二次創作小説(新・総合)
- Re: 戦闘中~地球を守れ~【作者応募】 ( No.14 )
- 日時: 2020/01/08 16:34
- 名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)
地獄の最下層に存在する地獄監獄にジャドウ=グレイは足を踏み入れた。監獄に収容されているのは少女が2人だけだ。ジャドウは冷たい眼で1人の少女を一瞥した。桃色の髪に大きな瞳、整った顔立ちの少女は監獄の頂点に君臨するジャドウにコルセットの裾をつまみ、優雅に一礼。
「シャドウ様、お久しぶりですわね」
「ムース=パスティスよ。牢獄を出たいか」
ムースと呼ばれた少女は彼の問いに目を潤ませて頷いた。
「勿論ですわ。美琴様がわたくしが自由になるのを待っていますもの。あの方に一日でも早くお会いしたいですわ」
「お前の願い、吾輩が叶えてやっても良いぞ」
「本当ですの!?」
「但し、吾輩の出す条件をクリアできたらの話だが」
「外に出る為なら何でも致しますわ」
「では、条件を言おう。スター流の反逆者を始末せよ。
さすれば、お前を完全に自由の身にしてやる」
「ヘッ……お前さんがお出ましとは参ったね」
ロディは天を仰ぎ、嘆息した。彼の胸元には傘の先端が突きつけられる。
お嬢様風の美少女はにこやかに微笑み、傘の柄を握ると口を開いた。
「ロディ様、蜂の巣になってくださいな」
「ジャドウの野郎の差し金か」
忌々しく呟くのと同時に、傘から無数の弾丸が放たれ、ロディの身体を貫通。血が噴き出し、ロディは息絶えるが、傘は弾が尽きるまで攻撃を止めない。暫く後、機能停止した傘をたたんで、西部の保安官の遺品であるテンガロンハットをムースは拾い上げた。そして口角を上げ。
「やはりマシンガンでは面白みに欠けますわね。爆弾でドカンと吹き飛ばした方が苦しみも一瞬で派手だったでしょうか。
ロディ様、あなたの遺品は大切な方に届けますわ。
でも、その前に街を1つほど火の海にすることにしましょう」
スター流史上最悪の少女が野に放たれた。
ロディの始末という依頼を易々と達成した彼女が行く先は――
「プリキュアという美少女戦士達を血達磨にしたら、彼女達の口からどんな悲鳴が飛び出すのか、楽しみですわ。
やはり、カイザー様と美琴様以外のこの世の全ての生き物は平等にわたくしの玩具ですわ♪」
「お主の悪事もそこまででござるッ!」
怒声と共に草むらから現れたのは川村猫衛門だ。斬心刀を引き抜き、今にも斬りかからんと殺気を放出させている。
「ロディ殿は拙者の友。ロディ殿の無念は拙者が晴らすでござる!」
「川村様、相変わらず可愛らしいお姿をしていますわね。そんなに怒らなくても大丈夫ですわよ。川村様とはゆっくり遊んで差し上げますわ」
ムースが指を鳴らすと、周囲の木々から丸鋸が出現し、高速回転をはじめた。
「お望みの部位から切断してあげますわ。両耳? それとも手足ですの?」
「拙者はお主の攻撃で参るような雑魚ではござらぬっ」
跳躍し、斬心刀を振り下ろす。
「華麗米斬り!」
「川村様も進歩のないお方ですわね。わたくしは牢獄にいる間、新技を編み出しましたの」
再度指を鳴らすと、巨大な分銅が川村の頭上から降ってくる。
グシャリと嫌な音が周囲に轟き、分銅の下からは真っ赤な血液が溢れ出す。
「もう終わりですの?」
目をぱちくりするムースだったが、次の瞬間には満足気に笑い。
「ゆっくりはできませんでしたけど、まあいいですわ。お楽しみはプリキュアの皆様側にお任せしますもの」
既に2名を死亡させ、それでも飽き足りないと語るムース。
彼女の目的はただ、一つ、美琴に会うため自由になること。