだ。

『恋は盲目』とはよく言ったものだろう。

かなちゃん
「ヅッチー、プリシラが呼んで..おや、たくっちスノーさんもいたんですか」

たくっちスノー
「あっ、かなちゃん様...」

ヅッチー
「おお、噂をすればなんとやら」

かなちゃん
「そうそうたくっちスノーさん、明日暇ですか?」

たくっちスノー
「え、明日どころか基本ずっと暇ですけど」

かなちゃん
「そうですか、もし良ければ明日一緒に帝都にでも行きませんか?」

たくっちスノー
「へ、帝都にですか?」


...帝都、商業農業魔業、あらゆる分野において経理を独占している大きな都市、リアルワールドで言うところの名古屋のような場所だ。

かなちゃん
「...あ、嫌なら別に構わないのですよ?聞いてみただけで」

たくっちスノー
「あ、いえ!!ぜひご一緒に!!」

かなちゃん
「そうですか、ふふ、ヅッチーもプリシラに早めに会いに行ってやりなさいよ」

ヅッチー
「わ、分かった」

....かなちゃんが去ったあと、図書館は静まり返った


たくっちスノー
「ヅッチー、これってさ....アレだね?」

ヅッチー
「うん....多分、お誘い...だね、アレの」

たくっちスノー
「......うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

ヅッチー
「うるせぇ!」

図書館に再び絶叫が響き渡る、ただし今度は嬉しい悲鳴であるが。

たくっちスノー
「うおおおおお!!かなちゃん様から!!かなちゃん様からデートのお誘いだ!!」

ヅッチー
「落ち着けって!まだそうと決まった訳じゃないだろ!」

たくっちスノー
「はっ、そうだ夢かもしれない、ヅッチー自分に攻撃して」

ヅッチー
「分かった、全力でやる」


その直後、堪忍袋の緒が切れたヅッチーの雷鳴が、たくっちスノーを襲った

Re: ざくざくアクターズZ! ( No.36 )
日時: 2017/10/30 13:48
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: Yv1mgiz3)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

愛するかなちゃん様からのお誘い

たくっちスノーは夜になってもその事で頭がいっぱいだった。

たくっちスノー
「へへへ....」

野獣先輩
「今日のあいつなんかキモくないっすか?」

Sonic.exe
「気持ち悪いというより不気味だな」

たくっちスノー
「知りたいか?なんで自分がご機嫌か知りたいか?ふふふ」

二人
「「全然」」

たくっちスノー
「君達もさぁ、彼女とか作った方がいいよ!フッフゥー!」

二人
(くっそうぜぇ...)

