二次創作小説(新・総合)
- Re: 戦闘中~地球を守れ~【作者応募】 ( No.23 )
- 日時: 2020/01/11 05:22
- 名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)
スターは星野によって津島善子が届けられたことで満足していた。鼻歌をして、彼のコレクション棚に飾る。
「皆、善子ちゃんが来たよ。喜びたまえ」
当然ながら反応はない。ルビィとダイヤの間に善子を配置し、腕を組む。
「うん。やっぱりラブライブの子達はみんな可愛いね。彼女達もろとも地球を破壊するのは惜しい気がしたから星野君に頼んでおいたけど、正解だったね♪」
μ'sとアクア、虹ヶ咲のメンバーはフィギュアにされているが、意識を保っている。言葉を発することも、身体を動かす事もできないが、自分達の状況を把握していた。彼女達の願いはただ1つ。誰か、早く助けに来て――
心の中で祈る。届くかどうかはわからないが、彼女達にはそれしかできなかった。
「おや?」
フィギュアを眺め、ご満悦だったスターだが違和感に気付き首を傾げる。
「おかしい。何か足りない気がする……」
人数を数えると26人。1人いないのだ。
「誰がいないのかな? あっ、そうか。南ことりちゃんがいないのか」
合点していると、ジャドウが部屋の中に入ってきた。陳列されたフィギュア群を見て、彼はスターに訊ねる。
「これはどうされたのですかな」
「よく聞いてくれたねジャドウ君! 星野君に頼んでラブライブの子達とプリキュアを生きたままフィギュアにしてもらったんだよ。でも、ことりちゃんだけがいなくてね。多分、星野君が取り逃がしちゃったんだろうなと思って、今、君に彼女を連れてきて貰おうかなと考えていたところなんだよ」
「お言葉ですが、スター様。これらの人形は全て処分した方がよろしいかと」
「ええっ!?」
残念にも悲しそうにも見えるスターの表情を一瞥し、顎に手を当てるジャドウ。
そして低音を響かせた。
「この人形は奴らそのものです。仮に元に戻った場合、極めて危険な存在になるでしょう。何しろこやつらは全員友情パワーに覚醒しているのですからな」
「大丈夫だよ。元に戻るなんてことは奇跡でも起きない限りあり得ないのだから」
危惧するジャドウとは対極的にスターは楽観的な姿勢を崩さない。
「それに、元の姿に戻ったとしたら私がこの中から何人か選んで弟子にしようと思うんだ。ロディ君と川村君を失ってしまったから、新しい子を育てないとね。これからは美少女達の時代だよ!」
目を輝かせ語るスターに脂汗を浮かべながらも、ジャドウは次なる提案をする。
「南ことりだけは吾輩が始末してもよろしいですかな。何しろ奴は――」
「スター流の鉄の掟を破った」
ジャドウが言い終わる前に、スターが続きを口にした。その口調からはいつもの陽気さは消え、真剣そのものだ。
「一時期とはいえ、私は彼女を指導した実績がある。だから広義の意味では私の弟子ということになり、スター流の掟が適応される。スター流の門弟、その絶対の掟、わかっているよね。ジャドウ君」
「無論。破った者がどのような結末を迎えているのかも全て」
「流石はジャドウ君だ。でも、君が動いたら寂しくなるなあ。最近、不動君も星野君も出ずっぱりなものだから、寂しくてね」
「それでは、南ことりの始末はメープル=ラシックに任せることにしましょう」
「ああ、彼女がいたね。メープルならこれ以上ないほど相応しい」
「メープルを外に出したら南ことりは嫌と言うほど己の愚かさを味わうでしょうな。フフフフフフフフ」