このときのたくっちスノーは完全に調子に乗っていた。

調子に乗ったたくっちスノーほど、面倒なものはない...exeと田所はそう感じていた。


野獣先輩
「でもさ、不思議っすよね」

Sonic.exe
「何がだ?」

野獣先輩
「運動祭とhelp-END事件であいつと大明神は戦い、どちらも大明神にスダボロにされた...よくそんな奴を愛せますね、互いに」

Sonic.exe
「まぁ、あいつ一応作者だからな...好感度の調節なんて容易なんだろ。」

野獣先輩
「まぁそうっすね、あいつのダメっぷりは本来なら生きていけないほどっすからね」

そして翌日、帝都にて。

たくっちスノー
「かなちゃん様どこかなー」

かなちゃん
「おーい、たくっちスノーさん、こっちですよー」

帝都の噴水で大きな物...かなちゃんが手を降っていた、たくっちスノーは急いでかなちゃんの元へ駆け出した

たくっちスノー
「すいません、待ちました?」

かなちゃん
「いえ、それほど...いつもと変わらないんですね、服。」

たくっちスノー
「まあ自分にはボディチェンジがありますからね、来る前に使っても意味ありませんし」

かなちゃん
「ああそうでしたね、まずどこいきます?」

たくっちスノー
「そうっすね...」

「...あっ!会うとは思っていたが!」

たくっちスノー
「なぬっ!?」

聞き覚えのある声を聞き、たくっちスノーは思わず後ろを振り向く、

そこにいたのは、昨日まで一緒に勉強をしていたヅッチーだった。

たくっちスノー
「お前、なんでここに...」

ヅッチー
「ああ大丈夫!別に私はお前の邪魔をしにきたわけじゃないんだ、な、プリシラ?」

プリシラ
「ええ...」

たくっちスノー
「...えっ、そいつがプリシラ!?」

ヅッチーを手を繋いでいる女性が例のプリシラと気付いた。

妖精王国参謀プリシラ。

たくっちスノーはよくプリシラの姿を目撃していたが、彼女はヅッチー含む他の妖精と違い、成長しきった大人の姿をしていたので、彼女が妖精だと思っていなかったのだ。

....よく見るとプリシラの背中にも、妖精特有の羽が付いていた。

プリシラ
「私もヅッチーと帝都に来たわけです」

たくっちスノー
「ふーんそっか、てっきりヅッチーが『そっち系』かと思っていたんだがな」

そんな冗談を口にしたとき、たくっちスノーの首筋に冷たい剣の感触がした...プリシラが剣を向けていた。

プリシラ
「貴方が何をしようと勝手ですが、うちのヅッチーに変なことを覚えさせるのはやめてくれませんか?」

たくっちスノー
「わ、分かったよ...ちょっとしたジョークのつもりだったのに」

プリシラ
「じゃあかなちゃん、またね」

かなちゃん
「はい」

プリシラは剣を降ろすと、ヅッチーの手を握り別のところへと去っていった


たくっちスノー
「あー怖かった....」

かなちゃん
「じゃ、私たちも行きましょうか」

たくっちスノー
「あ、はい!」

プリシラと違い、たくっちスノーは手を握らなかった。


三次元で女と手を繋いだこともないのにこんなことをしても空しいと分かっていたからだ。


そして一方、たくっちスノーの遥か後ろでは、二人組が彼の事を見張っていた

野獣先輩
「なんか俺らストーカーみたいっすね...」

Sonic.exe
「黙れ、Tに気付かれたらどうする?いいか、あいつが女とデートなんてそんな虫の良い話があるはずがない、何かどんでん返しがあるはずだ、いや無いとおかしい」

野獣先輩
「そりゃそうだけどさぁ、何もわざわざ見張らなくたって」

Sonic.exe
「何を言っている?そんなあいつを大笑いしてやるためにこうやって後を付けているんだ、応援しにきたわけではない」

野獣先輩
「exe、あんた本当に良い性格してるよなぁ」

Re: ざくざくアクターズZ! ( No.37 )
日時: 2017/10/30 21:05
名前: mirura@ (ID: AKTQy3ZK)

どーもですー!
「恋心」って書いてた所から、かなちゃんさんの事かな〜って思ってましたが、
まさか恋愛事をそっちの私に聞くとは思ってなかったですね・・・・

ボーイフレンド?
・・・・・・・・・・・
いませんよ?
何せ恋愛に興味すら持った時ないですからね・・・・
クラスの子が恋愛話を振って来た時も、
「恋愛?何それおいしいの?」って顔しますよ?

たくっちスノーさんの恋は応援します!
そっちの私!たくっちスノーさんを応援して下さいよー!

更新、頑張って下さい!
では!

Re: ざくざくアクターズZ! ( No.38 )
日時: 2017/10/30 21:36
名前: トクマ (ID: tDpHMXZT)

 どうもトクマです。

 おぉ、たくっちスノーさんの恋心とは思わずニヨニヨしちゃいそうな感じですね。こちらも本編でやりましたけどどっちかと言うとサンドリヨンの精神安定が目的だったからノーカン……

 ……さて、おふざけはここまでにして真剣に話すと自分は好きや嫌いには必ずしも理由があると思います。それが恋愛になると難しくなりますね……マンガでよく見る『好きなことに理由なんてねぇ!』っていうセリフは自分は嫌いです。

 だって、大切なモノだからこそ否定されても、好きで好きで譲れないんですよ? それって本当に凄い事じゃないですか。中身もないスッカスカな言葉よりかも立派です。

 影ながら見守りますぜ。それでは!!

Re: ざくざくアクターズZ! ( No.39 )
日時: 2017/10/30 21:58
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

おおコメントが

Miruraさん

たくっちスノー
「設定上リアルワールド...三次元の話題を出せるのは自分くらいだからなぁ...なんかすまんね」

メイドウィン
「まぁ、三次元人自体珍しいし?」

ロストメイドウィン
「マイトガインみたいな表記のしかたやめろ」

...
メイドウィン
「ねぇたくっちスノー、クラスの子に恋愛話ふっかけられたことある?」

たくっちスノー
「中学でそういう話はなかったかなぁ、今の高校は通信制っていう特殊な奴だから話す相手がいないし」

ロストメイドウィン
「ぼっちを高校のせいにするな」

たくっちスノー
「すいませんでした」


トクマさん

メイドウィン
「え、そうかなぁ、だってあのたくっちスノーだし」

たくっちスノー
「あのとか付けんな!数多くいるメイドウィンとはいっても、カキコ作者系を除けば全て自分に収束するんだぞ!?」

ロストメイドウィン
「理由...か、特に好きな理由も浮かばず作品をなんとなく愛してた俺達は...」

たくっちスノー
「改めて気付くと、心が空っぽになったみたいでさ...自分も、ある意味ハグレに近いんだなぁって...」

メイドウィン
「好きな理由なんてこれから探せば良いじゃないか、個性はたくさんあるんだから」

コメント感謝です!

Re: ざくざくアクターズZ! ( No.40 )
日時: 2017/10/30 23:34
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

たくっちスノー
「自分、愛するかなちゃんの為ならなんだってやりますから」

かなちゃん
「そうですか。」

たくっちスノーの発言に、かなちゃんは苦笑いする

普通の男性ならよくある口説き文句で終わるのだが、たくっちスノーの場合本当になんでも出来るし、今の彼ならなんでもやりかねないのだ。

~回想~

もし..

男性
「ちょwなにあのデカいのwwwキモいんですけどwwww」

なんてギャル男の発言が聞こえてくるなら

たくっちスノー
「....カブト」

【clock up】

たくっちスノー
「は?かなちゃん様はむちむちボディーなんですが?死ね」ズダダダッズドドドド

【clock over】

男性
「あべばっ!!」

カブトの設定を使い、男をグチャグチャの肉片へと変える

たくっちスノー
「よし」

~回想終わり~


...なんて事が普通に起こりかねないのだ

これは決してオーバーな表現ではない、かつて二度も彼と死闘を繰り広げた彼女だからこそ、こういった部分を心配しているのだ。

かなちゃん
「あのー...アイスでも食べませんか?」

たくっちスノー
「ん、アイスですか?簡単な奴ならその場で作りますけど...」

かなちゃん
「...あ、あー!!私あのアイス食べたいなーって!!」

かなちゃんは慌ててアイス屋に指を指す。
危なかった、たくっちスノーはアイス程度なら簡単に簡単に作れるんだった、氷魔法のアイスなんて洒落た事もしてくるかもしれないが、今のかなちゃんはそれどころじゃなかったのだ。

たくっちスノー
「...ああ、なるほど、自分買ってきますんで待っててください。」

かなちゃん
「ええ...」

たくっちスノーはアイス屋へと駆け出していく、その姿を見て、かなちゃんは安堵した。

かなちゃん
「ふぅ...改めて感じると、とんでもないのに惚れられましたねぇ」

たくっちスノー
「お待たせ!」

かなちゃん
「はっや!!」

たくっちスノー
「よくよく考えればストップ・ザ・タイムとか『世界ザ・ワールド』とか時間停止系あるの忘れてました...あ!ちゃんとお代は置いてきたので心配しないでください、はい。」

たくっちスノーはニカッと笑いながら赤色のアイス棒をかなちゃんに差し出す

かなちゃんは知っているのだ。

たくっちスノーがニカッと笑っているときは、キャラ付けの為の作り笑い、つまり心からの笑顔ではないことを。

かなちゃん
「...あれ?このアイス棒、一本しかありませんけど?」

たくっちスノー
「時間止めて先に食べました!」

かなちゃん
「...まぁ、そういうことにしておきますね」

たくっちスノー
「はいー♪」


Sonic.exe
「あいつにこれといった動きなし」

野獣先輩
「戦い以外で設定を使ったの初めてじゃないっすか?」

Sonic.exe
「...そういえばそうか、もっと観察だ。」

野獣先輩
「オッスオッス!」

...
アイスを食べ終わり、公園で一息付くことになったが.....

かなちゃん
「あのーたくっちスノーさん?確かに私、自分の重さじゃベンチ潰れちゃうなーって冗談で言いましたけど...」

たくっちスノー
「あ、大丈夫です!自分の足、今プロレスの王者バッファローマンなんでちょっとしたことじゃ潰れません!」

どういうことかというと、かなちゃんが座れる場所が無かったため、たくっちスノーが椅子になっているのだ

かなちゃん
「変な性癖目覚められても困るんですけどね...」

たくっちスノー
「あ、心配ありません!自分女性同士の絡みが好きってこと以外はノーマルなんで!」

かなちゃん
「なにが心配ありませんですかぁ!?」

ヅッチー
「あ、かなちゃん何してるの?罰ゲーム?」

たくっちスノー
「罰ゲーム違う、自分かなちゃん様の椅子!」

プリシラ
「....はぁ、かなちゃん、私たちそろそろ昼食にしようと思ってるんですが、一緒にどうですか?」

かなちゃん
「構いませんよ、たくっちスノーさんはどうです?」

たくっちスノー
「ああ...メイドウィンは、朝昼晩の食事は決められたものを食べないといけないんだ、だから無理だ」

ヅッチー
「...そうなのか、大変な仕事なんだなメイドウィンって」

たくっちスノー
「まぁね」

プリシラ
「では、後で呼びにいきますね。」

たくっちスノー
「あいあいさー」

たくっちスノーはニカッと作り笑いをしながら、ベンチに座り渦を作り出す。

たくっちスノー
「...今日のメニューはドライカレーかぁ」

メイドウィンは決められたものしか食べられない....例えば、和食しか食べることを許されないメイドウィンや、たくっちスノーのようにインスタント食品ならなんでもいいと自由が効くメイドウィンもいた

たくっちスノー
「....はぁ。」

思わず素でため息が出てしまうたくっちスノーに、ずっと隠れていたexeが、偶然を装って現れた。

Sonic.exe
「よう、デートは順調かな?」

たくっちスノー
「exe...お前の事だから自分の失恋を予想して大笑いしにでも来たんだろ?」

Sonic.exe
「俺をスカウトしただけあって、そういうことはよく分かってらっしゃる」

たくっちスノー
「お前はそういう奴だからな...」

同じ神でも、接し方が違う。
exeは、破壊と殺戮のマガイモノでそっけなく扱いながらも気が合う悪友のようなものだった。

Sonic.exe
「お前があそこまで惚れ込んでる姿を見るのは初めてだ。」

たくっちスノー
「そっか、ありがとう。」

Sonic.exe
「いや、こちらとしてもお前の能力を自分の事以外に使ってもらいたいと思ってたからな....ところで、結婚とか考えているか?」

たくっちスノー
「結婚?」

Sonic.exe
「...そう、結婚、愛の終着点ラストシーンだ、愛しているのならそういうことも視野に考えて...」

たくっちスノー
「...結婚はしないかな」

Sonic.exe
「WaT!?」

たくっちスノー
「あ、もちろん理由はあるんだよ、聞いてほしい。」

Sonic.exe
「ま、待て...ここだとマズい、場所を変えるぞ」

Sonic.exeに腕を引っ張られ、たくっちスノーは帝都から離れていく


その姿を、かなちゃんは見ていたが、付いていこうという気にはなれなかった...

~海~

海、帝都から遠く離れたところ、隠し事をするにはもってこいの場所だった。


Sonic.exe
「理由とやらを聞かせてみろ、無責任な事言い出したらお前の内蔵を食ってやるからな」

たくっちスノー
「あー、分かったよ...理由は沢山ある」

たくっちスノーは砂浜の砂をなぞり、メモりながら答えていく。


たくっちスノー
「...一つ!メイドウィンは指定された物以外の食事をオヤツ以外認めておらず、かなちゃん様の手料理は食べられない」

たくっちスノー
「...二つ!かなちゃん様はセクハラ持ちだ、男性より女性が好きだろう...一応ボディチェンジは出来るがそれはかなちゃん様の為にはならない。」

たくっちスノー
「三つ!自分は誰でも出来ることしか出来ない!家事も仕事もてんでダメだ、これはまだどうにかなるかもしれないが...」


たくっちスノー
「...と、まぁこんなもんだ、どうだ?」

たくっちスノーはexeの顔を見る、exeは納得しきれない顔をしていた...

たくっちスノー
「...しょうがないか、これはあまり言いたくなったんだけど、四つ目!」





『メイドウィンは作品に深く関わることを禁止している』


exeはそれを聞いてはっとする...これはメイドウィンが一番守らなくてはならないことだ。



たくっちスノー
「かなちゃん様はさ、いい女だよ。」

たくっちスノー
「触れると暖かいし、優しいし、セクハラはするけど加減はするし、面倒見はいいし、いざというとき頼もしいし...後、声が綺麗。」

Sonic.exe
「.....」

たくっちスノー
「どうかな?これでも理由考えた方なんだよ?」

たくっちスノーはニカッと作り笑いをする...しかし、その表情は今にも崩れそうだった、笑顔を作るのが必死だった。

たくっちスノー
「でもね、だけどね、どんなに自分がかなちゃん様が大好きでも、もしも仮にかなちゃん様が自分を愛していたとしても」


『ダメなんだ。』

『だって自分は、この世界ざくざくアクターズのキャラクターじゃないから』

『自分は偽物マガイモノ、本来存在しない異形の怪物。』

『でも...結婚は出来なくても、デートの真似事ぐらいなら、黒影も許してくれるよな?』

Sonic.exeは....何も言えなかった。


彼らはマガイモノであり、全く別の世界の存在。

彼の恋は、『この世界の住民ではない』という単純な理由でいずれ打ち砕かれる。

たくっちスノーは夢を見ようとしている、

必死に普通の人間と同じ事をしようとしている。

だが、それは不可能、夢というのは、いずれ覚めてしまう物なのだから。

それはかつてexeが宗教で唱えていた、『物事はいずれ終わりを迎える』を表していた....

たくっちスノー
「...なぁ、exe、この事、かなちゃん様に伝えたら、逆にお前の内蔵を抜き取ってやるからな」

Sonic.exe
「...ああ、分かった。」

たくっちスノー
「...じゃ、自分かなちゃん様の所戻るから、そろそろ食べ終わる頃だろうし」

Sonic.exe
「...待ってくれ、お前が昨日食べていたインスタント食品、食わせてくれないか?」

たくっちスノー
「え?三平くんを?別に構わんけどさ...」

たくっちスノーはカップ焼きそばをSonic.exeに渡すと、ワープで帝都へ戻っていった。



exeは浜辺で一人、海を見ながらカップ焼きそばを食べた。


初めて食べた焼きそばは、何故かは分からないが、目の前の海水のようなしょっぱい味がした。

Re: ざくざくアクターズZ! ( No.41 )
日時: 2017/10/31 09:26
名前: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

たくっちスノー
「....ただいま。」

かなちゃん
「あら、用事は済みましたか?」

たくっちスノー
「はい...ねぇ、かなちゃん様。」

かなちゃん
「ん?」

たくっちスノー
「しつこいかもしれませんが、かなちゃん様が喜んでくれるなら、自分はなんだってやりますから。」

かなちゃん
「...ええ、貴方は本当になんでもやる方です、だからこそ危険でもあるんです。」

たくっちスノー
「はい...自分はまだ『恋心』というものをよく掴めてないので不器用な返答になりますが...」

たくっちスノー
「貴方が望むなら、自分は何でも貴方に与えます、貴方の望むことを設定を振り絞り成功させます」

たくっちスノー
「そういう事は頼まないと分かっていますが、特定の人物を消したり、世界征服なんかも不可能ではありません」

かなちゃん
「貴方の場合、本当に可能ですからねぇ...」

たくっちスノー
「...あと!この姿が不満ならボディチェンジをもっと鍛えます!最終的には24時間なれるぐらいまで努力してますんで!」

たくっちスノー
「貴方のお気に入りのエステルでも、なんでも、かなちゃん様が望むのであれば貴方好みの女にだってなってやります。」


たくっちスノー
「これが恋心...とは違うなーって分かってますけど、これが今の自分の精一杯の気持ちです」

かなちゃん
「...そうですか、成長しましたね、少しは。」

たくっちスノー
「なら、良いですが...」

たくっちスノーは笑顔を見せる。

その顔はニカッと笑う作り笑いではなく、自然に出た本物の笑顔だった。


たくっちスノー
「.....ああ、そうだかなちゃん様、約束してください。」

かなちゃん
「約束?」


たくっちスノー
「....自分を二度殺した貴方はご存知ですが、元々自分は時空を乱した者、元犯罪者です、恨みを持つような相手が、いずれこの世界にやってくる。」

かなちゃん
「ああ、そんな気はしていました...ほら、私って異世界の情報を妖精に伝えるために生まれましたし」

たくっちスノー
「ですので、もし自分の事を聞かれたら無関係と答えてほしいんです、自分のケジメに貴方を巻き込みたくないので」

かなちゃん
「....分かりました。」

こうして、たくっちスノーと大明神に、1つの大きな約束が出来た。

前のたくっちスノーであれば、こんなことはしなかっただろう。

かなちゃん
「で、次どこいきます?」

たくっちスノー
「え、まだどこか行くんですか?」

かなちゃん
「ええそりゃもう、だってまだ15時ですよ?」

たくっちスノー
「それもそうっすね...帝都って何あるのかなぁ...」


たくっちスノーとかなちゃんは再び歩き始める。

相変わらず手は繋がないが。


そして後方では、焼きそばを食べ終えたexeが田所の元へと帰って来た。


野獣先輩
「遅かったっすね...」

Sonic.exe
「....ああ。」

野獣先輩
「どうだったかゾ?」

Sonic.exe
「...この話は墓場まで持っていくと決めた」

野獣先輩
「いや墓場って、あんた死なないやん」

Sonic.exe
「今日はもう撤収だ、何でも屋の仕事を確認するぞ」

野獣先輩
「えっちょ、待てってオイ!」

モデル元が音速ハリネズミなだけあって、exeの全速力はかなり早い、田所はそれを追いかけるのに必死だった。


この後デートがどうなったか、誰もわからない。



かなちゃんは約束を守り続ける


exeは約束を隠し続ける。


いずれ終わるたくっちスノーの『恋愛』を、無事に終わらせるために。

だが少なくとも、彼が『好き』を理解するのにはまだまだ時間が掛かりそうだ